Menu
 > レビュワー
 > tottoko さんのレビュー一覧。21ページ目
tottokoさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
21222324
>> 通常表示
401.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
所謂「名作」かと思っていたので、観た時はもーびっくりしちゃって。なんかもうグロかった。“耽美”じゃないただのグロ。ことさらに人間の不快感覚を刺激するべく描いているみたいだった。耳障りなオスカルの叫び声。生魚。唾液。牛の頭部の死骸からウナギ。果ては3歳児の性交。小人という畸形をビジュアルに置いて何を描きたかったんだろう。戦争が終わって小人をやめるオスカル。精神と肉体が乖離しているこの奇妙な存在と、所属先の無い自由市だったダンツィヒの混沌が象徴的に重なるのか?うまいこと読み解ければ評論家になれるのだろうけど、ちょっと私にはわからない。“ショック”という意味では、この映画、“時計じかけのオレンジ”にも匹敵するけれど、「ブリキ」で描かれるグロさは言ってみれば平凡で、大きな声では言えないがこの程度のグロテスクならば、私は軽く十や二十は考えつく。展開がことごとく予想を上回る“オレンジ”よりもずっと評価が低くなりました。
[ビデオ(字幕)] 5点(2013-06-11 00:49:55)(良:1票)
402.  扉をたたく人 《ネタバレ》 
地味で控えめだけど、いつまでも心が共鳴するような良作。人生に厭いた大学教授の出会う、予期せぬ扉。人と出会い、繋がることの幸福感と、そんな一市民のささやかなつながりすら絶つ9・11後のアメリカの現実。ドラマチックに盛り上げるような演出を控えたドキュメントタッチでまとめているけれども、唯一教授が感情を昂ぶらせるのは願いが叶わなくなったと知る移民局での場面。小役人相手に、どうにもならないことだけど、彼の叫び、憤怒は観る者すべての思いを代弁するように感じた。個人的に好きな場面は教授がストリートショップで店番をせざるを得なくなっちゃうトコ。「手作りです」って。こういう、ふっと笑みがもれるようなシーンを挿入してくる映画がほんと好き。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-09-19 23:54:46)(良:1票)
403.  2001年宇宙の旅
観ているこちらも無重力でキューブリックの脳内を漂っているような。猿と石碑。生と死。何かの暗喩なのかもしれない記号が飛び交うけど、それらの解釈は私の手には負えない。ただもう圧倒的な映像と荘厳な音楽に口が開きっぱなしで口腔内が乾くし、それに眠い。宇宙船の内部、それはそれはもう天井から床、椅子、スイッチ一つに至るまで目が潰れそうなまでにスタイリッシュで、点数すべてはこの美術に捧げるものであります。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-08 01:02:46)(良:1票)
404.  メイズ・ランナー 《ネタバレ》 
映像技術の進歩というのは素晴らしいもので、巨大な壁でできている迷路に囲まれているという強烈な閉じ込められ感が、まあとてもリアル。役者さんたちは実際には緑色のスクリーンを背景に演技していたのかもだけど(それはそれで大変な仕事だ)、視覚に訴える不条理感は本物世界のようで,十代の男の子ならば「俺ならどうしよう?」とわくわくしてほしい。 集団に対立ができて、「蝿の王」みたくなるのかなあ、と思っていたら脚本は露骨に”脱出派”リーダーをイケメン主人公に据えているので”残留派”リーダーは分が悪いのだった。青春男子の中に女子一人を投下するという荒業も、たいして波風立たず不発。ワタシは「これで最後」というメッセージから、自分らで生殖してコロニーを維持せよ、ということかなと思ったが、汚れた大人の考えだったらしい。純粋な若者たちはあくまで真実を求め、外へと向かうのだ。 まあ結末は次も見てね、と言わんばかりの思わせぶり。近年よくあるパターンでちょっと興ざめ。
[映画館(字幕)] 6点(2016-07-18 00:00:18)(良:1票)
405.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
