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321.  どら平太
市川崑監督に山本周五郎の原作と言えば同じようなキャスティングで「その木戸を通って」というのがある。あの映像の美しい世界に今度は活劇としての楽しさ、コメディタッチな雰囲気をという試みは買える。ただ全体的に単調と言うか?思ったほどワクワク出来るほどの面白味が感じられない。何か突き抜けるような爽快感が無い。映画的興奮、スリリングさに欠ける印象!丁寧に撮られてはいるがそれ故にもっともっとはじける笑いやら楽しさが欲しい。つまらなくはないが市川崑監督作品としては普通の感じです。この手のコメディタッチな時代劇は岡本喜八監督の方が相応しい気がする。フランキー堺か伊藤雄之助が健在だったらなあ!
[DVD(邦画)] 6点(2012-01-08 20:56:08)(良:1票)
322.  眼には眼を 《ネタバレ》 
絶望という言葉がこれ程までに感じる。当てはまる映画は無い。それぐらいこの映画には絶望的、極限状態の中で人はどういう行動をするか?考えさせられる。理不尽な復讐の中で人間の絶望に対する意識、考え方、妻を助けてもらえなかったからという理由で妻を助けなかった医師への恨み、親切の様に見せかけてはどんどんと追い詰めていくボルタクの凄まじさ、砂漠を歩き、ひたすら歩き、喉が渇いて水が欲しいという先生へ、水の入ってない水筒を渡したり、井戸があると言って目的地と反対の方へ連れて行ったり、しかも、そこには水など無い。何という復讐の凄まじさ、あの広大な砂漠の中で2人の他には誰も居ない。助けを求めても無駄である。ボルタクに何とかして、目的地であるダマスクの街への行き方を聞き出したものの、その向こうに見える気色は砂漠、砂漠と果てしなく続く景色、ボルタクの高い笑い声の不気味さと空を飛ぶ鷹、全てがこの映画の恐さ、恐怖を表している。もう、ボルタクは死んでしまい、残されたのは自分一人という絶望、人間の絶望への道、凄まじい程の広大な砂漠の景色、正に地獄とはこの事だ!この映画そのものが地獄である。人間の恨みと復讐からは何も生まれないという事を描いた凄い作品!
[DVD(字幕)] 9点(2017-05-24 20:16:14)(良:1票)
323.  リュミエールと仲間たち
これは私のように古い映画きり見ている者には懐かしい名前の監督が出てきたり、また私のように田舎者にはなかなか映画館では見れないミニシアター系の監督の素顔、えっ?この監督さんってこんな人だったんだ。というような今まで知らなかったこと、新たな発見、色んなものが見えてきて面白く見られる。ただそれでも不満もある。出来ることならもっと絞って一人一人の人生を見ていたい。そんな気がして、そういう意味での不満を感じつつも映画監督とは何か?映画とは何なのか?というようなものを見せてくれるドキュメンタリー映画である。こういうフィルム映像が見れたというだけでも本当に貴重である。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-04 21:54:45)(良:1票)
324.  風花(2000) 《ネタバレ》 
人は誰しも挫折を一度は経験し、それによって成長していく。この映画の主人公の二人、男も女もお互い挫折しながらも相手を思い、そして、人として必ずいつかは直面する「死」という大きな問題について考えながら生きている。娘を置き去りにしたまま出逢った自分と同じような落ち零れ状態の男と旅に出る小泉今日子演じるゆり子が雪の中で「死」に向おうとする時、川の向こうから走って助けにやって来る簾司(浅野忠信)の姿にはそれまで二人で旅してきた者としての男の優しさ、かっこ良さが見られる。そういう場面をきちんと描き、見せてくれている相米慎二監督の優しさが感じられて「ありがとう!相米慎二監督」と言いたくなった。遺作にしてもこの何とも張り詰めた重たい空気の中でこんな優しさを見せてくれる相米慎二監督、監督自身が既に「死」について自分の命が短いということを察していながらもこの映画における小泉今日子と浅野忠信の二人だけには自分の分までも長生きして欲しいという何かそんな願いが感じられる。