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プロフィール
コメント数 1620
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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101.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
「なぜジーンを産んだ」「(病気が)遺伝することは分かっていたのに」  この問いに対するセルマの「赤ちゃんをこの腕に抱きたかったの」という答え。コレとゆーのは、本当に人間のいちばん奥底にあるモノだ、とゆーか、人間からその人間性(善きにせよ悪しきにせよ)を根こそぎ奪い取ったとして、その最後に残っているのがコレだ、という様にも(私には)感じられたのですね。コレこそがヒトのヒトたりし最も美しい部分だ、と言っても好いものか、と(私としては)。私が今まで観た映画のどのシーンよりも美しいシーンだった、とも思います。本当に大好きですね。  今般、4Kデジタルリマスター版が公開されるってその予告編でドンピシャこのシーンが流れて、ついまた観に行ってしまいました。まあ、この肝心なシーンを予告編で流しちゃって好いのか?と思うトコロではありますケド。
[映画館(字幕)] 9点(2022-01-08 19:33:04)(良:1票)
102.  汚れなき悪戯 《ネタバレ》 
子ども映画ではあるのですが、結構コテコテにキリスト教的価値観を描く映画でもあるので、内容に関しては好みとゆーのは分かれる方の作品かと思います。ただ同時に、子ども映画としては端的に最強クラスと言っても好いかと(正直、メッチャ観入ってしまいましたよね)。その子役の素晴らしき純粋さ(=それがもたらすある種の「神性」)とゆーのは、ほぼ同時期の『禁じられた遊び』よりも更に純粋で美しいモノにも感じられました。元々はイタリアの話らしーのですが作品としてはスペイン映画で、モノクロではありますがやはりどこか温かく爽やかな空気感も感じられて(+件の音楽・歌の気持ちの好さも含め)そーいったトータルの雰囲気の好さが(映画を観ている上での)多様な心地好さにも繋がっていたかな…と。個人的には、人生でも忘れ難い傑作…という類の作品に思えましたです。機会があれば是非。
[DVD(字幕)] 8点(2023-03-19 17:04:19)(良:1票)
103.  女ドラキュラ 《ネタバレ》 
いちおう『魔人ドラキュラ』の極めて直接的な続篇のテイでして、5年後公開ながら前作の終了直後から話が始まるというつくりなのです。が、ルゴシ=ドラキュラ伯爵はその後復活するワケでもなく、以後の主役はなんと彼の娘!なのですね。んで、この娘とゆーのが、自らに流れる忌むべき血脈を呪いつつも⇒やはりその呪縛に抗えずに罪を犯して苦しむ…というちょっと可哀そうな感じも纏うトコロの役柄なのですわ。コレって、このユニバーサル怪奇映画シリーズ上でも、まずは先行の『フランケン』シリーズにも含まれる様な要素ではありますし、今作に続くトコロの1941年の『狼男』でもバッチリ見るコトの出来る設定だな…と思ったりもします(⇒正確には、今作の前年の1935年に『倫敦の人狼』という、コレまた似た様な要素を孕む作品が存在する様なのですが、コチラは未見で…)。更に言うなら、このシリーズでの所謂「女性的」なホラー的存在…とゆーの自体としても先行する『フランケンの花嫁』のメアリー(エルザ・ランチェスター)に次ぐモノかな…とも思われます。要は、今作での彼女のこの描き方自体とゆーのは、シリーズ的には「流れ」に乗ったモノでもある様に見えますし、かつ恐らく当時の社会情勢的にもごく「適切な」方の(まろやかな)モノだったのではないか…とゆーのが個人的な感覚ではあるトコロですね。  話を元に戻しますと、彼女以外のキャラクターとしてはヘルシング教授は(役者も変えずに)続投ですが、彼女と直接的に対峙するのは(同じ学者でも)若いイケメンな御仁に変わって居て、中盤では案の定ふたりで色恋沙汰の真似事マデやらかしてくれるのですね(⇒学者先生の元々のツレも巻き込んでちょっとラブコメ風にすら為りやがる)。しかし、終盤は女ドラキュラが逆上してそのツレを人質にしたりするモンだから、結局は…という(また)少し哀しい終い方になってゆきますです。