21. ギャング・オブ・ニューヨーク
巨匠マーチン・スコセッシの多大な力の入れようはひしひしと感じたが、それが映画の完全な盛り上がりへとつながったかは微妙なところである。俳優陣の演技も熱演そのものの秀逸さだったと思うが、いまひとつ登場人物の心情に入れ込めない。映画世界の豪華さに圧倒される部分はあるが、冷静に観ると肝心のドラマ性に力がなかったように感じる。主要キャラ3人の人間像がいささか軽薄だったことが致命的だった。 5点(2004-01-21 23:30:37) |
22. ライフ・イズ・ビューティフル
あまりに苦しい状態でありながらも、愛する息子のためにひたすらに陽気にふるまい嘘をつき続ける父親の姿がたまらなく悲しい。演技、演出ともにロベルト・ベニーニの力量は素晴らしかったと思うが、個人的にはどうしても好きになれない映画だった。あまりに悲しいラストの顛末はまともに見ることができなかった。まあ、つまりは素晴らしい反戦映画だとは思う。 6点(2004-01-08 19:16:41) |
23. オープン・ユア・アイズ
リメイク作である「バニラ・スカイ」を観た後に観たので、ストーリー的な衝撃は薄かったが、オリジナルならではのねっとりとした味わい深さは「バニラ・スカイ」にはなかったものだと思う。それが好きか嫌いかはそれぞれの趣向によるだろうが、両作ともに出演しているペネロペ・クルスのキュートさは変わることなく魅力的だった。個人的には「バニラ~」の方が好きかな。 [DVD(字幕)] 7点(2004-01-08 18:53:25) |
24. 気狂いピエロ
「勝手にしやがれ」で猛烈にゴダールにハマりそうになった私だったが、続いて観た今作で一気に冷めてしまった。スチール的なビジュアルにハイセンスさは感じるが、映画自体が面白くないのではどうしようもない。もちろんある意味キワドイ映画であるので、相当に好きな人もいるのだろうけど、私にとってはどうしようもない駄作だった。 1点(2003-12-21 17:48:05) |
25. マレーナ
少年の痛いほどの恋心の視点から一人の美しい未亡人の辛辣な人生が描かれる。非常に重く暗くなりがちな物語をシチリアの美しい景観と旋律で艶やかに見せるあたり、流石はジュゼッペ・トルナトーレ監督と思わずにはいられない。まさに映画の核となるマレーナを演じたモニカ・ベルッチの存在感が素晴らしく、妖艶な演技を見せてくれた。恋心、戦争の悲痛、誘惑、あらゆる感情を熱情をもって描き出した傑作。 [映画館(字幕)] 8点(2003-12-17 14:10:11) |
26. 食人族
スプラッター映画など絶対に観ることはない私であるが、こればかりは高校時代に付き合っていた人と観た記憶がある。まったくノリとはいえ、見たくないものは見るものではない。うぷ…。 1点(2003-12-01 15:32:05) |
27. 海の上のピアニスト
同監督作品の「ニューシネマパラダイス」と比べると、感動作という気概が全面に強い気はするが、結果的に感動的なのだから問題はない。ぎりぎりのところで結局船を降りなれなかった主人公の姿に人間心理の奥深さを感じる。あまりに奇想天外な物語でドラマとしてリアリティがあるわけではないが、良い意味で映画らしい物語が秀逸だった。主演を勤めたティム・ロスの素晴らしい演技にも注目したい。 8点(2003-11-29 02:09:28) |
28. ロザンナのために
あまり知られていないが、夫婦愛という点ではこの映画の右に出るものはないのではと思えるほど素晴らしい作品だった。夫婦が置かれている状況も、旦那であるジャン・レノが起こす行動も本来なら非常に切迫したものである。しかし、映画の空気感はそうではない。あくまでコミカルにほのぼのとした雰囲気が逆に涙を誘う。予想外に爽快感たっぷりのラストも心地よく印象深い。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-11-18 11:07:21)(良:1票) |
29. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
確かに、蛇足。その一言。 [DVD(字幕)] 8点(2003-10-31 12:35:04)(良:2票) |
30. ニュー・シネマ・パラダイス
何というか、映画ってやっぱりこんなに素晴らしいものなんだ、ということを再認識させてくれる映画だった。世界中のすべての人達の娯楽であり、希望であった映画という産物をいつまでも大切にしていかなければならないし、それぞれの想いをもって観続けていかなければならないと思う。叙情感を誘う展開から紡ぎ出されたラストシーンは、もう言葉にならなかった。映画はもちろん感動的であったが、同時に、映画を好きで良かったという感動がとても大きくて涙が止まらなかった。 10点(2003-10-31 12:22:37) |
31. ミクロコスモス
個人的には虫は嫌いなんだけど、この映画に映し出された虫たちはとても生命体としての力強さに溢れ、人間の営みと変わらぬドラマ性を見せてくれる。これが、本来の虫の姿なのであろうが、それを粘り腰で映し続けた監督の労力は計り知れない。 [映画館(字幕)] 7点(2003-10-31 12:11:49) |
32. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
美しい映像というのは作品を語る上でよく出る言葉であるが、この映画の場合、素晴らしいものは、その美しい青である。海というものはその存在のみで美しく、素晴らしいものだが、その魅力を100%映像として引き出すのはとても難しいことだと思う。この映画の偉大なところは、海の青を、その魅力を全力をもって映しつけ、主人公の海に対する狂おしいほどの純粋な思いを描き出したことである。 8点(2003-10-16 01:36:26) |
33. イル・ポスティーノ
作品中にも詩が出てくるけど、全体的に詩的でとても美しい映画だった。世の中の物事の真の価値や世界の美しさを教えてくれる。撮影直後に亡くなったマッシモ・トロイージの眼差しがとても深く、美しかった。感動を売りにした映画は多々あるけど、この映画は本当に感動の底が深い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-10-14 14:35:55)(良:1票) |
34. ニキータ
アンヌ・パリローの凶暴的かつ切ない演技が強烈なインパクトとして残った。荒々しいが映画の核となる純真さは「レオン」に繋がるものを大いに感じる。ジャン・ユーグ・アングラード、チェッキー・カリョ、ジャン・レノとフランスを代表するキャスト陣の演技が盛り立てる。やはりリュック・ペッソンの映画にはヨーロッパが似合う。 8点(2003-10-14 14:03:36) |