1. 帰らざる河
《ネタバレ》 とりあえず、話が面白くない。アメリカ人が見ればいろいろあるのでしょうが、どうもピンとこないし、本来先住民族のものだった土地を勝手に「所有」したうえ、襲撃者と殺し合いするっていうのはどうよ、と思ってしまう。見どころはモンローの歌ぐらい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-03 16:37:03) |
2. 革命児サパタ
メキシコ革命の映画なのですが、革命らしい争いはあまり描かれず、ほぼ人間ドラマに終始しています。しかし肝心のサパタにあまり魅力を感じなかったし、エピソードとしても興味深いところは少なかったです。兄のアンソニー・クインの方が面白い。エリア・カザンの演出はよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-08 08:42:06) |
3. 鍵(1959)
あまり好きなタイプの映画ではないのですが、腹に一物持った人たちのやりとりは、それなりに見ごたえがありました。しかし、こうした心理戦のような話は見ていて疲れます。主要人物に善人がいないので、そこのところも気が重い。適度に挟まれたユーモアが救いです。最後はブラックユーモアになりますが……。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-25 20:09:23) |
4. 狩人の夜
《ネタバレ》 ある意味、ヘンテコな映画です。聖職者であって犯罪者であるというパウエルのキャラクターが面白い。みんなコロッとだまされてしまいますが、やはり聖職者というのが利いているのでしょうね。しかし、本当に信仰心があるクーパーさんはだまされないと……。こういうところ、キリスト教徒の人はどう見るのか、興味があります。 あと、子どもたちが川を下るときの岸辺の描写。色々な動物がいてのどかな雰囲気ですが、そこが緊迫感のある展開と対照的で印象に残ります。パウエルも人を殺して奪った馬に乗り、歌いながらのんびりと追いかけるあたり、不気味さが増します。ここもなかなか秀逸でした。 終盤では、捕らえられたパウエルにジョンが怒りをぶつける場面とか、民衆が暴徒化したりとか、やや唐突で散発的なエピソードが見られますが、それぞれインパクトが強いのであまり気になりませんでした。前者に関しては、「こんな金のためにお母さんが殺されてさんざん追いかけ回されたのか」というような憤怒を感じました。この時パウエルを「お父さん」と呼ぶのは、かなり皮肉っぽいですねぇ。実際、金を持ってきた父親に対する怒りもあったんでしょう。 何にせよ、パウエル役のロバート・ミッチャムの怪演と、対照的なリリアン・ギッシュの存在感、そしてチャールズ・ロートンの演出がおみごとでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 21:07:27) |
5. 悲しみよこんにちは
《ネタバレ》 バカンスでヒマがありあまっているおっさんの色事ごっこにつきあわされたという感じ。娘も最初は調子に乗って同調してたけど、やっぱり子どもらしくそういうのが嫌になって真剣な恋にあこがれるけど、結局大勢は変わらないってこと。まったく埒もない話でした。それに、現代の庶民からすればまったく縁のない、どうでもいいつまらないことで、当時はこういうものが人気があったのかもしれませんが、それも過去のお話でしょう。 ちなみに同じサガン原作の『さよならをもう一度』と比べると、中年男がプレイボーイで女を遊び相手としか思っていないこと、それに恋した中年女が一時は希望をつなぐが、結局は男の本心を知ることなどが共通しています。こういう価値観でものを書くというのは、この人どういう育ち方をしたんでしょう。原作はまったく読む気になりませんが、小説より書いた当人の方に興味があります。小説の方は明らかに時代遅れになったようですし。まあ斬新なものは、陳腐化するのも早いのです。最終的には、手垢のついた「おなじみのパターン」というものが、残ったりするものです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-05-09 17:43:45) |
6. カルメン故郷に帰る
《ネタバレ》 タイトル・ロールのカルメンにばかり注目しがちですが、意外と相棒の小林トシ子がいい味を出していました。佐田啓二に秋波を送る場面なんか、ついつい笑っちゃいます。カルメン自身はストリップを「芸術」だと思っていて、案外まじめなとこもあって、本来ならその辺のズレがおかしみを生むのでしょうが、そこまでは感じられなかったのが残念。どちらかというと、娘がストリッパーになったことを恥じる父親の心情や、盲目の田口先生をめぐるエピソードが印象深く、人情喜劇の部類に入ると思います。 とはいえ、芸術的な(だからへんてこりんなのか?)「裸踊り」をくそまじめな顔つきで踊るカルメンを見ていると、ドタバタの要素も盛り込んであるようです。このように笑いの要素がちょっとちぐはぐだったのが残念でしたが、楽しめました。ところどころで挟まれるクラシック音楽は、これが本当の「芸術」だってことでしょうね。モノクロ撮影版もあるようで、一度見比べてみたいです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-26 16:38:22) |
7. 勝手にしやがれ
《ネタバレ》 たぶん3度目の鑑賞。これまではつまらないとしか思いませんでしたが、今回はちょっと面白かった。ワンシーンを細かくつないだ編集。複数のテイクを使ったのか、あえてつなぎをおかしくしてリズムを崩してあります。かと思うと、ミシェルとパトリシアの場面では、長回しを使ったり。あとは、アメリカがモチーフとなっているようです。パトリシアはアメリカ人だし、ミシェルはハンフリー・ボガートにあこがれている様子。それと、アメリカ車がたびたび話題になっています。アメリカに倣ったということで、暗にアメリカを揶揄しているとも思えます。 ただし、それ以外は相変わらずつまらない。特にミシェルとパトリシアの会話は退屈。話の流れも、警官を殺して警察に追われているのだということが、今回初めてわかったような。多少の面白さはありますが、個人的には「ジャン=ポール・ベルモンドが人気スターになった」という以上の価値は感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-22 21:39:16) |
8. 顔(1957)
《ネタバレ》 松本清張の小説はいくつか読んだのですが、どれもつまらなかったので映像化作品も全然見ません。これは岡田茉莉子が出ているので見てみたのですが、やっぱりハズレでした。 とにかく、ご都合主義が多すぎ。誰もが思うのが、ちょっと見ただけの人物の顔をいつまでも覚えていられるのかということ。一応劇中で「一度見たら忘れられない顔」と言われていますし、なにしろ岡田茉莉子のような美女なので印象には残るでしょうが、やはり疑問です。あと、事件現場にコンパクトが落ちたり、殺そうと思った人物が交通事故で死んだりと、うまくいきすぎて興ざめです。また、主要人物が倫理観のあまりない小悪党ばかりなので、同情できません。このため一応サスペンス映画ですが、こちらが主人公の立場に立つこともなくハラハラドキドキ感を欠いています。 よかったのは笠智衆のひょうひょうとした刑事と、おばさん役の千石規子。どちらもドラマを締めていました。ところで、千石規子は余貴美子みたいだなぁと思って見ていたのですが、考えたら逆ですね。しかし、ああいう感じでいい味を出していました。 それと、目撃者は労働運動の闘志だったという設定で、それがあとで効いてきます。が、脚本でよかったのはそれくらいで、全体としてはそれほどとも思いませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-20 09:02:07) |