正直、ホラーとしてはあまり怖くはない+ルゴシ先生の前作ほどに凄みもない…つーのは、ちょっと残念なトコロではあるのですね(⇒前段で散々グダグダとナニを言いたかったかとゆーと、コレです)。が重ねて、お話の要素の彩りが好くてドラマとしてはまあまあ面白かったですし、テンポも前作よりは断然好いですし、あとゆーて主演のグロリア・ホールデンさん自体についても⇒まずはかなりエキゾチックな美人でもありますし・舞台の方が本業らしいのですが立ち姿もキマってましたし・そこそこ「人外」ぽい異な雰囲気も醸せていたりして、だからその辺りは決して悪くはなかったとも思うのですよね。結論、足し引きして、前作と同じ評価としておきます。
[DVD(字幕)] 5点(2023-07-13 17:33:50)(良:1票)
104.  ヘルタースケルター(2012) 《ネタバレ》 
画的・美術的な部分のクオリティは今作も見事と言える出来で、沢尻エリカも(ルックス・キャラ的に)これ以上無い適役でかつ演技も最高に気合入ってるし、他の面々もみな芸達者で固めている(特に桃井かおり・寺島しのぶは素晴らしかった)。そして原作も漫画としては非常に良く出来た(中身の有る)話なはず、なのに…  特に後半、展開運びが宜しくなく冗長なのと、全体的に台詞がイマイチダサいのとか(特に大森南朋)、これも所々は良く出来ているが映画の全体としては高評価を付けるのは難しい代物。観て損したとまでは言わないが、微妙。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-11-23 11:44:15)(良:1票)
105.  クォ・ヴァディス(1951) 《ネタバレ》 
古代中華のいわゆる「三王」、夏・殷・周の最後の王はいずれも、悪い(とされる)妃に誑かされて国を滅ぼした。このお話はつまり、神話的類型と不可分である中華古代史の特性を表していると同時に、歴史愛好者にとってのささやかなる希望的観測、即ち、古の人の世に王者たりし男というものは、その人の為に国を滅ぼすという程に深く女を愛するということが可能だったのかも知れない、というひとつの芳しい可能性を包含しているとも言えるのだ。  古代史の中に生きる人々からは、概して、より直情的で純粋な感情を感じ取ることができる。それは彼らが、過去から現在に至る過程で人類が身に付けてきた複雑な倫理観・価値観をいわば脱ぎ捨てた状態に在るからであろう。そして、人が人をただ純粋に愛し抜くには、今の世界もまた複雑すぎると言えるのかも知れない、とも思う。  本作は、キリスト教的価値観に応える部分を除けば、極めて単純な男女の愛の物語だ。尚且つ、男と女が互いに恋に落ちることの理由には何らの説明も為されない。これは、世界がよりシンプルで本質的な史劇の中だからこそ可能となることであり、そして、そこに無造作にも描き出される愛の結実にはまた、却って現代劇では得ることの出来ないひとつの高度な純粋性を感じ取ることが出来る様にも思われる。  最後に一言。史劇にこそ、描かれるべきは人の正しき在り方である。宗教的な価値観の表出に傾注しがちなこのジャンルの作品として、原典の持つその部分のテーマ性を決して疎かにしなかった本作には、個人的には非常に好感が持てるのである。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-25 01:26:23)(良:1票)
106.  tarpaulin 《ネタバレ》 
27分のワンカットだが、ソレは明確に3つのパートに分かれる。次第に不穏さを増してゆくひとつの会話⇒ただ歩く男⇒その先に(何故か)訪れるギターの弾き語り(⇒そしていつしか再び繋がれる手と手、と、そのままエンドロール)。  要するに(と言ってしまえば)、どー見ても一番重要なのは「歌」であり、率直にただコレを活かすことが主眼の短編であるとも(個人的には大いに)感じられるのだね。ただ、不自然に唐突に割り込んで来るにも関わらず、その音楽が放つ鮮烈さとそして一気にその世界観に引き込まれてゆく感覚てのは、実に意外なマデに素晴らしかったとも思います。ある種、非常に上質なミュージックビデオの類いだとも言えるかも知れないですかね(勿論、楽曲自体が上質なコトを踏まえたうえで、だケドも)。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 23:22:44)(良:1票)
