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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
第2次大戦から冷戦の時代を経て、製作当時にはまだまだ燻っていた内戦に至るまで、 クストリッツァの祖国の、争いを抜きに語れない悲しき現代史を、登場人物の人生に重ね合わせ一気に見せる叙事詩。 いつの間にやって来たのか、クストリッツァ映画のレギュラーとも言える大勢の人物に紛れ登場する楽団が奏でる賑やかなジプシーブラスは クストリッツァならではの力強い人間描写と共に時に陽気にコミカルに、過酷な中にも日々を懸命に生きる人々を称える人間賛歌でもありますが 時にはその人間模様が狂気じみても見え、時には何とも滑稽にも見えます。人間と戦争を彼らしい描き方で強烈に皮肉り風刺する。 賑やかな音楽と共に彼の映画に欠かせないのが動物ですが、本作ではその動物たちが空襲により傷つき血を流し死んでいく様も描かれます。 登場する人間達が放つ強烈なまでに人間臭さを感じさせる個性、 全てのシーンにみなぎる力強さとスケールの大きさに圧倒される3時間はあっという間に過ぎていく。 クストリッツァらしく賑やかな結婚式のラストですが、賑やかな宴の一団のいる陸地は分断され不安定に漂っているように見える。 祖国ユーゴスラビアもまたいくつにも分断し、今後どうなっていくのだろう? 「この物語に終わりはない」というラストもまた考えさせられる。 「映画の持つチカラ」というものをとても強く感じる作品です。 クストリッツァという人を知るにはやはりこの映画だと思うし、彼の最高傑作であると思います。
[DVD(字幕)] 10点(2017-12-27 16:25:15)(良:1票)
2.  愛が微笑む時 《ネタバレ》 
観ている間中何度も笑って泣いて、素晴らしい映画でした。4人が天国に行く前に叶えたい最後の望みがどれもささやかなのものなのですが、それがいいんですね。男2人に女2人、この4人それぞれのキャラのバランスが絶妙。バスのお迎えが来て一人ずつ天国に旅立っていくその表情がとても清々しくてみんなとてもいい笑顔なのが印象に残ります。一人ずつ仲間が減っていくのは淋しさもありますが、人は一人で生まれ一人で死んでいく、ということだったのでしょうか。この4人のような顔をして天国に旅立っていけるような人生を送りたい。彼らの表情を見ながらそんなことを考えていました。そんな4人の望みをかなえるロバート・ダウニーjrの変幻自在の演技が素晴らしく、やはりこの人は名優なんだなと思います。惜しいのは邦題。この可もなく不可も無いラブコメのような邦題で決定的に損をしています。しかしとても分かりやすくて、深い。いい映画でした。
[DVD(字幕)] 10点(2010-05-26 21:50:07)(良:1票)
3.  逢びき
共に既に家庭を持っている男と女のロマンス。平たく言えば不倫モノということになるのですが、 そういう言葉で片付けたくはない雰囲気と内容、そして品を持った作品です。 本作の主演女優、セリア・ジョンソン。その表情の演技が特に印象的です。 巨匠リーンの繊細な演出と、彼女の繊細な演技が見事に重なり合う。 相手役のトレヴァー・ハワードと共に美男美女が極上の絵になるロマンスという訳ではなく、 2人が互いを求めあう感情を露わにする激しさのあるシーンがある訳でもない。 毎週木曜日の買い物に出かける午後のほんの半日の2人の心の機微を実に丁寧に拾い上げていく。 それが本当にいい映画です。 巨匠リーンの初期の90分に満たない小品ですが、リーンの後の大作にひけを取らない作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-09-03 15:16:11)(良:1票)
4.  穴(1960)
ジャック・ベッケル監督、原作と脚本はジョゼ・ジョバンニ。 問題はジョゼ・ジョバンニという人です。 映画監督、脚本家、小説家として才能あふれる人なのですがこの人、 それ以前は相当な悪で死刑判決を受けた後、恩赦で辛うじて死刑を免れたという経歴を持つ人です。 で、本作で描かれる脱獄作戦のメンバーの1人でもあったという。どうりでリアルな訳です。 音楽が全く使われていない。徹底してエンターテイメント性を排した作りとなっていますが、 緊張感が一本の線で繋がっているかの如く最初から最後まで全く途切れない。 音楽が使われていないかわりに、無音の中に響くトンネルを掘る音、鉄格子を切るノコギリの音。 これがサスペンスを盛り上げるどんな音楽よりも効果的に作用しています。 冒頭に追加で脱獄メンバーに加わる若者以外は、他のメンバーに関しては名前以外何も明かさない。 しかしこの若者だけは全ての事情が冒頭で明らかにされます。 これが最後の最後になって効いてくる終盤のドラマの展開の見事さにも唸らされる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-08 21:12:40)
5.  アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 《ネタバレ》 
自国の兵士を誰1人現地に送り込まなくても作戦が完了する現代の戦争。 「世界一安全な戦場」という邦題の通り、本作に登場する、この作戦に関わる英米の軍人が戦死する可能性はゼロ。 今回の作戦行動はケニアの首都ナイロビのテロリストが潜むアジト周辺の一区画のごく狭い範囲のみ。 しかし、一瞬たりとも緩むことの無い、張りつめた緊張感が凄い映画。 作戦を指揮する、ヘレン・ミレン演じるイギリス軍大佐、彼女の上官であるアラン・リックマン演じる中将。 ミサイル発射のボタンを押す、作戦の末端にいるアメリカ軍中尉とその部下。その中尉の上官。 彼ら軍人と、ロンドンにいるイギリス政府の大臣や官僚たち。 ここに挿入される、テロリストのアジトの脇でパンを売り始める少女の存在が効いている。 作戦を今決行すれば、大物テロリストたちを間違いなく抹殺できるが、確実にこの少女が犠牲になる。 軍の高官、官僚たち背広組、ミサイル発射のボタンを押す兵士達。様々な思惑を実にテンポよく交錯させる。 そしてこの作戦に関わった関係者の多くと同じく、見る者の視線をパン売りの少女に向けさせる。 常に現地のドローンから送られるアジト内のテロリストの動きと少女の様子。一刻を争うライブ映像の緊迫感が凄い。 更なる緊迫感をもたらすアクシデントの挿入も実によく計算されています。 関係者たちが現地の映像を自国の作戦室や会議室で見つめる様は、 オバマ大統領たちがビンラディン殺害計画の様子を食い入るように見つめていた当時のニュース映像を思い出しました。 エンドロールの最初に出てくる「アラン・リックマンを偲ぶ」というメッセージ。 リックマンの遺作となった本作。主演ヘレン・ミレンの熱演が印象に残るとともに、 彼女とは対照的な、リックマンの静かなる存在感も印象的でした。特に、数々の修羅場を見てきた彼の本作最後の台詞が重かった。 声高に正義を訴えることもなく関係者の言動を追う中に投げかけられる問題提起とともに、サスペンスとしても一級品の作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-29 19:57:23)
6.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
戦争映画、特に9.11以降のアメリカと戦争を描いた映画としては意外なほどメッセージ色が表に出ていない作品でした。 1人のアメリカ兵狙撃手、クリス・カイルの4度にわたるイラクへの派遣と、その合間のアメリカでの日々を交互に挿入していく。  戦場の緊張感溢れる描写は勿論ですが、アメリカでのクリスの姿を追う緊張感のある描写。 隣家のバイクか車がエンジンをかける音。ちょっとした機械の音。 自分の運転する車の後ろを走るバン。ホームパーティーで娘と遊ぶ犬。 それらの1つ1つに過剰に反応するクリス。戦争が次第に彼の心を狂わせていく。  そして冒頭でイラクの母と子どもを狙撃したのがクリスなら、 自分が狙撃した男が持っていた武器を手にし、戦おうとした子どもをスコープ越しに見つめながら、 「頼むから武器を手放してくれ!」と呟き、子どもが武器を手放すと、狙撃しなくて済んだ安堵の表情を浮かべたのもクリス。  交互に描かれる戦場のイラクと日常のアメリカ。 1人の兵士の姿を追うその両方の描写を通して、戦争と人間を見事に描いた傑作だと思います。 無音のエンドロールの映画を見たのは久々でしたが、 哀愁漂うトランペットの音色に続く本作の無音のエンドロールは何とも言えない悲しみに満ちていました。
[映画館(字幕)] 9点(2015-02-24 22:50:27)
7.  アバウト・タイム 愛おしい時間について
