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プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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81.  エイリアン2
安易に二匹目のドジョウを狙わず、大ヒットした前作のジャンルを完全に変えてしまうという凶悪な手法で、見事に前作とは全く異なる評価を勝ち得たという点で、映画史に是非残すべき作品。閉ざされた空間、姿を見せない敵、一人、また一人と消えて行く乗組員たち、という1作目の独特の世界観とギーガーの創出した奇怪な異星人の姿を思いっきり逆手に取り、わらわらと湧いて出るエイリアンに立ち向かうのは訓練を受けた職業軍人たち。「今度は戦争だ!」のコピーに恥じず、大派手にやってくれた心意気は大したもの。もちろん前作の独特のムードをブチ壊しにされたとリドリー・スコットが鼻血を出して激怒したのも無理はないが、敢えて大ブーイングを覚悟の上でこれをやったジェームス・キャメロンの度胸と自信には頭の下がる物がある。前作で、丸腰とは言えあれほど大勢の乗組員たちをひとたまりもなくやっつけたのがたった1匹であったことを考えると、いかに武装部隊とは言えずいぶんエイリアンが弱くなった気はしないでもないが、前作を完全にネタとして利用し尽くしたという点で、「二匹目のドジョウの正しい狙い方」に新たな境地を開拓したことの意義は大きい。前作の、かなり真剣なファンである私でさえ、これには参りましたと言うほかなかった。ヘタな猿真似に終わるよりは、はるかに有意義な「続編」だったのではないかと思う。ご立派。
9点(2003-12-08 22:44:44)(良:2票)
82.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト
後にも先にも、究極の「やったもん勝ち」映画。アイデア勝負の一発芸としては、とにかく新しモノ好きな私のワクワク感を誘うだけ誘ってくれた作品。あまりにも意味深な予告編第一弾から、「観た~~~い」ムードは高まるばかり。要するに「観る」ことだけに意義がある作品なわけで、だから何だと言われればグゥの音も出ない。観る前の期待感と、観た後でああだ、こうだと謎解きをする楽しみ、ある意味ロールプレイングを楽しんでいるような妙な面白さはありましたね。映画の形を借りた一つのイベントとして充分楽しめる物ではありましたが、後々になって自宅でビデオで観て、じゃあ楽しいかと言われたら絶対に違う。誰もまだ観たことのない、思いっきり新しいモノを見知らぬ人たちで集まって楽しむ趣向で初めて価値のあるモノなわけで、映画としての価値は正直ゼロだと思います。ただし、どんなもんかがわからなければ何とも言えないと思うので、一見の価値があるとだけは言っておきたい、それだけのための6点です。正直、公開を待っていた間の期待感の方がずうっとオイシイ映画でした。でも観なかったら後悔していたと思う。この世界にポン!と飛び込める人は楽しめると思います。
6点(2003-11-30 22:04:58)(良:2票)
83.  U・ボート
無類の戦争映画好きとして言わせてもらえばもっと面白い戦争映画はいっぱいある。限られた予算の中で工夫を凝らした派手さは評価できるし、潜水艦という独特な空間ならではの閉塞感や演技陣の堅実さは高水準。リアリズムに走り過ぎて個々のドラマが希薄になった感があり、無いに等しいストーリーと戦争の不毛さ、ナチス・ドイツへの反感を打ち出してしまったところがベタベタ。ドイツ人ならではのストイシズムが裏目に出た印象が否めない。戦争を題材にする以上、強烈に人間性を掘り下げるか、過剰にドラマチックなストーリーを用意することは最低限必要。記録映画に終わっているという意味で、残念ながら大した戦争映画とは言えない。ウォルフガング・ペーターゼンはこの作品で認められてハリウッドに招聘されたようだが、その後の仕事ぶりを見ても大した才能の持ち主ではないことは明白。一定の水準はクリアしていると思うが、繰り返して言うがもっと面白い戦争映画はいっぱいある。というか戦争映画って、もっと面白くあるべきだ。
5点(2004-07-03 16:39:25)(良:2票)
84.  ズーランダー
