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201.  乳母車
本来ならドロドロした内容なのにそれを感じさせないのはイチにもニにも、芦川いづみの可愛さと新珠三千代の美しさ、この二人の嫌味というものがまるでない女性像があればこその清潔感のある作品になっている。冒頭のいきなり白い水着で現れる芦川いづみの笑顔に石原裕次郎もどっかへ消えてしまいそうなほどの芦川いづみが可愛くて可愛くて、何かもう芦川いづみを見ているだけで癒される。話そのものは本当にどうしようもない暗い話なのに、あっ!男優陣ではなんてたって、宇野重吉が良い。駄目な父親を演じていてもその駄目さが嫌味に思えないのが良い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-04-28 17:19:58)(良:2票)
202.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
この作品が好きな知り合いが見ろ!見てくださいてあまりにもしつこいから仕方なく見てやることにした。日本で1番客の入った映画らしいけど大ヒット=傑作とはならないというのが私の評価であり、おそらく世間的にもそこまで評価はされてないはずです。テレビアニメの 1話から感じていた様に心情を全て台詞で説明、語る。それも馬鹿みたいに大声で説明するのが嫌い。小学生でも解る様に作られた(鬼滅信者)による大ヒットである事が間違いない訳で、そんな信者達が凄いと言うのを聞いて、普段あまり映画、アニメを見ない大人までもが釣られて見に行った結果の1位である訳で、本当に良い映画、アニメを沢山見てる人からしたら、これが1番ヒットした作品?てなる筈です。作画凄い?だから?バトルが凄い?だから何?て言いたい。そんな映画、他にも沢山あります。この映画で1番嫌いなのは、とにかくうるさい。戦ってる時ですら叫んだり、喚いたりと、うるさくて嫌になる。少しは黙ってろ!いつから日本男子はこんなお喋りになったんだ?近くにいたら口に何か入れて黙らせてやりたいぐらいとにかくうるさい。面白いつまらない以前に大嫌い。こんな説明的で誰でも解るレベルの作品が日本一のアニメ映画だなんて、海外の人には思われたくない。映画としても、全く面白くもないし、とにかく鬼滅信者て奴が私は大嫌いだ。何から何まで全てが嫌いと言う意味で0点以外付けたくないので、誰が何と言おうと0点です。
[インターネット(邦画)] 0点(2024-01-18 21:11:30)(笑:1票) (良:1票)
203.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
インディ・ジョーンズシリーズの中で、この作品が1番好きです。その理由に教授役のショーン・コネリーが良い味出していて、楽しめる。ワクワクさせられるアクションシーンの連続と謎解きの面白さを楽しませてくれるのも好きな要因の一つで、グロいシーンも無いのが良い。スピルバーグはこういう娯楽映画に徹していれば良いものをその後、オスカー狙い見え見えの作品ばかり撮るようになって嫌いになりました。ショーン・コネリーと言えば007ですが、主役だけでなく、脇役でも良い味出して我々映画ファンを楽しませることもできる名優だと思っています。ショーン・コネリーの出ている映画の中でも、本当の意味で楽しめた最後の作品だと思っています。ショーン・コネリーの訃報を聞いてまた1人、映画界は惜しい人を亡くしたと思いますが、例え亡くなったとしても私の心にはいつまでも生き続けることでしょう!