淡い色彩、素朴な人物画、正確に緻密に描き込まれた戦前の広島の街並。大変美しいアニメである。柔らかく耳に響く広島弁も心地良かった。 最も美しいのは、すずや周囲の普通の人たち。朝には出勤し、かまどで炊飯し、洗濯をして畑の世話をする。生活のための仕事を当然のようにせっせとこなす普通の営みが、戦時下においてはとても輝かしく尊く感じられる。 細やかにユーモアを交えて描かれる人間関係。スパイを疑われるすず、このご時世であるから緊迫の北條家かと思いきや「憲兵さんは何もわかってないのよ」と皆でネタにして大笑い。つられて笑った。生活感のリアリティは気温まで伝えてくる。冬には手がかじかみ、夏はうだるような暑さ。「今日も暑いわねえ」20年の8月、あの日も暑かった。 この美しい人たちを破壊した戦争という「暴力」を憎まない人間がいるとは思えない。エンドロールが流れる中、席を立てずにただ鎮魂を祈っていたのは私一人では決してないだろう。声高に叫ばないが、強く強く心に反戦を訴える力のある映画だ。  私は声優という職業はプロの領域だと思っているので、役者であってもあまり歓迎しないのだが、本作のヒロインの声を担ったのんはすずに魂を吹き込む見事な演技をした。ぴったりだった。
[映画館(邦画)] 9点(2017-02-09 00:51:55)(良:1票)
406.  ブルージャスミン 《ネタバレ》 
そうと自覚の無い愚かな人は、他者を苛々させるものだ。ジャスミンの自意識はとてつもなく高いプライドと見栄でできていて、「完璧な人生を生きるべき自分」に一片の疑いも持たない愚かな人だ。都合の悪いことには見て見ぬふりで先送り。確かに彼女は犯罪者ではないし、悪人ではない。だけど他人の人生を上から目線で否定する傲慢さ、良い人間でもないだろう。 上手いなあ、と思ったアレン演出はオープニングと、妹のキャラクター設定。 旧知の叔母らしき老婦人とファーストクラスで旅行中のジャスミン。ずっと語りっぱなしだけど、これは観客への状況説明なのかと思いきや なんと老婦人は辟易した顔で迎えに来た家族の元へさっさと向かうのだ。えーっ、他人だったんかーい、と客は驚き、初対面の相手にだらだらと自慢話をするジャスミンという女の人間性を一発で理解するのだ。 ジャスミンと対比の妹、これがまた絶妙に彼女と逆ベクトルの描かれ方なんですな。垢抜けない髪型、服装、バツ一、子供あり、スーパーのパート、と設定に抜かりない。ジャスミンが馬鹿にして止まない生活レベルなのだけど、彼女は姉のように自己承認欲求に心が縛られていないので、のびのびとして自由だ。感心なことに、ラストのけんか別れまで一度も姉のことを悪く言わなかった。 金は無くとも、人生をそこそこ楽しみ受け入れる妹、かたや酒と安定剤に頼りながらセレブ生活にしがみつく姉。 私はジャスミンが好きではない。やることなすことイタくて不愉快だ。だけど見栄をはってつい誇張するくらいのことは、誰でもやるだろう。「愚か」というだけでこんなに悲惨な結末を迎えるとは、震え上がってしまった。アレン怖いなあ。 ジャスミンを100%理解して演じたC・ブランシェットが凄い。充血した上目使いで自分の妄言に取り憑かれている彼女から目が話せない100分でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2015-08-16 01:00:57)(良:1票)
407.  デビル(2010) 《ネタバレ》 
ワタシはシャマランの術中にはまり易い体質らしい。馬鹿にされても高得点つけちゃえ。だって、怖かったよ、これ?ぞくぞくしっ放しでしたよ。ショートした回線を復活させようとする警備員のおじさんの、じわじわ~どーん!では飛び上がったし、デビルおばさんがむくーっと起き上がった時は叫んだよ。警備室でモニターを見ていたとしたら、インド系係員のおじさんと一緒に絶叫してたはずだ。なにしろ悪魔だし、人外のモノだって最初から言ってるくらいだからネタとしては大したことないのかもしれない。だけど、静けさと動揺の使い分けといった“怖がらせ方”が上手いんですよ。しんねりと静かな音楽にも引きこまれちゃうし。後引く嫌な感じは無いし、楽しく怖がらせてもらった、という感じです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-29 00:40:59)(良:1票)
408.  最高の花婿 《ネタバレ》 