すごいなあ。私こういうの大好きです。ベン・スティラーが本気出したらこのぐらいは、と思ってた人、けっこう多いんじゃないでしょうか。これまでもいろんな映画で、いい味も出して来たしみっともなさもさらけ出して来た彼ですが、ここまで本気の彼はなかなか見られることがなかったので、はっきり言って胸のすく思いがいたします。カメオで登場したキャストの豪華さも、彼の築き上げて来た人脈の厚さを伺わせます。お父さんのジェリー・スティラー、アメリカでは知らない人のいないぐらい超有名なコメディアンですけど親子共演はこれが初めてではないでしょうか。もちろん芸の道では全然格が上、存在してるだけで笑いが取れるスーパーお父さんなわけですが、息子と本気で渡り合っているところもプロ同士の心意気を見せられた気がして楽しかったです。ちょっと声が出ていなかったなあ、トシなのかなあ。ガソリンかけのシーンでは思わず声を出して爆笑こいてしまいました。あの無駄な清々しさ、爽やかなハッピーさ、たまりませんです。あと最後のショーの場面で舞台に出る直前と出た後のデレクのメイクが思いっきり違っているのとか、ネタなんだかグーフなんだかわかんない仕掛けも意外と細かく落ちている。もうちょっと研究の余地はありそうなので当分ハマりたいと思いますが、とりあえずベン・スティラーに敬意を表して10点。ここまでやられたら満点献上しなければ。
10点(2004-02-17 01:23:19)(良:2票)
85.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
映画と小説は別、なんてキレイごとは言っていても、なんとなく中途半端に原作と繋がってしまっている映画が多い中で、映画が原作を離れて独り立ちした非常に稀少な作品。まあキューブリックはこれが多いが。原作のエピソードをそのまま使っている部分もけっこうあるわりに、原作の意図したところと完全に別の方向に向かっちゃっているあたりは、あっぱれと言うより他にない。原作もコワイが映画も立派にコワイ、なおかつ両方のベクトルが全然別の方向を向いているのはスゴイ。だいたいキューブリックという人はかなり茶目っ気のある人で、折々のトップスターを主役に持って来て話題騒然なテーマをぶつけて来る遊び心たっぷりな監督であるわりに、映画が独特の重厚感を持ってズシンと迫って来るギャップが凄いんだけど、たぶんこの作品も「ジャック・ニコルソン主演でホラー映画を撮っちゃおう」という楽しいアイデアから出発したはず。斧持って走り回るジャック・ニコルソンはとてつもなくおっそろしいし、逃げ回るタリア・シャイアの表情もおっそろしい。無表情な双子が放つ「Hello, Danny.」は当時ちょっとした流行語になるほどコワかったし、「REDRUM」はアマチュアバンドのバンド名として引っ張りダコになった。とにかく冒頭、コロラド山脈をのろのろと登って行く黄色いフォルクスワーゲンひとつであれだけコワイというのは既に名人芸と言って良いだろう。ワケもわからず巻き込まれるスキャットマン・クローザースの存在感も無駄にコワイし、キューブリックがホラーをとことん笑った映画と考えればこれは傑作の域に入るのではないか。
9点(2003-12-07 14:06:57)(良:2票)
86.  ハンニバル(2001)
むぅぅぅ。何と言って良いのか非常に難しい映画。ジュリアン・ムーアは敢えて新しいクラリス像を創造しようなどという欲をかかずに素直にジョディ・フォスターを演じようとしているところに大物ぶりを感じさせてくれた。小物ほどオリジナリティを出そうなどと考えて喘ぐものだと思うが、彼女の女優魂は尊敬に値する。全体的に、決して出来の悪い作品ではないし、ドル箱作品を撮る時のリドリー・スコットらしくきっちりしっかり撮っていると思うのだが、残念ながら問題のシーンには人間として「面白かった」と言うことはできない。人として、これを面白がったらダメでしょう、と思ってしまう私は古い人間なんでしょうか。いくら途中が良く出来ていても、二度と観たいとは思わない。観てしまったことを心の底から後悔する映画だが、観なかったら観なかったでやっぱり後悔はしたと思うのできっぱり諦めることにする。が、重ねて言うけどもう二度と観ないよアタシは。
5点(2003-12-06 02:14:03)(良:1票)
87.  オーシャンズ12
