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1.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
 この映画の優れた点は、巨大生物が現れた際の、日本の社会や防衛関係者などの、リアリティある描写にあると、多くの人が言う。私もそう思う。しかし、実はそれよりももっと、私が評価している、嬉しく思っているところがある。ガメラの性格である。いや、人格的な意味でなく。   ガメラは、子供の味方だった。ただし、旧作を見返してみると、そんなに説得力のある理由は無かった。いきなり「子供の味方」と言い出したのを、我々は喜んで観ていたわけだ。それを、子供→人類と置き換え、それにSF的設定を与えただけのことで、その性格をそのまま、上手く引き継いだこの平成版ガメラは、戦う不自然さを根本的に解消できた。  なによりこの設定で、ラストシーンの「来るよ、ガメラはきっと来るよ」という、実に晴ればれとしたセリフに帰結するさまが見事。  久しぶりに通しで見ると、色々と原作(『大怪獣空中戦』)の要素を、新解釈で描いていたりして、楽しい。ガキが勝手に名付けていた、名称についてのやりとりとか、「こんな生物はいない」というセリフとか、完全無欠な生物でもやはり夜行性なのかとか、足を切断するのはギャオスの宿命なのかとか。そういえば、ラストのシーン、急速に炎が収束するシーンで、ガメラの、炎好きで火を吸入する習性を思い出した。そういう事だったのか?
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2012-10-13 01:01:31)(良:2票)
2.  カーズ
アニメーションの第一義は、何と言っても子供のもの、と思っているので、こういう、ベタではあるが友達の大切さ、を描いたアニメーションは、大好きであるし、ぜひ子供たちに奨めたい。また、古いものをちゃんと評価する事の大切さというものを、教えられる。
[DVD(字幕)] 8点(2011-12-19 04:03:11)
3.  海底二万哩 《ネタバレ》 
 1868年という設定が凄い。南北戦争が終わってちょっとの頃の話。と思ったら、原作自体1870年の作品だそうで、まあ凄い先見性である。アメリカではリアルに西部劇の時代に、まさか原子力を予見していたのではないだろうが、科学技術の危険性と、それが愚かな人間社会の有りように掛かっていると、警鐘を鳴らす物語は、驚嘆すべきものがある。そういえば、BTF3で西部劇の時代の教師が、ジュール・ベルヌの話をしてたっけ。   映画自体は1954年作、原爆から9年後。原作の方は未読でよく判らないが、映画版ノーチラス号は、明らかに原子力船で、島の爆発もきのこ雲。ディズニー映画だけあって、さすがに核兵器を使いはしないが、この圧倒的に強大な技術を以って、軍艦を沈めている天才科学者・ネモ船長は、もはや神の立ち位置だ。  捕らえられたフランスの学者は、人を殺していることに変わりはない、と彼を責めるが、その技術を悪用させないと言い張り、それを欲する。この人を見てゴジラの山根博士を思い出した。学者って時として無自覚に罪深い。  「怪物」と思われていたノーチラスに、本当の怪物が襲うのは、興味深い展開だが、生き物が鉄の塊を襲うのは、リアリティにかけて、ちょっと萎える。この事件で、人の善意を知ったネモ船長だが、結局最後まで彼は、人類の善意を信じられずに、船と運命を共にする。先の学者も、記録を失った事について「これで良かったのかも」と、国家不信。直前に、仲間をも標的にした軍を、見たからかも知れないが、ちょっとダークな終わり方だ。これが当時の人々の世界観なのだろう。   特殊映像的にも、このあたりの時代は「日本の円谷特撮が世界をリードしていた」と、ずっと聞かされていた者として、「そんな事無いじゃん」と素直に思えた。カラー作品としては、この映画のほうがリアルで、同時期に東宝が作っていたのが「ゴジラ」で、初のカラー作品は2年後の、ミニチュア感丸出しの「ラドン」である事を考えると、結局総合的には、昔からハリウッドの方が、見せ方上手かったんじゃん、と思った。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-10-22 03:31:58)(良:1票)