[DVD(字幕)] 8点(2020-11-03 19:24:16)(良:2票)
204.  砂の器 《ネタバレ》 
松本清張原作の推理小説を映画化した作品は多くあるけど、その中でも特に素晴らしい完成度の高さと言える作品です。この作品がこれだけ素晴らしい作品になっているのはまずは何と言っても橋本忍と山田洋次の二人の脚色がお見事なことが挙げられる。原作では単なる殺人犯としか思えなかった和賀英良について、この映画では原作では同情出来なかったものの、同情出来る人物として描かれている点を挙げなくてはならないと思う。そんな和賀英良の少年時代の父親、実の父である本浦千代吉との思い出を素晴らしい音楽と素晴らしい風景を混ぜて描くことで、更に見応えのある作品に仕上げている。これは推理小説であるけれど、親と子の家族の物語として一流の映画である。これだけの素晴らしい映画を作り上げた野村芳太郎監督の演出の素晴らしさと俳優の演技も素晴らしい。文句なしの名作として、何度も何度も繰り返し観たくなる作品です。最後に加えるとしてこれだけは絶対に譲れない。言っておかないと気がすまない事!それは和賀英良は誰が何と言おうと加藤剛、加藤剛以外はあり得ない。加藤剛以外の和賀英良など認めません。中居正広など問題外だ。加藤剛さん、大岡越前の貴方も私は好きです。丹波哲郎、緒形拳、更に少しの出番しかないのに一度観たら絶対に忘れられない印象を残す渥美清に皆もう亡くなられてしまいました。加藤剛さんの御冥福を祈りつつ、また繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し観てしまいました。 2018年7月10日更新
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-12 21:52:17)(良:2票)
205.  大誘拐 RAINBOW KIDS
岡本喜八監督の他の作品、監督自身のもっと昔の作品を沢山、見てからだとこれは確かによく出来てはいると思うけど、私の好きな岡本喜八作品にある。感じられる馬鹿馬鹿しさというものが感じられない為に不満が残る。この年のキネマ旬報でも第二位にランクされるほどの作品だからつまらないはずがないし、それでも違う。岡本喜八監督ならもっともっと弾けていても良いぐらいである。岡本喜八ワールドとでも言うべき漲るパワー、躍動感、そして、何よりも他の監督では撮れないこれぞ岡本喜八作品だ!というものがこの作品にはない。よく出来た原作の映画化ならば、別に岡本喜八監督でなくたって良いではないか!これだけ面白い話なら岡本喜八監督じゃなくてもそれなりに面白い映画にはなるであろうと思えてしまうのである。少なくとも私にとっては何が何でも岡本喜八監督でなければ撮れない映画という気がしないのである。これが岡本喜八作品の中でも「肉弾」と並んで第2位にランクされているけれど、それなら映画評論家達にも映画ファンの間でもほとんど無視され、ベストテンは愚か30以内にすら入ってない「戦国野郎」やその他同じくベストテン入りしてない「血と砂」や「ああ爆弾」「独立愚連隊」シリーズの2作品などの作品こそ岡本喜八監督本来の映画という気がするし、同じ2位にランクされている作品なら絶対に「肉弾」の方が上であるし、そういう意味でもこの映画が岡本喜八監督のベストかと言われるとそうは思いません。
[DVD(邦画)] 6点(2010-08-29 18:05:16)(良:2票)
206.  近松物語
「雨月物語」に続くこれが溝口作品、2本目の体験です。ようやくこの美しい映画を観ることが出来ました。もっと早くに借りてきて観るべきでした。何という美しい映画だ!もう、その美しさときたらまるで水墨画でも観ているかのようなため息の出る程の美しさです。一つ一つのシーンのモノクロならではの美しさ、(この映像の美しさの前にはどんなお金をかけて、物凄いCGを駆使しようが絶対に勝てません。)そんな見事なまでの映像美とそして何とも哀愁漂う雰囲気の物語、全てが本当に美しく、これぞ正しく日本映画の良かった頃の芸術品、まるで美術品を観に美術館へでも出かけているような感覚になりました。これ程美しい映画を観たことはないです。そんな溝口監督と日本映画が誇る最高の名カメラマン、宮川一夫撮影監督の二人の強力タッグによって撮られたそんな素晴らしい映画です。何だかまた他の溝口監督の作品も観たくなりました。今度は何を借りてこようかなあ?
