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コメント数 542
性別 男性

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1.  気狂いピエロ 《ネタバレ》 
「ねぇ、ピエロ?」「フェルディナンだ」・・・この不毛なやりとりが幾度となく繰り返される。けど、それがいい。 ストーリーの中の二人の行動の大半が、これといった理由もないままに起きる。けど、それがいいのだ。 お互いに「愛してる」と言ったりする。二人は特に愛し合っているようには見えないのだが。しかし、それがまたいい。 アンナ・カリーナが、客人を背後から不意に瓶で殴りつけて殺してしまう。特にその客人との関係も語られず、既にベッドで倒れている男が誰なのかもわからないのだが。しかし、それがまたいい。 カフェでビールを2杯注文したところに出てきたオヤジ。「10万フラン貸した」「妻と寝ただろ」とくれば、そこからいざこざに発展しそうな感じだが、すぐに消えてしまう。ベルモンドも何事もなかったかのように新聞に読みふける。それがまたいい。後から考えて、あのオッサンはストーリーとは何の脈略もない人だったんだなぁと解ると、その存在が非常に面白く感じられて、見終わった後になって何とも言えない余韻に包まれる。あの男は、最後に登場する、音楽がづっとついてまわるという男と共に、非常に重要な役を演じているのだ。 最初の、A、B、C・・・と、順番に出てくるタイトル画面も最高にカッコイイし、全然荷物を持たないでいるのにいつもオシャレな服なところもいい。ストーリーとはさほど関係ない日記も好き。 ゴッホやルノワールの絵画が挿入されて出てくるのも、突然BGMに合わせて唄いだすのも、カメラ目線でおじいちゃんの真似をするのも、顔を青く塗っちゃうのも、海と空が溶け合った青一色のラストもいい。 要するに、何から何まで最高の映画。 自分の人生に影響を及ぼした映画。 猛烈にどこかに放蕩してみたくなる、そんな映画。 盗んだ車でどこまでも行ってみたいと思ったし、その車で海に突っ込んでもみたい。川の中を歩いて渡ってみたくなるし、銃で人を殺して大金をせしめてみたくなるし、ダイナマイトを顔に巻きつけてみたくなる・・・・・そんな映画。
[DVD(字幕)] 10点(2007-08-19 12:56:43)(良:1票)
2.  キートンのマイホーム(文化生活一週間) 《ネタバレ》 
これはキートン映画の中でも1,2番を争う面白さ。 後ろをチラ見する運転手から逃げようと、車を乗り移るシーンはキートン映画ではありがちなアクションなんですが、「おぉ~スゲェ!!」という驚きと「相変わらず馬鹿やってんなぁ~」というホッコリした笑いとが湧いてきて、やはり毎度のように楽しませてくれます。 驚きというのが大事なポイントで、笑いというのは多かれ少なかれ驚きを含んでいなければならないわけですので、そういう意味ではとても良く出来た笑いと言えるでしょう。 完成した家で繰り広げられるネタに関しても、コメディ映画の中だから許されるような常軌を逸したものばかりで、これまた良い。 キートンを追いかけていた男が2階のドアから外に吹っ飛ぶシーンの大ジャンプには大爆笑ですし、また細かいところですが、家の外に据え付けられていた洗面台の壁をクルッと回すとただの外壁になった所も、すき間が全く見えなくなるほどの完璧な設計だったのが妙に面白かったです。 家の構造も、風で回転したり樽を下に入れて移動出来たり・・・って、あの家の基礎はどうなってんだ?とか言うのも全部コメディだから許されちゃう(笑)。 やはり何と言っても、最後にホッと一安心させておいて油断した瞬間に大クラッシュ!っていうのが、超がつくほどの絶妙のタイミングなもんだからもう爆笑必至。 上映時間わずか20分の小品で最後に上手く笑わせてくれれば、どんな映画でも例外なく面白くなっちゃいます。 これがキートンの初期の作品だと知って、観終わってからも驚きを与えてくれるキートンには、改めてその凄さを再認識させられました。
[映画館(字幕)] 9点(2013-01-11 01:10:47)
3.  奇傑ゾロ 《ネタバレ》 