4.  仮面ライダー1号 《ネタバレ》 
 かつて僕らを夢中にさせた、元祖仮面ライダー。少し大きくなってから省みると、まあショボい部分があるのは否めなかった。だからよりリアルにかっこよく作り直された「The First」なども作られた。だが、やっぱり僕らのライダーではないキレイなリ・イマジネーションというやつで、それはそれ感があった。  だが、本作は直接あの『仮面ライダー』からの地続きの世界。あの本郷猛が未だ戦っている世界。僕ら世代としてはウレシクないわけはない。当時最新の現役『ゴースト』が絡むのはご愛嬌。というか、その世界のお約束が判らないのでその辺は想像的に補完するしか無い。  さて本作ではあのショッカーの残党と、そこから分離するネオショッカーが対立しつつ、悪事を為す。よりによって今は亡き立花藤兵衛の孫娘にちょっかいを出すのを、本郷猛が守るという話。だが、なぜ人を守るのか、人の命とは何だ?と学生に講義する本郷猛はちょっと説教臭くて、行動の人であった本郷猛、変わったなと思ったりもする。数十年ぶりの仮面ライダーの変身は重厚で感慨深くライダーのデザインもイマドキのクオリティでカッコいいのだが、変身ベルトがコケオドシ的にデカくてダサい。もうちょっとスッキリスタイリッシュに作ってほしかった。同様に藤兵衛が遺したことになっている新サイクロン号もデカイだけな感じ。  いろんな劇場版で登場している地獄大使が今作でも登場するが、今回はライダー陣営と共闘してネオショッカーのリーダーと戦ったりする。最後には本郷に「体を労れ」などと諭され、倒れる。「俺と戦え、それが俺たちの・・・」ってセリフはかっこよく感慨深いが、何か良きライバル的な感じを出されるのは違う気がするのだ。僕らの世界では本気で相手を倒し合っていたはずで試合をしていた訳ではないのだ。うーん、なんだろう?この感じは母星を懸けて戦っていたはずのデスラー総統がいつの間にか良きライバルの扱いになってしまったのに似ている。ちょっとどうなの?と思う。  それでも全体的には、あの本郷猛が闘い続けてくれている世界がウレシイ。ウルトラマンもセブンも再放送で観た、僕らの世代の本当の同時代ヒーロー『仮面ライダー』の活躍は永遠である。
[DVD(邦画)] 7点(2020-02-09 17:18:04)
5.  GAMBA ガンバと仲間たち 《ネタバレ》 
 原作は未読で、昔のTVアニメは全視聴。だけどほとんど忘れている状態で観た。  昔のTVアニメ版の、超デフォルメなのに劇画調という大胆なデザインと比べると、今作のガンバたちは何か平凡で、さらに中途半端な衣服のおかげで「はだか感」がちょっとキツイのが難点。それとそれぞれのネズミたちの擬人化の具合がマチマチで、特にガクシャの顔がなんか、角もないのにヤギっぽく見える時があるのは、ヒゲのせいだろうか。そうかと思うと、「これは人だ」としか思えない顔もあったりする。   TVアニメしか知らずに言うのものなんだが、物語は基本的に”昔のまんま”。だが、ガンバの主人公感がちょっと薄い。ヨイショのほうがリーダーっぽいところもあるが、そこは「仲間たち」の物語なのだからだろう。  個人的には「元祖ガンバ」の声と共にノロイを追い詰めるところで、泣きそうになった。
[映画館(邦画)] 7点(2015-10-31 05:53:01)(笑:1票)
6.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
 ただの人生入れ替わり&ヤバい連中との攻防戦だけだったら、そんなに良くは思わなかった。だが、非常に臆病で不器用な結婚願望の女と、地の真面目な「殺し屋」の微妙な関係の話が、ちゃんと恋愛物語として帰結するのがウレシイ。  自殺未遂の男が、(多分)最後にもう一度頑張り直すんだろうと思わせるのも、良し。   ところでこれは何だ?と思ったら、「大人の『転校生』」なんだな。記憶喪失と出来心で入れ替わった二人の男が、自分の生き方で相手の人生を生き直す。  そして、元に戻った後の彼らにエールを送りたくなる……。
