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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  グッモーエビアン! 《ネタバレ》 
女教師の「グッドモーニング・エブリワン」は完璧な発音です。中学英語では。そして日本国内では。はっちゃんの進路に対する助言だって、何も間違っていません。私が彼女の立場でも同じ事を言うでしょう。でも、世界で通用するのはヤグちゃんの「グッモーエビアン!」の方です。嘘です。知らないです。私も「グッドモーニング」の人間だから。でも「グッモーエビアン!」だって気持ちは伝わるでしょう。完璧な発音じゃなくても構わない。つまり正解は一つじゃないということ。人生の数だけ正解があるはずです。アキは安定した人生を「ツマラナイ」と言いましたが、それは彼女にとっての正解ではないという意味。充実した日々を送るか、退屈な時間を過ごすかは、偏に自分自身の問題です。ヤグちゃんやアキは、自分の生き方に責任を持っています。野垂れ死んだとしても、2人は笑っていることでしょう。物語冒頭のメッセージと同じ。そんな生き方を誰が否定できましょうか。そういう意味で、はっちゃんはまだ自分の人生に責任を持てていません。ですから、エンディングのブレザー姿を見て安心しました。“とりあえず”の高校進学だとしてもいいじゃないですか。選択肢はなるべく多く、考える時間は沢山あった方がいいでしょう。心配しなくても、時間なんてあっと言う間に過ぎ去りますから。彼女ならきっと自分だけの正解を見つけられると思います。お母さんより、ずっとしっかりしている娘です。それに大切な事を教えてくれる主夫の“お父さん”が傍にいるのですから…ウザいですけど、ね。それにしても大泉洋。ヤグちゃんを肯定出来ないと本作は成立しない訳で、好感度の高い大泉の起用は大当たりでした。役者として得難いキャラクターです。やるな、天パめ。麻生久美子も完璧。社会の厳しさを知っている顔(老けてるって事じゃないですよ)が物語に深みを与えます。演奏シーンもサマになっていました。良い女優さんです。三吉・能年の若者コンビも熱演と言っていいでしょう。能年は今年大ブレイクしましたが、三吉も素質十分。でも男顔なんですよね。時々山下智久に見えました。山下との兄妹役なら、いつでも太鼓判を押せます?!
[DVD(邦画)] 8点(2013-11-03 19:59:53)(良:1票)
22.  苦役列車 《ネタバレ》 
見事なダメ人間。清々しいい程のクズ人間。全くブレない貫多に釘づけでした。彼の行動原理の根底にあるのは“諦め”だったと思います。犯罪者の息子。家族崩壊。刹那の快楽にしか価値を見いだせない。そんな主人公が唯一“将来”を語るシーンがあります。それは作家になること。でも漠然と思いを口にするだけでは意味がありません。寝てみる夢と変わらない。しかしTVの中で歌うかつての同僚や、友人達の幻を目の前にして、彼の中の何かが弾けました。夢を口にしてから、実に3年後。“夢への一歩”と呼ぶのも烏滸がましい最初の半歩。希望と言うにはあまりに儚い種火。でも貫多は初めて目的を持って動き出しました。その試みは徒労に終わる可能性大でしょう。努力は日々の鍛錬。怠惰な生活に慣れた体が、いきなり努力を受け付けるはずがありません。でも、だからと言って彼を蔑むのは間違いです。努力する人間を笑う権利など誰にもありません。それに貫多はまだ22歳。若さという武器は何物にも代え難いのですから。森山未來の演技は完璧でした。完璧過ぎて今後の仕事に影響が出ないかと心配になるくらい。マキタスポーツも如何なく持ち味を発揮してくれました。高良も雰囲気抜群。前田はオイシイ役を手堅く演じました。ナイスヘッドバッド賞。キャストは文句なく100点でしょう。描写も気に入りました。前田の手舐めや猿真似強要など一見意味不明な場面も、しっかりテーマに繋がっています。砂浜の落とし穴からゴミ捨て場直行シーンは、小説では描けない映画ならではの場面転換。思わず唸りました。その後、貫太の表情を一切映さなかったのも大正解。余計な情報は要りません。貫多の背中だけでいい。観客の想像力を信用した優れた演出でした。役者の熱演と監督の手腕。両方揃っている映画が、面白くないワケがありません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-22 17:56:45)(良:1票)
