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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  藍色夏恋 《ネタバレ》 
アニメ映画「幸福路のチー」(2017)の主役だったグイ・ルンメイ(桂綸鎂)という人が顔出しで主演している映画というので見た。これが映画初出演とのことで、その後は香港や大陸にも活躍の場を広げているらしい。 全体的には青春映画のようで、自分としては登場人物に共感できたわけでもなかったが、しかしラストがけっこう感動的で最終的には好印象だった。終幕場面の背景音楽からエンディングテーマにつながる流れも好きだ。 個別の場面としては全校注視の中で偽手紙を蹴り剝がしたのと、体育館で延々とどつき合いをするのが印象的だった。また題名と関係あるかわからないが、夜の青さに目を引かれる映画だった。  若い人々にとって未来が見えないのは不安だろうが、何も決まっていないのだから自分次第と思えばいいだろうとはいえる。しかしその決まっていないこと自体にも不安があり、それで何かが決まっているかのように予言する占いや、勝手に都合のいい結果をもたらすまじないを好むのかと思ったりする。この映画では、結果的に未来に向けた視野は広がったが、同時に何も決まってはおらず、これから何が起こるかわからない状態をそのまま受け入れて進む覚悟ができたように見える。 また主人公男女が惹かれ合う気持ちは正直よくわからなかったが、普通一般のスケベ本能を超えたところで、その人物そのものの存在を欲したということかも知れない。主人公がLGBTQのうちのLと決まったわけでもないらしく、これから何が起こるかわからないにしても、信頼できる水先案内人を得た気がしたからこそ前向きに生きる気分が生まれたのだと思われる。 ちなみに登場人物が通う「師大附中」とは「國立台灣師範大學附屬高級中學」のことらしく(エンドロールに名前が出る)、けっこう名のある実在の高校らしい。軽薄に見える奴はいるにしても、ゴミをちゃんと捨てるとか椅子を直すのを見ると基本的にまともな連中なのだと思わせる。  ほか雑談として、校舎の外で聞こえたブラスバンドの曲は、国歌とされる「三民主義」と、「國旗歌」という曲を続けて演奏していたようだった。国を象徴する曲なので直立不動で聴くのが建前らしく、例えば夕方に国旗を生演奏付きで降納していたということか。一応そういう厳粛な場面で、男女2人が個人的な揉め事を起こしていたことになる。 また今回は「噁」という漢字を新しく憶えた(噁爛、噁心)。「木村拓哉」は前から知っていた。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-07-31 08:48:37)
2.  雨の町 《ネタバレ》 
見ている間じゅう原作がどうなっているのか気になって仕方なかった。やむを得ず読んだが、それ自体は何とか成り立ちえていた短編を、長編映画にした段階で破綻したようでもある。 まず撮影地に関して、群馬県中之条町の中心街は原作の町に近い気はするが、実際の出来事はほとんど山間部(旧六合村?)で起きており、また序盤で申し訳程度に天気雨が降ったものの、基本は好天の日のため題名のイメージにかなりそぐわない。撮影の事情を観客側が斟酌してやらなければならない状態になっている。 またこの映画独自の趣向として、現代の都会では自宅に安心できる場所のない子どもがいる、という社会問題を最初に提示したのは特に悪くなく、主人公が劇中の子どもらに同情する理由にもなっている。しかし一方で「カッコウ」という言葉が原作のような侵略者的な存在を思わせるため、可哀想な子どもというイメージとの整合が取れない。最終的には侵略テーマの雰囲気が強くなり、当初の社会問題はどこへ行ったのかという変な印象を残す。 そもそもバケモノの基本的性質が整理されていないようで気分が悪いが、あるいはこの映画では少年と少女の性格付けが違っていて、少年の方は原作通りの侵略者だが、少女の方は当初の社会問題に対応した映画独自のキャラクターだったということか。それにしても少女の元の家庭環境に問題があったようでもなく、主人公の思いに直接つながる存在には感じられなかった。結果的に何を受け取ればいいのかわからない半端な作りで、どちらかというと見て損した部類の映画だった(感想もまとめにくい)。  その他気づいた点として、 ○根本原因は何なのかという疑問を持ったまま解消されずに終わる印象だったが、それは「あまんじゃく」などという言葉を半端に出したためである。 ○少年少女がモンスター化するのは安直だ。オカリナも安直だ。 ○内臓がないというのも映画独自のことである。「内臓がないぞう」というオヤジギャグを言いたくなる。 ○成海璃子という人は「妖怪大戦争」(2005)に続き変な役をしているが、小学生にしては発育が良すぎるように見える。こういう少女が「お兄ちゃん好き」では、その方面の愛好者を狙ったように見えるがそういうことなのか。内臓がなくても女の子といえるのかと思ったが、あるいは内臓がない方が純粋な少女愛の対象かも知れない(突っ込み過ぎか)。