いやー、何度声を上げて笑ったことか。深刻な社会問題であろう移民のネタを軽く笑いに代えるとは、フランスの成熟度の高さを思い知るなあ。 ヴェルヌイユ家の両親の気持ちって大多数の人が抱いているのと同じですよねきっと。「自分には差別意識はない」と。でも我が人生に宗教の違う他民族の人間が身内となる事態が発生したら、ちょっと平静ではいられない。”希望の星”末娘の相手は真打ちともいうべきアフリカ系。「なんでこんな目に?」とまで言っちゃってましたねえお母さん。 この作品の凄いのは「偏見は存在します」とはっきり認めながら、その馬鹿馬鹿しさをコント仕立てで表出してるそのセンス。移民の婿三人が互いの出自で感情こじらせつつ、黒人現るとなると結託して「パパラッチ風作戦」で末娘の結婚を妨害しようとするくだりは、あまりの無意味さに脱力笑い必至です。 鬱気味の三女の絵とか、ちょっとイラっとする神父とかがまた別口の笑いとしてお話のアクセントになってます。エスプリの効いたフランス映画です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-18 18:38:36)(良:1票)
409.  アイス・ロード 《ネタバレ》 
またリーアム・ニーソンの危機乗り切りモノかあ、と観る前はあまり乗り気じゃなかったのですが。でもこれがなかなか見せました。 人物らの顔がまず良いです。ニーソンはもちろん主役級の存在感だし、フィッシュバーンのベテラン労働者顔が本作にきっちりハマりますし。ぱっと見「現場で役に立たない奴」そのものの会計士、強気の女子ドライバーらの布陣も良し。 そしてなんたってケンワースの18輪トラックがかっこいい!大型重機好きの心を掴んで離さない素敵さ。でかいトラックがケツから氷湖に呑まれてゆく画や、横倒しになった一台をウィンチで起こす作業のその大きさ、無骨さ。ちょっと息を呑むほどのスペクタクルぶり。間違いなくケンワースはこの映画の主要キャストの一角を担っています。 画の力に加えてストーリー展開も意外だったり緩急ついてたりと、娯楽作の王道を行きます。「恐怖の報酬」をブラッシュアップした後継作と名乗っても良いんじゃなかろうか。 映像技術が進んで安直なパニックアクションものがごまんとある中、緊迫演出とドラマの構築においてこれだけの高クオリティな仕上がり。拍手を送りたいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-11-22 18:14:48)(良:1票)
410.  悪魔の手毬唄(1977) 《ネタバレ》 
この雰囲気、胸を衝く音楽に絡め取られて痺れる。日本の鄙びた田舎の因習がもたらす妖気。色の無い山道を、金田一が歩く印象的なシーン。真っ黒でまっすぐな杉が愛想無く林立する山。ラストでわが子を殺した岸恵子が半狂乱で走る、彼女を取りまくのがまた山だ。ずっしりと暗くて陰気な。怖い、怖いです。女たち、母も娘もみな哀れで切ない。岸恵子の嗚咽、呆然自失の若山富三郎、目を丸くして困惑顔の石坂浩二。娘たちの死に様とか、半分あざで覆われた顔とか、今ではお祭りのお化け屋敷のようにしか見えないけれど、人物たちの織り成す人生の哀しさが、興味本位の猟奇を凌駕する。怖いといえば居るだけで怖い白石加代子も強烈。あと、字幕で“総社”って出るだけでぞくっとするのは何故だろう。
[地上波(邦画)] 8点(2012-10-11 00:25:54)(良:1票)
411.  禁断の惑星 《ネタバレ》 
この頃のSFってすごく真面目に哲学しているんですねえ。高度な文明を誇った生命体が自らの負の思念を肥大化させた結果滅びてしまった、と。宇宙を舞台にした哲学思想は‶2001年宇宙の旅”で頂点に達して、以降は七面倒くさいことは抜きに楽しく戦うスターウォーズ路線に向かったのですね。他は未知の凶暴生命体と闘ったり、火星に芋畑を作ったり。 70年代以降のスペクタクルSFがなじみの世代なので、本作のようにこんこんと他惑星の謎解きを見せられたのは新鮮でした。画もこの時代を思えば凄いです。地下深く構築された動力変換設備などはCGでなしにどうやって造ったのだろう。 大筋まじめではあるんだけど、紅一点の女優がお色気を露骨に担当していたり、ロマンスを織り込んで当然といった脚本にはやっぱり時代を感じますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-30 23:29:29)(良:1票)
412.  鉄道員(1956) 《ネタバレ》 
