141. 或る夜の出来事
突然最後で物分りが良く成り過ぎる富豪の父親とか、二人の絶妙なタイミングのすれ違いとか、アメリカ映画、いやアメリカ文化特有のご都合主義は、当アメリカ映画でも健在。 だが、話的には楽しめたので、まあ、そこそこということで。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-28 02:14:26) |
142. アオス
グロテスク極まりない、しょーもないアニメ。 [DVD(邦画)] 0点(2009-04-13 20:01:55) |
143. アモーレス・ペロス
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品としては、一般的に一番評価の高い気のする本作だが、確かに楽しめた。 この監督の後の作品には批判めいたものを聞いたりするが、私的には後年の作品の方が好きである。 音楽と映像の両面において、『バベル』や『21グラム』の方が優れているからだ。 だが、本作の脚本については、かなりの出来栄えで、様々な人間模様を描きつつも、登場人物たちを交錯させ、関連性を持たせて描いているのが面白い。 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、脚本選びよりも映像と音楽選びに才能が光る監督なので、今後ますますパワーアップしていくに違いない。 少し寡作気味なのが気になるところだが、新作を早く観てみたいものだ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-27 00:28:01) |
144. 雨に唄えば
身体能力が高いだけの男と、線が太すぎて繊細さに欠ける女とが、踊って唄うミュージカルコメディ。 センスの悪い衣装、豪華が過ぎるセット、トーキーに順応できないリナを悪者扱いする差別的な内容、人生の悲喜こもごもが伝わってこない浅いストーリー、そしてミュージカルというリアリティを欠くジャンル、全てが私の肌に合わない。 私のミュージカル映画嫌いを決定づけた、偉大なるアメ公映画の決定版! [CS・衛星(字幕)] 0点(2009-03-19 03:59:49)(笑:2票) |
145. 雨の味
うーん、主人公の男がいただけない。 それが全てに影響を及ぼしている。 映像感覚もそれほど悪くないし、シンガポールの近代的で綺麗な町並み、そしてゆっくり流れる雲など、いい雰囲気は出ているのに勿体ない。 他人とのコミュニケーションに障害を持つ青年という設定だから、終始暗い表情で、気持ちがハッキリしないという設定は理解はできるものの、それで最後まで通されると、こちらまで感情を奪われてしまう。 そして、無感動となってしまうのだ。 最初から最後まで、ゆっくりとしたムーディな雰囲気で進むのは、それなりに心地良いが、静かな中にも何か強いメッセージとか希望とか、そんな何かが見えてこないと、単なる雰囲気だけの映画で終わってしまう。 わざとらしいストーリー展開があるのはそれはそれで嫌だが、本作のように、大した刺激も感動も感情移入もできない作品ってのも、それはそれでシンドイものがある。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-02-19 21:55:49) |
146. アッシャー家の末裔
眠い、眠い。。眠いったらありゃしない! もっとも、深夜に観ていたらから、元から眠かったんだけど。 それにしてもつまらない。 後からつけられた音楽も眠さを増長するばかり。 染色した意義もよく分からない。 幻想的な感じは出ていたかもしれないが、だからどうした!という感じ。 サイレントでも、ラングやグリフィス、シュトロハイムは大丈夫だけど、このサイレントの名作とやらは無理だった。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2009-01-25 02:33:30) |
147. 赤ちゃん教育
スクリューボール・コメディとやらは、全く私には合わないようだ・・・ 出てくるキャラがウザイウザイ! 今で言う“ノリツッコミ”が延々と100分。 ふはぁ。。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-01-09 21:34:05) |
148. 安城家の舞踏会
《ネタバレ》 没落華族の最後を描いた傑作群像劇。 森雅之、原節子、津島恵子らが輝きを放ち、華族がまさに没落していく中で、最後の舞踏会を怪しく豪華に演出している。 殺人が起るのではないかというサスペンスに満ちた展開の中、華族という特権階級の没落の悲哀、男女の感情のもつれ、家族や親戚間のいさかいなどが、緻密に描かれている。 特に森雅之が突出したダンディズムを発揮。 森雅之は数々の名作に出演しているが、本作はそれらの中でも特に彼の味わいが滲み出た作品ではないだろうか。 クールに煙草をくゆらす森雅之がかっこよくて仕方ない。 ただし、唯一の難点と言っていいのが、ハッピーエンドすぎるところだろうか。 群像劇という、ただでさえ尺を必要とする内容なのに、90分という尺の中で全てをまとめようとする意図が明らかで、強引な仕上がりになってしまっている。 それが惜しくてならない。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-31 15:14:49) |