わたしは前作の「オーシャンズ11」もそれほど面白くないなーと思ってしまったので今回も割引券もらわなかったらたぶんわざわざ観なかったんですけど、これはちょっとひどすぎですね。大物揃いでみんなで仲良しで楽しいぞーっ、っていうのはわかるんだけど、本人たちだけ楽しみ過ぎちゃっていて観客のことはホントにどうでもいいって感じ。話もはっきり言って大したことないし、今やブラピやジュリア・ロバーツ共演でもなければ日本の劇場で顔を拝むのは至難の業のアンディ・ガルシアはほんのちょっとしか出て来ないし。わたし自身は贔屓の役者で採点がめちゃくちゃ甘くなる方なんですけど、好きな役者がこれだけ揃っててこうまで眠いというのはもう、駄作としか考えられません。キャサリン・ゼタ=ジョーンズにブラッド・ピット、アンディ・ガルシア、ドン・チードルにマット・デイモン、おまけにブルース・ウィリスのカメオ出演、普通に考えたら3日は寝られないほど嬉しいキャストなんですが???デビュー当時のソダーバーグを本気で高く評価しただけに無念でなりません。これが本当に「セックスと嘘とビデオテープ」を作った監督の作品でしょうか?本当に「エリン・ブロコビッチ」や「トラフィック」を撮った監督の仕事でしょうか?残念ですが、ソダーバーグは馴れ合いの中で大切なものを失ったと思います。妊娠中のジュリア・ロバーツはびっくりするほど顔がむくんでいて腕はブヨブヨでした。恐ろしいモノを観てしまいました。別の意味で、しばらく眠れそうにありません。モルモン教徒の家族が異常に多いギャグにうっかりウケてしまったので3点。前半はまあまあ笑えたんですけどね。これはひどすぎます。
3点(2005-01-23 01:38:45)(良:1票)
88.  紳士は金髪がお好き(1953)
「映画って楽しければいいのよ」という確信的な自信が感じられる作品でしたね。楽しさだけに特化していて、奥行きもへったくれもないんだけど、その方向に突き抜けているからヘンな不安はない。ステレオタイプに思いっきりおバカなブロンド美人を演じているマリリン・モンローは、確かにバカだと思われても仕方がないだろうし後で背景を知ってしまうと同情せざるを得ないんだけど、そういう役だしそういう映画なんだからあれこれ言っても仕方ないんじゃない?と割り切るしかないと思う。話は単純明快、あくまでも楽しくテンポ良く、飽きずに最後まで見ることができる。娯楽映画と切り捨ててしまえばそこまでだが、どんなに娯楽に特化しててもどこかでヒューマニズムとか正義を訴えたりしなければいけないような最近の傾向にははっきり辟易しているので、こういう一つのベクトルに突き抜けた作品の方がむしろ四の五の言わずに楽しめて良いような気がする。楽曲も楽しめるし、冒頭の「リトルロックから来た娘」でショウタイム!気分に素直に乗れたら楽しみ切れる作品だと思います。これはスクリーンで見たかったですね。
9点(2004-01-24 12:29:59)(良:1票)
89.  カジノ
他のスコセッシ作品と比べてどうの、というのはフェアではない気がするが、個人的にはオチの甘い「グッドフェローズ」よりこちらの方が好き。なんと言っても圧倒的な存在感を見せつけたシャロン・ストーンの心意気に敬意を表したい。徹底した悪女ぶり、欲得の権化として女ならではの貪欲さでヒステリックにスクリーンを駆け抜けるジンジャーの後ろ姿は鮮烈である。何より「普通っぽさ」が人気のカギとなる昨今のハリウッドにおいて、これほどの毒気と華を誇るシャロン・ストーンほどの女優に合った役がどこを掘っても出て来ないという現実の方が問題だ。女優というのはゴージャスの代名詞だと考え、スクリーンに後から後から湧いて出る一山幾らの「隣のお姉さん」たちにうんざりする私にとって、シャロン・ストーンは最後の「女優」なのである。そしてこういう「女優」にふさわしい役が珍しく与えられたという意味で、この映画は最近滅多に見かけない、強烈な「女優」映画なのである。そういえば「グッドフェローズ」にはイマイチ女優っけがなかった。そういう部分が男性ファンからはあまり支持されないところなのかも知れないが、ロバート・デ・ニーロやジョー・ペシといったハリウッドやくざ映画の大御所たちが揃いも揃ってシャロン・ストーンに映画をかっさらわれている様子は、一種爽快でさえありましたね。時には映画に夢を見たい。身近なストーリーやリアルな話もいいんだけど、一瞬のゴージャスなムードに酔いたい私のような人間には、まさにうってつけの作品でありました。
10点(2003-12-10 22:45:05)(良:1票)
90.  ハート・オブ・ウーマン