頑固おやじに振り回される家族の情景。モノクロのしっとりとした質感とイタリアン美女に天使のような子どもの画でちょっと敷居が高くも感じますが、往年のテクニカラーを施して昭和感を出せば向田邦子脚本のドラマのような親しみやすさが一気に出ますねきっと。本質同じだもん。 親父はガンコで、でもそんなに強いわけではなくて。家庭を支えているのはしっかりした優しい母親の方で。そして幼い末っ子はいつも大人たちの秘密を知る立場で、「黙っていてね」と守秘義務を課せられる笑。結局筒抜けになっちゃうんですけども。 イタリア映画の人間ドラマによく見る「俯瞰した姿勢」が本作にも顕著で、人物らは状況を切り開こうと必死に動いたりしないです。なるようになるからね人生は、というスタンスが昔の日本映画の淡々とした味わいにも似ているなと感じます。 ガンコ親父を取り巻く環境は浮いたり沈んだり、ささやかな友人の思いやりが大きく周囲を感化して、ほっとする終幕に落ち着きます。優しい脚本に心なごみます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-26 18:22:24)(良:1票)
413.  最高の花婿 アンコール 《ネタバレ》 
ヴェルヌイユ家の皆さんにまた会えて嬉しい二作目です。 前作から引き続き人種差別問題に加え、さらにLGBTやタリバンテロまで盛り込んでまあ一層賑やかでごった煮の様相なのですが、小綺麗にまとめられているのはフランス流エスプリの力でしょうか。 受け入れる側の偏見がクローズアップされがちな人種差別問題ですけれど、二作目はやや掘り下げてきまして‶異文化の中での生活を選んだ側”の意識の持ち方にも言及しているのが興味深いです。「アジア系ならヌンチャクで、アフリカ系なら山刀か!?」といきなり店員に噛みつく前にもう少し冷静に、という描写が可笑しい。 勝手に「チベット開放運動家」に捏造された婿さんには同情します笑。そしてクセのある神父も健在です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-01 18:25:05)(良:1票)
414.  脱出(1972) 《ネタバレ》 
なんでわざわざこんな話を作るかね、と思わなくもない理不尽と不運と激流にもみくちゃにされる男たち。きれいにオチに着地させることもないし、怪しい山の住民たちの説明も無い、ぶっきらぼうな作品だけど、大自然の圧倒的な大きさと川下りの迫力には引きこまれる。人物それぞれの人柄、関係の描写も上手い。特にJ・ヴォイトとB・レイノルズ。野生児ぶっていたレイノルズが実はけっこうな小心ぶりを見せ、ビビりのあまり狙撃手を見たなどと周囲をパニクらせる。そのあたりからJ・ヴォイトと役割が転換してゆく人間関係はなかなかにリアル。平凡な勤め人のヴォイト、腹をくくって難所をしのぎました。ダムが無事にできて事無く過ぎると良いですね。(良いのか?)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-02 00:27:12)(良:1票)
415.  愛のむきだし
盗撮だ股間だ勃起だとしょーもないキーワードが飛び交うばか映画、と言ってしまうには4時間もの長きにわたってみんな結構必死に愛を捜し惑う姿にそこそこ真摯さも漂う不思議な作品。なにやら確固とした信念らしき情熱がこの作品を貫いていて、くだらん、と一蹴するのはためらわれる。大人の男どもがど変態とダメ人間しか出てこないのに比べて、若手俳優たちの眩しいこと。闘う構えも清清しい暴力聖母の満島ひかりに、盗撮行為すらあっさりぽん酢テイストに変換した西島隆弘。性悪そうな顔立ちを、ことさら醜くゆがめて迫る安藤サクラ。見応えありすぎ。「オレは変態だけどきちんと生きている」ユウの絶叫に、お、おお、そうか、と思わずつりこまれてしまうのだった。うーん、怪作。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-10 02:13:18)(良:1票)
416.  ビッグ
誰も腹の立たないキュートなファンタジー。画が明るいし、人物みんなのキャラも立っている。 何をおいてもこの作品のキュート度を上げているのはトム・ハンクスがもー、すんごい仕事をしているからだ。童顔が手伝っているとはいえ、この演技は凄い。13才より幼く見えなくも無いけど、いい年をした大人が子供の演技をするというのはとても難しいと思うんだ。外見が大人のままで子供じみた真似をするだけでは単なる奇行と見られかねない。ところがトムは顔つきまでが小学生なんですな。治安の悪い安モーテルで心細さのあまり半べそをかく、あるいは女性に「私のことどう思ってるの」とオトナの質問をされて困惑ののち照れてごまかす。その表情はティーンエイジャーになりたてのそれそのもので、この時トムは32才だとは信じ難いくらいの繊細な思春期顔になってて感嘆した。 安定した仕事をずっと続けている俳優さんだけど、役者としての並ならぬ力量を印象づけたのはやっぱりこの映画だと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2015-05-29 00:11:57)(良:1票)