107.  ビルド・ア・ガール 《ネタバレ》 
冴えない陰キャが、実は…的なヤツとしては(その部分は)ワリと典型的なのですが、その手合いとして一番肝心な主人公が秘める「才能」てのが、例えば歌唱力とか、それこそ戦闘力とか、或いは演技力とか、だったら観てる方も分かり易いし映画としても表現し易い…かとは第一に思うのです。が、今作の女の子の能力とゆーのは「文筆力」で、その意味では彼女の凄さが比較的かなり分かり難いという難点がまずはありましたかね(彼女の文章が実際にキッチリ明示されるのは序盤の「詩」のシーンくらいなので、英語ネイティブでない視聴者には尚更そのクオリティが分かり難い…かとも)。かつ、青春サクセスストーリーに対するもう一方の青春「コメディ」の側面は、率直にコレも結構「品が無い」ヤツとゆーか(特に性的な方面において意外なホドに)相当にお下劣なのですよ。そーいうトコロからして、主人公に対する好感度や共感・感情移入とゆーのがイマイチ深まってゆかない感じもした…てのが第一結論的なトコロですね(大前提そもそも、主演のビーニーちゃんは決して美人で可愛くはない→否、可愛げが無いワケではねーですケド本作では「太々」しさの方が大いに勝ってる…つーか)。あと映画としてはモ~一点、ジョン・カイトはともかく主人公以外にあんまし魅力的な or 印象に残る様なキャラが出て来ない…てのにも少しばかり物足りなさが残りましたですね(この手のだとフツー、その主人公の才能を見出す敏腕でエキセントリックな上司、てのが常套手段だと思うのですケドね)。  とは言え、その(調子乗りな)主人公の痛さ全開っぷりも含め、テーマはタイトリングどおり「自分づくり(or 自分づくりに失敗したら…)」というとある青春の普遍的なお話なのであって、その側面をコンセプトとして前面に押し出したジャンルものとしては全体の流れ自体はまあまあしっくり来るモノだったかな…とも思います(ラスト付近も月並ですが別に悪くもなかったかと)。更に言えば、意外と沢山いるだろう似た様な経験を経た視聴者にとっては、当然の如くにかなり「刺さる」お話でもあったのかな、とは思います。ビーニーちゃんの(ゆーて)悪くはない演技+その他諸々の全力全開ぶりを大いに楽しめるコトも含めて、観て損するとまでは言えない程度の作品かとは思うのですね。彼女のファン、若しくは近々で青春ものを血眼で探してるって人なら、是非観て貰えれば…と思いますね。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-04-24 22:07:26)(良:1票)
108.  朝が来る 《ネタバレ》 
全体の構成としては、前半が永作博美の話で後半が蒔田彩珠の話、というのは明確である。もし、あくまでサスペンスに徹するのであれば、その主となる後半に比して前半をもう少しライトに済ませる、という選択肢も在った様に思う。そのひとつの理由は、この前半のヒューマンドラマとしての出来がそもそも非常に素晴らしく、こっちの話が更に展開していく訳ではないことが少し残念に感じられるというか、やや消化不良と言ってもよい様に感じられた、というか(まあ、単純に前半と後半で二度美味しい映画として味わう、で何の問題も無いとも思うケド)。  ただもう一点、少し気になると言ってしまうならば、前半の永作(+井浦)があくまで自然な台詞回しを実に慎重に言葉を選んで口にしてゆく、その部分に感じられる思慮深さと、後半の蒔田がとにかくどーにも自分が何をどう感じているのか、そしてそれをどう行動に落し込んでゆくべきなのかを全く突き詰められていないというトコロの短慮さが、この構成によって対比された時に、それがそのまま「親になる資格」の有り無しを冷徹に体現している様にも見えてしまうというか、むしろこれが本作の真のテーマなのではないかと思われるホドだ、というか(でもそれってちょっと残酷過ぎない?アンフェアじゃない?とも)。端的に、私は後半の蒔田にはあまり感情移入できなかった(正直に言えば、私が彼女に抱く感情はあのヤクザのものにも少し近いのですよね)。だからヒューマンドラマとしては、私にとって観ることにポジティブな意味があったのは圧倒的に前半だと言ってもよいのである。  