娘との再会で娘の手から飛び出して去っていく蛙の姿が親子ともう一人、浅野忠信の未来を託している象徴であるようにも思えるし、それを離れた所から見ている浅野忠信を映すシーンなど良い場面が多いのもこれまた相米慎二監督の他の映画に共通して言えるし、そして、私が一番のお気に入りの場面は旅先での宴会の場面での柄本明の「座頭市」の物真似をする所!勝新「座頭市」ファンの私にはあの場面を見て、時代こそ違えども同じ日本人として、日本映画を支えてきた者同士、あの場面、勝新がもっと長生きしていれば見せてあげたかった。相米慎二監督もきっと同じである。相米映画における空気、季節感、美しい映像美、話としての面白さよりもこの映画を観て、相米映画とは何か?物語だけが映画ではないということを教えられた思いでいっぱいです。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-17 10:20:32)(良:1票)
325.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督待望の新作は相変わらずの三谷映画的な笑いに満ち溢れている。そして、何よりもここでもまた前作「ザ・マジックアワー」同様に色んな映画に対するオマージュ的な要素を持ち込むことでその映画が大好きな映画ファンの心を掴もうとしているし、そういう気持ちを素直に受け入れて見れば楽しむことも出来るということを教えてくれている。満員の劇場で馬鹿みたいに大笑いする。何て楽しいひと時だ。冒頭からしておや?「刑事コロンボ」の世界か?最初から殺しの場面、本当の犯人を我々に見せる。そして、その犯人をどのようして見破るか?という楽しみと裁判ものという所の面白さ、三谷幸喜監督がビリー・ワイルダー監督が大好きなのが改めてよく解るし「情婦」というあの傑作に同じくフランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生!」が大好きなのも解る。私もこれらの映画は全部好きです。話をこの映画の笑いという点に戻すと裁判における証人が幽霊であるなんてそんな発想、三谷幸喜監督じゃなきゃ思い付かないでしょ!その発想の面白さやら色んな意味で笑えて楽しい映画でした。タクシーの中での深津絵里演じる女弁護士と西田敏行演じる幽霊落ち武者とタクシーの運転手のやりとり、ファミレスでの二人と深田恭子とのやりとり、他にも阿部寛の変なダンスなどはあまりにも下らな過ぎて余計に可笑しかった。全体的にあれもこれもと色んなものを詰め込んだりしすぎていて長い気もしなくもないけど、それでも映画は映画館で観るものである。観に来ている大勢の観客、どこの誰かも全く知らない人達きりの中で声を出して笑うなんてことは映画館だからこそ出来るものだと思うし、三谷幸喜監督は映画は映画館で観るものだと教えてくれている。監督デビュー作「ラジオの時間」は面白かったけどその後の「みんなのいえ」「有頂天ホテル」と自分には合わないものだったけど前作同様、この監督の笑いに対する熱意、映画への愛というものに対する姿勢は十分評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2011-10-29 22:53:09)(良:1票)
326.  BU・SU 《ネタバレ》 
この映画のタイトルの意味は性格的なブスという意味で間違いないだろう!あれも嫌だし、これも嫌だし、とにかく全てが嫌で仕方ないそんな性格ブスを演じている富田靖子、この女優と言えばまず真っ先に大林宣彦監督の「さびしんぼう」での一人二役を思い浮かべる。そんな富田靖子の魅力満載、何しろこの女優のオーラ、顔付き、表情、全てが観ていて不思議なほど癒される。富田靖子演じる麦子が先輩の芸者の籠を持って走るシーンや文化祭でのあの八百屋お七のシーン、そして、何と言ってもラストの清々しさ、晴々とした笑顔が素晴らしい。それまでほとんど笑うこともなく、常に暗い表情しか見せなかった麦子が見せる初めての笑顔の中に初めての幸せ、幸福感、喜び、色んなものが見てとれる。作品全体を包み込む優しい感じのする市川準監督による映像、少ない台詞、最近の映画のように何でも台詞で語らせるものとは対照的な映像で見せるこの映画が私は好きだ。この映画は何度も言うように富田靖子、富田靖子、健気な女の子とどこか影のある不思議な女の子を演じさせるとよりスクリーンの中で輝きを放つこの女優さんが私は好きです。「さびしんぼう」は別格として、それ以外の富田靖子の出ている映画でどれか一つだけ選べと言われたら迷わずにこの映画を挙げる。
