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コメント数 1963
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41.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 
レジスタンスにおいて華々しく描くことなく、ひたすら暗く、どの人物にしてもクールというかとにかく常に何かに怯えているような感じがこの映画の緊張感を生み出しているように思う。所詮、人間は誰よりも自分が一番信用出来る。他人を疑ってかかるというものを徹底した乾いた感じ、派手な場面なんてほとんどこの映画にはない。唯一、あるとしたらそれはシモーネ・シニョレが己の男への愛を抑えて任務を実行した挙句に殺される所ぐらいで、この何とも淡々とした演出はどこをどう見てもハリウッド映画とは明らかに違う。ところで、この映画の中で皆で映画を見ている場面が出てくるが見ている映画がアメリカ映画の「風と共に去りぬ」であるというのもある意味、興味深く、戦争映画としても素晴らしいあの名作「風と共に去りぬ」を見て「早く平和を迎えてフランスでもこんな名画が見たい。」という台詞にこそこの映画を通して訴えたかったもの、平和を唱える。願うという行為、それはアメリカもフランスも関係ない。どこの国でも平和が一番であるという強いメッセージを感じることが出来る。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-21 21:45:15)
42.  戦士の休息 《ネタバレ》 
これは増村保造監督、若尾文子コンビでこそ見たい。何だかそんな気のする作品でして、ブリジット・バルドーは相変わらずここでも可愛いし、美しく、暖炉前で一人裸になってる所へ男がやってきて、その男が自分の部屋の掃除を裸でやれと命令したり、男の欲望、願望みたいなものを描いているのかもしれないが、何か物足りない。ストーリーそのものの面白さもそれほどではないが、とにかくブリジット・バルドーの美しさを見て楽しみたい人向けの映画だと思う。本来なら5点レベルもブリジット・バルドーの美しさの前には私もあの男達の気持ちがよく解る。解りすぎて仕方なく、まあ、ブリジット・バルドーの美しさに1点プラスしての6点!
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-07-15 22:17:41)
43.  世にも怪奇な物語
これは本当に怖い。人間の怖さ、内面的な怖さ、何を考えているのかさえ解らないその怪しい雰囲気、1話、1話それぞれが回を増すことにどんどん恐ろしくなる。第1話のジェーン・フォンダの異常なまでの美しさ、好きな男が目の前で別の女といちゃついてる時の嫉妬深い女の目付きには女にしか出せない色気と怖さの両方を見ることが出来て、いやはや、怖い。怖い。そして、とにかく美しい。第2話のアラン・ドロンの冷酷さもそれに耐える女、ブリジット・バルドーの演技、第3話のこの話、フェリーニて監督の凄さ、画面全体を支配するまるで何かに取り付かれたかのような不気味さ、とにかく全てが不気味であり、タイトル通りの怪奇な世界を上手く表現していると思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-11 10:42:10)
44.  殿方ご免遊ばせ 《ネタバレ》 
「殿方ご免遊ばせ」なんて男心を刺激する素晴らしいタイトルだ!素晴らしいと言えばブリジッド・バルドーの暴れぷり、お茶目な姿、そして、男なら誰もが絶対に眼がそこに行ってしまうこと間違いなしの衣裳、胸元を強調した衣裳についつい眼が行ってしまう。これは完全にブリジッド・バルドーを見る映画である。浮気癖のある夫への当て付けのようにして、殿下を口説くというその凄さには流石の殿下までもが狂ってしまいます。狂ってると言えばもう、あのまるで11PMのオープニングのような音楽に乗って前は白のエプロン、一歩後ろを向けばミニスカートという男にとっては最高の女のあるべき姿に殿方所か、世の奥方にご免遊ばせと言いたくなるぐらいとにかくブリジッド・バルドーが良い。とにかく可愛くて、可愛くてたまらん。それにしても監督って仕事は羨ましく思える。女優を自分の好きなように好きなかっこさせて、楽しんでるのが解るぐらいこの映画はまるでブリジッド・バルドーの着せ替え人形でも見ているようである。ベッドに裸でバスタオル一枚だけで横にして、夫であるミッシェル、こいつの名前がミッシェル・ルグランなんて、なんて洒落た名前だ!