ヘレン・ハントがかな~り苦手な私でさえちゃんと楽しめたんだからけっこういい作品なんだと思う。コミカルなメルがなかなかミスマッチでいい味出してました。娘は必要なアイテムだったのかも知れないけど、彼女とその友人たちが絡んで中盤がダレたのが惜しい。後半はやけに派手に盛り上げようとしてたのがちょっとクドい。でも妙に総合点が高かったような気がするのは、やっぱりメルのお腹いっぱいの男臭さと、主人公の間抜けぶりがうまくマッチした結果でしょう。マリサ・トメイは何でわざわざあんな役のために出て来たんだか、ちょっぴり理解に苦しむところ。
7点(2003-12-18 01:15:13)(良:1票)
91.  シルミド/SILMIDO
冒頭の掴みからあれよあれよという間にタイトル通りの島「実尾島(シルミド)」に連れて行かれ、地獄の特訓あたりまでは物凄いハイテンションだったのだが・・・。さすが兵役のある国だけあって、外見的にはほとんど日本人と違いはないんだけど軍隊シーンの迫力が違う。過去に邦画がなんでつまんないんだとさんざん問題にされた頃があって、製作者側の言い分としては主に「顔が違う(ハリウッドスターみたいなわけにはいかない)」「予算が違う」「ロケーションが違う」などいろんなことが言われて来たんだけど、最近の韓国映画と「ラスト・サムライ」で全てが単なる言い訳に過ぎないことが証明されましたね。まあ邦画も最近けっこう盛り返してますけど。で、「シルミド」ですが、例によってまったく事前に勉強して行かなかったために、金日成暗殺計画が打ち切りになったら、あとは皆殺しになるだけだから15分ぐらいだろう、なんて思っていたらそこから先が長かった。後でパンフを見たら実は後半のバスジャックの方がメインな話だったみたいなので、そりゃそうだろうけどまさか1時間以上あるとは(@@)というわけで自業自得なんですけど想像したよりちょっと長くなってしまいました。登場人物たちは魅力的だし、映像的にもキレがあって非常に良いです。しかし泣かせどころのツボが絞り切れずにエンエンと引っ張っていたのはやっぱり国民性かなあという感じがしました。よって微妙に減点。娯楽作品としても優れていますし、価値ある映画だと思います。総合点の高い作品でした。
7点(2004-06-20 02:53:46)(良:1票)
92.  フォレスト・ガンプ/一期一会
好きな映画ではないし、楽しい映画でもない。どちらかと言えば痛い映画だと思うし、アメリカ人らしい愛国心に訴えかけるあざとい映画。もちろんアメリカ人がこれに夢中になるのは納得できるのだが。悔しいことに完成度の高さは否定できない。ロバート・ゼメキスにやりたい放題やらせたらどうなるか、という一つの結論にはなっていると思う。サリー・フィールドが素晴らしかったこと、ゲイリー・シニーズを紹介してくれたことに敬意を表して6点。でもよくよく考えたらサリー・フィールドがこの程度に素晴らしいなんていうのも特に驚くようなことじゃないんだよなあ。辛い。
6点(2003-11-22 23:45:28)(良:1票)
93.  ディボース・ショウ 《ネタバレ》 
コーエン兄弟がセレブの離婚劇?しかもキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演?まさかの組み合わせが予想外にピタリとハマッた、コーエン兄弟初のメジャー作品(笑)これまで微妙に引きずって来た、これが持ち味とも言えるマイナーの影は一挙にナリを潜めたが、だからと言って決して薄っぺらなライト・コメディに走るでもなく、腹黒い笑いはもちろん健在。普通の二枚目に落ち着くことを断固拒否するジョージ・クルーニーのほどよい抜け具合と、したたかなのにどこか憎めない悪女をやらせたら目下ハリウッドに敵なしのキャサリン・ゼタ・ジョーンズの駆け引きが楽しい、大人のための洒落たハリウッド映画。「未来は今」であの「ブルーレターーーー!」に爆笑できた人ならきっとノレると思います。安っぽい仕掛けやありがちなサスペンスを一切排除し、人生の目的をまさに「リッチな暮らし」と定めたシンプルな悪女の憎み切れない可愛さ、対する敏腕弁護士の物質的に恵まれながらも成功した独身中年ならではの寂しさをさらけ出す率直さ、世の中どう考えたって男は女に勝ち目ないのよ、とさりげなく人類永遠の真理を突いたコーエン兄弟ならではの悟りの境地はさすがです。始めから終わりまで、終始一貫「楽しいなあ~」と気分良く見られる作品でした。「未来は今」を見てない方は、予習しておく方が良いでしょう。でもこの作品は「未来は今」を超えたと思います。 ジェフリー・ラッシュやビリー・ボブ・ソーントンなど脇役陣も楽しいけど、主役はあくまでもキャサリン・ゼタ・ジョーンズです。最高です。
10点(2004-04-18 02:52:29)(良:1票)
94.  世界で一番パパが好き!