[ビデオ(邦画)] 9点(2009-11-15 10:22:05)(良:1票)
327.  東海一の若親分
マキノ雅弘監督に中村錦之助と来れば、こいつは観る前から期待大!期待通りこれまた面白かった。もう中村錦之助ほど活きの良い侍はいなんじゃないかと思えるぐらいです。次郎長親分に扮する中村錦之助が今回もこれまたかっこ良く、そして、またしても丘さとみが本当に可愛くてたまらん!一人二役の丘さとみの演技も見所の一つで、そして、他にもこのシリーズ常連のメンバー達が楽しくて良い!ジェリー藤尾と渥美清が今回もこれまた良いんだなあ!いずれにしても中村錦之助をはじめとするこの作品に対する役者達の思いが監督との息の合ったコンビで私はこのシリーズも監督こそ違うものの同じ中村錦之助主演の作品のシリーズものの中では「宮本武蔵」に「一心太助」シリーズ同様、好きです。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-05 12:38:38)(良:1票)
328.  東京上空いらっしゃいませ 《ネタバレ》 
なんて可愛いんだ!牧瀬里穂演じるユウの健気なこと、なんて純粋なんだ!自分が交通事故で亡くなってしまったことをちっとも受け入れようとしない中で中井貴一のマネージャーの住むマンションの部屋の中、一人で活き活きとしている姿に、そして、二人並んで撮った写真に自分の顔の映っていない姿を見て、そこで初めて自分が本当に死んでしまったのだということを受け入れる姿に、もうそっから最後まで泣けて泣けて本当にヤバかった。既に皆さんが書かれているように別の自分の姿として、ハンバーガーショップで働く場面も素晴らしい。それにも増して、折角、アルバイトで貰ったお金を中井貴一演じるマネージャーの為にと使ってしまう姿と自分へのご褒美に歯ブラシを買うなんて、駄目だ!本当に泣けて、泣けて仕方ない。他にも中井貴一と二人で夜空を見上げ、打ち上げられる花火を見ているシーン、そこでユウ(牧瀬里穂)の言う台詞がこれまた涙を誘う。「わたし、今の自分が一番、好き」自分の生まれた時のまだ0歳の頃から順に自分の年齢を言うシーン、中井貴一以外の仕事関係者には死んでいる筈のユウが幽霊としてまだ生きているということが解らない。交通事故の原因となった笑福亭鶴瓶の白雪の眼の前に姿を表して言う「東京からいらっしゃいませ」、あの場面の何とも言えない気持ちの良さ、あの場面は本当にスカットする気持ちの良いシーンだ!単なるアイドルものかと思っていたらとんでもなかった。牧瀬里穂の演技が下手とか駄目とかそんなことはどうでも良いぐらいに私は感動してしまった。こういう作品に対して、色々とケチを付けたがる頭のお堅い映画評論家がいそうだが、こういう映画を観ても何とも思わない。楽しめない。素直に見れない人は物凄く可哀想だと思う。牧瀬里穂が見せる笑顔の素晴らしさ、見ていて本当に気持ちの良いそんな映画です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-08-13 09:37:50)(良:1票)
329.  父ありき
小津安二郎監督作品、それは、私にとっては欠かすことの出来ない俳優、理想の父親像でもある笠智衆という俳優の存在あってこそ、笠智衆さん無くして小津作品を語れない。少なくとも私にとっての小津作品、私にとっての笠智衆という俳優はそういう存在なのであります。ですから、当然、この作品も私は観たいと思って、借りてきて昨日、観ました。感想としてはやはり良かったです。小津監督の作品はほとんどカメラを動かすことなどせず、台詞にしても無駄な台詞はほとんどない。俳優の演技とそれを映し出すカメラワーク、構図とでも言うべきか?見事に決まっていて、静かであることがこれだけの良いショットを捉える事が出来るのだと思います。