イギリスのラブコメ職人、リチャード・カーティスがユーモアと感動にあふれた素晴らしい人生賛歌を撮り上げました。 主人公の青年は祖父、そして父から過去にだけタイムスリップできるという特殊な能力を受け継ぐ。 この能力を背景に、一目惚れした運命の女性に対し「あっ!だせえな俺。やっちゃったなあ…。」と思ったら、 そのちょっと前に戻って今のとこ、もう1度やり直し!という展開が続く前半はちょっとドタバタのラブコメといったところ。 笑いドコロも十分です。しかし彼がその女性と結婚するあたりから、少ししんみりとしますが、 登場人物ぞれぞれの色んな家族愛と人生賛歌のドラマへと、実に自然に作品の空気を入れ替えていく。 主人公の男にこの特殊能力を決して無駄遣いさせないのがいい。 愛する女性のため、愛する家族のため、彼は過去と現在を行き来します。 後半から終盤は、こういう家族のドラマには滅法弱い僕ですが、本作に関しては涙は出てこなかった。 それは本作の持つ独特の清々しさや、終盤のしんみりとした空気の中にも、本作の根底にあるユーモアの精神が常にあったからだと思う。 何気ない日常の中にあるささやかな幸せというものを感じさせてくれる、作品の中の空気のブレンド具合も見事な作品でした。
[映画館(字幕)] 9点(2014-12-17 18:16:26)(良:2票)
8.  アニー・ホール
ウディ・アレンの出世作とも評される本作は「僕はこんな奴なんだよ」「ハリウッドになんて行かない。僕はここ(NY)で映画を撮り続けるんだ」実に分かりやすいウディ・アレンの決意表明のようなものを感じる映画です。  冒頭から自身のハゲを話題にした自虐ネタに、NYへの愛を感じる一方でLAへのシニカルな台詞、ユダヤとは、セックスとは・・・その後のアレン映画でもお馴染みのアレン・ワールドがお得意の小気味いいテンポで展開されていきます。  表明だけ着飾ったインテリの描写も面白い。アレンの幾つかの作品で感じられるフェリーニ愛。序盤の映画を待つ列の後ろでフェリーニ批判を繰り広げる男を登場させることで、そんな似非インテリ批判と共に自身のフェリーニ愛を感じます。また、着飾った会話とは裏腹に裸の心の声を字幕にするくだりもアレンらしい楽しさがあります。ユダヤに関してはアニーから「あなたってやっぱりユダヤ人なのね」みたいなことを言われて一言「ありがとう」と返すくだりも実に分かりやすい。  頑なにNYを出ることを拒んだ彼が今ではハリウッドよりもっと遠いヨーロッパを拠点にしているのも皮肉というか、面白いです。そう言えばヨーロッパに行く少し前に「さよならさよならハリウッド:原題hollywood ending」という映画と撮ったりもしていましたね。色んな意味で彼の原点を感じる大好きな作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2012-11-24 13:55:59)
9.  アルゴ 《ネタバレ》 
ベン・アフレックの監督デビュー作となった、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」を見た時は驚いた。非常に重い作品でしたが、見応えのある重厚な社会派ミステリー・サスペンスでした。監督がアフレックだったことに驚いたと共に何でこれが日本未公開なんだ?と思ったものです。  そして本作。今度は実話に基づいた、非常に骨太な社会派サスペンスを自らが主演し撮り上げた。しかし、もはや「ゴーン~」を見た時のような「あの俳優ベン・アフレックが・・・」という驚きは無い。今やもう、ますます今後の作品に期待が高まる映画監督となりましたね。  冒頭の騒然としたデモが巻き起こるテヘラン市内の描写に、混沌としたバザールと人質達が市内に顔を晒して歩く緊張感、さらにそこに挿入される緊張感が高まるアクシデントの挿入。恐らくは脱出に成功するのであろうと思いながらも手に汗を握る空港の脱出劇に、離陸後も見る者を簡単には安堵させない終盤のたたみ掛けるような展開の組み立ても見事です。  そんな張りつめた緊張感の中進行していくアルゴ作戦にあって、ちょっとした映画小ネタを挿入したり、一息つかせてくれるジョン・グッドマンとアラン・アーキンのベテランコンビの使い方も絶妙でした。
[映画館(字幕)] 9点(2012-11-02 00:05:10)(良:2票)
10.  愛のメモリー 《ネタバレ》 