[DVD(邦画)] 7点(2013-06-19 10:20:21)(良:1票)
7.  ガクの冒険 《ネタバレ》 
 椎名誠ファン向けの、殆ど内輪映画だが、ニュースステーションで一躍全国区になった、カヌー犬ガクの主演作。「怪しい探検隊」の面々も、演技らしいことをして楽しんでいる様子。なにより、大資本・メディアミックスの大宣伝などを用いない、自主映画のノリで映画を作る作家というのが、この頃まだいたのだというのが、嬉しかった。   ストーリーは何てことはない、男同士という関係が如実に判る二人(人と犬だが)の川旅の途中、カヌーが沈して離れ離れになった犬が、再び男とめぐり会うまでの話。   うちの猫が14階建ての集合住宅の中で、迷子になったおり、4~5階ほどの皆違いのフロアで発見した時に、奴は「助かった!」という顔をした。動物というのは、色々な表情を持っているものなのだ。  そういう意味では、ガクが男を見つけた時のうれしさ、表情をもっとしっかり撮ってしかるべきだったとも思う。なにしろ野田と椎名、二人の「とうちゃん」が撮影に参加しているんだから。   でも、何だかんだ言っても、動物好きには楽しい一作である。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-04-02 16:26:24)
8.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 
 大好評を博した『大怪獣空中決戦』の続編で、新怪獣の登場。なんだか防衛関係に好評だったのか、自衛隊協力のクレジットが異常に多い。   さて今回は、ただ現場にいたというだけの単なる民間人に、作戦上のアドバイスを受けたり、現場に連れて行ったりと、ちょっと非リアルでそういう所ダメな人も居そう。でも、今回の最大の見所は、師団長の「火力をレギオンの頭部に集中、ガメラを援護する」だろう。これこそ、一方的だった、ガメラの思いが成就した瞬間。ガメラが人類の味方、という設定だからこその、素晴らしいカタルシスだった。  また、某格闘アニメの影響からか、地球の「気」のようなものも、素直に受け入れられた。   しかし、今回の話は、私の気に入っていた「人類の味方設定」に、暗雲がかかっている。「ガメラが守っているのは人間じゃないのかも」とラストで示唆するところだ。  だけど、今作にはガメラが仙台に降り立った時に、踏み潰しそうになった車をよけるカットがある。そんな事言わないでほしいものだ。もちろん、草薙浅黄ちゃんがあの場にいたら、キリッと否定してくれたろうけど。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-10-16 12:56:09)(良:1票)
9.  眼下の敵 《ネタバレ》 
 潜水艦と駆逐艦、それぞれの武器の特性、船の性能、海中・海上の戦闘の特異性による制約などによって、頭を使って勝負する、いわばゲームを見ているような、”ゾクゾク感”が面白い。  潜って何分、潜望鏡深度へ何分、確認に何分って所が、巧くいき過ぎなキライはあるが、ここを納得させて、後々の長期に亘る攻防の「予想し、裏をかき、さらに隙を見つける」という頭脳戦の、細かい描写をしないでも、納得させることに成功している。本当はもっと、艦の位置関係の具合とか、詳しく説明して欲しい気もするのだが。自分の頭が悪すぎかな?  理念の見えない戦争に嫌気のさしている潜水艦の艦長が、「人間同士の戦闘」を戦いあった相手に、遂に敬礼し、駆逐艦の艦長がそれに答えるのが、イイ。松本零士の漫画なんかだと、潜水艦の艦長は敬礼しつつ、艦と運命を共にするのだろうが、そこはアメリカ映画だ。死者は最小限、駆逐艦の軍医が見つけた希望のように、最後は明るく終わっている。観終わって嫌な気分には、ならないな。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-03-24 04:19:47)
10.  仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル
昨年観ていたのに、ずっと気になっていたが、今回久し振りにDVDを借りて観たら、一言言いたくなった。 仮面ライダー電王って、終わってみてよく考えると、電王が主役というよりは、ゼロノス=桜井侑斗と愛理さんの物語で、その意味では「さらば電王」よりは、よっぽど正統な、電王のエンディングである。 一つながりの時間の中の、違う時点での同一人物とは言っても、意識の主体としては、別々である「桜井さん」と「桜井侑斗」な訳だから、侑斗としては運命の人として、無条件に愛里さんを受け入れるというか、愛理さんと結ばれるというのは、「男として釈然としない」と思うし、愛理さんとしても、半ば「義務的に」若かりし頃のかつての恋人と結ばれるというのも、ちょっと躊躇したくなるだろう。恋愛の結果でなければ結婚はない、といった昨今の若い女性としてはなおさらのこと。この二人の「主体的に」「再び恋愛する」物語を描かなくては、ハナさんが生まれなければいけない電王世界は、完結しない。 そういった事情で、最初はギクシャクした二人が、次第により強く惹かれあうことになる途中の事件は、ちょっとショボイんだが、最後のバイクで二人が走るシーンが、とても美しくて、中村優一の本放送時よりちょっと大人になった、男らしい顔立ちと相まって、最後を飾るにふさわしい名シーンとなったと思う。 逆に、常に正々堂々・真っ直な性格だったはずのデネブが、随分と「らしくない」小細工を考えたな、という違和感もあった。 
[DVD(邦画)] 7点(2011-02-04 09:01:13)
11.  快傑ゾロ(1940) 《ネタバレ》 
 もうちょっと覆面姿のカッコいいゾロの勇姿を観たかったが、当時人気だったという主演俳優の顔を隠す事は出来なかったのだろうなあ。でも、最後の大尉との決戦は、最初はゾロとして戦ってその後にディエゴとして正体を現して「!」というのを期待してしまった。本作のようでは、大尉はゾロにやられる前に、都会帰りのヤサ男に負けてしまった気がして無念だったことだろう。  ワルモノをカッコよくやっつけ、民衆も剣をとって闘い無事に悪政を退けるのはいいのだが、その結果自分の父親を復権させるというのが、何だかイマイチ。よりカッコよく爽快な結末は無かったのかな?いや、民衆的にはヒーロー任せでなくて良かったんだけど。
[DVD(字幕)] 6点(2018-03-31 19:17:53)
12.  紙の月 《ネタバレ》 
 はじめはちょっとした、戻れると思っていた道が、ドンドン勢いがついてしまって、それに伴う旨味も味わって、引き返せなくなっちゃう事ってよくある事。そう、ありがち。  そこんトコロはすごくよく分かるんだけど、その理由を問いただされた時に宮沢りえが語った「偽物だから」というのがよく理解できない。   まあ、登場人物の主張が理解できないと言って、作品の評価を下げるのは、違うと思うが。確かに、最後のガラス窓を飛び越えた彼女の美しく晴れやかな走りっぷりは、それ自体何らかの主張を持った表現なのかもしれない。自分は「一緒に行かない?」と言われて行けなかった小林聡美と同じ種類の人間なのだろう。  一緒に行ける人は、また違う人生を生きられる人なのかもしれない。ある意味、羨ましい気もする。   子供の頃の、恵まれない子への寄付事件については、その「偽物」っぽさはわかるんだが。行為そのものはいかがわしい偽物でも、その気持はホントウという事なんだろうか。  宮沢りえがどんどんキレイになってゆく様とあの走りっぷりで、そんな事を表現されていたのだろうか。
[映画館(邦画)] 6点(2014-12-22 17:07:06)
13.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
 言ってしまえば病死離別ものだが、めったに恋愛映画など見ない自分には、そういうものの耐性がないというか、我ながら純真なのか、菜穂子と二郎の物語には落涙させられた。   また、一人の青年が夢を実現するにあたって、時代の風に乗らなくては術はない不運。今もそんなに変わらないのかもしれないが、戦争・軍都と結びついた夢は、呪われた夢だったのだろう。それでもそれに突き進んでゆく青年の情熱というものは、見ていてホント爽やかな気持ちになる。   ところで最初、なぜこの恋愛物語と、飛行機設計家の物語を繋げたのだろうと思っていたが、繋がりは「風」。少年と少女を出会わせた風と、青年の夢を羽ばたかせた風、それらを押し流した世の中の風、これらを清濁併せて描写するというのが、本作のテーマなのかもしれない。  しかし、やっぱりたおやかな情愛の物語と、空へのあこがれを結実する青年の話は、別々に見たかったというのがホンネ。 