例えば釣りのシーンが良い例で、親子でただ釣りをしているだけなのに父と子、二人の思っていること、言いたいことが映像として台詞などなくても聞こえてくる感じがします。やはりこういった事、ひとつだけでも小津監督の映画には今の映画にはなかなか見られない。ないものがある。良い映画っていうのはそういうものではと思うのであります。とにかく小津作品は観れば観る程、はまるものがあります。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-02-28 20:36:25)(良:1票)
330.  永遠の人 《ネタバレ》 
愛の無い結婚、愛のない結婚生活、何ともドロドロした人間関係を木下恵介監督はリアルに描いている。仲代達矢演じる片足が不自由な一人の男に乱暴された上、無理やり結婚させられてしまった高峰秀子演じるさだ子、そんな二人の間に生まれた息子と娘、この人間関係が物凄くドロドロしていて観ていて何とも言い難いやるせなさが作品を通して迫ってきます。田村正和演じる息子が両親に対して「僕は、どんなふうにして産まれてきたか解りました。」と言って二人の間から姿を消そうとして、自殺を図るその息子としての苦しみとまた父親と母親の苦しみも同じく描きながらかつての恋人である佐田啓二演じる隆に対する想いが消えないで苦しむさだ子が夫である平兵衛に謝り、死を目前としている隆に最後の別れをと許しを得て走っていく姿にこの映画、単なるドロドロしたままで終わらない救いを感じる。この辺りの演出は流石は木下恵介監督らしい温かさを見ることが出来て良かった。それにしても高峰秀子、この女優さん、やはりこういう不幸な女性を演じさせたらナンバーワンではなかろうか!とにかく凄いとしか言えない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-01-13 11:05:03)(良:1票)
331.  なごり雪 《ネタバレ》 
うわぁ~平均点低いなあ!これははっきり言って駄目な人には全く受け入られない世界だろうけど、大林宣彦監督作品が好きな人には受け入れるだけの力を持った作品だと思う。確かに皆さん、指摘の通り、台詞回しも変だし、棒読みではある。しかし、これはそんなことをああだこうだと文句を言うような作品ではないと声に出して言いたい。甘くて切ない大人のためのファンタジー映画なのだ!大林監督らしい美しい映像、昔の日本映画にある匂いとでも言うのか?作品全体に漂う甘い雰囲気、その甘さこそ大林宣彦ワールドなのだ!そして、単なる甘いだけの作品ではない。甘さの中にある緊張感、サスペンス映画のような雰囲気と狂気が入り混じった。更には大林映画を語る上で絶対に欠かすことの出来ない少女の魅力、見ている私でさえも何だか恥ずかしくなるような少女趣味、そう、その少女趣味的、何と言うのが正しいのか?大林監督のロリコン的要素がずしりと詰まった危ない雰囲気、ここにどういう訳かいつも観ていて不思議と惹かれるものがある。この映画では主人公の昔の恋人で親友の奥さんでもある雪子の若き頃を演じている新人須藤温子という女優が素晴らしい。彼女の見せる一つ一つの仕草、笑顔に涙、この映画を支えているのは間違いなく彼女(須藤温子)である。タイトルの「なごり雪」にもある「雪」がこの映画の大きなキーワードでもあり、三浦友和演じる主人公とその友人ベンガルの少年時代の回想シーンの中で二人に雪を降らせてみせるシーンはこの映画の中でも一番の名場面!同じ伊勢正三の名曲を映画化した「22才の別れ」はいまひとつ乗れなかったけど、こちらは乗れた。やはりその最大の理由はやっぱりこの映画の中の須藤温子というこの当時の新人が素晴らしいから!こんなにも素晴らしい若手の女優さんをその後、生かしきれずにいる現在の日本映画に一言、言いたい。ただ可愛いだけじゃ駄目だと!この女優さんは可愛いだけでなくきちんとした芝居を出来る素晴らしい女優だ!そういう女優を見事に抜擢して見せた大林宣彦監督はやはり素晴らしい監督さんです。誰が何と言おうとこれも私の中では大林宣彦監督の代表作として評価したい。
[映画館(邦画)] 8点(2007-11-17 23:26:18)(良:1票)