23.  空気人形 《ネタバレ》 
男は何故、のぞみにもう一度空気を抜いて欲しいとお願いしたのでしょう。空気が抜けることは、彼女にとっては死を意味します。彼は死に触れたかったのではないかと思うのです。「自分も君と同じようなものさ」空虚な心の内を見せる男。おそらくは、写真の中で微笑む女性が原因。彼女の死に際を彼が看取っていたとしたらどうか。写真の彼女にもう一度会うために、彼はのぞみを利用したと考えられます。のぞみはここでも代用品だった事になる。男の思惑など知らぬのぞみは、その息で恍惚の表情を浮かべます。それはそうでしょう。空気を吹き込まれるのは、命を注がれるのと同じなのだから。彼女にとっては、紛れも無い性交です。偽りの性器では得られぬ本物の悦びを感じる空気人形。自分と同じ幸せを相手に与えたいと思うのは当然のこと。それが愛です。男を“切った”のぞみは、何も悪くない。それにもし男が生きることを望んでいたのならば、助かることは容易だった。彼は自分の意思で死んだのです。何も知らぬ空気人形に多くのことを教えた男。潮の香り、ガラスのきらめき。美しいと感じる心、恋する楽しさと切なさ。限りある命の意味も伝えたのに、何故尊さを教えてやらなかったのか。あの男が憎いです。最後に男が教えたものは、愛する人を失う痛みでした。深い悲しみに耐える術を知らぬのぞみは、自ら男の後を追いました。方や燃えるゴミ、方や燃えないゴミ。2人の魂がこの先、交わることはあるのでしょうか。この作品はペ・ドュナに尽きます。外国人であるが故の“違和感”が良い方向に作用しました。役柄とは正反対、彼女の代わりになる役者は居ないと思わせます。本当に素晴らしかった。そのほかのキャストも概ね良好。ARATA、板尾、岩松、いいですね。ただ、星野真里の存在意義だけがイマイチ薄く、惜しいなあと。生と密接な関係にある“食”パートを担当した彼女が本筋にきっちり絡んできたら、より一層深みのある物語になった気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2010-12-21 20:58:26)(良:2票)
24.  グミ・チョコレート・パイン 《ネタバレ》 
「ニューシネマパラダイスみたいでしょ」手紙の真相が明らかになった際に、大森が観客に語り掛ける件は、照れ隠しであると同時に、“実際はそんな美談じゃないんだよ”という警告でもあると感じました。想い出は美化されるもの。時を重ねるほど、今が厳しいほど、そうなる気がする。例えば山口美甘子が病気ではなかったら。主人公が今に満足していたらどうか。甘酸っぱくてほろ苦い青春の1ページは、誰の胸にも眠っているもの。ただそれだけです。そう、それだけ。そう思い込まないと現実に負けてしまいそうになる。あのとき告白していれば…なんて絶対に考えちゃダメです。そう自分に言い聞かせて涙を拭きましょうよ(泣笑)。それにしても黒川芽以は素晴らしい。何がって、そりゃあのスタイルが。もうパーフェクト。自分は細い女性が好みですけど、あの絶妙のふっくら感にメロメロ。眩しい笑顔と心地よい声、親しみ易い性格。そりゃ主人公じゃなくても惚れる。黒川芽以は最高でした。その他の配役もよく合っている。そして皆上手い。石田と大森の見た目の違和感も、話し方を合わせる事でカバーしていました。主人公と自分は、ほぼ同年代。自身の高校時代を鏡に映したような痛痒い映画で、リアリティ満点でしたが1箇所だけ気になった点が。それは○ナニーシーン。音楽を取り入れるのはいい。聴覚も有効活用するなんて見所がある。好きな女をおかずにしない心意気も買いたい。でも無防備ぶりには呆れます。母親に見つかるなんて、戦場で撃たれたと同じ。周りに細心の注意を払うのは初歩の初歩。それが同居オ○ニーの醍醐味でもあります。敵の存在を察知するための仕掛け、最悪見つかった時の言い訳の準備、終わった後の罪悪感を薄めるためのアイテム等、オナ○ー道は奥が深い。ただ抜くだけだと思ったら大間違い。そう簡単には有段者になれません。ってどんな締めだ。
