21. 気狂いピエロ
逃避行するフェルナンデスとマリアンヌの愛憎に満ちたクライム・ストーリーを南フランスを舞台に描く。ゴダール流のさまざまな引用の羅列、光と色と音の交錯、メロドラマとミュージカル的楽しさ、暴力とそして死。いかにものヌーベルバーグ的世界。ラストは主人公が自爆したあとに、ランボーの詩が流れるという印象的なシーンで終わる。 8点(2000-12-17 18:44:45) |
22. 木靴の樹
地主との厳しい階級対立に耐え続け、土にしがみつく為にさまざまな生活の知恵で生き延びる小作人を通して、進歩という名の偽善や屈折を、冷徹かつ暖かなリアリズムで描く。本作の題名は、父が息子の為に地主の樹を伐り、木靴を作ったことが知れて、農場から追われるというエピソードから由来している。 8点(2000-11-19 21:12:10) |
23. キャリー(1976)
ブライアン・デ・パルマ監督の映像には、映画的表現という言葉がいかにも似つかわしく、彼が描き続ける「愛」と「恐怖」という二つのテーマはただひたすら美しく、そして恐ろしい。特にこの作品はその最たるものとして記憶に残る。中でも冒頭のシャワー・シーンでの初潮の血のイメージや、クライマックスの阿鼻叫喚の前段の、バケツに入った血がキャリーの頭上から降り注ぐまでのスローモーションの効果などは、改めて映画でしか表現しえないものと痛感させられる。ラストの“ビックリ”はこの作品から流行りだした。 8点(2000-11-18 23:48:55) |
24. キッド(2000)
描こうとしている事は良く分かるんだけど、J・タートルトーブ監督って演出が淡々としていてメリハリが無いんですよネ(そこが彼の持ち味でもあるんだけど・・・)。いい意味でのケレン味が無いので、本来感動的になるようなシーンにも涙腺を刺激されることもなければ、印象にすら残っていない。(だいたい子供時代の自分自身に対峙したときの、主人公のリアクションの少なさはいったいどういうことか?)いい話だけになんか惜しいような気がしてならないんです。 6点(2000-10-08 10:19:41) |