149. 赫い髪の女
《ネタバレ》 ただひたすらセックスをする。 セックスをすることしか頭にない男女が、ひたすらセックスをする。 それはただ単調で、セックスが日常的なものとして描写されている。 ここに一つの実験映画的精神を感じる。 そういう意味では新鮮さがあったが、さすがにセックスシーンばかりの70分となると、退屈意外の何物でもない。 [ビデオ(邦画)] 4点(2008-12-29 21:47:48) |
150. 兄いもうと(1936)
成瀬巳喜男がリメイクした『あにいもうと』を観た後だったので、話の展開については新鮮味がなかったが、それでもその完成度の高さに唸らされた。 1時間という短い尺の中で、家族それぞれの人間像をとても巧く描いている。 頑固オヤジだが一家を支える父、常に優しく人思いの母、やさぐれてはいるが妹との会話で優しい一面を見せる姉、純情可憐な妹、そして悪態をついてばかりいるが実は誰よりも妹思いの兄。 こういった家族像を明確に描いた上で、優男の大川平八郎が登場する。 明らかに肌色の違う都会の男と、泥臭い田舎の一家が不協和音を起こす。 そこに起る悲劇。 しかしそれを支える家族愛。 美しい音楽と、躍動感溢れる映像がそれを支え、見事な掌編と相成っている。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-25 22:55:40) |
151. 愛のレッスン
どうも軽すぎるし、ベルイマンの魅力が出ているとは言い難い。 そして、私はどうやら、ベルイマンには寓話めいた話を期待しているようだ。 『処女の泉』や『第七の封印』のような・・・ [ビデオ(字幕)] 4点(2008-12-24 23:05:12) |
152. 赤い風車
旅先、札幌にて何気なくBS鑑賞。 「宿題映画」に日々終われる我が映画生活において、こういうのもたまには良い。 たまたま観た映画ということで、大きな期待がなかった分、それなりに楽しめた。 それにしても、「スター・ウォーズ」でおなじみのピーター・カッシングとクリストファー・リーが出演とは!! ピーター・カッシングはすぐ気づいたけど、残念ながらクリストファー・リーは人物を特定できなかった。 二人ともかっこいい俳優なんだけど、二人ともイギリス人なのかな?? だとしたら、イギリス人俳優ってのは、独特のカッコ良さがあるね! ダンディでどこか冷徹で、それでいてスラっとしてスタイルが良い。 話としては障害者が破滅死していく伝記もので、少し暗い内容なんだけど、肉体的コンプレックスを持った人の、人生絵巻を体感できたのは価値があった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-12 13:56:46) |
153. 愛妻記
大好きなフランキー堺と、大好きな司葉子が共に主演ということで、最初から最後まで心地良く観ることができた。 それにしても、司葉子のなんという可愛らしさよ! その妻を愛するフランキー堺の何たる晴れ晴れしさよ! この夫婦は私にとっての理想の夫婦像である。 金でも地位でもない、フランキー堺のふんわりとした人柄に惹かれ、司葉子は結婚した。 これだけでも幸せな気分になれるじゃないか! いいぞ!この作品! ほんわかとした幸せな気分に浸れる。 こんな作品、ありそうでなかなかないよ! 司葉子は最初から最後まで噛み付きたくなるほど可愛らしいのだが、個人的に一番可愛いなぁ~~~と思ったシーンが一つ。 それは、司葉子が布団にもぐっていて、そこにフランキー堺が「おじゃまします」と入っていくところ。 この時の司葉子の反応が「いやん。」 ふぇ~~~、え~~~ん、これにはたまらない! もーーーー、うらやましーい!! ボクもこんな夫婦生活をしたーい! ふーふーふー♪ いやん♪ [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-04 21:49:42)(笑:1票) (良:1票) |
154. 赤坂の姉妹 夜の肌
《ネタバレ》 作品の冒頭、古き日の赤坂の俯瞰図と、実写による遠景が出てくる。 今となっては決してみることのできない赤坂の風景。 国会議事堂がそびえ立ち、赤坂の街を見下ろしている。 その向こうには東京タワー。 赤坂がいかに面白く、混沌とした街だったかを偲ぶことができる貴重なワンシーンだ。 赤坂が政治家たちの夜遊びの社交場として栄え、そこには他の地域には決して見られない独自の風俗が息づいている。 平成の世となっては、その面影は残すものの、ビルが乱立するばかりで、麻布などと同様、この作品で見ることのできる風情や風景は絶滅してしまっているのだ。 そういった当時の貴重な東京風俗をフィルムに残したという点において、同じく川島雄三監督の『洲崎パラダイス 赤信号』と並び、極めて貴重な作品と言える。 本作は、東京で生まれ育ち、且つ都心部のこういった地域風俗に興味がある人が観ることによって、その魅力を初めて感じ取れる作品なのかもしれない。 ところが、私は淡島千景という女優に、女としての魅力を全く感じないので、淡島千景に翻弄される政治家たちの心情というものに全く共感できなかった。 川島雄三監督作品ならではの、個性あふれるオープニングクレジットは本作でも健在で楽しむことができた。 特に、最後の最後で、でかでかと「フランキー堺」の文字。 この演出にはしびれたし、フランキー堺がさぞかし活躍するのでは?という期待も高まった。 しかし、フランキー堺はそれほどの見せ場もなくブラジルに行ってしまった。 これにはとても不満を感じた。 もっとフランキー堺を暴れまわらせてほしかったのに・・・ [映画館(邦画)] 7点(2008-10-19 23:09:36) |