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-07 18:10:26)(良:2票)
207.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
たった一枚の写真、そこに映っている魅力的な女性に心惹かれ、彼女に会いたい。その願いが叶ったけど、最後は・・・というまあ、いくらでも考えられそうな設定と、あんな簡単にタイムドラベル出来るものか?という疑問も残る。しかし、それでも最後は泣けたし、素直に楽しめた。その要因にあの美しい音楽がまずは挙げられる。美しいと言えば音楽だけでなく、映像美もとても美しい。またクリストファー・リーブの眼差しも、それに対して次第に惹かれていく女性、ジェーン・シーモアも美しい。マッケナ(ジェーン・シーモア)が演劇の場面でコリアー(クリストファー・リーブ)を前にして、劇にはない台詞(コリアーへの愛を言う台詞)を言う時の表情には女としての気持ちの全てが見えた。写真の中の彼女も実際の彼女も美しいが故に元に戻ってしまった後のクリストファー・リーブの姿が悲しく、それほどこのラストは惨酷であり、悲しい結末である。それにしてもこの映画を見ているとやはりクリストファー・リーブって実際の生活があまりにも悲劇的だったのと同じく思えてきてしまい泣けてくる。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-01 21:38:49)(良:2票)
208.  男はつらいよ 寅次郎相合い傘 《ネタバレ》 
男はつらいよの全48本ある中でどれが良いかというようなアンケートをするとこの第15作をシリーズナンバーワンに挙げる人が大勢、いる中で私もこの作品を後の17作「寅次郎夕焼け小焼け」とどっちをナンバーワンにしようか迷うぐらいこの作品大好きです。個人的には17作「寅次郎夕焼け小焼け」がベストですが、とにかくこの作品も寅さんシリーズの中でも屈指の傑作になってます。浅丘ルリ子演じるリリーと寅さんにそしてもう一人忘れちゃならないのが船越英二演じる兵藤謙次郎の存在、この三人の友情のドラマが物凄く良いわけで、メロン騒動の話などもこれまた良くて、その他良いシーンが沢山出てきます。雨の中での傘をさしながらの寅さんとリリーの会話は名台詞中の名台詞であり、名シーンの一つである。 そんな素晴らしい名シーン、もう、これだけでこの作品のまた、このシリーズのそして、俳優渥美清、車寅次郎という人物像、その全てがここにある。当然のことながら満点です。
[映画館(邦画)] 10点(2005-09-24 18:07:52)(良:2票)
209.  続・男はつらいよ 《ネタバレ》 
上手いなあ!山田洋次監督の演出、脚本、そして渥美清さんに森川信さん、更に寅さんの恩師、坪内先生演じる東野英治郎さんに寅さんの産みの母親役のミヤコ喋々さん、他とにかく全員上手い!産みの母に会いに行って散々、酷いこと言われて帰ってきた寅さん、そんな寅さんが泣きじゃくる姿を見て「泣け。思い切り泣け!わしも一緒に泣いてやる。」と寅さんと一緒に泣いてくれる坪内先生が大好きだ。とにかく渥美清、森川信、東野英治郎にミヤコ蝶々がこの作品を素晴らしいものにしている。そんな上手い役者達を見事な構図で捉えたカメラマンも素晴らしい!マドンナ役の佐藤オリエさん、べっぴんさんやなあ!寅さんが惚れるのも解るよ!それにても設定が本当に上手いです。江戸川でまさかうなぎ釣るなんて、それとやっぱりラストシーン、寅さんと母親の2人のシーン、それを遠くから見つめるマドンナとその亭主、何とも良い光景だ!こんな素晴らしいシナリオ、ショットを1作目の公開から僅か半年余りで撮った山田洋次監督を始めとする関係者全員に拍手!やっぱり初期の頃の寅さんは傑作揃いで本当に良いです。 正月には毎年、寅さんで1年をスタートするのが私の日課です。この作品を観ると鰻が食べたくなってどうしようもない気持ちになる。それもそこらの鰻ではない。江戸川の鰻が食べたくなる。
[DVD(邦画)] 9点(2005-07-01 22:34:29)(良:2票)