これはもはや、単なる勧善懲悪の活劇という代物ではないと言えるのではないでしょうか。 相手を“いなす”ようなソードアクションの格好良さは言うまでもなく、ちょっとした小物使いやラブシーンなど、至るところにおいても完成度の高さを感じさせる作品に仕上がっていると思います。 何よりも一番魅かれたのが、ロリータ嬢を間一髪で救うシーン。 好きでもない男に抱き寄せられ絶体絶命のピンチを救い出してくれ、しかもその男に謝らせて所持品ごと追い出してくれてしまったとなれば、これはもう女としては惚れないはずがないわけで、そして更に「危うく奪われるところだった私の唇は、もう貴方のものです」という、男なら卒倒必至の文句で応酬するこのシーンは自分映画史上3本の指に入るくらいの名ラブシーンです。 この映画の主役ダグラス・フェアバンクスは、サイレントで声が聞こえないにもかかわらず、喋り方をも演じ分けてしまうような超絶テクニックには脱帽ですし、また、「マスク・オブ・ゾロ」とか「レジェンド・オブ・ゾロ」もいいですが、印という意味の「Mark of Zorro」もまた、ストーリーを上手く汲んでいて格好良いタイトルだなぁと思いました。 ゾロの映画を観るのはこれが初ですが、後継作品にも是非トライしたいです。
[映画館(字幕)] 9点(2010-09-14 01:37:21)
4.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
どこかで前にも書きましたが、良い映画は最初の10分でわかる。 まず、冒頭の爆弾投下の資料映像と逃げまとい阿鼻叫喚する人々のカットバックが凄い。全く違った二つの映像が何の違和感もなしに一つのフィルムとなってストーリーを形成している。また、それとは対照して、女の子の純真無垢な表情が収められ、さらに、犬や馬や牛などの動物までもが完璧に監督の思い通りに動いている。ルネ・クレマンの手にかかれば動物までもが役者と化す、とまで思うのです。 ところで、この映画って幼い男女の恋愛を描いたという風に捉えることも出来るようですが、私がこの映画の二人から感じたのは、異性に対する恋心と言うよりも兄と妹の関係で生まれる感情の方が強いような気がするのです。自分に妹がいるからかもしれませんが、自分の小さい頃ってよく妹と一緒に遊んだりして、今思えば、この映画のミシェルの様に妹のわがままをよく聞いていたような気がします(今は喧嘩ばかりですけど・・・)。だから、何となくですが、教会の十字架を取ろうとしたりっていう気持ちはわかるような感じがするし、それだけに、終盤近くの、水車小屋での少年の涙、そして、少年を暖かく見守るフクロウの瞳が強烈に印象付けられてしまいました。あれはラストシーンよりも心に焼き付いています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-22 00:03:48)
5.  キッド(1921) 《ネタバレ》 
「犬の生活」がキング・オブ・ドッグムービーとするならば、本作は間違いなくキング・オブ・チャイルドムービーと言えるでしょう。 「今日の歩く道はわかってるね?」のシークエンスで「おおっ!この餓鬼デキるな」と思って見ていると、そのすぐ後に予想以上の見事な演技っぷりをカマしてくれます。石を投げる時の腕の回し方が逆なのは狙ってのことなのかどうかわかりませんが、後ろに警察がいることに気づかずに石を投げようとする時のアクションは、まさにチャップリンコメディの基本中の基本!遠くを指差してそのスキを狙ってダッシュで逃げるというアクションまでもがそのまま遺伝(?)しているのは、何とも微笑ましいではありませんか。 ワイヤーアクションも見れたことですし、全体的なストーリー構成も大変素晴らしく、何といっても、最後の余韻を残した後味の良い締めくくり方がとてもよかったです。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-03-03 23:39:31)
6.  キートンの恋愛三代記 《ネタバレ》 