[DVD(邦画)] 3点(2020-09-12 10:23:18)
3.  I am 日本人 《ネタバレ》 
企画・製作・原案・脚本・出演・主題歌の森田健作氏が、2005年に千葉県知事選挙に落選してから2009年に当選するまでの間に制作された映画で、劇中商店街は千葉県市川市にあることになっている。ただし実際の撮影地は東京都葛飾区の京成押上線四ツ木駅周辺らしい。 森田健作演じる八百屋の見合い相手が酒井法子とはどういう年齢設定かと思うが、同じ葛飾区の寅さん・さくらからの連想でいえば本人が40代、妹が30前後といった感じか。妹役の小野真弓という人(個人的に好きだ)は当時20代前半だったろうが、この設定のせいで今回は極めて地味系女子になっている。また登場人物の言葉として、商店街が「日本の宝」とまで言っていたのも寅さんの世界が念頭にあってのことかも知れない。ちなみに市川ということでは「野菊の墓」の雰囲気もあるかとは思った。  テーマに関していえば、製作者の言いたいのは八百屋が言った「日本が大好きだ」「日本人に生まれて本当によかった」だと想像される。また題名の意味についてはアメリカ人が言ったように、国籍はともかく「日本が好き」なら日本人ということで(若干意味不明だが)日本が好き、というのが両者の共通点になっている。 うちアメリカ人が日本を好きになった理由は「和」の心を知ったことだったようで、この映画としても「和」を最大の長所と捉えていると思われる。ただし日本人の立場としては、「和」とか「大和魂」があるから日本が好きなどという理屈を言う必要はないはずで、要は生まれ育った土地(市や町や村・国・地球)や人々への素朴な愛着があれば十分である(愛に理由は必要ない)。この映画としてはそれをまず地元商店街への愛という形で語り、その拡大版としてワールドカップを引き合いに出したと思えばいいか。 ほかにも話題が盛りだくさんのようで、見る側として物申したくなるところがかなり多いが、それが文字通り“考えさせる映画”を意図しているとすれば、なかなか巧妙に作ってあるということかも知れない。  以上で終わりにするかと思ったが書かずにいられない気がしたので一つ書くと、政治に対する不満を国全体の否定に結びつける人物がいたが(劇中では国旗を嫌悪、近年では「日本死ね」)、しかし政府=日本ではないのであって、一人ひとりの日本人が日本という国の一部だという意識がない限り、日本を侮辱されて怒るという感覚もわからないことになる。そういうことをあえてわかろうとしない国民がいる日本を、自分としては丸ごと好きだとは全くいえない。
[DVD(邦画)] 5点(2019-09-21 23:50:20)
4.  アナザヘヴン 《ネタバレ》 
原作は読んでいない。TV版もあったようだが映画とは別物だそうである。 話の中身を簡単にいうと、人の心には善悪が並存していて、そのうち悪の部分だけを煮詰めた敵に善の部分が勝ったというようなことらしい。題名の説明らしきものも出ていたが、何にせよ普通の成人の目からすればごく普通の話で特に新たな発見はない。 また全般的に理屈はわかるが感情が伴わない場面が目立ち、特に女医を追い出した後の主人公の感傷などは唐突で、もっと事前の仕込みをしておかなければ共感も何もない。また終盤の「誘ってくれてありがとう」というのはかなり切ない台詞だったはずだが、言われて初めて当該場面に遡ってそういう意味だったのかと考えるようなもので、何かと後付けで納得を迫られる感じだった。そのように物語の構成要素が不足する一方、犯罪マニアの存在などこの映画に必要だったのか不明であり、映画化の際に整理できないまま半端になったような印象もある。 そのほか腹立たしいのは男どもが粗暴なことで、こういう頭の悪い連中は早く死ねばいいだろうと思いながら最後まで死ななかったのは後味が悪かった。善悪が分化する以前のケモノのようなのが人の良心を語るというのは片腹痛い。  そういうことで特に褒められない映画だが、しかし自分にとっては女優の存在が欠点を補っている面があり、特に主人公に拒絶された後の松雪さんの表情などは見ていて切ない。 また個人的には市川実和子という女優が結構好きで、この人の演じる天真爛漫な馴れ馴れしさとか精一杯の健気さなどを見ていると、映画自体の説明不足も何も関係なく全部わかったからもう文句いいませんと言いたくなる。「勝手に運命とか思い込んじゃった」というような台詞も愛しく思われて、かえって主人公の男が馬鹿なのに怒りを感じる。そのことからも、やはり男は全員死んでしまえばすっきり終わっただろうという気がした。それでは続編ができないので困るのだろうが。