[DVD(邦画)] 8点(2009-05-06 19:26:20)(笑:1票) (良:1票)
25.  口裂け女2 《ネタバレ》 
「100メートルを3秒で走る」「ポマードと唱えると助かる」等、口裂け女伝説の荒唐無稽なディテールを上手く取り入れた脚本に、まずは拍手を送りたい。でもコレは前作でもやっていること。本作が前作を遥かに凌ぐのは、「恐怖」を主軸とした多様な感情の誘発に成功している点だと思います。来るべき悲劇に備えて、序盤はあくまで穏やかに。ささやかな幸せが丁寧に描かれます。「私きれい?」という有名な台詞や“針を口に咥える”描写等、不穏な空気を演出するスパイスがさり気無く効いています。これらは終盤の伏線も兼ねており、センスの良さと堅実な仕事ぶりが窺えます。事態を劇的に転換させる男の凶行。家族を、未来を、平穏な生活を、奪われる瞬間を目の当たりにして感情が定まりません。惨劇後、生き残った当事者2人の様子がまた秀逸。こういう壊れ方のほうがリアルだと思いました。最大の恐怖は、姉2人の選択。保身のためにある決断を下します。その思考は禁断の果実。「お腹の子のために…」「これからの生活のために…」罪悪感を減らす言い訳なら、幾らでも出てくる。それに非常事態に正常な思考が働かないのも在りそうで怖い。我が身を姉たちに置き換えた時、同じ過ちを犯さないといい切れない自分に戦慄します。自身の心の醜さに気づくことが一番恐ろしい。悲しくも怖いお話でした。なお忘れてならないのが、ショッキングシーンの扱い。どんなに残虐性の高い描写も、何度も出てくれば必ず慣れます。ですから少ないチャンスを効果的に活かすが上策。本作はその術を心得ていました。必須とも言える口裂け女の笑い顔など、たった1度しか出てきません。(惜しげもなくこのシーンを使用している予告編は、本編の前に観ないようご注意ください!)感心しきりの作品ですが、惜しむらくは三姉妹の人選でしょうか。本作で表現される心情は、単色の喜怒哀楽では区切れないものばかり。もう少し複雑な感情を表現できる女優さんなら、尚一層作品の質は上がったと思います。脚本の仕掛けや刺激的な要素が無くとも怖いホラーは作れるという良い見本です。
[DVD(邦画)] 8点(2009-02-22 20:42:09)(良:3票)
26.  クワイエットルームにようこそ 《ネタバレ》 
精神病院を扱った映画とくれば、真っ先に思い出されるのがジャック・ニコルソン主演『カッコーの巣の上で』。紛う方なき名作です。個人的にも大好きな映画。本作は日本版『カッコー』という趣ですが、印象は随分違います。めちゃくちゃ軽い。かなり笑えます。でもそこが本作の長所だと思いました。デリケートなテーマをコメディで味付け。でもおふざけじゃない。この姿勢が気に入りました。患者を“あっち側の人間”と捉えると、途端につまらなくなります。腫れ物に触るようなアプローチでは心に響きません。でも“あっちもこっちもない”なら、遠慮は要らない。イジってOK。笑わせてナンボです。頭を燃やす人、世界の仕組みに気づいた少女、イっちゃってる放送作家、“顔だけ男”女医。みんな立派に変人です。どこかで線を引くことに意味があるとは思えない。退院した医者の妻も、セーフティゾーンに居る訳ではなかった。心が負荷に耐えられているかどうか、内なる闇に気づいているかどうかの違いだけ。そういう意味で主演の内田は適任でした。脇を固める上手くて濃い役者たちのおかげで、彼女の常人ぶりは際立っていました。此処に来るのは、なにも特別な人じゃない。救いの空間、クワイエットルーム。世間と隔離された世界。ある種のファンタジーです。鯛やヒラメが舞い踊る竜宮城みたい。もちろん歌は『恋のフーガ』。其処から現世へは、何も持ち帰っていけないのがルールです。玉手箱を開けてもロクな事はありません。心と体に栄養を補給したら、また現実と向き合おう。後ろは気になるけど、今は振り返らなくていい。残念ながら本物の竜宮城は何処にもありません。でも、クワイエットルームなら、ここにある。