オープニングが面白かったのは現代編。「時は現代。speed,need,and greedの時代。」と洒落た説明のすぐ後、キートンが乗った車が溝にハマって大クラッシュ!彼女の家に着くと、どちらの男が娘の婿に相応しいかは預金の額で決めるという。恋敵の出した通帳がFirst National Bankだったのに対しキートンはLast National Bankと、数字を出さず尚且つ笑いも取るというこちらもまたお洒落な表現だなぁと、ここはキートンのアイディアに一本取られました。ちなみに、男が強かった石器時代とは異なり、妻の権限が大きくなっているのもポイント。 3つの時代それぞれに面白いシーンが沢山出てきましたが、やはり何と言ってもローマ時代のあの大掛かりなセットと、その中で行われるベン・ハーばりの馬車レースが自分の中ではこの映画一番のハイライトです。 この他にも、落とし穴に落とされたキートンがライオンと出会うシーンがありますが、今までのキートンの映画では本物の動物しか出てこなかっただけに、ネイルケアをしてもらった後に握手をしたり、キートンが上に引っ張り上げられる時には手を振って挨拶をしていたりして、一瞬自分の目を疑ってしまいました。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-18 01:49:25)
7.  キートンのセブン・チャンス 《ネタバレ》 
相変わらず大勢の追っ手からひたすら逃げまくっているキートン。逃走中はいつもいろんな危機が彼を襲うのだけど、本当によくここまでそのアイディアが出てくるものだなぁと感心させられてしまいます。 前半での結婚相手を探すシークエンスは、あのように手当たり次第に求婚し片っ端から振られてゆく姿は本当ならば笑えるシーンなのでしょうけども、自分も30代で未だ独身の身でありますので、素直に笑えないところでもありました。 最初の方で、メアリーがキートンに向けて書いた手紙が「他の人と結婚すればいいわ」と書いておきながらその後で「今日は1日家にいます」と、心がまだ離れていないのを遠回しに伝えようとするのが洒落ていて良かったですね。 それよりも、凄いのはやはり後半の怒涛の逃げ回るシーンでしょう。キートンがぶら下がっているクレーンを追いかけてきた女が操縦し、死んでしまったと思われていたところにキートンが彼女らの目の前にノコノコと現れたところで笑ってしまったのですが、このちょっと前で、これは自分だけかもしれませんが、キートンを死なせてしまって悲しんでいたときの女の台詞「You've killed him.」の日本語字幕が「やだ、死んじゃったわ」と軽い感じの表現だったのも面白かったです。 序盤で出てきた犬が最後に再び登場して、仕上げのオチをバッチリと可愛らしく決めてくれていたのもGood!
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 23:36:01)
8.  キートンの探偵学入門 《ネタバレ》 
コメディ映画でバナナの皮といえばこれはもう100%、ただの一つの例外もなく滑って転ぶ人がいて、今までに数多くの足を滑らす人を見てきましたが、あそこまで大胆に宙を舞う人もキートンくらいなもんです。ベタ過ぎるくらいベタなギャグですが、そのクオリティが非常に高い(笑)! また、現実から夢の世界へ入り込んで、その中で物語が繰り広げられるという映画もまた、今までにいくつも観てきましたが、夢の中で話が進んでいる事を忘れてしまったのは今回が初めてです。つまり、それほど面白かった。 一番好きなのが、キートンがシャーロック・ジュニアに扮するシークエンスで、ビリヤードのシーンにはハラハラドキドキさせられます。結局、ビリヤード台の上の13番は仕掛けのないただの13番で、拍子抜けさせられたと思った瞬間に斧がズバッと落ちてきたりする絶妙の間が最高。 後半のほうで、バイクに乗せてもらって逃げるシーンが出てきましたが、運転手を振り落としてそれに気づかず暴走してしまうのってよく考えたら凄くスリル満点のシーンの筈なのに、キートンがやると何故か安心して見れちゃうから凄い不思議。彼自身の芸のクオリティが上がれば上がるほどつまらなく見えてしまって、ちょっと可哀想ですよ。 他にも、行商のおばさんにかくまってもらったり、映画館のスクリーンの中に入って行ってしまったりと、思わず目を見張ってしまうシーンは他にもいろいろあって、全編通じて楽しめる作品だと思います。 あと、サイレント映画全盛期の映画館の雰囲気も見ることが出来たりと、結構貴重な映画ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-10 23:19:24)(良:3票)