とは言え本作、もっと平凡なオチかと思った肝心の後半のサスペンス的な部分のクライマックスにもかなり優れたアイデアが在るのだ(この部分を最も「キレ」好く観終わるためにも、蒔田彩珠に出来るだけ感情移入して観ていった方がよい作品だとは明言しておきたい)。こちらはこちらであまりにも残酷なこの結末からすれば、少しご都合主義にも思われ兼ねないオーラスについても、ここだけでも彼女に寄り添おうとするのは映画として決して許されないことでもないかと個人的には感じている(原作小説がどう終わるのかが少しだけ気になるトコロ)。  以上、話の内容の出来が率直にかなり優れた作品だと思っているが、例えば前述の自然でさり気なくも鋭く心を穿つ力強い台詞(脚本)のクオリティや、光、特に自然光の使い方にこだわった淡くて繊細な画づくりがもたらす美しくて心地好い空気感なども中々素晴らしかった。色々と普通に、さほど文句も無くオススメできる良作。
[映画館(邦画)] 8点(2020-11-03 01:16:20)(良:1票)
109.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
SFホラーの代表的傑作である前作の前日譚という建付けだが、特にお話の方に新たなアイデアがあったというよりは、結果的にCG全開でもっと派手にクリーチャーを暴れさせたったぜ!という方面に力点が置かれた「リメイクに近いモノ」になってしまっている。個人的には、そのクリーチャーの出来自体は別にそんなに悪くもなく十分気持ち悪く観れるとも思ったが、今どきにしてはまま無難な造形だとも思うし、その部分を全て特撮で貫いたが故に今日でも損なわれることのない優れたリアリティと普遍的な怖さを勝ち得た前作に比べれば、根本的に映画としての「格」の違いを痛感するのである。  取り分け、全体的にテンポが良「すぎる」よーに思う。そのため、じわりじわりと「物体」が皮膚を侵食してくる悍ましさや、誰が敵なのか分からないという疑心暗鬼が画面を通して確かに視聴者自身の感覚の中に広がってゆくというその前に、クリーチャーがババーン!と暴れ出しちゃってる、という風にも感じるのですよね。SF(ホラーチック)アクションとしては全体的な映画の質も確実にB級レベルを超えてくるものであるし、特に前作を観ていない、という人であれば意外な程に結構楽しめるかも、とも思われますが、私個人としては相当にイマイチでしたね。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-06 21:57:13)(良:1票)
110.  his 《ネタバレ》 
本作に登場する二人は、見た目や口調その他の「外見」は男性だが男性愛者、という性的マイノリティである。この二人を主人公にして、LGBTをテーマとする種々のトピックス(社会啓発的な内容を多々含む)をかなり広範に取り扱ってゆくが、トピックスも多いぶん全体的な描かれ方はだいぶオーソドックスで分り易い「初学者向け」な風にも感じられるし、また率直に演出が少しクサいor大仰だと感じる場面が部分的にあったのも確かである。しかしそれは、このテーマに対する製作者のマジメさ・真剣さを表しているように思う。少なくとも、映画のコンテンツの一つとしてこのテーマを「消費」するような作品では確実になかった。  幾つかの社会的な、またはプライベートな困難を乗り越えて、物語は比較的穏やかに進行してゆきつつも、やがてそれは一人娘の親権を争う離婚調停へと収束してゆく。この場面は相当にシリアスであると同時に、一作品の枠を超えて非常に考えさせられる内容であった。つまりはそれが、性的マイノリティのカップルが母親と同じように社会で子どもを育てられるのかという答えの出ない問いに帰着してゆくからだ。例え社会的認識が確実に向上しつつある現在であっても、これも確実に差別意識も残存している中で、子どもが本当に幸せに為れるかどうかという冷徹な現実は理想論とはかけ離れた次元に存在すると思うし、作中でもそのことは(いくぶん差別意識への批判を交えつつも)明確に描かれていた様に思う。最終的な彼の決断は、恐らく自身の「唯一の子」となるだろう娘との生活を手放すという極めて重いもので、そこには、感動するとか泣けるとかそういう感覚を超えた(共感したくても出来ないという様な)筆舌にし難い感情を覚えた。  