210.  さよなら子供たち 《ネタバレ》 
ルイ・マル監督自身の心の叫びのようなものがひしひしと伝わってくる。監督自らの幼かった頃の体験、戦争が親友を引き裂く。子供にとっては戦争なんて、大人達の、また国の身勝手さの前には何もすることが出来ないという叫びが静かに訴えかける作品になっている。二人の少年の友情と別れ、けして、大げさに叫んだり、わめいたりもしない。戦争映画ではあるけど、派手なアクションシーンもない。ラストのジュリアンとボネの別れのシーン、手を振るジュリアンに対して、それをただ眼で追うようにして、別れをする場面の悲しさ、お互い、もっともっと好きなことを語ったり、遊びたかったに違いない。だからこそ余計に心に染みる別れの刹那さ、言葉を交わすことなく別れてしまう二人の心に残るであろう、悲しみ、大人には解らない子供心の刹那さ、色んな意味でこの映画における戦争というものの許せなさ、校長先生の「さよなら子供たち」という言葉が子供たちの心に忘れたくても忘れられない言葉として、一生残るであろう!タイトルの「さよなら子供たち」何とも悲しく切ない子供たちの別れの映画として、ルイ・マル監督の映画の中でも監督自身が忘れられないと言っているそんな作品であって、また監督がチャップリンが好きなんだなあ!あの皆でチャップリンの映画を楽しそうに観ている場面が出てくるのを観るとそう思わずにはいられなくなるし、悲しい映画の中で唯一、楽しい場面であって、あれは戦争中であっても、映画ぐらいは楽しい映画を!何か一つぐらい皆で楽しみたい。という願いが込められているように感じずにはいられなくなります。ルイ・マル監督作品の中で最も好きな、面白い映画は「死刑台のエレベーター」だとすると、最も悲しくてやりきれない怒りが感じられる作品がこの映画です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-06-05 19:57:51)(良:2票)
211.  いいかげん馬鹿 《ネタバレ》 
ハナ肇主演による馬鹿シリーズの中では一番好きです。全体的にパワー不足で暴れぷりも他の2作品程ではない。しかし、これが一番好きなのは馬鹿シリーズの中では山田洋次作品らしいいからである。ラストシーンなんか本当に寅さんのようだし、寅さんを感じずにはいられないからである。私が馬鹿シリーズが寅さん程熱狂的になれないのはハナ肇があまり好きじゃないからてよりもあのキャラクターこそ渥美清で見たいからである。馬鹿シリーズが寅さんみたいにならなかった。ヒットしなかった理由は渥美清が主演でないのも理由の一つだと思う。渥美清がどれだけ凄い役者かは寅さんファンなら勿論、解るはず。だからこそ渥美清により見たい。見たかった。見たかったて言うと岩下志麻のマドンナを寅さんで見たかったのは私も同じであるように山田洋次作品による岩下志麻の怪しい魅力をスクリーンの中で映し出してる姿がこの作品を見て感じずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2013-05-06 22:08:03)(良:2票)
212.  バーバレラ 《ネタバレ》 
やっと見つけたぞ!この映画を観るために市内のレンタル屋さん片っ端から入ってやっとのこと8件目で見つけた時の喜びはとても嬉しく、この映画を観る為だけに会員になったしまった。冒頭のバーバレラ(ジェーン・フォンダ)が宇宙服を脱いでいくシーンで私も含めて世の中の男性諸君の心を鷲づかみにしたに違いなく、少なくとも私は心だけでなく下半身も鷲づかみにされそうになった。てよりもなった。若き美しいジェーン・フォンダの素晴らしい肉体、素晴らしい裸体、男なら間違いなくこの場面だけでも、もう一度観たいとDVDの良さを知ることになるはずだ。劇場で観ていると出来ないことが出来る。そうです。何度もその裸だけを目的に巻き戻したり、一時停止したりと映画館じゃ出来ないことが出来るという利点!ただ難を言えば動く字幕が凄く邪魔である。それでも美しい裸を観ることが出来るのはやはり嬉しいものである。裸となったままのバーバレラが大統領閣下に対し「何か服を・・・」と言うと「構わん」という返事が返ってくる。