[DVD(邦画)] 8点(2008-08-14 18:36:13)(良:1票)
27.  空中庭園 《ネタバレ》 
隠し事を一切しないのが家族のルール。小泉が創り上げたユートピアは、ソニンに言わせれば「幸せな家族を演じる学芸会」です。それでも彼女は構わないといいます。ウソもバレなければウソじゃない。それはある意味正しいです。ただ危険な思想でもあります。真実は意味を持たないということだから。小泉の記憶、その母の記憶。共に自身に都合の良いように改ざんされていました。小泉母の「繰り返し、やり直し」呪文のような言葉。いくらでも事実は、記憶の中で書き換えられるのです。血の雨に打たれて泣き叫ぶ小泉。それは彼女の生まれ変り。綻びが露呈した家族の“やり直し”の儀式。息子のカレンダーに記された赤い丸。「そうか私の誕生日だったんだ」そう考えれば全ては丸く収まります。母のためにプレゼントを持ち寄る家族。でも、それが現実だと裏付けるものは何もありません。自分には、単純なハッピーエンドだとは思えませんでした。ただ仮に妄想だったとしても、希望であることに変わりはありません。どこの家庭だって、多かれ少なかれ問題を抱えています。完璧な家族なんて存在しません。家族みんなが健康であること。これで十分幸せなんじゃないでしょうか。小泉の“やり直し”が、“事実を書き換えること”ではなく、“自身の価値観を変えること”であって欲しいと願います。そう、息子とソニンのやり取りが印象的でした。「南向きの窓は、みんなに光が届いて幸せになるためのもの?」「違うわよ。洗濯物が乾くようによ。」幸せの“かたち”に囚われる必要はありません。キャストは満点クラス。特に小泉と永作がめちゃくちゃ上手いです。凝ったカメラワークや演出については、少々煩い気もしましたが、トータルバランスが取れていたのでOKでしょう。
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-06 19:59:45)(良:2票)
28.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 
静かな映画。その設定とストーリーゆえ、派手な展開が無いのは当然ですが、演出もかなり抑えられています。例えばミチルが侵入者の存在を疑う重要な場面。食パンの枚数を確認します。それはもうさりげない。アキヒロの言い分が本当に正しいのか、ミチルはハルミに事件との関わり聞き出そうとします。「彼氏はどんな人だったんですか?」過去形で問うキラークエッション。疑惑の外堀を埋める決定打です。彼女の頭のスマートさがよく分かる。でも際立たせようとする演出はありません。流して観てしまう。一貫して平坦な画を重ねています。それは田中麗奈の撮り方にも表れている。表情が薄く、その美貌と魅力を封じ込めています。冴えない普通の女の子に見える。事件解決後、アキヒロの話を静かに聞く姿なんか仏様のよう。だからほんの少しの変化が劇的に思えます。湯上りの飾りない素の表情。ラスト彼と向かい合った時の横顔。彼女の素顔は、なんて素敵なのでしょう。気の持ち方で表情が変わる。生き方が変わる。抑制の効いた演出だからこそ、小さな変化に価値があることに気付かされます。「土鍋キャッチ」や「ホームに出現するハルミ」など印象的なシーンが心に刻まれるのも同じ理由です。共に暗い世界にいた2人。偶然の出会いを“待ち合わせ”に替えて、これから一緒に歩いて行こう。希望は薄明かり。厳しい人生が待っていることに変わりはありません。でも手を繋ぐ人がいるだけで、どんなに力強いことか。勇気がもらえることか。歩幅を併せてくれる人が隣にいることに感謝しなくては。「目が見えないのだからしょうがない」「外国人なので仕方が無い」もう言い訳は捨てていい。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-14 18:17:55)(良:2票)
29.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