愚直な映画であると思う。クソマジメだし、重いし、それを飾らずそのままぶつけてくるかの様な作品だと感じる。でも、そこに感じる青臭い真摯さは個人的にとても好きだし、素直に観て良かったと思う。  そして、本作のテーマ面の出来からすれば些末なことではあるが、まず離婚調停での葛藤を最大化している緻密な人間関係の設定は、色々とかなり良く出来ていたと思う。演技面でも、宮沢氷魚と藤原季節の主演二人は自然な演技で違和感もなかったし、また、実は葛藤という意味では、主演二人よりも種々の場面でより複雑な演技を要求されているようにも思われる母親役の松本若菜も、二人以上に素晴らしかった。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-26 04:26:41)(良:1票)
111.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 
アポカリプス状況下で数年経過しているという設定だが、妙に暢気に文明崩壊な感じが無く、時の経過を偲ばせるのは女優二人の変貌ぶりのみである(男どもは意外なまでに全く変わり映えがしない)。  「お前誰?」状態で可愛げの欠片もないアビゲイル・ブレスリンはさっさとパーティから外し(なんでこんなに太ったの?)、代わりに可愛いだけの頭空っぽ女を追加して話を進めるのは個人的には悪くないチョイス。しかし、途中でよく分からない流れでいったん離脱して復帰したり、離脱中にはまたよく分からない流れで変な連中が出て来たり、展開運びは結構取り留めが無い。全体的にコメディ要素も明らかに前作よりは弱い(個人的には、前作もそこまで好きでは無いのだけど)。むしろ、アクション要素が中盤も終盤もそれぞれ結構よく出来ている様に思う(ゾンビ映画としては相当に派手)。  他方、エマ・ストーンは前作のギャル風味から転身して大女優らしく矢鱈と凄みが増しており、タラハシーよりもよっぽど迫力アリ。しかしそれでいて絶妙にコミカルな演技はやはり相当に上質で、今や何でも出来ちゃう最強女優とでも言えるのではないか(後半はあんま目立ってないけど)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-04-01 21:59:46)(良:1票)
112.  プールサイド・デイズ 《ネタバレ》 
超絶いい加減なサム・ロックウェルをはじめ、プールサイドの面々は実にコミカルで、主人公がこっちに居るときはこの映画はとても楽しい。その一方で、サイテー男スティーヴ・カレルと自分のことで手一杯な母ちゃんトニ・コレットが待ってるおうちの方は、実に陰湿で暗ーい何とも堪え難い空気(観てるこっちも実際に堪え難い)。雰囲気の両極端さそのままに、主人公はスティーヴ・カレルと完全に決別して映画は終了するが、こういうただ一方的な人間関係って個人的にはあんまり好きじゃない(一方が100%悪役というのは、少し単純すぎて映画として浅いようにも感じる)。  でも「反抗」できるようになるって思春期の一番最初の顕著な成長だとも思うのだよね。それを描きたかった映画なのだとも思うし、その意味では終盤の展開も、またその部分の子役の演技も決して悪くなかったと思う。重ねて、コメディ部分はとても面白かった。一番笑ったのはやっぱりしれっと戻って来てるルイス(実は演者は監督だそうで、お疲れ様です)。青春ものを観たい!ってときの選択肢としては、十分にアリかと。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-23 00:03:18)(良:1票)
113.  グレイマン 《ネタバレ》 
正直、ライアン・ゴズリングよりはアナ・デ・アルマスの方を目当てに観に行ったのです(なにしろ『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が食い足りなくて)。で、結果的にはごく非常にシンプルな作品でしたが、またごく非常にシンプルに爽快で面白かったですね。確かに、この作品を家のモニターでしか観れないとゆーのは如何にも勿体無い話だと思います(もはや人類の損失かと)。上映劇場は限られているかと思いますが、皆さんも是非。  とて、お話の内容としてはごく極めてオーソドックスで、かつ具体的な展開運びに観るべきポイントとゆーのも特に全く無い(=いつもの流れ)という感じです。