9.  キートンの大列車追跡 《ネタバレ》 
これに比べたら「バック・トゥ・ザ・フューチャーPart3」なんて屁みたいなもん。 走っている汽車を真横から映す疾走感、そして何と言っても体の張り方がハンパでない!一歩ミスったら死ぬんじゃないかってくらいの大胆なアクション。 恋人を追いかけているとき、線路に落ちている材木を、最初に拾った材木を投げつけることによって線路の外側にのけたりするアイディアには脱帽します。 久し振りにサイレントを観ましたが、セリフの本当に必要な部分だけをスポークンタイトルにして、あとの残りのしゃべりの部分はそのままっていうのが、無駄がなくていいですね。 恋人を追っている間、汽車を降りて辿り着いたのが敵の参謀本部だったというのは、クリスチャン・ジャックのあの映画のオリジナルかな? と思ったら、某大手家電量販店のCM曲も流れていましたね。
[映画館(字幕)] 8点(2010-02-22 01:10:04)
10.  恐怖省 《ネタバレ》 
ハッキリ言ってストーリーはどうでもいい。 そんな事よりも、闇が描き出すあの独特の恐怖感!もう、カッコイイと言うしかないです。 降霊術のときの龍の玉に照らし出されるニールの表情、妹に撃たれたときの銃弾の貫通した穴からわずかに見える兄の倒れる姿、屋上での銃撃戦の闇から撃ち放たれる一瞬の銃口の光。 とにかく、ただひたすら格好いい。 ケーキを盗む盲人の台詞「俺は暗闇の中でも歩き続けることが出来る」というのは、これらの芸術的演出の伏線になっているようにも取れますし、カラー映画が台頭し始めたこの時代に対するメッセージ・・・・・というのはやや大袈裟ですね。 カラーでなくとも、CGなど使わなくとも、これほどまでに恐怖感や切迫感を演出できる。これこそがクラシック映画の醍醐味。古典にこそ新たな発見があり収穫があるとここに断言します。 クラシック最高!フリッツ・ラング最高!!
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-20 21:47:17)(良:1票)
11.  キートンのハイ・サイン(ザ・ハイ・サイン) 《ネタバレ》 
これは面白かった!全体的にみても、満遍なく面白いギャグがあって楽しめるのですが、やはり最後のからくり部屋を使ってのアクションが一番笑わせてくれました。キートンはやっぱこうでなくっちゃ!って感じで、このシーンは特に好きです。初めはひと部屋ごとに見せて次に2部屋同時、最後に4部屋全部を同時に見せるというように、ストーリーを盛り上げる工夫を凝らしていて、それが上手く機能しているところがナイスです。 銃で撃たれた人が歯医者に駆けて行ってしまったのと、「ゴルフならやります」のセリフの意味がよく解りませんでしたが、とにかく面白かったです。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-07 23:48:53)
12.  キングス&クイーン 《ネタバレ》 
狂人扱いされていたイスマエルがエピローグでは“父親”となり、息子と同じ目線で語り合っていたのが凄く良かった。 彼の楽団員との諍いや、主人公である母親の男遍歴や家族問題など、まどろっこしいものが渦巻くような物語の中、彼の真摯な姿によってそういったものを全部消し去ってくれたような気がしました。 このエピローグの博物館の色々な場所で色々な話をする場面ですが、同じ場所のシーンでも細かくカットを割ることでリフレインの効果が出ていて、演出的にもここは大好きなシーンです。 しかし、カトリーヌ・ドヌーヴ扮する女医との問診のシーンやその他においても同様の細かなカット割りがあったりしてやや意図が見え辛い箇所が見られたり、また突然音量が大きくなったりとか、必要以上にカメラを揺らして撮っていたりとか、気になる所もいくつかあったと思います。 