いやあ、本当に構わんである。男なら誰しも閣下と同じ気持ちであるはずだ!それにしてもこの映画のジェーン・フォンダは文句なく美しい上にエロイ!デュラン博士の開発した機械さえもショートさせ、燃やしてしまうなんて、一体、どれだけ凄い性欲なんだ?男をただ捨てるだけの悪女でなく、きちんとご褒美までしてくれる何と言う有り難い女である。映画的にはけして、誉められるような内容じゃないし、でも、こういう映画を時には観るのも悪くはない。いや、悪い所か嬉しいものである。男心を確実に刺激するという意味で本当に嬉しい映画である。これ、日本でリメイクするなら、もしも、増村保造監督が生きていたら若き頃の若尾文子様(この場合は様です。ちゃんではない。)でお願いしたい。増村監督だったらこれ以上にとんでもない凄い映画となるはずだ。
[DVD(字幕)] 8点(2011-04-09 21:32:56)(笑:1票) (良:1票)
213.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
物凄い重圧感!これこそ映画です。「飢餓海峡、それは日本のどこにでも見られる海峡である。その底流に我々は貧しい善意に満ちた人間のどろどろした愛と憎しみの執念を見る事が出来る」というナレーションで始まる物語通りの人間の善意とは何か?三国連太郎演じる犬飼多吉が二人の仲間と犯罪を犯した後、本州の土を踏む前半の物凄いリアリズム、ダイナミックな展開の凄さ、素晴らしさ、あの津軽の海峡の壮大なる景色、荒れ狂う大波の中、傾く船、この描写の凄さ、スケールの大きさに圧倒させられる。犯罪を成功させた犬飼多吉が出会った女、杉戸八重(左幸子)が美味そうに食べているおにぎりを美味そうに見ている犬飼多吉の姿に人間の持っている欲望、食欲という欲の姿が見てとれる。あの場面こそ人間の飢え、正しく飢餓海峡とタイトルにあるように人間の飢えている姿というものを感じることが出来る。犬飼多吉との出会いにより一人の男を知った杉戸八重、また一方で八重との出会いがその後の人生を更に変えることとなる犬飼多吉、多吉が己の過去を忘れようと名前を変え事業を成功しかけていた矢先に多吉にとっては忘れていた女、八重が十年前の礼を言いに来た後のここでの左幸子の演技が物凄い。この映画を見ると役者とは何か?演技とは何か?と色々考えさせられる。とにかく役者の演技の素晴らしさにより人間の善と悪、その全てが物凄いリアルに迫ってきて圧倒させられぱなしのままあっという間に3時間もの時間が過ぎてしまうぐらいの物凄い映画!ラストのあのお経のような音楽と八重のお参りを船上からする場面、海の中へと自ら落ちて死を選んだ犬飼多吉の姿に自分の犯した罪の深さを感じられずにはいられない。何とも重く切なくそして、やるせなさ、余韻の残る人間ドラマの大傑作!文句無しの満点!
[DVD(字幕)] 10点(2005-06-27 23:24:39)(良:2票)
214.  コンドル(1939) 《ネタバレ》 
二枚目は何をやっても特だなあ!この映画におけるケイリー・グラントの姿、いちいち吐く台詞やら二人の女性への態度やらを見ているとそう思わずにはいられない。特に夫との仲がいまひとつ良くないリタ・ヘイワースに対するあの態度、普通ならあんな風にして、バケツに水を入れて髪の毛に思い切り吹っかける。それがリタ・ヘイワースほどの美女なら尚更のことである。羨ましいぞ!私にもやらせてくれ!リタ・ヘイワースのような美女を虐める。いやあ~美女が男に虐められるのはそれだけでもゾクゾクし、羨ましいたらない。しかし、あんなことをしても嫌われるどころか、むしろ逆に好かれるなんてくそーーー!ケイリー・グラントだから許されるのであって、私がやったらまず、嫌われて相手にもされないことだけは間違いない。二枚目って何をしても許してもらえて、良いなあ!ケイリー・グラントについてはこりゃあ、仕方ない。男から見てもやはりかっこ良いのだからどうしようもない。ハワード・ホークス監督の描くこの男臭い世界、空を飛ぶ飛行機、空中シーンの迫力などは流石であるが、ドラマとしての面白味やスリルなどはそれほど感じられないのが残念である。残念と言えばリタ・ヘイワースのあの悩ましい胸元ばかり気になってしまい、肝心な映画の内容についてはしばらくすると忘れてしまいそうなのと、どうせならもっと挑発的な姿で男たち、それは映画の中の男だけでなく、見ている私のようなスケベな男の心を掴んで離さないほどのものを見せて欲しかったのと、リタ・ヘイワースの悪女ぶりが見たかった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-06 11:33:58)(笑:2票)