[DVD(邦画)] 4点(2016-10-18 19:41:26)
5.  アイランドタイムズ<OV> 《ネタバレ》 
いまや一児の母となった仲里依紗嬢が、可憐で愛らしい少女役をやっている。この少女が最初は内気に見せておきながら、ブチ切れてからは本領発揮してバカ少年を圧倒していくのは小気味いい。台詞の中では「もっと言っちゃえば」という強引なつなぎ方がすごくよかったが、それでもバカ少年が煮え切らないのをちゃんと待っていてくれたのがまた嬉しい。あまり好意的にして母親の代替にされるのはまずいだろうが、そこは賢く立ち回るものと思われる。 一方の少年は、誠実なことは間違いないようだがバカなのも間違いなく、賢ぶって受け売りの台詞を言ったところが鼻で笑われたなどというのは非常に恥ずかしい。「愛とは与え合うもの」という言葉を聞いたことがあるか不明だが、現に自分が相手に与えていることに気づいてないようなのは自分の外に意識が広がってない証拠である。あまりにバカなため最後は完全に少女にリードされてしまっていたが、それだけに男子にとっては著しく都合のいいラブストーリーになっており、そういったところを期待して見ることが望まれる。  ところで、かつて少年の父は島を出て行ったきり帰って来なかったとの話だが、そもそも少ない島内人口の結構な割合が一時的に住んでいるだけの人らしく(教員など)、人はいずれ去るものという諦観のようなものを彼も感じていたらしい。その自分も島を離れる選択肢しかないと思っていたが、思わぬ事件で一時攪乱された後に、改めて当面の正しい道を選択し直したようである(半強制だが)。 出ていくだけでは人が減る一方になるが、出る者に必ず帰れと言える保障があるわけでもなく、その後どうなるかは人によるというしかない。自分の根っこを島に残しながらもとにかく広い世界に出てみようというのは、現に島に住む大人の多くもかつて辿った道かと思われるが(例えば役場職員、あるいは親友も)、記者志望の少年に関しては、これからずっと島から皆が(母親を含め)声援を送り続けるのだろうと想像する。  なお余談だが、自分としてはずっと前から青ヶ島村が日本最小の村だということを知っていて、行きたいが行けない憧れの地のように思っていたため、この映画で島の各地の景観や各種施設・設備が映り、時刻も天気もいろいろな島の姿が見られるのは非常に嬉しい。現地を知っていればありえないと思う場所設定もなくはないかも知れないが、そこはあまり突っ込まない。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-20 12:21:58)
6.  非・バランス 《ネタバレ》 
まずは題名の意味がよくわからないので落ち着かないが、外見からすれば中年オカマと少女の組み合わせが不釣り合いということか。また少女が長身で大人びた顔のわりに年齢に似合ったガキっぽさも出しているのがアンバランスともいえる。  ところで“人生のブレイクスルー”について考えた場合、少女の級友が過激な行動によって一発で実現していた(いきなりで驚いた)のは効率的ではあるが、しかし万人向けとしてはもう少し穏健なやり方が望まれるところである。 まず、無理に保っていた平衡状態をぶち壊すのは効果的である。少女の場合は突然出会った異質な人物が、独りよがりな「戦略」をなし崩しにしたのが突破口になったらしい。一方で中年オカマは深刻さのレベルが全く違っていたわけだが、それでも少女がまっすぐで無遠慮な好意をぶつけたことでプライドが根底から崩れてしまい、それでかえって次の道が開けた気になったようである。 また人間関係の取り方に関していえば、調和を優先して自分が引くとか迎合していればいいのでなく、あえて自分を出して衝突するのが問題の打開につながることもある。終盤で少女が仇敵に喧嘩を売ったのは痛快だったが、同時にその仇敵の方も、無道なことをすれば手ひどい反撃を受けると思い知ったことで別の教育的効果が生じたとも考えられる。 映画のラストでは、以上のブレイクスルー後の新しい安定状態が示されていたようで、ここでは新しい友人に自分のことを伝えたい、という少女の思いが、ほのぼのした音楽とともに素直に心に入って来る。そのように他者と心を通じ合うきっかけとして、まずは助けを求めてみてはどうか、というのがこの映画の提案だったようだが、しかし中学生はともかく大人の立場としては体面もあるのでそう簡単にはいかない。いい歳をした大人が、全てが崩壊した後になって初めて少女に泣きついていたのは情けない有様だったが、それだけに同じ大人としても切ないものがあった。  なおこの映画では舞台を特定の地方都市に設定しており、自分が昔ここに住んでいた頃に、オカマに迫られて脱がされそうになったことを思い出す(劇中の文化横丁ではない)。映像に何度か出る霊屋橋(おたまやばし)の周辺は緑が多く、角度によっては山中の渓谷のようにも見えるが、これでも市街中心部に隣接した旧城下町の一角である。