ところで、癌で死んだオヤジのモノローグ。 語り掛ける内容だったことから、とても独り言とは言い難く明らかに娘に向けてのものであった訳ですが、遺言というよりもはや戯言と言うべき内容でしょう。 自分の責任とハッキリ言っておきながら、代わりに死ねとのたまう偏屈さ。 生きてる間に話し合っていればある程度は解決に向かったかもしれないのにそれもせず、面と向かって直に言えずコソコソと影で言うことしか出来ない人間の小ささ。 同じ男として軽蔑の念しか出て来ず、当然あのような紙切れなど受け入れる必要は全くないし燃やして正解でしょう。 一方のイスマエルの父親と言えば、こちらもまた家族間でいざこざを抱えていたようでしたが、物凄い勢いでウエイトトレーニングをしていたりする姿(←ここ笑うとこ)を見てしまえば、全然微笑ましくすら感じてしまいました。 他にも「あなたは正常な狂人として認められました」とか、地味に面白くて好きです。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-26 23:39:31)
13.  キートンの隣同志 《ネタバレ》 
壁に空いた穴を通して手紙を渡しているから、てっきりお互いに会う事が許されないカップルなのかと思いきや、後ろにはちゃんと扉があったりするところで笑ってしまいました。 ロープにぶら下がって隣の家の中に入り込むっていうネタは、隣り合った空間を効果的にギャグに生かすという、これこそがまさにキートンのお家芸!キートンの本領発揮!と言える必殺技でしょう。 しかし、自分が言うまでもなく本作の最大の見どころは3人肩車じゃなかった、3人立車であります。 もはや、サーカス団員もビックリのウルトラ曲芸! 凄いのはキートンだけじゃなかった。脇役やキートンに担がれるヒロインまでもが超人級の活躍をしている事に驚かされます。 練習でヒロインが何度落ちただろうかと想像するだけで彼らの映画作りに対する熱意と並々ならぬ苦労が伺えるというものです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-05 02:28:16)
14.  キートンの化物屋敷 《ネタバレ》 
確かに、前半の銀行ネタは面白くないのですが、お化け屋敷に入ってからが真骨頂。 階段が一瞬で滑り台に変化するネタをはじめ、椅子に座ったら肘掛けに抱きしめられたりする人間椅子ネタや、バラバラになった人間を足から組み立てていって頭をのせると人間となって動き出すシーン、二人のガイコツコンビが女の人からラリアットを食らうシーンなんてそれだけで十分笑えるし、彼女がどこから湧いてきたのかも意味不明で尚更面白いです。 ギャグの寄せ集めのような雰囲気もあって、ラストでどう落としてフィニッシュに持っていくかという所でちょっと苦労が垣間見れますが、一つ一つのギャグがどれも面白いものばかりでしたので自分にとっては好きな作品の一つです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-05 02:01:25)
15.  キング・ソロモン(1950) 《ネタバレ》 
ハッキリ言って、ストーリーは面白くない。 意地っ張りの勘違い女は見ていて腹が立つし、悪夢にうなされているもんだから彼女の中にきっと何か心配事や抱え込んでいるものがあるのだろうとか想像したりもしましたが、ザクッと髪を切ってササッと水を浴びたらケロッと治っちゃうし、おまけに彼女の心がアランに傾いていく過程の描写もハンパなもんだからラストの二人の後ろ姿を見てもスッキリしない。また、何処となく現れた土人が王になり彼に見送られてサヨウナラってのもご都合主義的にしか思えませんでした。 とか何とか言いながらもそこそこの合格点をあげちゃうのは、ロケーション撮影の素晴らしさ故に他ならないのですが、とにかくもう、サバンナの野生の動物たちとの絡みが凄く、実際にライオンなどの猛獣との鉢合わせシーンの多さに驚きました。 よくありがちなのが、動物と役者を別々に撮った映像を繋ぎ合わせ、あたかも本当に鉢合わせしているかのように見せる方法なのですが、この映画では俳優の身代わりを立てることがあるにしても、ほとんどのシーンで両者をワンショットの中に収め本当にニアミスの状況を撮っているのが凄い! 