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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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1.  ヴァレリアン 千の惑星の救世主
要するにコレって、「オモシロい」んだろか。 ってなコトを思う気持ちも映画早々に消え失せてしまい、もう明らかに、オハナシそのもので面白がらせようなどという気持ちは作り手の方にはサラサラ無くって。そりゃま、最後まで観ればそれなりに「ほ~」と思わせる要素も無い訳では無いですが(無いに等しいけど)、どっちかというとオハナシなんてそっちのけ、せっかくCG使いまくるんだから何でもデキちゃうんだよね、とばかり、脈略がないと言ってよい程に様々な事象が画面に現れ続け、様々な光や色彩が画面に溢れ、それを(楽しめる人は)楽しむ、というタイプの作品でしょう。そこは『フィフス・エレメント』よりも徹底しています。 なので、理屈抜きに発生する様々な変容(エイリアンのダンサーのコスチュームが変わるとか、風貌が変わるとか、しまいにゃ砂みたいになっちゃうとか)が、どれだけ我々の意表をつけるか、が腕の見せ所なのでしょうが、正直、『アバター』等々の後では既視感の枠から抜け出せておらず、ついでに宇宙船のフォルムがファルコン号のパクリにすら見えてきてしまって(笑)、いやはや、なかなかムツカシイですなあ。 軽いノリの主人公が繰り広げる陳腐な冒険譚を通じ、我々の前にぶちまけられる既視感混じりの映像の数々。これもまあ一種、広義のポップアート、といったところでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-01 07:15:57)
2.  ウェイバック -脱出6500km- 《ネタバレ》 
この映画を前にすると、「意外なオチ」を売りにするドンデン返し映画が、可愛く思えてきますね。この映画の“オチ”ほど凄まじいものは、なかなかお目にかかりません。全編にわたり、過酷極まりない逃亡の旅路が描かれ続け、最後はようやく目指すインドに辿り着く、しかも映画冒頭で「3人は最後に助かる」ことが我々に最後に我々に告知されていた訳だから、まさに待ちに待った“旅路の終わり”であるハズなのですが……映画は、彼らの歩く足元を見つめ続け、彼らの足も決して止まることはなく、そこに戦後の東欧の歴史がオーバーラップする。主人公がついに故郷へ、家へと辿り着いた時には、すでに年老いていて……つまり、映画で描かれた艱難辛苦は、実は、故郷へと至るまでの彼らの長い長い旅路の、序章に過ぎなかった、ということ。なんという残酷なオチ。とにかく、もの凄い映画でありました。しかしまた、壮絶で過酷な自然が、どこか憧れをもって描かれているようにも感じられるのが、本作の不思議なところなのですが。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-17 20:50:55)
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