[DVD(邦画)] 6点(2014-07-13 01:14:27)
14.  合衆国最後の日 《ネタバレ》 
 核戦争を避けるために、制限戦を戦う。いつでもボタンを押せる事を示すために、大量の死者を出し続ける。サイロジャックした元将校が公表を要求し、大統領もそれについてひどく怒っている。  が、よく考えると核ミサイルを持ち合っている国同士(代理だとしても)の戦争が、通常線にならざるを得ないのは当然で、むしろ倫理的・合理的と言えるかもしれない。  これに対して「不道徳」などと言った大統領には、何の話をしているのか?と思わざるを得ない。   この政治家らしからぬ正義感を持った大統領の志が、「薄明かりの中の煌めき」だったのかもしれぬ。だが、その意思を託された者は、最後に頷いていない。悲しい結末の物語である。   それとは別に、サイロジャックをする過程や、安全装置と外部システムからの切り離しなどの描写はちょっとスリリングで、発射しそうになるミサイルなどと共に手に汗握らされる。映画としては面白いと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-27 17:32:36)
15.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
 第一作目のゴジラは、一作目にして完全な映画だった。モンスター映画としての映像も、核兵器批判としての表現も、そのアイデアも。  省みて今までのガメラは、怪獣映画としては、ほぼ完全だったが、ゴジラのように高尚そうなテーマが無いように見えた。その部分に手を出して、大失敗してしまった。と言うのが私の解釈だ。映像的には文句ないし(事に京都駅の映像はスゴイの一言だ)、自衛隊関係の描写も安定のリアルさだ。   だが、「巫女」とゲームクリエーター(こんなのが、政府関連の仕事を?)周りの物語の陳腐さは何だ?この男は、古代人についての想像とつまらない終末論を言うためだけの、他に何の役にもたってない登場人物で、同様の巫女と共に、居なくてもなんにも困らない役だ。この、マナというものとそれによる厄災の話で、地球環境的なテーマを語りたいのかもしれない。が、描写が足りなすぎだし、なにより結末が暗すぎる。あの二人の件を全部カットしたら、もっとマナと厄災、ガメラの物語が描けたろう。  それと、冗談のネタとも言える「正義の味方に踏み潰された人」という設定で描かれる、ガメラへの復讐の物語は、米軍と基地周辺住民問題に通じる、更に厄介な問題で、何かと同時に描くほど簡単な問題ではない。欲を出しすぎだ。   絶望的な暗さの結末については、そういう物語も当然アリだが、前二作の爽快感とあまりにも違いすぎて、戸惑う。  異論はたくさんあるとは思うが、怪獣映画は第一義的には子供のものだと思っている。そういう意味では、もうちょっと救いのある、というか明るい未来を信じられる結末を観たかった。見せたかった。ガメラが守るに値する未来を。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2012-10-16 12:56:56)(良:1票)
16.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
 自在に気体になることが出来る体を持った男と、踊りの美人家元との愛と葛藤の物語。  一つの超科学を想定したSFドラマであるのは、『電送人間』『美女と液体』と同じだが、こちらはガス人間と美人家元との、倫理を超えた愛(不倫って意味じゃなく)の物語が織り込まれ、他2作よりも見応えのあるものになっている。  表面的な倫理観で、人の思いを拒絶する女が多い、凡百の創作物中の女と違い、この家元・藤千代は、人殺しで銀行強盗の、狂気の愛とも言える思いを受け入れる。ここが、実にいい。そして、それでもこのまま生きては居れないという、藤千代の最後の選択が泣かせる。
