21. イノセント
役者陣の視線の演技を観ているだけでも恐れ入る。貴族の崩壊がテーマであることはいうまでもないが、演出が超一流であるが故、だれにもまねできない作品になっている気がする。最後の愛人の後姿がなんとも言えず、幻想的な映像とともに目を奪われてしまった。 あの後姿はヴィスコンティが映画業界から去っていくこと、貴族社会や家族の崩壊に対する別れの歌を意味することの暗示といっても過言でない気がした。 9点(2004-01-20 18:41:53)(良:1票) |
22. ドイツ零年
なんともいたたまれない。第二次世界大戦後の退廃したドイツ社会は子供の心まで蝕むのか。辛い。辛すぎる。淡々とした現実描写がリアル感が引き立てており、素晴らしい作品に仕上がっていると思う。 9点(2004-01-17 22:09:45) |
23. カビリアの夜
神の慈悲の効果もなく出会った男に次々に捨てられてしまうカビリア やっと掴んだかにみえた恋も現実とはならなかった。 話としては悲しすぎるが映画全体に流れる雰囲気と最後のカビリアの笑顔に救われた気がした。 9点(2003-12-25 16:06:27) |
24. 家族の肖像
教授の孤独感がヒシヒシと伝わってくる一方で、コンラッドに精神的血縁関係を見出し、部屋に匿うところに教授の心境の変化を感じ興味深かった。それとともに家族とは何か、そして、家族と相反するはずの孤独とは何か、ということを考えさせられた結果、その対立する二つは実は表裏一体のものではないかとを感じた。 9点(2003-12-16 17:55:36) |
25. 去年マリエンバートで
何が現実で何が夢なのか、全てが現実かもしれないし、全てが過去かもしれない謎に包まれた映画ですが映画そのものが一種の小 宇宙を形成しており、直ちにこの独特の異空間に吸い込まれてしまった。感覚が高鳴る映画であることは間違いないと思う。 9点(2003-11-29 23:11:14)(良:1票) |
26. 気狂いピエロ
不可解な言葉など、疑問は残るがアーティスティックな映画であり成功している思う。映像はやはり素晴らしいし、ベルモンドが醸し出す雰囲気が最高だ。私としてはとても好きな映画である。 9点(2003-10-19 21:46:22) |
27. 山猫
ルキノ・ヴィスコンティを語る上で外すことができない大変重要な作品である。ネオリアリズムを描いてきたヴィスコンティがデカダンスを全面に押し出して貴族の崩壊を描いた力作である。バート・ランカスター演じるファブリッチオがタンクレディに未来を託し、自らは貴族社会の崩壊、終焉が来たことを実感するわけだが、これは貴族出身だったヴィスコンティの貴族に対する愛や別れを意味するものだと感じた。デカダンスを描いた最初の作品であるが、この後の作品になるにつれ、後姿や、視線のズーム、深層と表層の対比といった主題は強まっていくのである。 8点(2004-02-08 21:15:40)(良:3票) |
28. 現金に手を出すな
フィルムノワールの大傑作である。決してハリウッド的ではないとこがいい。それを証明しているのがなんといってもジャン・ギャバンでしょう。フランス人のエスプリを体現する男である。この男が出ているだけでも見る価値があるといえよう。 8点(2004-02-06 00:16:36) |
29. ジンジャーとフレッド
フェリーニの後期の作品。全盛期に比べれば落ちていると思うがそれでもフェリーニを感じさせてくれる作品。ジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの共演だけでも充分です。堕落したテレビ社会に対するアンチテーゼはみてとれるし奇妙な出演陣はいかにもという感じです。 8点(2004-01-28 22:54:41) |
30. 昨日・今日・明日
デ・シーカの温かみが映画全体を包み込んでいる気がする。社会の実情をコミカルに軽く描いているとこが皮肉っぽくてグッドです。しかし、マルチェロ・マストロヤンニという俳優、観れば観るほど、魅力が出てくる。なんともいえない官能性があるんだよな。それとこの映画ではお茶目な部分もでているし、深いぜ。マストロヤンニ! 8点(2004-01-24 23:34:10) |
31. レッド・サン
これこそ「リアル・ラストサムライ」だ。トムクルーズ、渡辺謙?甘い、甘い。甘すぎる!!アラン・ドロン チャールズ・ブロンソン、そして世界の三船に比べたら奴らなんかアマちゃん坊やだぜ!!内容なんてどうでもいいのさ!三船が侍の格好してアメリカの荒野にいるだけで小宇宙、異空間だぜ。 8点(2003-12-26 17:56:20) |
32. フェリーニのローマ
フェリーニのインスピレーションは凄い。監督の心にあるローマの形を高い創造性で見事に作り上げている。最後のバイクが走るシーンは様々な文化や思想を発信してきたローマの時の流れを走っているかのごとく感じた。 8点(2003-12-22 22:21:31)(良:1票) |
33. サンタ・サングレ/聖なる血
エル・トポやホーリーマウンテンに比べたらホドロフスキーらしさが半減するがいい意味では見やすいかなー。親父が妻の両腕ぶった切るシーン危なくてはかなり笑えたぜ。しかし、ホドロフスキーの教育観って一体何でしょうか、実の子供使ってるし、かなり問題あるな。 8点(2003-11-05 23:00:48) |
34. ルートヴィヒ(1972)
これでもかっていうぐらいのビスコンティの映像芸術を感じることはできました。 ヘルムート・バーガーの演技はやばい。貴族階級の退廃を美しく官能的に描けるのはビスコンティが貴族階級出身だからだろう。 8点(2003-10-25 00:26:58) |
35. イル・ポスティーノ
イタリアの島がいい感じで撮れてる。あののんびりした美しい映像とマッシモ・トロイージの最高の演技が映画のよさを格段に上げている。 8点(2003-10-13 21:28:49) |
36. アポロンの地獄
パゾリーニのこの映画は好きだ。独特すぎるアイデアと解釈にはやられてしまった。預言者のババアの笑い方が怖い。 8点(2003-10-13 20:35:05) |
37. カサノバ(1976)
フェリーニが描くカサノバァ像。公開当時はぜんぜんうけなかったそうです。しかし、それがフェリーニの中でのカサノバァなのだからそれを受け入れるしかしょうがない。俺個人はこの映画は悪くはないと思う。ハリボテッっぽいとこが風刺漫画家だったフェリーニの真骨頂のような気がするのだ。 7点(2004-02-08 21:04:57) |
38. 豚小屋
人間の欲望ってこんなに激しいのか?しかし、だれでも欲に身を委ねればこうなってしまうということか。 6点(2003-11-23 22:48:13) |
39. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
海大好きのおれにとってはかなりきつい映画だ、だっていまにでもにでも小笠原や八重山あたりいきたくなってしまうからな。 6点(2003-10-21 22:31:37) |
40. サスペリア(1977)
初めはなんか雰囲気がよくてドキドキしたが話が進むにつれてだるくなってしまいました。 5点(2003-10-26 22:36:03) |