モンスター系パニック映画の常道を覆し、のっけからその姿を露にするグエムル。この登場シーンが秀逸です。橋桁にぶら下がる謎の物体。姿を見せることと正体を現すことは別。「何だアレ?」という疑問と同時に、生き物としての勘が自分に訴えかけます。何かヤバイものだ!序盤からのハイスパートでつかみはOK。娘の遺影を前にして泣き叫ぶ家族。涙を誘うシーンなのに笑えてしまう。シリアスにならざるを得ないお話なのに、あくまでも“娯楽作品”。クライマックスの決闘はもちろん、グエムルの巣から脱出を図るヒョンソなど、力が入る見せ場は多いです。それに多少強引な展開でも納得させられます。何故なら娯楽作品だから。でもラストには驚きました。本作の流れを考えれば、ヒョンソは助かって然るべき。だのに、こんなに悲しい結末にするなんて…。彼女の死は無駄ではなかった。それがせめてもの救いなのでしょう。でもやっぱり子供が死ぬのは切な過ぎる。こんなときに奇跡が起きなくてどうするの!それがフィクションの特権なのに!いや、後日談でナムジュが食卓にいないのは、長期入院しているヒョンソの付き添いをしているから、と考えることにしよう。物語の解釈は観客それぞれに委ねられている。それは観客に与えられた特権です。
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-01 07:21:46)(良:2票)
30.  暗くなるまで待って 《ネタバレ》 
“夫以外の男性に惹かれるなんて初めて。でも私は人妻。いけないわ。でもこの気持ちはもう止められないの…”で「暗くなるまで待って」な話だとずっと思い込んでいました(笑)。全然違いましたね。アパートの一室で展開されるサスペンス。主人公が盲目という設定が上手く生かされていて、見ごたえがありました。2度目の電話のベルには思わず唸り、電灯をすべて壊してまわるあたりでは鳥肌が立ちました。暗闇での対決は名シーンだと思います。(見えないけど)。ただ最後にきて展開に“もたつき”や生々しさを感じたため、もう少しスッキリと終わっていても良かったかなと思います。それでも、尻上がりに面白くなる作品でした。タイトルで勝手な思い込みをしてはいけませんね(自戒します)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-18 18:07:17)(良:2票)
31.  紅の豚
宮崎駿監督が自らを描く場合、時々使う豚がそのまま主人公となった本作。何故豚を主人公にしたのでしょうか。見た目全然かっこよく無い豚。ところが作品中ではとてつもなくかっこよく見えます。あの声はほとんど反則技です。かっこよくない豚=さえない中年(監督自身も含めて)を、見た目だけで判断するな、人生長く生きてきたってことはそれだけでカッコイイんだと言いたかったのかもしれません。豚を主人公にするあたり実に宮崎監督らしいチョイスですし、豚の方が逆に照れくさく無く物語を進められるのもわかります。アニメである以上、子供受けという点も計算に入れなければならないことも判ります。それを承知で言いますが、普通の中年のおっさんを主人公にして勝負して欲しかったです。やっぱり豚キャラを主人公に据えるのはずるいと感じてしまいます。それでも、メッセージに押し付けがましさが無く清涼感の残る佳作だと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-06 02:44:34)
32.  クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
自分も「オトナ帝国」「戦国大合戦」からクレしん映画に入りました。そのため本作には「本来あるべきクレしん映画」というものを見せてもらった気がします。構成自体はまさしくオトナ帝国のそれですが、こちらは純粋に子供が楽しめる作品だと思いました(大人ももちろん楽しめます)。ここぞという場面で思い切りギャグに走るあたりも非常に好感が持てました。あと、映画シリーズおなじみの芸能人ですが、本作の雛形あきこさんは違和感なく物語に溶け込んでおり(意味のある登場の仕方)、その点でも良かったと思います。清々しい気持ちになる作品はいいものです。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-30 18:05:06)