まあケヴィン・スミスにもいろいろあったんでしょうなあ。そこには私生活における人生の転機とか、ハリウッド・メジャーとのつきあい方とか、時には人として映画人としてじっと手を見るぐらいのことはさすがのケヴィン・スミスにもあると思いますわ。で、彼なりに正しいハリウッド・メジャーの騙し方を研究した一つの結果なのかな、とか。最後まできっちり素直に騙された人にとっては、ハート・ウォーミングなご家族モノ、ケヴィン・スミスの正体を知る人々にとってはイヒヒなネタ物、いったいこのメンバーでなーに学芸会みたいなことやってんの?と笑っていたらホントに学芸会が出て来ちゃったんでひっくり返って笑いました。個人的には、このチームにはホント、いつまでも仲良しで頑張ってもらいたいと思っているので、この映画にはケヴィン・スミスならではのひたむきさで、「映画こそ家族なんだよ」という暖かいメッセージが込められていると信じます。ベン・アフレックもマット・デイモンも、ケヴィン・スミスが「おーい、そろそろ何かやろうよ」と声をかけたら喜んで集まって来る人たちでいて欲しい。集まっちゃ、しょーもないことばっかり考えてる人たちであってもらいたいです。ムダという物の持つ本質的な娯楽性を美学にまで昇華させるスミスが、これを見て涙する人々を幕間から覗き見てクククと笑う顔が見える気がする。散りばめられたセンスは相当ブラックなんですけど。 【追記】豪華キャストのギャラを心配されてる方がいらっしゃいますけど、たぶんこれほとんど全員手弁当に近いと思いますよ^^ なにしろファミリーだから。
[DVD(字幕)] 7点(2007-04-01 03:19:54)(良:1票)
95.  コクーン
人々に夢や希望を与えることが映画の一つの使命であると考える立場から、この映画には心の底からありがとうと言いたい。多くの人が、その人生で最も大切な物が何だったかに気づくのはもはや取り返しようのないほど年をとってしまった後である。死を目前にした祖母の、長い長い思い出話を聞いた日から、私は心のどこかでこの映画に出会える日を待っていたような気がする。ここに出て来るお年寄りは、私の祖母ではないのだけれど、彼らが若さを取り戻して笑い、はしゃぎ、再び人生を楽しむ姿を観て、その嬉しさを想像できることが私には嬉しかった。人生は短い。だからこそ、わずか数時間の映画の中だけでもいい、誰かが心の底から幸せを感じる瞬間を、分かち合えたらどんなに良いだろうか。子供が空を飛ぶ夢を見るように、若者が愛する人との出会いを夢見るように、お年寄りにだって若かった自分を取り戻す夢を見る権利があるのだ。この映画に登場した、実際に年老いた俳優たちに感謝したい。若さを取り戻したように演技をするのは、彼らにとってたやすいことではなかっただろう。子供のように走り回り、飛んだり跳ねたり、プールに飛び込んだりすることは彼らにとってしんどかっただろう。それでも大勢の人に楽しいひと時の夢を見せるためなら、彼らはやるのだ。そういうファンタジーが、あってもいいと思う。若い私たちが映画の中で、遠い宇宙の彼方を旅するように、お年寄りが若返ったっていいじゃないか。世の中には楽しいことばかりじゃないけれど、映画の世界では時折、こんなふうに楽しいひと時もある。そういう映画もある。
10点(2003-12-16 00:56:58)(良:1票)
96.  アンブレイカブル
いつの間にかこんなにハゲてしまったブルース・ウィリスのつるっぱげと、球形のテーブルライトが並んで置かれたシーンでは、どちらがしゃべっているのか見分けがつかないほどであった。サミュエル・L・ジャクソンの見たこともないようなカツラの凄さと対比して、コントラストの妙と言えないこともないのだが。黒人の中でも大柄で恰幅の良いサミュエル・L・ジャクソンが、とても壊れ易そうには見えないのと、黙っていても不幸を呼び集めてしまう人相のブルース・ウィリスがあまり運の良いタイプに見えないせいで、ハナからリアリティの欠落したストーリーに信憑性がまったく感じられず、シャマラン監督の前作「シックス・センス」と同じレベルの驚愕のラストを期待させてしまったがために、誰にとっても不幸な結果となってしまった。ブルース・ウィリスを一度思いっきり笑ってやりたいぞ、という方には「アルマゲドン」と併せて強くお勧めしたい一作ではある。私自身は、たまたまTVでやっているのを見かけても思わずチャンネルを変えると思うが。これを観るくらいなら「武富士」のCMの方がよっぽど出来が良いぞ、と思わされる、ちょっと珍しいくらい退屈な映画である。 