要は、ほぼアクションの数珠繋ぎと言うべき「片側に寄りまくった」アクション作品であって、ただしそのアクション自体の質、そしてそれ以上にその「物量」とゆーのはかなり凄まじいモノでしたね。聞いたら製作費2億ドル!はネットフリックス史上最大(『レッド・ノーティス』と並んで)というコトらしく、ただ今作に関しては「正しいカネの使い方」だったかな…と思います。キッカリ2時間の作品ですが、アクションの投入箇所が非常に多いためテンポや密度は(普通のアクションの)3割増しくらいな体感でした。重ねて、スピーディで爽快でかなり楽しめましたね(かつアルマスちゃんをはじめ役者さん達もごく手堅く頑張ってらしたので)。  ただし一点だけ、ドラマなのか映画なのかは分かりませんがごく強力に続編の製作が期待されているだろう作品ではありまして、要はこのハナシ、今作だけではしっかり終わってくれませんのですよ。その意味では、ラストだけは率直にごくボンヤリ・ヨレヨレと(ココだけ)かな~りモヤっとしたまま終わっていく…という感じでして、コレは流石に少なからず残念に思われるトコロでありました。評点にしても実は相当に迷ったりもしたのですが、単純に面白かった(楽しめた)のは確実…なので結局ここまで上げておくコトにしましたです。続編を楽しみにしてます(配信限定とかになったら泣きますね)。
[映画館(字幕)] 8点(2022-07-23 20:52:52)(良:1票)
114.  さがす 《ネタバレ》 
監督と言えば当然、かの問題作『岬の兄妹』しか観たコトなかったのですケド、アレはま~極度に強烈な映画でしたので、そのパーソナリティとゆーのは(1作観ただけでも)ビンビンに伝わってきましたのですよね。すなわち、社会の暗部や人間が秘める闇、だとかいったごくダークなモノを、ソレこそ取り繕うコトも無くダークでネガティブなままにフルスイングで叩きつけてくるかの様な…と言いますか。でも、その中にも実はごく善なる人間性も描き込もうとはしてる…のカモ…と(仄か乍らに)感じ取れたのも確かなのであって、だから今作、個人的にはかなり期待してたのですね(特にその後者の方に)。そして、まずはその期待した側面に関しても今作は実に好い出来だった…とは、とにかく最初に何より伝えておきたいのです(その面、かなり奥ゆかしいのも確かですケドも)。監督のファンならたぶん必見!というヤツかと思いますね。  ただ、意外なコトに本作は(前述どおりの種々の人間性の描き込みもしっかりとされてゆく中で)全体としてはハード系ヒューマンドラマとゆーよりはかなり純然たるサスペンスとして仕上げられているのでして、そしてその面の出来がまた実に意外なまでに頗る高かった…と言えるのですね。なので、お話の内容についてはレビューで言えるコトが(実は)あまりないのです(=ダマって観て!としか)。と言っても、犯罪当事者の計画が(当初から)ごく精密に考え抜かれていた…というヤツではなくて、その実行過程には行き当たりばったりや偶然も大いに孕むのですが、それでいて終盤の展開運びは明快で鮮やか、かつ抜群のキレの好さを誇っており、率直にとても素晴らしかったです。シンプルに事件ものが好き!という方にも大いにオススメですね(近年の邦画では屈指というレベルで)。
[映画館(邦画)] 8点(2022-02-03 22:48:57)(良:1票)
115.  世界一キライなあなたに 《ネタバレ》 
私自身、人生でナニを最も恐れているかと言って、最上位に来るのはアルツハイマー病に罹るコトだったりします。もしそれがそーなってしまったら(アカギじゃねーのですケド)私だって極端な選択をするカモな…とはつくづく考えているトコロでありまして。「我思う故に我在り」とは好く言ったモノで、やはり何か物事に対して何をどう考えるか、とゆーのが正に「自分自身」そのものであるとすれば、それが思う儘にならなくなるコトほど恐ろしいコトはないかな、と。  精神的 or 物理的という部分の差異はあるものの(ソレは必ずしも互いに「独立」しているモノではないのかも…とも思います)、今作のウィルもまずは自分が(以前の)自分ではなくなってしまったコト、もう一つは周囲に対する罪悪感(=自分が存在すること自体が少なからず周りの人々に負担を与えているコト)という、いずれにせよ人生を諦めるに足るだろう耐え難い絶望から最終的にとある決断をするコトになります。