332.  僕達急行 A列車で行こう 《ネタバレ》 
森田芳光監督が亡くなってから随分経つ。今更ながら最後の作品を見て感じたのはこの映画を見ると人間頑張れば何とかなるさ。全てが前向きなのが良い。同じ趣味を持つ2人の男、この2人の主人公の名前を含めて登場人物皆、電車の名前が付けられてるというこだわりと同じ趣味を共有出来る仲間って良いなあ。それがどんなにマニアックな趣味でも同じ趣味を持つことで得られる楽しさを見せてくれている。そして何よりも他人の趣味、楽しみ方、価値観に対して一切否定してない所が良い。人は皆、何かしら自分なりの趣味や人生の楽しみ方を持っているはずです。それを映画という最高の武器を持って見せてくれたことが何よりも嬉しい。作品的にはそんなに凄い映画でもなければ森田芳光監督の初期の頃の「の・ようなもの」や「家族ゲーム」で見せた才気はほとんど感じないし、物足りないて言えば嘘になる。しかしそれでも最後の映画がこんなほのぼのとした優しい映画であることが嬉しいし、その一方でまだまだもっと森田芳光作品が見たかったという何とも寂しい気持ちにもなる。当たり外れがこれほど激しい監督はあまりいないと思うが、そんな森田芳光監督が私は憎めないし好きですし、本当に惜しい人を亡くしたなあて改めて思った。
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-24 22:37:08)(良:1票)
333.  トラック野郎 望郷一番星 《ネタバレ》 
このシリーズ、まじめに観たのは初めてだけど、面白かった。沢山ある中でどうしてこれを選んだかというと、皆さんの評価が最も高かったのと、それとマドンナに島田陽子て名前を見つけた(この頃の若い島田陽子の美しさは本当に良い。桃さんやなくても私も惚れるぜ!「犬神家の一族」の珠世さんに「砂の器」の高木理恵子も勿論良い)のともう一つ、明日に迫った有馬記念の前に観るならこれだろう!ハイセーコーが出てくるてパッケージに書かれてたもんで、いやはや、なんて言うのかなあ?とにかく桃次郎の男っぷり、気風の良さにそして、バカで不器用、それでも男らしく厚い厚い人情味溢れる人間性に惚れた。男が惚れる男とでも言ったら良いのかなあ?こういう男に男は弱いものです。そんな桃次郎のフェリーの上でのシーンの笑えること。笑えること。マドンナの島田陽子演じる亜希子に惚れた桃次郎が嫌いだと言ってた馬が好きになるという話なんて、何か知らないけど良いなあ!て気分にさせられるし、思い込みの激しさと結局は好きになった女は別の男と一緒になってふられてしまうなんてどこか男はつらいよの寅さんに通じるものがある。だけどいつまでもぐだぐた言わずに「おめでとうございます。」と祝福する姿なんて正しく寅さんと一緒で観ていて気持ちが良い。喧嘩のシーンも沢山出てくるんだけど、ちっとも後味の悪さがない。いや、むしろ気分爽快になる心地の良さ、確かに内容としては下ネタだけらけの下品な部分もある。だけど、アメリカのコメディ的な下品さとは全然違って、この作品は日本的な男達のバカで厚い人間たちのドラマであると言える何とも見終わった後の気持ちの良さは日本人で良かったと思える清々しさです。こうなったら残りのシリーズ全部観てやろうと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2006-12-23 12:42:43)(良:1票)
334.  川の底からこんにちは
何だか最初のうちはかったるいなあ!借りてきて失敗したかも?と思っていたものの観ているうちに段々と面白くなっていくし、人間なんて所詮は馬鹿な生きものなのさ!自分の欠点を全てさらけ出す佐和子(満島ひかり)にそうだよね。自分では解っていても他人に言われると腹が立つけど、それでも自分の気持ちを恥ずかしいとは思わずにさらけ出すことがどれだけ勇気が必要か?思い切って開き直る主人公の姿は全ての人への応援のように感じられて共感を覚えずにはいられなくなる。満島ひかりの泣き顔と怒りに満ちた表情の素晴らしさ、今の日本の若手の俳優(女優だけでなく、男優も含めて)ここまで観る者に表情だけで惹き付ける魅力的な人は他にどれだけいるだろう?