[DVD(邦画)] 7点(2014-05-18 01:23:22)
7.  哀憑歌 ~GUN-KYU~<OV> 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第3作である。 全部見たところで書いておくと、まず3作どれも特に怖くはないのでホラーというより”怪奇譚”といった感じのものになっている。宣伝文ではこのシリーズを「チェイン・ストーリー&キャスト」と称しており、キャストに関しては3作それぞれの主人公(木下あゆ美、田畑智子など)が他の2作にも端役で出ているほか、共通の脇役(吉野紗香など)も数人いるが、制作上の都合以外でこれにどういう利点があるのか不明である。またストーリーがつながっているかというとそうでもなく、3作それぞれの最初の方で若干の場面を共有しているだけで時間的な前後はほとんどない。 この状態を言いかえると、人間関係としては結構狭い範囲で3つの異常事態が同時進行していることになる。しかしそのことで、例えば虐げられた生物が人間に対して一斉に牙をむいた、というような効果を出しているわけではなく、特に今作だけは少し毛色の変わった趣向のため全体的な統一感はない。ただ前記のような女優目当ての場合には、結局全部見なければ済まないことになるという効果を生じており、そのために自分としても限られた時間を浪費させられてしまった気がする。 また全部見るとさすがに愛着を覚え、哀調を帯びたテーマ曲やオープニングの背景画もそれなりの雰囲気を出していると感じられるようになる。展開が論理性に欠けるのも共通だが、それは雰囲気でカバーということで納得する気になって来た。  ところでこの第3作については、ローマ字の副題が音読みのため意味がよくわからず、とにかく鳩の絵が出ているので“群鳩”かと思ったがそうではなかった。「軍鳩」という一般に知られていないものに焦点を当てたことは評価できるが、靖国神社に出入りする人々の間では案外よく知られていることなのかも知れない。佐藤允氏が出演しているのは昔の戦争映画との関連かとも思われる。 今回の映像表現で面白かったのは犬神佐清ではなく再生可能目玉でもなく糞の絨毯爆撃であり、これはかなり斬新なのでもっと徹底してやればよかっただろう。また主人公の先生が、街中にあるハトという言葉に引っかかってめまいがしたのは別に呪いのせいではないのだろうから、ここは笑うところだと思われる。ふくよかな感じの先生で大変結構でした。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:20)
8.  哀憑歌 ~CHI-MANAKO~ 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第1作である。 今回の主人公(田畑智子)は店のNo.1ホステスで、どう見ても申し分のない美女である(けっこう好きだ)。他人への態度が極めて悪く観客としても好きになれない人物のはずだが、自分としてはこの女優が嫌いでないため(かなり好意的)主人公が悲惨な状況になってもザマ見ろとも思わず、かえって“この女優はこんな仕事をして嫌ではないのだろうか”という方へ意識が向いてしまい、後半ではもうやめてくれという感じになって、結果的に主人公が破滅していくのが非常に痛々しく感じられた。その間に何が起こっていたのか論理的に解釈するのは困難だが、雰囲気だけは結構納得させられるものがある。 また中心テーマである動物実験の告発(※)に関しては、画面にも出ているような組織的な背景があったようだが、その主張自体は明快で万人に理解が可能である…というかわかって当たり前なのだが、そもそも何が言いたいのかもわからない後続作とは明らかな違いがあり、さすが第1作は比較的まともに作られていたのだと感心した。 ※特定の企業を名指ししていた感じもあったが、その企業は現時点で既に動物実験を廃止しているらしい。  なお終盤で、第2作にも登場する可愛らしい女性研究員(吉野紗香)が出ていたが、この人が訪ねた化粧品店は映画のテーマに沿った良心的な店だったらしく、やはり心正しい人は行いも正しいことがわかって安心した。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:16)
9.  哀憑歌 ~NU-MERI~<OV> 《ネタバレ》 