417.  ヴィクトリア女王 世紀の愛
エミリー・ブラントって、「プラダを着た悪魔」でハサウェイの先輩役だった女優さんだよね?ええー、女王役だなんて、一体どうなの?エリザベス女王を演じたケイト・ブランシェットが鮮烈だっただけになんかムゴくない?・・との余計な心配は見事に杞憂に終わったのでした。あらー、エミリー、頭部が小作りで目元も涼やかな気品のある顔立ちではないですか。ずいぶんプラダの時と印象が違うものだなあ、と感嘆。エリザベスの、何波乱もある時代に比べて地味な感のあるヴィクトリア朝。それでも、周囲の騒音や軋轢に耐え、自分の立ち位置にしっかり踏みとどまろうと頑張る若き女王様をエミリー・ブラントが好演していて見ごたえあり。衣装も素敵。ケイトは赤でしたがエミリーは紫が印象的でした。珍しく伴侶に恵まれたらしい英国女王の、若く気概あふれる前半生でありました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-11 00:10:05)(良:1票)
418.  ロンドンゾンビ紀行 《ネタバレ》 
年寄りが年甲斐も無く銃を片手に敵と闘っちゃう趣向がほんとイギリスっぽい。じーさんもばーさんも武闘派。特にホーム園長のアラン・フォードのかっこ良いことったらない。ああなるべきだなあ人は。気概が人を作るのだ。ああ、よもや非業の死を遂げるのか、と涙ながらラストシーンを見守りましたが、次の瞬間快哉を叫ぼうとは。いやあ素晴らしい場面でした。 序盤の銀行強盗のくだりは、そうですねちょっと長いかも。メインのゾンビを客は待ってるので強盗が上手くいくかどうかは二の次ですしね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-14 01:22:29)(良:1票)
419.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
‶巨大なもの”って人をわくわくさせる特性がありますよね。ダムとか空母とか戦艦大和とか鉱物採掘現場の巨大重機とか。巨大物好きにとって堪らないのが本作。コングもゴジラもその巨体を余すところなく画面に躍動させていて、胸が躍ります。 「大きさ」を伝える演出が随所で光ります。ビル群と比較させるのは定番ですが、ワタシが今作シビレたのは海でのバトル。コングの頭上から鼻先をかすめて降下したと思ったら、ゴジラの喉元をせりあがるカメラワークが素晴らしい。大海原にそそり立ち、ゴジラの横っ面をコングが張り倒せば、返す尾をしならせてゴジラが反撃。木っ端のような艦艇、周囲を旋回する戦闘機をひっつかんでゴジラに投げつけるコング(パイロットが脱出する人道的配慮アリ)と、デカい怪獣が大暴れする様は近年の怪獣映画の中でも屈指の爽快感に溢れています。 コングが顔つき性格ともにやけに「男前」なのは、そこはやはりアメリカ製だからでしょうか。ラストにコングを一瞥して「あばよ」的に海へ帰るゴジラもキャラ的に悪くはないですが、造形としてはわたしはやっぱりハンサムな「シン・ゴジラ」の方が好きかなあ。 惜しむらくは人間ドラマのパートがつまらな過ぎることです。観てるのが苦痛なくらいです。早くゴジラ出せよ、とずーっと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-05 23:51:28)(良:1票)
420.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケル・ジャクソン最後の姿、最後のダンスシーン。バック・ダンサー達が筋肉隆々なのに比べて、彼はなんて華奢なのか。あの細い線の身体。だからこそマイケルの動きは他のダンサー達より優雅さもオーラもある。もの凄い才能を目にしている、という恍惚感をもたらしてくれる。巨大な才能を同時代に目にすることができて幸せだったなあ、とも思う。自らの芸術に埋没してゆくかのような後半生の彼に、傷ついた小さな男の子が見えて仕方なかったものだった。米国のマスコミが「マイケルは緩やかに自殺した」と表現したのが妙に心に残る。ご冥福を祈ります。きっと夜空に輝く巨大な一等星であってくれるでしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2013-05-08 23:56:56)(良:1票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS