21. アンデッド
なんというか……異色作。後半のSF展開は、ついていけないというか、どう反応したらいいのか困る。「バカだなー」ですませたいんだけど、夜空に大勢の人間が浮遊している映像が無駄にかっこいい。前半かなり楽しめたし、いっそ全編コメディチックにしてもよかったんじゃないかな。それに、登場人物の半数以上がヒステリックなのはさすがに神経に障ると思った。 ただし、なんだかんだいって低予算でここまでのものを作った努力には素直に拍手したい。メイキング映像での、有毒ガスで寿命を縮めてまでの奮闘振りにはもはや尊敬の念すら湧いてくる。少なくとも製作者の情熱は本物。スピエリッグ兄弟のこれからに期待します。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-20 00:31:53)(良:1票) |
22. アモーレス・ペロス
奪い、奪われた者がさらに誰かから何かを奪う。そんな負の連鎖が描かれていると思いました。ほとんどのほとんどの登場人物が独りよがりの愛のために誰かを傷つけ、自らも大切なものを失う。殺しあう闘犬のように、自分がすることに何の疑いを持たない。事を起こした動機は愛情だったはずなのに、そのくせ他人を傷つけることに何の疑いも持たない。ぞっとする話です。最後の最後に初めて、無償の愛情を与えるエピソードになるかと思ったら、「愛してる」という言葉は届かない。一見確かにそこにあるように見えた愛が、結局は空虚なものしか残さない。彼らの人生は交錯しても、心が交錯していない。 それでいてラストシーンに希望があるのには驚きました。シビアな目を持ちながら、けっして希望は捨てない。こういう姿勢は大好きです。 7点(2005-01-14 22:05:48)(良:1票) |
23. the EYE 【アイ】
《ネタバレ》 『降霊』(黒沢清監督)と『リング』、そしてちょっとだけ『デッドコースター』と、いろいろな映画のテイストを混ぜ合わせたような印象。しかし、それでもなおよい作品。映像と演出の素晴らしさもあるが、常人とは異なる能力を持ってしまった人間の悲哀、という古典的なホラーのテーマが中心にあることが大きい。リンの悲哀を描くシーンの痛々しさは『リング』に似ているようで、明らかにそれを凌駕している。一見いろんな材料を使っているが、実は最終的にそのテーマに集約される。目が見えないことは障害だが、かといって普通の人よりも見えすぎてしまうことはさらに大きな障害になる。ラストで再び失明した彼女が、皮肉にも重荷を捨てたかのように笑っている姿が印象的だった。クローネンバーグの『デッドゾーン』に次ぐ良作では? 8点(2004-12-18 07:29:51)(良:1票) |
24. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 使い古された感のある多重人格ネタを、こういうふうに使うとは思わなかった。多重人格の精神世界としてはちょっと荒唐無稽な気もするが、それでも十分楽しめた。なによりきれいに騙されたので文句は言えない。大傑作ではないが、最近のサスペンスでは拾い物。 7点(2004-08-19 12:27:40) |
25. アナトミー
ドイツの興行成績一位――何考えてんだ、ドイツ人。殺人鬼を怖がればいいんだか秘密組織を怖がればいいんだかわからない。詰め込みすぎで焦点がぼやけてんだよ。おまけに準ヒロインは脱ぐというパターンをしっかり守るのにはあきれた。知り合いのドイツ人に「ドイツでは映画文化はあまり盛んではない」と聞いて、失礼ながら納得してしまった。 1点(2004-03-03 05:59:47) |
26. アクシデンタル・スパイ
「ハリウッドでは規制が多くて思う存分アクションができなかった」というのでどんなに危険なアクションなのかと期待していたが、そうでもなかった。できなかったのってもしかして全裸格闘シーンですか?確かにある意味危険だが…… 4点(2004-03-03 04:43:44) |