[DVD(邦画)] 6点(2012-10-09 01:31:25)
17.  カサブランカ 《ネタバレ》 
 誰もが認める名作なので、死ぬまでには一度見ておくかと鑑賞。  有名なカッコイイセリフ、「そんな昔のことは~」とか、意外とサラッと使われていて、「カッチョえ~!」と感じ入る余裕すらない。それでも何度か描かれる、人情派なエピソードで彼は充分カッコいい事はわかる。  終盤、昔の女の旦那を女と一緒に騙して、二人でアメリカへ逃げよう、的なシチュエーションになるが、ハンフリー・ボガードの徹頭徹尾カッコイイ生き様を見ていると、さすがにそんな事しないで二人を逃がすんだろうと思っていたら、案の定そのとおりで、ちょっと拍子抜け。それにしても、その時まで騙す気満々だった女は、どの面下げて旦那と飛行機に乗るのかね?まあ、愛する人を逃がす展開は、万人の思った通りだが、その後の展開が意外。  撃っちゃうか!そこで。署長、そう来るか!? 
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-13 23:37:39)
18.  海峡 《ネタバレ》 
 25年に及ぶ、トンネル掘りの男の執念の物語。洞爺丸事故から始まるこの物語は、あくまで危険な船便に替えて安全な列車の実現、という軸を持って欲しかったのだが、健さんが劇中で老トンネル掘りに語るのは、「10万年前にマンモスが歩いた道」というロマン。耳障りはいいが、軸がぶれてしまって、同事故の生き残りである、三浦友和の存在意義が宙に浮いてしまっている。  そして、物語初盤で身投げから救った吉永小百合の、健さんに対する淡い恋心とその成り行きも、控えめすぎて消化不良。  ただ、しかし、トンネル内の出水のシーンは、CGなどではない結構な迫力で魅せてくれる。また、ポンプの排水能力を超える大量の出水で、水を先進導坑から本坑に逃す、という決断がカッコ良い。   ところで、試写会で見た時には、シールド工法の説明とか、日本中からポンプが送られてきた話などが、あった気がするのだが、カットされたのかな? 
[DVD(邦画)] 6点(2012-03-15 01:49:55)
19.  カーズ2 《ネタバレ》 
私は車の事はあまり、というか殆ど知らないのだが、この物語に出てくる「敵側」の車は、世界的に有名な欠陥車だそうで、それ故の虐げに反発して、彼らが陰謀を企む、という一面が描かれる。黒幕には他の理由(実はこれも成り立つのかどうかギリギリで意味不明感満載なのだが)もあるのだが、どうにもこの一点が気にかかる。これ、人間で言うところの「ハンデキャップ」なのではないだろうか?そういう事情のある相手に、それらをバンバンやっつけて解決、という構造は、何か第一作でマックイーンが到達した価値観と相容れない、ちょっとまた逆戻りした感があって、評価しづらい。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-19 04:04:13)(良:1票)
20.  帰らざる河 《ネタバレ》 
こういうドンパチのない西部劇(っていうか時代劇だよね)って、好きですよ、私は。 悪いギャンブラーが、農民の銃と馬を奪って町に行くが、残されたギャンブラーの女とその男を追う農民と息子が、追跡の旅のうちに一つの家族となる話。 人間長く生きてると、世間の規範的には「悪い事」と言われるような事もせねばならない時がある。そういう過去を引きずった男が息子に嫌われながら旅を続け、その旅路の果てに、息子も「決まり事」よりも大事な事があることを知る話。最後、モンローが脱捨てた、いつも磨いていた舞台用の派手で美しい靴のカットが、彼女の心を表現していて嬉しくなる。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-30 02:46:11)
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