フランスを代表する有名な音楽家と同じではないか!にパジャマを探させるふりして、ブリジッド・バルドーの首筋にキスさせたり、その他、男なら絶対に好きな服装ばかり着させたり、水着姿まで見せたりと、チキショー!監督もあの夫役の俳優も殿下も出てくる男達がどいつもこいつも羨ましいたらない。あのブリジッド・バルドーに抱かれている犬が一番、羨ましかったりする。最後、殿下を見送る時のブリジッド・バルドーがこれまたたまらん。殿下と二人で同時にくしゃみまでしてみせたりと、何と心憎くて気の利いた演出、話としてはよくあるドタバタ喜劇でそれほど新鮮味はないが、眼の保養には最適な映画であるということでこの映画についての感想を終えたいと思う。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-05 21:19:41)(良:1票)
45.  危険な関係(1959) 《ネタバレ》 
チェス盤の黒い上に出るタイトルの文字の何とも洒落た出し方といい、全編に流れるジャズの音楽のかっこ良さによってドロドロした話でありながらそれを感じさせない上手さ、どうしようもない話なのに、その効果によって楽しむことが出来るのはフランス映画としての上手さを感じさせられる。ムード作りにおいてはほぼ完璧である。主演のジェラール・フィリップとジャンヌ・モローが作り出す危険な男と女の夫婦像、互いが互いを意識しながら別の女と別の男との不倫の関係を作る。全く別のタイプの相手との関係によって見えてくる。壊れていく夫婦の絆、関係とでも言うべきか、男と女のそれぞれの見てはならない部分まで見せ付けられてるようで怖い。ジェラール・フィリップ(ジュリエット)が出逢った人妻、マリアンス(アネット・バディム)の足を舐めまわすシーンの何ともいやらしさこと、特に海辺のシーンのエロティックなことといったらない。まあ、ジャンヌ・モローも良いが、あんな怖い悪女の妻よりマリアンヌの方に惹かれてしまう気持ちは同じ男として解りすぎるぐらい解るだけに痛い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-06-27 16:37:24)
46.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
この映画のクリント・イーストウッドは文句なしにかっこ良い。歩く姿から銃の構え方にしても、あの煙草のすい方にしても本当にかっこ良い。それ以上にかっこ良いのが大佐役の俳優、リー・ヴァン・クリーフの渋さ、ラストの対決シーンの後、死体をクリント・イーストウッドに任せて去っていく。何たるかっこ良さ、作品全体に漂う空気、男の臭さで充満しまくりの映画って感じで、ただ、女性への配慮の仕方、描写などが優しさというものが感じられなかったのがマイナスと言えばマイナスで、この映画は男のかっこ良さを見る為の映画と思えば良いのかもしれないぐらいとにかく主演の二人がやたらかっこ良く、男なら誰しもあんな風にかっこ良くなりたいと思うであろうそんな作品だと思います。マカロニウエスタンって個人的にはさほど好きなタイプではないけど、これはそんな中では楽しむことが出来た。その要因にあの音楽のかっこ良さも挙げられる。
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-16 11:27:24)(良:2票)
47.  青春群像 《ネタバレ》 
フェリーニが描く青春像とは何なのか?青春とは如何にして自分の思っていることをさらけ出すことが出来るか?ここに描かれている青春像、男達の馬鹿さかげんときたら男の本心のようなものに何だか男の弱さ、だらしさなを徹底して見せ付けられているようで怖い。きちんとした奥さん、しかもあれだけ美しく、心底自分だけを愛してくれている良き妻がいながらも次から次へと別の女にちょっかい出す女たらしと今の自分の置かれている立場について悩む男、更に妹の金を平気な顔して使いまくる駄目な兄やとにかく大騒ぎ、騒ぐのが大好きな男とここに出てくる男達の駄目ぷりは凄まじい。フェリーニはこの四人の駄目な男の眼を通して青春とは若さ故の大騒ぎであると笑っているように感じます。あの大勢の群集に混じって大騒ぎしながらサーカスを楽しむいい年した大人達、男も女もみんな同じ生きものであると語ってるように感じるこの映画を観て、フェリーニってサーカス好き、そして、ここでもまたチャップリンの「モダン・タイムス」の中で流れる音楽を使っているのを見て、チャップリン好き、そして、喜劇が好きな監督さんなんだと思いました。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-03-21 12:15:45)