デ・パルマ版『めまい』として有名な作品。観る前はそれ程期待していた訳ではなかったのですがこれは素晴らしい映画でした。ある事件で妻子を亡くした男の前に妻と瓜二つの女が現れる。確かにその展開は『めまい』です。  主人公の男と結婚することになった瓜二つの女が男の豪華な屋敷にやって来る。時折精神的な不安定さを見せる夫、その屋敷に飾られている亡くなった妻子の肖像画に目を奪われる様や屋敷に残されている妻の日記、装飾品・・・。効果的なこれら小道具の配置のさせ方、この屋敷に今でも残る妻の存在感。『めまい』だけでなく、これは同じくヒッチコックの『レベッカ』のマンダレー屋敷を思い起こさせる。この一連の瓜二つの女の行動とその表情は真相を知った後に見直すと全く違った印象を与えてくれます。  事件の真相を見せて以降後半から終盤の緊迫感のある見事な流れ、その末に訪れる空港での再会のラストシーンも素晴らしい。ミステリアスで重厚さを感じさせる音楽や映像も素晴らしく、僕にとってのデ・パルマの最高傑作となりました。
[DVD(字幕)] 9点(2010-09-23 21:38:40)
11.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン
第1部と比べると第2部は激しく、そして様々な事実が明らかになります。この2作を通じて作品のタイトルには3人の名前が登場する。ジャンとマノンの第1部でも描かれた父と娘。そしてもう一人、第1部からずっと気になっていたフロレット。ジャンとマノン、そしてフロレット。更に隣人と泉と。第1部で張られた伏線が第2部に効いていて、悲しき結末と過去が明らかになります。フロレット家と隣人の3代にわたる2つの家族の物語は決して後味のいい話ではなかった。しかし長丁場を全く長く感じさせることのない、登場人物が絞られているので分かりやすくて非常によく構成が練られていて、見応えのある映画でした。主要キャストそれぞれの素晴らしい演技、中でもダニエル・オートゥイユの好演と、第2部に登場したエマニュエル・べアールの美しさが強烈に印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-03 21:17:21)(良:2票)
12.  雨に唄えば 《ネタバレ》 
今までに何度も何度も楽しませてもらった映画です。レインコートと傘で3人が歌うオープニングから楽しさいっぱいです。序盤の歌とバイオリンとタップダンスの2人に、楽しい首なし人形との共演「笑わせろ!」に「グ~ッモーニン!」に土砂降りの雨に、他にも作品を楽しく鮮やかに彩る素晴らしい至芸を心から堪能できます。サイレントからトーキーへの映画という文化の一大過渡期における、映画に声という新たな要素が加わったことがもたらす残酷な一面や吹き替えの誕生、撮影現場や舞台裏の試行錯誤を最高の至芸に乗せて華麗に、そして楽しく見せる映画の話術が見事です。(ただ後半に若干長く感じられる所もありますが)そしてきつい役を見事に演じきったジーン・ヘイゲンに拍手です。憂鬱な雨の朝なんかは家を出る前に本作の一番の見せ場を思い出してグ~~ッモーニング♪とセットで口ずさんでみたりすればちょっとイイ気分になれるかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 9点(2009-12-27 20:10:08)
13.  あんなに愛しあったのに 《ネタバレ》 
戦争中はレジスタンスとして戦った3人の男と彼らのその後の人生に深く関係する事になる1人の女。この4人それぞれの戦後の人生―その出会い、別れ、そして再会―を淡々と描き、戦後のイアリア社会や価値観と彼らの人生を重ね合わせる語り口が素晴らしかったです。作品全体がどこか物悲しくもコミカル、そして何ともいい味の人間臭さが漂います。スコラ監督は「スプレンドール」という映画館をテーマにした素晴らしい映画を作っていますが、本作でもスコラ監督の映画への深い愛情や熱い思いを感じずにいられません。デ・シーカ、フェリーニ、マストロヤンニらを本作の中にさりげなく登場させ、特に仲間の1人、ニコラが映画の知識を問うクイズ番組に出る。その時にニコラが熱く語るデ・シーカへの思い。デ・シーカ監督を尊敬してやまないというスコラ監督。このクイズ番組でデ・シーカを熱く語るニコラの姿はひょっとしたらスコラ監督ご自身だったのではないでしょうか。もう一度観たいけどなかなか観るチャンスが無い映画です。(タダ同然で買った中古ビデオ。でも一度観て2度目の再生の途中でビデオテープがクラッシュ…涙。でもよくぞ1度目、最後までもってくれたとも思う…)ぞふぃさんも書かれている通り、僕もDVD化して欲しい映画なんですけど無理かなあ。ホント、もう一度観たい!