155. 青空娘
若尾文子の肉感的でいて健康的な美しさを堪能できる作品。 話としては決して好みではないが、元気に溌剌な空気、そして青空が画面いっぱいに広がっており、すがすがしい気分になれるのが良い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-10-06 00:07:45) |
156. アルジェの戦い
ううむ・・・ 戦争というもの、民族闘争というもの自体に、「不毛の争い」という問題が内在する以上、本作を手放しで楽しむことは、私にはできなかった。 非常に強く訴えかけてくる作品だと思うが、どこかで感動し、共感し、もしくは楽しめない限り、高い評価をつけることが私にはできない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-28 21:23:02) |
157. 秋津温泉
桑田佳祐、、いや違った、長門裕之がこの役にマッチしているかは別にして、男女の愛のもつれ、腐れ縁を美しく叙情的に描いている。 内容的には「雪国」とそっくりだが、「雪国」のモノクロ映像と比較してしまうと、どうも不満が残る。 映像は綺麗ではあるが、もう一つ雰囲気に欠ける。 ただカラー映像で映しているだけと、私は感じた。 そしてメロドラマといえば音楽。 確かにメロドラマっぽい音楽なのだが、どうも音楽が一人歩きしていて、映像にマッチしていないように感じた。 「乱れ雲」の様に、もう少しストーリーに華を添え、音楽と映像とストーリーの相乗効果をもたらすような音楽がほしかった。 だが、ストーリー的にはメロドラマの王道をいくもので、卒がない。 なかなか濃密で、満足はできた。 話の内容はいいだけに、演出面でもう少しプラスがほしかった。 ただし、それとは別に、主演ふたりの演技は素晴らしくうまかった。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 22:10:42) |
158. 秋立ちぬ
子供たちが主役を演じており、そういった意味では小津安二郎の初期作品群を想起させる。 中盤は、子供二人の会話が延々と続くが、これははっきり言って面白くはない。 子供たちを扱わせたら、やはり小津の方が数段上である。 成瀬巳喜男監督は、大人の男女の愛憎劇や、腐れ縁などを演出させるとピカイチだが、本作のような子供をメインに据えた作品には不向きの様に思う。 ただ、子供二人の不幸の背後には、大人たちの勝手な色恋沙汰が見え隠れしている。 そういった部分を見れば、確かに成瀬作品であることが分かる。 背景描写や音楽の使い方などは、まさに成瀬作品らしい内容となっており、成瀬ファンにとっては、「愛すべき小品」となるに違いない。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-03 23:32:00) |
159. 青べか物語
川島雄三監督作品、自身20本目の鑑賞作。 フィルムセンターにて鑑賞。 これは退屈だった。 ほんとまいった。 退屈で退屈で。 川島雄三監督と森繁久彌の相性って、たぶん悪いんじゃないかと思う。 『グラマ島の誘惑』もそうだったけど、森繁にこういう愛嬌がなくぶっきらぼうな男を演じさせるのは良くない気がする。 『夫婦善哉』の森繁には、おとぼけた愛嬌があった。 だけど、本作の森繁にそれはみられない。 ただ単に、ぶっきらぼうな男なのだ。 フランキー堺が特別出演という形で出てくるが、彼の登場するシーンだけは例外的に面白かった。 [映画館(邦画)] 3点(2008-08-31 01:10:10) |
160. 蒼い夏
《ネタバレ》 チャンネルNECOにて放映された作品。 映画的に評価すると、ダメダメなのだが、どうも単純に切って落とせない魅力がある。 それはメッセージ性の強さだろうか。 人を愛することの大切さ、重み、そんなメッセージがビシビシと伝わってくる。 「最愛の伴侶と、その娘のためなら何でもできる」。こんな感じのセリフが出てくる。これには心に沁みた。 ありきたりな言葉ではあるけれど、だけど、心に沁みた。 こういう素直な作品って、ここ最近の邦画にはない味で、そういう意味で、高く評価したい。 それにしても、チャンネルNECOって、こういう誰も観てなさそうな、誰も興味持たなそうな、それでいてキラリと光る部分をもった作品をたまにポツポツと放映してくれる変わりモンなチャンネルだなぁ、と感心したのだか、バカにしたのだか。 でも、どうなんだろ。 あの看護婦さん(今井陽子)、綺麗すぎやしないか? あれがブサイクな看護婦さんなら、信憑性があったんだろうけど、あそこまで綺麗でスタイルいいと、どうも光石研のヨコシマな気持ちを疑いたくなる。 大体、光石研が冴えないお父さんで、しかも良い人ってのがムリがある。 そういったリアリティが欠如しているキャスティングには非常な疑問を感じた。 映画的には欠点だらけの本作だが、だけど、愛すべき小品である。 そして、こんな作品を放映に踏み切ったチャンネルNECOも、欠点だらけだが愛すべきチャンネルである。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-15 23:34:36) |