[DVD(邦画)] 8点(2011-10-05 21:10:57)(良:1票)
335.  ちびまる子ちゃん 《ネタバレ》 
大野君と杉山君の2人の友情がメイン、いつもいつも仲良しで喧嘩など無縁とばかり思っていた2人が運動会で喧嘩する。合宿コンクールで声が出なくなってしまう大野君をカバーして歌う杉山君の友情にやはり二人は一心同体とばかり思っていたのも束の間に今度は父親の仕事の都合から転校する話が出てくる大野君、ここでまた二人は喧嘩してしまう。この時の大野君の放つ台詞、子供にはどうにもならない事があるという台詞が突き刺さる。ちびまる子ちゃんは単なる子供向けのアニメでない考えさせられる物が散りばめられており、だからこそ長きに渡り国民から愛されるアニメなのだ。まるちゃんが喧嘩している2人、大野君に対して私は二人のコンビが好きなんだよと言う台詞はまるちゃんだけでなく、クラス全員のいや、ちびまる子ちゃんファン全ての気持ちを表している。喧嘩してもまた二人は直ぐにいつもの二人である大野君と杉山君が居る。だからまるちゃんを含むクラス全員がいつも仲良しでいることが出来るのだ。大野君が杉山君の為に歌う友情の歌、それを見て涙ぐむクラスメート、ちびまる子ちゃんの素晴らしい一面を見せてくれてありがとう!さくらももこさん、もうこの世には居ませんがあなたの残したちびまる子ちゃんという素晴らしいアニメ、漫画は永遠の物としてこれからも一生、大勢のちびまる子ちゃんファンの心の中で生き続ける事でしょう
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-09-26 19:28:11)(良:1票)
336.  犬の生活 《ネタバレ》 
大大大好きなチャップリン!そんなチャップリンの短編映画の中でも最高傑作がこれ!まず犬の選び方からして、もう素晴らしい!大抵の場合、犬を扱った映画で使われるような犬は可愛い犬を選んで使うが、それだとあざとく感じられる為に感情移入出来ないものだが、チャップリンが選んだ犬はどこにでもいるようなごく普通の犬、そんな自然な感じの犬だからこそここまで感情移入出来る。そんな犬が他の犬達にいじめられている所を身体を張って止めに入り、助ける姿は感動的です。チャップリンの持っている優しさというものの全てが物凄い笑いと一緒に伝わってきます。僅か40分ほどの作品ですが、そんな時間の中でこれほどまでに笑わせ、そして、泣かせてくれるチャップリン!あなたは本当に偉大だ!迷うことなく10点満点です。
[DVD(字幕)] 10点(2006-02-01 22:16:23)(良:1票)
337.  笑う蛙 《ネタバレ》 
いや~凄い!これは正しくヒッチクック映画のようなハラハラドキドキの傑作密室劇です。大塚寧々演じる若き人妻とそんな人妻を捨て別の女を作り、更には会社の金を横領した罪で警察から追われている夫を演じている長塚京三、二人共この映画の為に生まれてきたのでは、俳優になったのではないかと思うぐらいの見事なハマリ役!一旦は妻を捨てたものの、警察から逃れる為に再び妻の元へ戻って来た夫を家の中で隠し、そんな中、毎日、毎日色んな人間が彼女の所へやってくる。ここからがこの映画の凄いところです。誰にも見つからないように隠れている夫が妻の所へやってくる人間との会話、妻の愛人との情事、夫を追ってやってくる刑事とのやりとりを隠れた部屋の中から小さな穴を開けて見ている夫、まるでその視線はヒッチコック映画のようなカメラ視線です。そして、愛人とのSEXを隠されている部屋の中から見ている夫がそれを見てたまらなくなっている場面のあのゾクゾク感は男ならきっと理解出来る筈の凄さ、愛人が帰った後、夫を隠れていた部屋から出す妻、そして、妻は今までの行為を夫に見られていたことを知る場面における妻の表情とそんな妻がその後、夫を意識しながらまたしてもやって来る人達とのやり取りを楽しんでいる凄さ、覗く側と覗かれる側の心理状態を見事に生かした上手さに、そして、何と言っても一人だけ予測の出来ない行動を取る妻、事故で死んだことにされた夫を家族や愛人達にかくまっていたことをばらすという凄まじき行動、みんなの前で夫が今までの事を全て悔い改め、やり直したいと訴えるシーンを見てる時の大塚寧々の表情に女の恐さを感じ、愛人との間に子供が出来たというとんだ大嘘まで言う始末!夫だけでなく愛人、身内と全てを騙し続けたしたたかな女の凄さに唖然とさせられた。これは本当に毒のある恐ろしくも哀しい、人間の惨酷さと矛盾さを描いている傑作です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-18 13:01:21)(良:1票)