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-03-31 19:20:55)(良:1票)
14.  アンモナイトの目覚め
イギリス映画らしい、1800年代を舞台にした文芸映画。 抑揚も台詞も少なく、音楽も最小限にしか使われていません。 その分、波の音や風の音や生活音のみならず、 2人の息遣いまで伝わってくるかのような繊細な空気感がある。 目ヂカラの強さ、意思の強さを感じさせるケイト・ウィンスレットと、 全く対照的な存在感を見せるシアーシャ・ローナン。 2人が心の機微を表現する静かな作品の世界観の中にあって 時に互いを求めあい感情を露わにする情熱的なシーンが効いている。 最後まで多くを語らない、大英博物館で2人が見つめ合うラスト。2人の表情も印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-20 12:23:26)
15.  雨上がりの駅で
ミシェル・ピッコリ演じる認知症の疑いと放浪癖がある元大学教授の老人と、 巨匠アルジェントの娘アーシアが演じる、日々の現状に不満を抱える19歳の勝気な娘の放浪の旅を描くロードムービー。 最初はこの老人の娘に、父が心配だからと尾行するよう頼まれたところから始まった旅。 老教授は時に公園のベンチに腰掛けて佇み、時には海辺で海を眺めるのみ。何も起こらない。 限られた少ない台詞と表情と仕草で見せるピッコリの味わい深い演技に見とれてしまいます。 この老人が何の目的でどこへ向かっているのか。尾行が続く序盤はこの老人のドラマかと思いきや、 2人が行動を共にする後半はこの19歳の娘の行動から目が離せなくなります。 旅の途中ではぐれた2人が再会するラスト。最後も何も台詞はありません。 微笑む老教授に対して、実にいい笑顔を見せる。もう何も台詞がいらない素晴らしいラストシーン。 アーシアのこの笑顔、何度も何度も撮り直したのかもしれないな。 人生の進むべき方向性を見出せず揺れ動く気持ちと、最後には成長を感じさせるアーシアの演技。 名優ピッコリに負けていない見事な存在感を見せています。
[DVD(字幕)] 8点(2016-12-25 15:17:58)
16.  ある過去の行方
ある女と彼女の2人の娘、その女と再婚しようとしている男と彼の1人息子、 その女と離婚しようとしている男。1つ屋根の下、あまりにも複雑な事情や思いが絡み合う数日間のドラマ。 大人達、思春期の娘、まだ幼い子ども達。それぞれの微妙な心理の変化や、噛み合わないそれぞれへの思い。 それはサスペンス的であり、終盤に再婚相手の男とその妻の過去を明かしていく過程はミステリー的要素を含みながら、 抑揚の少ない作風ですが、その中に少しずつ彼らの思いを浮き彫りにしていくその様は時に鋭さすら感じさせる。 自らこの素晴らしい脚本も手掛けたファルハディ監督の卓越した手腕を感じます。 まだ40代半ばと若く、これから先どんな傑作を世に送り出してくれるのか目が離せない監督の1人です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-31 19:05:32)
17.  愛すれど心さびしく 《ネタバレ》 
聾唖者で自分の思いを言葉にすることができない、若かりし頃のアラン・アーキンが演じるシンガー。 アラン・アーキンは「リトル・ミス・サンシャイン」の偏屈じいさん役でで念願のオスカー初受賞となりましたが、 何故「リトル・ミス・サンシャイン」が初受賞だったのだろう?と思わざるを得ない素晴らしい演技でした。 彼と同じ障害を抱えるギリシャ系の親友。バーで出会った、仕事もせず酒を飲んでは客に絡む事しか出来なかった男。 彼が下宿していた家の娘。南部の地で白人を恨み続けて生きてきた黒人の医師。 事情は様々ですが、みんなシンガーによって心が救われてきた人たちです。 シンガーは彼らの話に親身になって耳を傾ける。