181. 殺人魚フライングキラー
タイトルを見まして、豪華客船が魚に襲われて沈没していく様子が思い浮かび、つい借りてしまいました。キャメロン監督作品だったとは・・・こういう時代を経て現在のキャメロン監督があるのですね。魚を軍用兵器にというとってつけたような話で、何やら陰謀めいた様子をみせながら、少しも話しが膨らむ事無く、人をかみ殺すシーンが適当にあるだけの脚本・映像とも何とも安易な作品でした。 3点(2005-02-14 06:58:49) |
182. 穴(1960)
《ネタバレ》 無実の罪でなく、刑務所内で虐待された訳でもなく、犯した罪を償う責任を果たす事から逃れたいという身勝手な理由で練られた脱獄計画。最初は、あの手この手で知恵を絞って成功にこぎ着けようとするも結局は失敗、その原因は何か?の興味津々で観ていました。五人の知恵とチームワーク、特に砂時計を作る件には唸らされましたし、頭だけでなく力ずくでひたすらに穴をあけ続ける姿に成功させるという強い意志を感じました。あの異常な程の音は彼らの意志を表していました。ガスパールの描かれ方が絶妙で、裏切る、裏切らない、どちらにもとれて、もしかしたら成功するのではと次第に手に汗握って観ていました。鏡に映った光景は思わずアッと口走ってしまった強烈さでした。裏切り行為は情けないといえばそうですが、ガスパールと寝起きを共にしながら察知できなかった己の不明さを棚に上げて、目くそが鼻くそを笑うように感じました。署長もそう思っているのではないでしょうか、彼らより何枚も上手だったようで、やはり最後の一歩を踏むことは難しいようでしたね。 8点(2004-10-20 20:55:26) |
183. 素直な悪女
男なら誰でもいいのかと聞かれて、女もよと答えたのには、ジュリエットならやりかねんなぁと笑ってしまいました。まだ子供なんだから、分別も理性も見境も知性も教養も気品も無く、楽なこと、遊ぶ事、セックスする事にしか脳が働かなくてもおかしくないのでしょう。ただ、子供のくせに美貌と肉体美とふてぶてしさは人並み以上なので男どもはヨロメクのでしょうか。ジュリエットがビンタを四連発くらっていましたが、自分は三兄弟とエリックに「いいかげん、目を覚ませよ」とビンタしてやりたい心境でした。最後のほうの踊りまくっているジュリエットをご覧になった当時の殿方はよろめいておられたのでしょうか。全編に亘ってあほらしと思いながらも分別あるエリック役のクルト・ユルゲンスと純情なミシェル役の若きトランティニャンのお陰で最後まで観賞できました。 6点(2004-08-27 00:12:40) |
184. 暗殺の森
《ネタバレ》 初めて観る作品で三日続けて三回観ました。普通に生きたい、皆と一緒でありたいと願うマルチェロですが、体制に、権力の中に身を置き、傍観者として自分の意志を持たず、日々流されていくのが普通なんでしょうか。保身のために、友、恩人、愛する人を裏切り見殺しにする生き方を大なり小なり誰もがしていると監督は言いたいのでしょうか。生気の失せた妻の姿、トラウマの源が生きていた事に驚愕するマルチェロの姿は、こんな生き方は普通ではないが、この生き方しかできないというどうしようもないやりきれなさを感じました。そして、この作品のワンシーンの何処をとっても絵画として観賞できるハッとする美しさ、全編に漂う妖艶さ、役にピタリとはまるトランティニャン。一回目より二回目、二回目より三回目と観れば観るほど惹きこまれました。映画は芸術でもある事を実感させてもらいました。 10点(2004-08-21 00:02:37)(良:1票) |
185. 眼には眼を
砂漠の中を彷徨い歩く医師が抱いているであろう死ぬかもしれないという恐怖感を想像すると、見ていて怖くて怖くて仕方なかったです。男が妻を連れて病院へ向かう心中も同じものだったのでしょう。「同じ思いをあじあわせてやりたい」 悲しみ憎しみが人を復讐へと駆り立てるのでしょうが、ラストの男の哄笑、砂漠の光景はこれ以上ない程救いがなく、舞台は灼熱地獄ですが、男の決して融けることのない凍りつくような心中に息を呑む思いがします。男は本望なのでしょうが、虚しさが消えない恐ろしい作品でした。 【2014.7.13追記】レンタル店で発見し再見。 「井戸に水があるとは言ってない」ボルタクの物腰の冷静沈着さに誰にも止める事が出来ない意志が見て取れ、やはり虚しさに支配される作品でした。 [DVD(字幕)] 10点(2004-08-05 07:12:26)(良:1票) |
186. セルピコ
不合理だと誰もが理解しながらも決して口には出さずまとまっている組織の中にあって、筋を貫き通そうとしたセルピコ。仕事の実力、何事にも動じない精神力、信念、共感して協力してくれる者が無いと出来ない事ですね。理想を言うと、組織の為を思うなら、ヒラ刑事の現在は出来る限り我慢して、一日も早くトップになってやりたい改革をやる事だと思いますが。彼女はセルピコのもとを去っていきました。試練に見舞われた時、相手が自分と同じく苦しい事を分かろうともせず、自分の苦しみだけを喚きたてるというお馴染のシーンが繰り広げられ、ラスト、セルピコの側にいたのがアルフィのみだったのは寂しかったです。 8点(2004-07-01 05:38:55) |
187. 永遠のマリア・カラス
全盛期が偉大であればある程衰える事は辛い。昔に戻れないと分かっているであろうに夢を見てしまったカラスとラリー。夢の部分である「カルメン」。オペラの知識が無い自分には、理屈ぬきで胸に響いた。このまま突っ走るのか、どこで夢から覚めるのかと観ていたのでラストの二人は切なかった。早くに逝ってしまったカラスは、第二の人生の舞台は自身考えられなかったのかと思うと悲しい。威厳に満ちた姿、美しさ、痛々しさ。ファニー・アルダンの演技は圧巻。 7点(2004-04-26 08:20:16) |
188. 暗殺者のメロディ
アラン・ドロンのこの作品は未見で期待していたのだが、いまひとつだった。闘牛でボロボロにされて口から血を吐いて死んだ牛が引きずり出されて解体されるシーンは、三人の子供を殺され亡命して、なおかつスターリンの意志によって殺されたトロッキーの最期を象徴しているように感じた。 5点(2004-03-12 23:42:02) |
189. ニキータ
『アサシン』と二日続けて観たけれどこちらのほうが少し良かった。アンヌ・パリローの華奢だけどよく鍛えられている締まった体と野性味のある顔が役にはまっている。映像全体のなんとも言えない雰囲気とせりふのひとつひとつにリアルさを感じ、ラストのニキータとマルコ、ボブとマルコのシーンはこの上ない切なさが漂っていた。 8点(2004-02-28 07:49:50) |
190. 魅せられて(1996)
ベルトルッチ監督でアイアンズ夫妻が出てるというので、期待は物凄く大きくて、途中も、ん?、ん?と思いつつ、「ここから面白くなっていくんや」と自分に言い聞かせていました。結局、「ん? 終わってしもた・・・」こんなリヴ・タイラーのプロモーションビデオの如き作品を見せられて、人に裏切られるのと同様、作品に裏切られるのもツライと感じました。↓の方のおっしゃる通り、自分なら自分の性経験をあんたらに気安く話す筋合いはない、ほっといてんか!と言ってるでしょう。 1点(2004-01-17 21:17:20) |