338.  釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束 《ネタバレ》 
時々、ふとしたことから急に見たくなる映画がある。例えば「寅さんシリーズ」がその代表である。同じようにこの「釣りバカシリーズ」もそんな代表であり、偉大なるマンネリ、寅さん同様、それがこのシリーズに似合う言葉であるように私は思う。そんな中で一度、劇場で見てはいるけれどまた見ようかとこの作品を選んできたのは、はっきり言って檀れい目当て!ビールのCMでの檀れいをちょくちょく見てるうちに檀れいの出ていたのはこれだと思って借りてきた。前置きはここらでこの作品、どことなく寅さんを感じさせる。男はつらいよの後半の中では個人的にナンバーワンの傑作、同じ岡山が舞台の「口笛を吹く寅次郎」を思わせるのは会長に就任したスーさんが家出して、岡山でお寺にお世話になりながらお経を読んで生活したり、鐘を鳴らしたりと何だかこの作品は寅さんシリーズにオマージュを捧げているように感じられるのだ。浜ちゃんとスーさんとの絡みという意味では後期の作品の中では面白く観ることも出来る。主演の二人の名コンビは勿論、今作では脇を固める俳優陣、課長から次長になった佐々木前課長の姿が今、見返しみると既にこの頃からえらくやせ細っていることに気付く。そして、僅かちょっとの出番なのに凄いインパクトを植え付ける小沢昭一、岡山てことで星由里子に高島政伸と何だか見ている間、ずっとNHKの朝ドラ史上私の中で最高傑作「あぐり」を思わずにはいられず、色んな見での楽しみを感じさせるシリーズの記念すべき20周年目となる作品です。
[DVD(邦画)] 7点(2011-01-29 19:34:18)(良:1票)
339.  ル・バル 《ネタバレ》 
凄い!何が凄いって?始まってから終わるまで一切、台詞なし!それでいて、やたらと面白い。その面白さ、あの怪しげな男達の危なさ、異常な雰囲気の中で言葉なしに表情だけで全てが伝わってきます。喜びや悲しみも全てを身体全体使って見せる。ここには余計な言葉など要らない。例えば戦地に夫を持っていかれた二人の女性が互いに対して殴る。その後の二人が見せる思いやり、互いの夫の写真を見せ合うことで解りあえる女性ならではの優しさに満ち溢れた女と女の友情のようなダンスに込められた思い、それを優しく映し出して見せてくれているこのエットーレ・スコラ監督の眼差しの温かさ、それはあの戦争へ行ったままの夫が戻ってきた後の奥さんとの二人きりのダンス、それを見て踊る周りの人達、ここでも再会した瞬間は音楽なしで、見せることでその後のワルツが効いてきます。後半に出てくる変なロックン・ロール達、最後の方の踊りのシーンも流れている音楽とはまるでかみ合ってないダンスを見せる怪しい男達の面白さやら何から何まで面白可笑しく、音楽の楽しさ、人間の面白さやらそういうものが見事に描かれているのと、そして、この映画、フレッド・アステア主演の映画「トップ・ハント」へのオマージュをも感じられ、監督のアステアへの思い、そういうものが観られる映画としても私はこの監督さんの心の優しさが見られてとても良い映画であると思いました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-03-03 21:32:23)(良:1票)
340.  ソナチネ(1993)
北野武監督の映画には常に死が付きまとう。これにしてもそうで、少ない台詞と映像の力で見せる。この辺が他の日本のタレントや芸人が撮るどうしようもない作品とは明らかに違う。多くを語らない。しかし、映像だけで迫る力強さがある。この映画が凄いのは、暴力映画によく見かける。付きまとう暴力的な描写が少ないこと。そして、主演の北野武にしてもやたら感情を剥き出しにするわけでもなければ、何か凄い爆発を見せるわけでもなく、ただただ静かに、不気味に笑っているようなあの顔付き、人間の心の中には常に暴力があるんだよ!それを感情的にしないことで、返って不気味さを増す。そんな静けさこそこの映画の恐ろしいところです。好みで言うならば「キッズ・リターン」が北野武監督映画では断然だが、恐ろしさという意味ではこれこそ北野武監督の中でも一番だと思うぐらい本当に見ていて恐いそんな雰囲気を最後まで感じたし、間違いなくこれも監督北野武の代表作として挙げられる作品だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-13 19:32:03)(良:1票)

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