215.  暗黒街の顔役(1932) 《ネタバレ》 
ハワード・ホークス監督のギャング映画とはどんなものかと興味あって、ずっと前に借りてきて観たこの作品、やはり面白い。流石、ハワード・ホークス監督!ちょっとした何気ない工夫によって、ただのマフィア映画ではない凄さを感じました。雨の中での弾丸シーンやラストの「X」などこういう所も本当に上手いと思った。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-11 19:24:19)(良:2票)
216.  青い山脈(1949) 《ネタバレ》 
若く明るい歌声に♪で始まる日本を代表する有名な曲「青い山脈」の主題歌がタイトルにもなっているこの作品、初めて観ましたが予想通り、いやいや、予想していた以上に良かったです。この映画が作られた1949年って言うと、戦後まもない頃ですよね。敗戦によって失われつつある人々の明るさとでも言うのかなあ?何だか上手く言えないけど、この時代に作られたことが物凄く大きな意味を持っていると思いました。敗戦によって暗く沈んだ人々の心に爽やかな感動を与え、観る者に生きる喜び、勇気を与えたこと間違いないと私はこの映画を当時、リアルタイムで観た人の多くは思ったに違いないと思うわけでして、作品全体(役者からなにから全て)に漂う開放感、素朴さの中に一つの青春の明るさを観ることが出来た気がして、戦争経験のない私にもとても新鮮な気持ちで観ることが出来ました。この映画の中に登場する、原節子の気品溢れる教師ぶり、杉葉子と若山セツ子の初々しさ、特に大きくて丸い眼鏡をかけた若山セツ子のお蝶さん、いや、お蝶さんは「次郎長三国志シリーズ」だった。そやなくて、和子さんがこれまた物凄く初々しくて良い。「次郎長シリーズ」のお蝶さんとは良い意味で全く違う雰囲気の、いかにも昭和の時代の女学生って感じで良い味、出しています。他にも芸者に扮する木暮実千代の色っぽさ、会議のシーンでの木暮実千代が最高!「会議の時などにしかめ面している男ほど、女の人にぶたれるのが好きなんだよ」とか言ってるシーンなんて、可笑しくて、可笑しくて、女優陣に負けず、男優陣にしても全員が良い演技していると思います。とにかくこの映画、日本社会における封建制度に対する批判をしつつも、けして、単なる社会派のお堅い内容となることなく、それでいて嫌味な作品にもならず、一本の青春映画としてきちんと作られていて素晴らしい!間違いなく今井正監督の代表作として語り継がれる一本だと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-14 21:38:39)(良:2票)
217.  秋のソナタ
イングリッド・バーグマンの遺作にして祖国スウェーデンが作品の舞台である上に親と娘を捨ててロッシーニ監督への元へと走った彼女の人生そのもののような何だかまるでイングリッド・バーグマン自身の人生を見ているようで複雑な気持ちになる。母親にとっては娘も大切であり、愛すべき存在でありながらも自分の事で精一杯なように娘にとっても母親は愛すべき存在なのに、心では解っていてもお互い、相手の気持ちを上手く解ってあげようとは出来ないという人間の身勝手さ、そういうものを鋭い視線で描き切るこのイングマール・ベルイマン監督、監督自身が牧師の子として生まれてきただけに作品に影響を与えているような気がしてならない。7年という月日がもたらす母親と娘の本音と本音のぶつかりあい、心では愛しているはずの母親への怒りをぶつける娘とそれを受けて立つ母親との凄まじいやりとりが恐くもあり、それを正面から嘘偽りなしに正々堂々と描き切っている点でこの映画の持つ存在価値は大きい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-10-02 09:11:53)(良:1票)