1点(2003-11-30 13:45:45)(笑:1票)
97.  トラフィック(2000)
もうグーの音も出ません。完璧な映画、というのはあり得ないと思うけど、これは限りなくそれに近い条件を満たしていると思う。パラレルに走って行くストーリーが、集結するのかしないのかという期待感さえ抱かせないほどそれぞれに良くまとまっているし、ずいぶんスターを集めたわりには、全員にちゃんと見せ場を作っても全然話がバラけなかった。強烈に印象深かったのはやっぱりここでもキャサリン・ゼタ・ジョーンズとベニチオ・デル・トロ。デル・トロの受賞は当然だけど、キャサリン・ゼタ・ジョーンズをもうちょっと世間にも評価してもらいたい。手元に置いて、何度でも観返して行きたいと思う久々の傑作。ゴージャス。
9点(2003-11-22 16:53:30)(良:1票)
98.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
途中この映画は本当に結末があるのだろうか?という不安が頭をよぎったものの、ヒロインと共に耐えに耐えただけの報いはある。いかにもコスプレ向きのケイト・ウィンスレットを妹役に持って来たのも大正解なら、微妙に悪役顔のアラン・リックマンに求婚者役を与えたのも神業。オスカーを受賞した後での鑑賞となったため、エマ・トンプソンの頭良さげオーラには多少辟易したものの、最終的にはその知性の下にひれ伏すこととなった。それにしても襟の詰まった時代劇の衣装を着ると顔の長さが異常に強調されてしまうせいかヒュー・グラントの登場シーンだけアングルが狂っているように感じられたのは私だけなのであろうか。
8点(2003-11-22 23:07:12)(笑:1票)
99.  幸福の条件(1993)
「ねぇねぇ、もし100万ドルあげるからエッチしてって言われたらどうするぅ~?」とあちこちで話のタネにはなったが、必ず結論は相手がロバート・レッドフォードならタダでも、というコトになってしまいお話にならなかった。まあそういう映画。
1点(2003-11-29 18:13:21)(笑:1票)
100.  “アイデンティティー”
「ユージュアル・サスペクツ」以来のあざとさですね。一堂がモーテルに辿り着くまでの、カットバックを多用した構成は上手いな、と思いました。序盤から中盤にかけてはわりと普通のサスペンス・タッチで進むんですが、見ている間にどんどんジャンルが変わって行きます。クロスオーバー・スタイルというか、複雑に幾つものミステリやドラマが絡まり合って全然違うところに不時着して行くあたりは目新しさもあって飽きません。アマンダ・ピートは圧倒的に可愛いですし、どう考えても普通に終わるワケないレイ・リオッタも、何かあっても何もなくても違和感のない不思議な存在感のジョン・キューザックも、顔合わせの妙に加えて「どこで期待を裏切ってくれるんだろう」的な期待をちゃんと裏切らないですし、全体的に質感の高いニューウェーヴという印象を受けました。もうちょっとおバカなありきたりのミステリー・サスペンスを想像してたのでひねりの効き具合に好感度高いです。いかにも何かありそうで結局何もないB級ミステリーみたいな作品が多い中で、何もなさそうでちゃんとタネも仕掛けもあるというのは意外に凄いことだと思います。これはたぶん、一見の価値はあるんじゃないでしょうか。けっこうお買い得な気がします。
8点(2004-10-18 02:18:43)(良:1票)

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