そのアラン・アーキンの表情が見る者の胸を打ちます。 しかし1人また1人、彼の元を去っていく・・・。そんな彼の孤独は親友の死でピークに達してしまう。 ギリシャ系の親友とのやり取りなど、彼の手話に一切字幕をつけない。 途中は2人の表情や手話のやり取りから何となく読み取れているような気もしていましたが 2人はどんな話をしていたのだろう・・・?彼はどんな思いで人々の言葉に耳を傾けていたのだろう・・・? 鑑賞後は様々な思いが胸の中を交錯します。手話に字幕をつけないことで見る者に何かを問いかけ訴えかけているようです。 「愛すれど心さびしく」。シンガーの胸の内を見事なまでに表した素晴らしい邦題です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-06-05 12:36:07)
18.  アルバート氏の人生 《ネタバレ》 
製作・脚本も自らが手掛けたグレン・クローズの“入魂”を感じる作品です。 彼女の男装に関しては、男装の中にも随所に女性を感じさせます。 メイクや1つ1つの所作でもっと男らしさを表現することは出来たと思います。 しかし本作の物語を考えると、当然グレン・クローズも相当こだわったのであろう、 少し不安定なバランスの彼女の男装ぶりは素晴らしかったと思います。 ベッドに横たわり、静かに目を閉じる彼女の本作最後の表情からは「やりきった」という充足感のようなものを感じました。  翌朝、アルバート氏の姿が発見された際にアルバートの人生について語る医師の一言には、確かにそう感じさせるところはあります。 しかしその後の、生まれたばかりの子どもとヘレンとペイジとの、ささやかな優しさを感じさせるラストが良かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2015-04-05 00:35:32)
19.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
実話をベースにしたこういう映画を見る度に、宗教とは何だろうと思ってしまう。 苦しむ人の心に安らぎを与えるものでありながら、逆にそれで苦しむ人もいる。 信じる神が違っても、神を信じない人にとっても、親が子を思う気持ちや、子が親を思う気持ちは不変。 今はもうこの世にはいない息子の思いがしっかり伝わるように描かれていたのが嬉しかった。 ジュディ・デンチの静かな、素晴らしい演技が感動的です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-15 14:18:28)(良:1票)
20.  赤い風船 《ネタバレ》 
冒頭、絡まって身動きが出来ない風船を助けてあげる少年。直後の停留所で、最初は「もう、離してくれよ!」とでも言いたげに右に左に行こうとする風船。  でも、雨が降ってきたら濡れないように傘に入れてあげる。街を行く大人は嫌な顔一つせず風船を傘に入れてあげる。少しずつ少年に心を開いていくかのような風船。「外で待っていろ」と言われれば寂しそうに窓から中を覗き込むかのようです。互いに一目惚れしたかのような赤い風船と青い風船。ここまではとても微笑ましくて優しさを感じます。  しかし悪ガキどもの標的になり、残酷な結末が。石を当てられて傷つき最後は踏みつけられしぼんでしまう。その様は命あるものが息を引き取っていくかのようです。  人間の優しさと残酷さと。フワフワ風に揺られる以外抵抗する術を持たない風船と人間描写はその両面を見ているように感じられましたが観る度に感想が変わりそうな奥深さを感じる映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-10-08 16:22:38)(良:1票)
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