前述どおり個人的には、そのコト自体にはある種共感・或いは少なくとも理解は出来る…とゆーのが正直なトコロでもあるのです。  ただし…とは言え………いや、他の言い方は敢えてせずに、このラストはただ「残念だ」というコトに尽きるのですね。一つだけ言い加えても好いかな…というコトがあるとすれば、コレも少なくともウィルには彼が生き続けるコトを心の底から望んでくれている人が幾人も居る、ソレが如何に尊いコトかを今一度考え直すことは出来なかったのかな、というコトですかね…  もう一つ、映画のつくり上の疑問点としては、結局ルーとウィルの関係は最終的には男女のモノになっているのですよね。男と女2人のお話としてはそりゃあ分かり易さを重視したらこーなるモノか…とは思いますが、本質的には必然性のあるコトではないとも思いますし、むしろルーには(ヘンなヤツではありますが)元々恋人も居たワケですから個人的にはココには少し違和感もありました。 エミリア・クラークの演技自体はかなり印象的・魅力的であったとも思いますケド(表情のつくり方が結構独特で、なんか面白かった+なんかホッコリできましたですね)。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-03-29 19:12:57)(良:1票)
116.  プロジェクトV(バイオント) 史上最悪のダム災害 《ネタバレ》 
この映画のコトを知るまでは元ネタの事故(歴史的な大惨事)とゆーのも恥ずかしながら知らなかったのですが、確かに色々と耐え難い事件ではありますよね。オーラスではソレをまずまず見事な映像でしっかりと表現してくれてますので、尚更にその悲惨さをヴィヴィッドに実感できると思います(観ていてだいぶ辛くなってしまいました)。その部分には、娯楽・趣味としての映画とは違うもう一つの大きな価値がある作品だとまずは思いますよね。皆様も是非。  集団心理における種々の「錯覚」に近いモノの産物…というコトかとも思いますが、別にこーいう人命に係る事象のみならず、シンプルに自分の仕事に落とし込める様な教訓も多々得られた、という気もします。「誰がソレで好い…て言ったんだ!」なんて私の仕事環境ですらモ~耳タコなお話なのですし、やっぱ「根拠は何か」⇒「ひたすら(客観的な)数字こそ頼りになる」とかってのも再認識しましたよね。もっとも、取り扱うデータの解釈…という意味では、コレもやはりとにかく「先入観」こそが最大の敵…だとは思いますね。なんらかバイアスがかかった状況では、例えデータ自体が客観的でも如何ようにも「(半ば故意の)取り間違え」は発生しうるワケで、だからそーいう人には(基本的には)正しい判断なぞ期待できないのだとも思うのですよ。まあ、この場合はソレでも結果フェイルセーフに倒れていれば好かった…という問題なのかも知れませんケドね。
[DVD(字幕)] 7点(2022-10-15 09:43:31)(良:1票)
117.  CURED キュアード 《ネタバレ》 
ゾンビ・パンデミック後、治療法が開発され、幾ばくかの人々がゾンビ状態から人間性を取り戻した、が…というお話。  前半はホラーと言うよりはサスペンスなつくりで、恐怖描写はごく程々に、非常に重苦しくてやるせないハードな展開がまあまあ見応え有る。ラスト30分はお待ちかねのゾンビー・パニック・アクションで、またもや全力疾走なゾンビがまずまず迫力有って率直に恐怖。前半はアイデアで独創性を出し、後半はゾンビものとして観客の観たいモノをしっかりと観せる。適度なコンパクトさも相まって中々にバランスの良いホラーであった。グッド・クオリティな小品といったところだが、個人的には割と好き。
[映画館(字幕)] 7点(2020-05-28 00:37:16)(良:1票)
118.  ポール・ヴァーホーヴェン/トリック 《ネタバレ》 
ドキュメンタリ部分は、監督がとにかくよく喋ること!まあ映画監督ってのはノンビリした人じゃ務まらないかなとは思うが。  で、本編。肝心カナメの脚本の方は、全然普通に悪くない出来に仕上がっている。が、あまりに小綺麗に整い過ぎており、奇抜な製作方法をとったことの妙味は少ない。あと、少しギュギュっと纏まりが良過ぎるのもやや微妙(元々このサイズにすることに決まってたのかも知れないが、普通に90分映画にしてもう少し遊びを入れても良かったかと)。そもそも、ヴァーホーヴェンらしさというものもそこまでハッキリとは見当たらない(百歩譲ってメレルの開幕オッパイくらいか)。無茶な残虐展開は検討から外したとは言ってたけど、オランダ人、本気出してくれ。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-06 15:22:29)(良:1票)