中でも特筆すべきは、山火事で慌てふためく動物たちが向かって来るシーンで、あれだけの大群が一斉に走り回る状況はほぼリテイクは不可能だと思われるので、一発勝負のワンテイクで撮ったと考えるのが妥当でしょう。という事は、藪の中に潜んでいた役者たちも影武者と交代する間もないとなれば、彼らも動物に踏まれながらの決死の撮影であったに違いありません。 また、話が進むごとに複数の部族が次々と出てきましたが、どの部族との絡みでも皆しっかりと演技をしていて、全員に撮影というものを理解させる努力を考えると非常に良い仕事をしているなという印象です。 これだけの作品なのだから、当然スタッフの中には動物に襲われて怪我をした者もいただろうし、病気で途中離脱した者もいた事でしょう。点数のほとんどは彼らの労力と苦労に対してと言っていいくらいです。 余談ですが、土人との通訳役の人はカメラが回っていない時にはスタッフとの橋渡し役をやっていただろうとか、また献上品として鹿と塩を持参していたやつも本当に撮影の謝礼としてプレゼントしたんだろうとか、いろいろ考えてみると楽しい映画ですね。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-13 18:36:06)
16.  キートンのゴルフ狂の夢(囚人13号) 《ネタバレ》 
前半のゴルフのシーンで、カップイン寸前のところで犬にボールをかっさらわれるシーンが本当にアッという間の出来事で笑ってしまって、しかもその犬がボールをコレクションしていたりして、ここでもクスッとなってしまいます。 敵をバッタバタと続けざまに倒していくシーンなど普通に面白いギャグが出ていた中で、必見はズバリ所長室で大男と戦うシーンでしょう。 キートンが後ろに吹っ飛ぶアクションは、出来るだけ飛ぶ距離が大きい方が当然笑いも大きくなるわけで、よく見ると殴られた瞬間に5,6歩後退りしてから自力で後ろにダイブ!という何とも滑稽極まりない姿・・・なんですが、平面のスクリーンに奥行きを感じさせようとする努力の跡が感じられるのはちょっとした注目ポイントで、キートンが殴られたことによる笑いと同時に「う~ん、流石キートン!」と唸ってしまうような要素とが入り混じっていて、非常に面白いシーンです。 「この時代にしては凄い」だとか、「ゥン十年も前の映画でナンタラカンタラ」とかいう表現でレビューするのって馬鹿げていると思っている自分としても、今回だけは言わせて頂きたい。 カメラを動かしてポジションやアングルを変えてみようとする発想がようやく根付いてきたこの時代に、画面に奥行きを出そうとする意識を持っていたのは、キートンが時代の先を行っていたということの表れでしょう。 3D映像で奥行きなんかエンジニアの腕ひとつでどうにでもなる現代の映像作家たちには、是非ともこういった工夫を凝らす姿勢を見習ってほしいところです。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-13 12:49:10)
17.  恐怖の報酬(1953) 《ネタバレ》 
こんな静かなサスペンスドラマは久し振りに観た気がします。 原油溜まりを渡る時の目を瞑ってアクセルを踏むイヴ・モンタン。“行くしかねぇ!”という切迫感はもうハンパない! 切り返しに巨岩に原油溜まりと、待ってましたとばかりに難所が次々とやって来るのが作った感が出て少々あざとい感じもしますが、この3つの難所全てに突破まであともう少しというところでハプニングが発生したりして、非常にスリルのある見応え満載のシーンだったと思います。 また、先行するトラックの中で父親のエピソードを語りながら髭を剃っていた直後に爆発するという演出は個人的にかなり好きで、ラストのようにあからさまに危ない雰囲気を感じさせてから事故が起きるのも悪くはないのですが、前者のような微妙すぎるくらいの前触れはより高度で洒落ていて面白いと思います。 仲間同士で喧嘩するにも罵倒したりなどする事なく平手打ちを見舞うのみだったり、終盤にかけての盛り上がりがどこだったのかも分からないようなストーリー構成など、とても静かで落ち着いたフランス映画らしい一品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2012-01-08 13:29:30)