「哀憑歌」シリーズ3部作のうち第2作である。 そもそもの鑑賞動機がこれの主演女優(木下あゆ美)を見ることだったため、当方としては初めから好意的に見ようとしていたわけだが、それでも中身を見ると筋が通らないところだらけで非常に落胆させられる。鯛のお頭攻撃もキラーアワビもそれ自体としては別に構わないが、ストーリーの背景に論理的な一貫性がなく、最初から最後まで意味不明の出来事がばらばらに起きているように見えている。また結論としては天然モノを食うのが正しいと言いたかったようだが、そのためにクローンはともかく養殖漁業まで否定したように見えるのはさすがに変である。あるいは主人公の父親の人間像を称揚したかったのかも知れないが、それにしても説明不足に感じられる。  一方で登場人物としては、主演の木下あゆ美が活発そうな魚屋の娘で、仕事の手伝いや神社のお参り、大学の講義中の様子が普通に可愛いのでしばらく見入ってしまった(彼氏が出るまでは)。終盤の海産物の襲撃場面では、きれいな身体にひどい傷がついただろうと心配していたが、直後に水槽で洗うと左腕以外の傷が消えていた(理由不明)ので安心した。 また主人公以外で注目されたのは研究所の女性研究員が変に可愛らしい人だったことで、この人がしゃべると台詞の中身と関係なく無駄にかわいいので笑ってしまう。白衣を着ていると清楚だが、上だけ水着(下はウェットスーツ)の場面もあったのは若干の男子向けサービスと思われる。邪悪な研究所の中でもこの女性研究員だけは心正しい人だったらしく、最後は死ななくて済んだらしいのも当然だが、その後はどうしたのか出て来なかったのは残念だった。 なお予定としてはこの第2作だけ見て終わりにするはずだったが、実際見ると主演女優も女性研究員(吉野紗香)も他の2作に出ていることがわかったため、結局は全部見なければ済まないことになってしまった。
[DVD(邦画)] 5点(2014-03-31 21:49:09)
10.  あしたはきっと… 《ネタバレ》 
最初は葡萄畑だけ見て甲府盆地かと思ったが、実は大阪府羽曳野市のあたりだったらしく、そうして見れば「ブタのケツ」などという言葉も地域性を示しているように感じられる。実際の登場人物は全部大阪言葉(河内弁)でしゃべっているのを、映画では東京言葉に吹き替えたような形になっているのだろう。この「ブタのケツ」の場面では、女の子連中がとにかくやかましくてもう何を言っているのかわからなくなるのが可笑しい。  ところで、この映画を見る上で考慮に入れた方がいいと思うのは、この監督が原田知世のファンだ(と別映画のメイキングで言っていた)ということである。その原点は、ほぼ同世代の男ども(自分を含む)と同じように「時をかける少女」(1983)だっただろうから、この映画はそのリメイクのような感覚で作っていると考えれば、ストーリー中で時間が前後するのもそれほど奇異には感じられない。 ただし話の中身は1983年版とは全く似ていない。劇中では時間の繰返しが二度(範囲は異なる)行われていたが、そこで表現されていたのは自分にとって都合のいい結果のセットなどというのはありえず、現実にはいま自分の持てるもので一つひとつに立ち向かうしかないということなのだろう。ここには否応なしに変化を迫られるこの年代を暖かく見守ろうとする視線が感じられ、1983年版のように趣味的にひん曲げたようなストーリーよりはるかに素直に受け取れる。むしろ2006年アニメ版との類似性が強くなっており、あるいはその元ネタがこの映画だったのではないかとも思われる。時かけファンの立場としては、1983年から2010年に至る時かけ系列映画の関連作としてこの映画も位置づけておきたい気がする。  そのほか登場人物に関しては、主人公は個人的趣味の範囲内ではないが、ピュアでまっすぐな人物像がきれいに映像化されているとは思える。先輩への告白の場面(1)では、話の流れをぶった切って正面攻撃したもののあえなく撃破された(逃げ足も速い)のが印象深かった。また個人的には「葡萄畑の女の子」(役名)が個性的で可愛いと思ったが、これが若いのに何となくばあちゃんぽく見えるのも面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-11 18:25:17)(良:1票)
11.  あゝ! 一軒家プロレス 《ネタバレ》 
主人公の妻役の女優が目的で見た。途中は随分ひどい扱いと思ったが、最後まで見ればそういうことですかとまあ納得。「あなた」の歌声に癒される。エンドロールの終わりまでちゃんと見ましょう。 その他の部分も意外に面白いので、見てそれほど落胆はしない。ホラー調の(無理にかさぶた剥がすような)気色悪い場面などなくていいので、ソニンの活躍がもっと見たい気がした。
[DVD(邦画)] 3点(2012-02-11 20:13:46)
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