119.  罪の声 《ネタバレ》 
三十年以上前の事件を、二人の男が追ってゆく、その方法はシンプルな「聞き込み」。そしてその関係者たちというのは三十年も経っているのだから当然、みな老境に差し掛かっている。私がまず興味深かったのが、この場面で次から次へと登場する熟練のベテラン俳優たちの演技の味わい深さである。社会を震撼させた凶悪事件でありながらも、過ぎ去った過去をどこか懐かしみ愛おしむかの様な彼らの演技が醸すノスタルジックは個人的に実に面白く、前半はこれだけでかなりお腹一杯に観てゆくことができた(特に塩見三省なんか抜群に良かったですよね)。  もちろん、迷宮入りした事件を素人がチョロチョロ調べ直したトコロでこんなにあれよあれよと真相が判明していくワケないだろ!というのは突っ込みドコロではあるし、中盤である程度事件の全貌が見えてしまっているのも確かではあるが、後半はやや人間ドラマ的サスペンスとして十分に面白いトリックをいくつか仕掛けてあるし、その部分を若い主役二人の(こっちは)熱い演技で見事に成立させてゆくのも率直に中々素晴らしい。サスペンスとしては普通に十二分に面白く観れる作品だと思うし、まあまあオススメも出来るかと。
[映画館(邦画)] 7点(2020-11-09 06:34:32)(良:1票)
120.  キャラクター 《ネタバレ》 
世の中つーのは結構世知辛いモノで、どーしても「ただ善人」という人は中々トップまでは辿り着けないのかなあ、とも思うのよね。少なくとも、いわゆる「悪人」とゆーのが何をどう考えているのかを想像くらいは出来る、とゆーのは必須かと。残念ながら世の中のそこそこの割合の人々てのは、悪人か、でなくてもイザとなったら悪人に為るという人間なのだから、とでも言いますか。  その意味で言うと、ごくごく善人な主人公の漫画家は自分が善人だから悪人を描けない、その彼と、それこそ凶悪極まりない殺人鬼が邂逅・シンクロし、彼らが二人で「彼らの」物語を描き始める…という大元のアイデアは、率直になんかかなり面白いな、と共感できたのですね。そしてその(やっぱりどこまでも善人な)主人公が、勝ち得た自分の地位を守る・そして周囲の期待に応えるコトの重圧と、自分が描く物語が社会に「悪」をもたらすことの罪悪感の狭間で葛藤してゆく、という前半の展開は、繊細な菅田将暉の演技の上質さも相まって個人的にとても面白く・また多分にユニークにも感じながら観てゆけたのですよ。  しかし本作は、最後までその主人公の葛藤を描いてゆくというワケではなくて、中盤で彼はある種「白旗」を揚げて、そこから先はワリと単純な犯人捜しスリラーに変わってしまう、そこは率直に少し残念だと思ったのですね。ただ、そっから先が全くに平凡・月並な作品だというワケでも決してなくて、後半は後半でかなり意外性やアイデアの在る展開運びでそこそこ以上に面白いし、加えて、猟奇大量殺人のその「現場」の凄惨な血みどろ具合や終盤のショック描写の「痛さ」とかいった部分のキレ味もかなり良好で、そこにも相当な見応えが在りましたのですね。結論、良作と言える範疇のサイコ・スリラーなのは間違いの無いトコロかと。  演技面でも、前述どおり菅田将暉は好かったし、犯人の彼も結構「手堅い」出来だったすね(特に見た目の不安定さが)。もう一人、小栗旬は『罪の声』でも思いましたが刑事役はドンピシャ・絶品ですね。人当たりの好さそうな一方で、切れ者ぽい鋭さや凄みも兼ね備えていて、そーいう現代的な刑事の役だけでも今後相当食ってける、とゆうよーな気がします。   ※追記:小栗旬は『罪の声』では刑事じゃなくて記者でしたね…(勘違い)…まあ役割的には似た様なもんだとゆーコトで。。
[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:48:05)(良:1票)

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