18.  キートンの船出(漂流) 《ネタバレ》 
冒頭から、船に激しく揺られるキートン。 外に出てみると、子供二人に奥さんが。キートンもついに結婚して一家の主になったんだなぁとか思っていると、その主の手で自らのマイホームを全壊させてしまう。 このシーンをよく見ると、船体で壁を壊したところまでは家はそのままですが船が家から完全に出たところでガラガラドッシャーーン!!・・・と、何とも絶妙なタイミング(笑)で崩れ落ちる様はもはや職人芸。 船の作りも、橋をくぐるための工夫が施してあったりとなかなか面白く、また最初に橋をくぐるシーンなんかは橋脚が重なる角度でカメラが据えられているために、壁に激突するんじゃないかと思わせるように撮られていたりと、こちらも芸の細かさが見てとれます。 後半の荒波の場面では、ムルナウの某傑作には及ばないものの、荒波に揉まれながら奮闘するキートンは相変わらず面白いです。 最後、全く見知らぬ土地に上陸してしまい、「Where are we ?」と奥さんに聞かれ、「Damfino」と答えなかったのはエライ。一家の主としてそれはないか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2011-12-31 11:40:51)
19.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
吹替版で観たのですが、序盤の土人との会話のシーンに違和感がなさすぎて笑ってしまいました。 まぁ、それはそれとして、この映画の主題ってなんだろう。自然や動物好きの自分としては、どうしても手放しで称賛できない映画なんですよね。 人間が興味本位で相手のテリトリーに勝手に踏み込んで生態系を荒らした挙げ句、コングを生け捕りにしてニューヨークまで持ち帰って商売の道具として使い、手に負えなくなると殺してしまう。確かにヒロインが連れ去られて助けなきゃいけないのだけど悪いのは人間の方だし・・・とか考えたりしているうちに、自分が旅をした時の事を思い出した。 観光に来た人間が野生の動物に餌を与えた事によって人間に馴れ始め、そこから悲劇が起きてしまうという。そこまで来たらもう人間側に犠牲者が出るか、そうなる前に駆除するかの二者択一となってしまい、この映画で語られている事と同じ事態が起きてしまう。 自分は、文明社会に対する皮肉や警鐘、自然に対する畏怖の念を勝手に感じ取りましたが、映画の最後に発せられた台詞をどう解釈してもそのようなメッセージがあるようには思えなかったので、単なる勘違いをしただけだと思いますが、特撮を含めた映画自体の出来が良かったので、怒りや不満などのような感情は不思議と湧いてこなかったです。 ひとつ、面白かったのが、コングがニューヨークの劇場で拘束されて脱出する時、足枷を外すのが力ずくではなく丁寧に両手を使って外していたところは、萌え~なシーンです。
[映画館(吹替)] 7点(2011-12-23 23:33:17)(笑:1票)
20.  キートン西部成金 《ネタバレ》 
前半はハッキリ言って面白いところはさほどないです。 いつものコメディにキレがない感じですが、前半からキートンお得意の動物を自在に操るシーンがいくつか出て来たりと、それなりには楽しむことが出来ます。 面白いのは後半からで、いつもの通りキートンが追いかけられるのがお決まりのパターンですが、今回は牛の大群に追いかけ回されるという怒涛の展開が凄い! ここは確実にいつも以上の迫力で逃げ回っているため、絶対に必見のシーンでしょう。 また、馬の背中からの映像も出て来たりと、撮影に対しての探究心や試行錯誤が垣間見られるところもGoodですし、ラストのキートンの勘違いっぷりも面白かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-26 01:15:07)
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