48.  大盗賊(1961) 《ネタバレ》 
本当は字幕のが良いのだが、洋画を見る場合は字幕派であるのだけれど、仕方ない。吹き替え版しかないのであるからして、それにクラウディア・カルディナーレ目当てということでもあり、監督があの大傑作「まぼろしの市街戦」と同じであるという理由で借りてきた。何だか見ていて「ルパン」でも見ているようである。何しろ主演のジャン=ポール・ベルモンドの声、吹き替えがルパンの声と同じ山田康雄だからして、どうしても「ルパン」を見ているように思えて仕方ない。話も何だか「ルパン三世」のアニメに出てきそうな内容だし、クラウディア・カルディナーレのあのナイスなバディ、零れ落ちそうなほどのおっぱいについつい眼が行ってしまいそうです。て言うより見ながら眼はそこに集中してました。ごめんなさい。←いったい誰に謝ってるんだよ?ジャン=ポール・ベルモンドがまるでルパンのように女好き、女たらしでキザである。ただルパンのように紳士的なかっこ良さはあまり感じられない。それにしてもこの映画の男達、中でも二人、主役の役名があれ?何肉だっけ?忘れちまったぞ!やはりクラウディア・カルディナーレの胸元ばかりに気を取られているからか?度忘れしまった。何肉だっけなあ?贅肉じゃないし、焼肉でもないし、何肉だ?が肉て言いつつ痩せているし、又、やさ男て言いつつも太ってる男、名前とは別人の二人が面白いし、冒険活劇としても楽しめるけど、最後がどうも納得出来ないし、すっきりしない終わり方がちょっと不満である。納得出来ない、すっきりしないと言えば、やっぱり思い出せない。ジャン=ポール・ベルモンドの役名が何肉だったのか思い出せない。先ほどまで見ていたはずなのに!あぁぁぁ~あのグラウディア・カルディナーレのナイスな胸の方ばかりに眼を奪われてしまい、悔しいなあ!何肉だったか思い出さないと今晩、眠れないかもしれない。同じ眠れなくなるのならクラヴティア・カルディナーレの夢で魘されて眠れなくなる方が良いよ。まあ、あれこれ書いてみたものの、面白く見ることは出来ました。
[ビデオ(吹替)] 7点(2009-02-28 11:09:40)
49.  殺し(1962)
ベルナルド・ベルトルッチ監督の監督デビュー作品とのこと!なるほどね。確かにこれは黒澤明監督の「羅生門」を意識した撮り方、作品全体に漂うギラギラした感じ、夏の暑苦しさを感じる映像美、森のシーンなんて正しく「羅生門」のようである。世界中の監督で最も影響を受けている日本人監督は間違いなく黒澤明監督であることは他の多くの外国人監督の作品を観れば解る。アメリカ人監督は断然「七人の侍」、そして、ヨーロッパ人監督の場合だと「羅生門」てことになるのであろうか?この映画の監督ベルナルド・ベルトルッチはイタリア人なので、やはり「羅生門」の影響を最も受けているのは解るし、いかにもイタリア人監督という感じが漂う。他にもこの映画、音楽の使い方など他の監督さん、あのギターの音色を思わせる音楽はどことなくフランス映画の名作「禁じられた遊び」を思わせる。話としては解りずらいし、結局、犯人は誰なのか?ということにおいてもイマイチ解らなかったりと不満も多いけど、色んな映画の影響を強く受けていることだけは解るし、間違いない。そういう意味で興味深い作品!
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-14 20:10:54)
50.  昨日・今日・明日 《ネタバレ》 
ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレンとマスチェロ・マストロヤンニのコンビでは「ひまわり」の方が有名だし、観ている人も多く、評価も高いけど、私なら断然、こっちを選ぶ!1話1話それぞれが面白いが、話の面白さというよりも主演の二人の演技が作品を面白いものにしていると言って良いと思うぐらい二人が良い。今までソフィア・ローレンって特に美人だとは思わなかったけど、この映画の彼女は間違いなく美しい。そんなソフィア・ローレンに対してちょっかい出したり、直ぐに身体を求め、やたらと裸を見たがるマルチェロ・マストロヤンニが何ともアホでそのアホとは男の男らしさアホぶりが微笑ましい。ところで、イタリアでは悪いことしても子供さえ作れば逮捕されないのであろうか?これを観て、そうか!ようし、私も金に困って税金も払えないようになったら子供作ってやれとアホな考えを持つ人がどれだけいるだろうか?もっともあんなにばんばん子供作ったら余計にお金がかかってしまい益々ピンチになりゃしないかと?