218.  あの子を探して
近頃はハリウッドに進出し、CG多様のアクションものなど撮っているチャン・イーモウ監督だけど、この頃までのチャン・イーモウ監督は良い。この作品も中国ならではの作品という雰囲気の中で一人の少女が迷子となった男の子を捜すというだけの話であるけれど、自然体の演技が何か観ていて癒されます。
[映画館(字幕)] 8点(2005-06-26 19:15:13)(良:1票)
219.  按摩と女 《ネタバレ》 
日本人にとっての温泉、日本人が最も安らぎを感じる場所、旅先が温泉ではないでしょうか?そんな温泉という場所で起きる謎の事件、謎の女と按摩さんとの物語だが、ストーリーそのものよりもまずはどこを見ても正しくこれが日本だと言わんばかりの風情を感じる映像美とカメラワーク、とても70年以上も昔の映画とは思えないほどの新鮮さを感じることが出来る。冒頭の按摩さん二人がとことこと山道を歩いてる場面、二人の按摩さんを追い越す馬車の中から現れる謎の女高峰三枝子との最初のすれ違うシーンでの緊張感、一つ一つのシーンに何だか不思議なほどの緊張感と味わいを感じるのは何故だろう?やはり謎の女を演じているのが高峰三枝子だからか?私にとって高峰三枝子と言えば「犬神家の一族」の松子夫人である。だから高峰三枝子がそこにいるだけで只ならぬ緊張感、不安、恐ろしさ、これから何かとんでもない事件が起こるのではと思ってしまうのだ。この映画の凄い所は主人公が按摩であるという所である。つまり眼の前に現れた女の素顔が見ることが出来ない。想像するしかないのである。想像すればする程、女の正体、素顔が知りたいと願う按摩の気持ち、揺れ動く心というものを見事に捕らえている。ラストの高峰三枝子の謎の女が去っていく場面のあの川の道を映した時の映像なんて正にそこに日本の良き姿を覚え、この映画を言葉で表すとしたら「音と匂い」の映画である。息を飲むほどの全編オールロケによる撮影とそして、何よりも謎の女を演じて見せた高峰三枝子の美しさに眼を奪われる。作品の雰囲気などは正しく小津映画を思わせるような味わい深さたっぷりの素晴らしさ、清水宏というこの監督さん「有りがたうさん」で初めて知ったけど、特別凄い映像なんてなくてもうるさい音楽など流さなくても役者に大げさな演技、台詞を言わせなくても伝わるということをしっかりと心得ている監督さんだ!これまた間違いなく傑作!
[DVD(邦画)] 9点(2009-02-22 21:46:37)(良:1票)
220.  草原の輝き(1961) 《ネタバレ》 
ワーズワースのあの詩「草原の輝き 花の栄光 再び それは還らずとも なげくなかれ その奥に秘められた力を見出すべし」とかいうこの詩が最後の最後にずしりと重く圧し掛かる。若い二人の恋の行方、切ない気持ちというものが見事なまでに表現されたこれが本当の恋なんじゃないかねえ!君!と何だか寅さんみたいな口調でつい、言いたくなってしまうぐらいこの映画は本当に二人の心情というものがよく描かれている。特に愛する男の為に純潔を守り続ける女性を演じたナタリー・ウッドが素晴らしい!個人的に同じナタリー・ウッド主演の「ウエストサイド物語」は感情移入出来ず、それほど好きでもないけど、これは良かった。とにかくナタリー・ウッドのあまりの美しさ、可愛さ、今までナタリー・ウッドてそれほど気にしたこともなければ、良いと思ったこともなかったけど、参りました。この映画を観て、ナタリー・ウッドという一人の女優に恋をしてしまった。とにかくナタリー・ウッドの全てがこの映画では本当に魅力的に見えてたまらない。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-08-14 22:09:43)(良:1票)

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