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-11 19:18:55)
51.  裸足の伯爵夫人 《ネタバレ》 
人間にとっての欲とは金に対する欲、更には食に対する欲、そして、愛に対する欲、この映画では愛に飢える者同士の欲が描かれている。成功を夢見て男にしがみ付く女、そんな女に近寄ってくる男の欲望、お互いが相手を利用してのし上がろうとする。踊り子のマリア(エヴァ・カードナー)が映画監督であるハリー(ハンフリー・ボガード)との出会いによって人生が変わる。長い間、探し求めていた理想、夢、夢と現実とのギャップの違い、叶ったと思った夢も思い描いていた理想とは大きな違いによりどんどんと悲劇のヒロインへとなってしまう彼女、マリーの姿に夢はやはり夢であり、現実とはそんな簡単なものではないと言っているようであり、そこにこそ人間の持つ哀しみ、現実の厳しさ、監督の見つめる視線の何とも惨酷なことといったらない。あの墓場でのシーンでのハリーの姿、表情には何だかとても人生に対する厳しさと皮肉のようなものを感じる冷たい眼差し、この映画は一人のヒロインの死によって夢と理想との違いを見せ付けられているような何とも惨酷な人間ドラマとして見応え十分!回想シーンの使い方もなかなか上手く、そして、何よりもテクニカラーによる美しい映像が人生は惨酷だけど、美しい。いや、美しいけれども惨酷とでも言ってるようにも感じてしまう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-01-06 21:27:01)
52.  小間使の日記(1963) 《ネタバレ》 
最近、どうも刺激が足りない。そんな人の為にあるようなものきり撮ってる監督のこれもまた何ともいやらしい。足フェチぶり、足に対する拘り、執念、小間使として働くセレスティーヌ(ジャンヌ・モロー)に寄ってくる男達がどいつもこいつも変な奴きり!屋敷のご主人が収集した靴を履かせようとする場面のいやらしさ、なめるようにして撮られている足への映し方、そんなご主人と性欲の固まりのような若旦那に偏屈男な番人、この三人の男を変なものでも見るようにして付き合う小間使のセレスティーナのジャンヌ・モローの表情が怖い。怖いといえば屋敷で働く少女が森で殺される場面、少女の足にまとわりついているあのカタツムリ、いやはや、相変わらずこの監督は変態ぶりを見せ付けてくれる。ただそこまでの変態ぶりの凄さに比べると後半のあの少女が殺された後の展開が前半に比べると物足りなさが残る。その辺りが減点ではあるが、刺激的なカメラワーク、足の写し方など足フェチな方にはぞくぞくさせられること間違いなし!少なくともごく当たり前のような最近の映画にはない何かが観ることが出来るので刺激的なものを求める人には観て損のない映画であることだけは変わらないと思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-03 20:01:18)
53.  フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 
フェリーニのサーカス好き、愛情のようなものが伝わってくる。サーカス好きなフェリーニ、あのピエロの劇団、一座の人達の奥に隠れている表向きとは反対な悲しさ、辛い人生、人生はけして楽しいことばかりではない。辛いこと、悲しさ、苦しみがあるからこそこうしてピエロ、つまりは道化師という形で人々を喜ばせようとすることで自分達も前向きに生きようというそういうメッセージのようなものがこの映画から伝わってきます。フェリーニにとってのサーカスとはピエロとは自分自身であるという強い思いのする作品であり、また、この映画を通してもフェリーニという監督は他の映画監督や映画へのオマージュのようなものを描いています。あのサーカスの一座が演技して見に来ている観客を楽しませようとしている場面でチャップリンの「モダン・タイムス」の中で使われている「ティティナ」を演奏し、また仲間の一人の死を思い、悲しむ場面では何と同じイタリアが映画の舞台にも使われている「ゴッドファーザー」の愛のテーマ曲を流すという正にフェリーニ監督の映画への愛というものを見ることが出来ます。サーカスと言えばピエロと言えば明るいイメージしかないけど、この映画はその明るさ以上に悲しさ、切ない部分が強く描かれている為にタイトルからは想像出来ない暗さも感じるものの、フェリーニ監督らしい映画への拘りを感じる仕上がりになっていて観客が帰った後のラストの鳴り響くトランペット、消えていく二人のピエロの姿に哀愁めいたものも感じずにはいられず、この監督らしい余韻の残し方、刹那さの残るそんな映画だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-26 16:47:47)
54.  甘い生活 《ネタバレ》 
これは物語というようなものがあるようであり、ないと言った方が良い。はっきり言ってハリウッドの大作にしか興味のない方は観ない方が良い。観たら間違いなく退屈で眠くなり、二度とこの監督の映画など見るものかとなること間違いなしです。色んな国の映画に触れてから見ることをお薦めしたい。それは他のヨーロッパの監督、例えばヴィスコンティやベルイマンの映画と同じでけして、楽しい映画ではございません。この監督らしい人間の孤独のようなものをイタリアはローマの美しい街並みとそこに流れる空気、それはこの映画の場合だとだらしのない主人公とそんな主人公に関わる女達、流れる空気はけして、甘くはない。むしろタイトルとは反対に人生は厳しく辛いものであるとこの映画を観ると思わずにはいられなくなる。厳しいこと、辛いことが多いからこそ人は幸せを求めようとするものである。主人公マルチェロは甘い生活を求め奥さん以外の女とも関係を持とうとするが、それにより自分も奥さんも別の女も不幸へとなっていく。人生に甘さを求めれば求めるほどどんどん苦しくなるというまるで映画のタイトルを皮肉ったかのようなどこまでも惨酷であり、ラストのあの魚の眼の不気味なまでの表情にこの映画の怖さが描かれているようであり、また、この映画の前半のグラマー女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とマルチェロのやりとりなどはフェリーニ監督からのワイラー監督へのオマージュ、あの名作「ローマの休日」を思わせる。この監督のローマに対する拘りのようなものも感じることが出来る。何度も言うように笑ったりワクワクしたりと楽しい映画ではない。そういう楽しさだけを求める人には向かないということを覚悟の上に観ないと絶対に途中で見るのを止めたくなります。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-25 19:35:03)
55.  情事(1960)
アントニオーニの映画を見ていると人間の心の中に見え隠れする気だるさ、やるせなさの中にこそ人間本来の持っている愛情表現みたいなものが感じられる。同じこの監督の愛の不毛三部作全てに共通して言えるのは雰囲気作りが全て似ている。何とも乾いた空気、何とも気だるい雰囲気、モニカ・ヴィッティはいつも何かに対して怯えているように思えてならない。人間は常に死に対して怯えて生きている者なんだよとまるで言っているような感じと同じように男は女に女は男に対しこれまた何かに不安を感じ、常に不安定な生き物であると語っているようである。台詞の少なさ、何の説明もないままに終わってしまうのはこの監督の映画作りにおける一貫性なのかもしれない。とにかく観ていてもよく解らないのだが、その解らない中に観る者への問いかけ、自分達で考えようとでも言っているようである。それにしてもまたまたモニカ・ヴィッティの何とも言いようのないあの目付き、その中にある。隠れているような男を見る時の視線の奥にあるやるせなさ、不思議な魅力に私は作品そのものはまるっきり理解出来なかったけど、モニカ・ヴィッティの怪しげな魅力には完全にやられた。この女優、観れば観るほど益々、好きになっていく。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-10-21 21:57:41)
56.  暗殺の森
この映画は人間の惨酷さと冷たさをあの青で表現しているような何とも全編に青、青、青が強調されている。ファシズムの暗い影に潜む官能的な映像の数々、タイトルにある森の中の暗殺シーンにおける映像の凄さの前には全てがかき消されてしまいそうなぐらいとにかく映像美の素晴らしさというものは心に残る。しかしながら登場人物の人間関係などを含めストーリーがいまひとつ理解しにくいという難点がある。明らかにストーリーよりも美しい映像を観て楽しむべき作品ではないかと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-09-10 21:52:07)
57.  刑事(1959)
まず何と言ってもあの音楽、アモーレ♪アモーレ♪は一度、見ただけで絶対に頭に残るし、一生、忘れることはないであろう!サスペンス映画とてし見た場合は、ちょっと弱い気がしなくもないが、この映画は雰囲気が良い。ピエトロ・ジェルミ演じる刑事が渋い。そして、かっこ良い。更にもう一人、クラウディア・カルディナーレの美しさ、あのちょっと太いけど、足も何だか男心を刺激する。渋い男と美しい女、そこに素晴らしい音楽てだけでも観るに値する作品になっていると私は思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-12 17:13:42)
58.  若者のすべて 《ネタバレ》 
凄まじい!その凄まじさときたら半端じゃないぐらいの恐ろしさです。この監督の映画では「ベニスに死す」が世間的には最も有名で評価も高い気がするが、あの映画はそれまでヨーロッパ映画を一度も観たことのない人には薦められないし、まず最初に観ても解らないだろうが、これは最初に観てもよく解る。とにかくこの映画における描写、心理的描写がとにかく凄い。ある家族の物語で一人の女を好きになった二人の兄弟の全く性格の違う部分を見せながら家族がどんどん破滅していく様子が物凄いリアルに描かれている。アラン・ドロン演じる優しき三男ロッコが眼の前で一つ上の兄のシモーネが自分に対する嫉妬からナディアをレイプするシーンの恐ろしさ、シモーネがどんどん崩れていくのに何もしてあげられないロッコ、ナディアに対しても何もしてあげられず、助けることも出来なかったロッコのあの悲痛、悲しみ、苦しみをアラン・ドロンは見事に演じている。また他の兄弟、特に一番上の兄もシモーネとロッコの仲を元のようにしてあげらず苦しむ姿が描かれている。ナディアを殺してしまったシモーネを最も好きでいた長男の苦しみ、またナディアのことを何も解っていないし、それ以上にシモーネの犯したこともロッコの苦しさも何一つとして解っていないバカな母親、全てがこれだけの悲劇を生むというその痛くて重たいドラマの中にあって、私が思ったのは一番悲しい、哀れなのはナディアではないかと思う。ナディアは確かに二人の兄弟を引き裂く一番の原因ではあるが、母親がもっとまともな人間であって二人の兄弟のことを理解していればこんなことにはならなかったと思うとナディアの「死にたくない」と絶叫したのちにシモーネに殺されてしまう運命に人間の悲しさと惨酷さのようなものを感じてならない。この映画は人間の惨酷さ、醜さをある家族の眼を通して、描いた作品で、そのあまりの凄まじさにとにかく痛い。心が痛む。あまりの痛さに繰り返し観ることは出来ないが、人間が崩れていくこととはこういうものなのかと考えさせられる作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-06 13:20:58)(良:1票)
59.   《ネタバレ》 
「愛の不毛」とか言われても私にはいまひとつぴんとこない。しかし、この映画の男と女の孤独感のようなものは解る気がする。夫に愛されたいと願う女ジャンヌ・モローの眼から見たあの何とも乾いた空気、殺伐とした都会の風景、人間の持っている孤独な世界をモノクロの映像によって浮かび上がらせることへのこの監督の拘りのようなものが感じられる。夫からの愛を感じなくなった女ジャンヌ・モローと同じように何かに怯えているようなもう一人の女、モニカ・ヴィッティ、二人の女の孤独、見ていてどこか同じ監督の「太陽がひとりぼっち」に通じるものを感じる作品になっている。人は常に愛するよりも愛されたいと願う生き物なんだと監督が言っているようなこの感じこそこの監督の作品全体に感じる共通点ではないだろうか!それにしてもここでも出番は少ないもののモニカ・ヴィッティのあの美しさ、悩ましい姿は眼に焼き付いて離れなくなりそうです。そんな美しいモニカ・ヴィッティに「刺激的な夜だったわ」だなんて言われたマルチェル・マルストロンヤニが羨ましい。私も言われてみたい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-03 21:43:09)(笑:1票)
60.  鞄を持った女 《ネタバレ》 
クラウディア・カルディナーレ、何だかとても美味しそうなお名前だな!のこのイタリアを代表する美人女優、勿論、名前は聞いたこともあるし、そういう女優がいたことも知ってはいたけど、今回、この作品で初めて彼女を見ることになる。もう、一発で惚れてしまいました。最愛の夫を失い、別の男には振られるわで散々な目に合いながらもそんな中で出会った自分よりも年下の男とのドラマの中で見せる苦しみ、苦しみに苦しみ抜いた上に出した決断、自分が年上であることの苦しみ、好意を抱いてくれた年下の男のことを思えばこそ自ら別れを告げることの苦しさがあの何ともやりきれない音楽と共に迫ってくる。途中、少しダレル感じがしたり、あの少年以外に出てくる男がどいつもこいつも本当に嫌な奴きりであったりと、色々不満もなくはないが、それでもなかなか見応えのある作品になってはいる。あんな良い女だったら、風呂の水をいっぱいにして零そうが許してしまいたくなる。クラウディア・カルディナーレ、また一人、好みの女優が増えてしまった。これを機に彼女が出ている他の映画も見てみたいと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-29 11:56:47)
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