33.  空白 《ネタバレ》 
被害者、加害者、双方ともに非が無い訳ではありません。しかし犯した罪に対する罰が余りに重過ぎました。全くバランスが取れていません。この世は因果応報ではなかったのでしょうか。その理不尽な仕打ちがやり切れなさ、やるせなさの原因と感じます。もしこの世の罪と罰の総量が同じならば、不当に罰を免れている罪人がいるとしか思えません。例えば、この事件を見世物として消費した人々。いやそんな社会の仕組みこそが罪なのかもしれません。一人ひとりの罪は微微たるものだとしても、全部集めたら途方も無い量でしょう。どんなに買っても宝くじは当ててくれないくせに、こんな厳罰だけは容赦なく課してくるなんて。あまりに酷い話。しかしこれがこの世のルールなら、私たちは従うより外に道はありません。 『一寸先は闇』は真実です。どんなに注意深く生きようとも、落とし穴を完全に回避する方法などありません。私たちに出来るのは、平時のうちから「いざ」という時の為に備えることだけ。自然災害の対処法と何ら変わりません。唐突にやって来る「絶望」と対峙した時、私たちは一体どうしたらよいのでしょうか。本件をみると、躱す術や分散させる手立て、盾を装備していた者と、真正面から受け止めた者で明暗を分けたように思えます。誰もが他人事と思わず、自分事として災に備えることを強くお勧めします。「程よく無責任であれ」「なるべく多く楽しみ(生きる意味)を用意しておこう」。これが私の非常用持ち出し袋の中身です。皆さんも是非オリジナルの非常用持ち出し袋をこしらえてください。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-25 00:45:32)
34.  クーデター 《ネタバレ》 
シリアス且つリアリティある状況設定に対して、展開は思いのほか『ご都合主義』が目立ちます。ハリウッドの娯楽アクション映画のノリと大差ありません。少々アンバランスな印象を受けました。もっとも、そうでもしないとこの危機を乗り切るのは絶望的で、原題『NO ESCAPE』に偽りはありません。 主人公(お父さん)はよくやったと思います。「相手の10歩先を行く」の判断はまさに的確で、何度も絶体絶命のピンチを切り抜けました。いち早く状況を把握し、さらに腹を括れた事が功を奏しました。見事な判断力と行動力です。ただし、そんな優秀な主人公をもってしても、この状況を自力で打開する事は叶わなかったでしょう。最後は運。そして助けてくれる人。最善を尽くした者にだけ、彼らは救いの手を差し伸べてくれるのかもしれません。そうです。これは『ご都合主義』ではなく『必然の奇跡』と呼びましょうか。 もし異国でこのようなクーデターに巻き込まれたら、間違いなく助かりません。それはもうハッキリと自覚しました。政情が安定しているって本当に有難い。そもそもお家大好き人間である私の、外国旅行への意欲がますます遠ざかるうう・・・。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-12-25 18:47:13)
35.  クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし
誰向けか分からないシュールギャグ。絶妙(ときに微妙)な人選のゲストキャラ(芸能人声優)。何気に質が良いアクション。そして家族愛を軸とした感動ストーリー。近年の映画版クレヨンしんちゃんのフォーマットは以上のとおり。本作も当てはまります。悪く言えば『マンネリ』、良く言えば『定番』ですが、他の国民的な長寿アニメをみればわかるように、これは『定番』と捉えるのが適切と考えます。マンネリは飽きられますが、『定番』は愛されるものであります。というより『定番』を創り出すことが至難の業であり、優れた様式に辿り着いた先人の努力を称える案件と思慮します。実際、本作も手堅く楽しめ、満足しました。 さて、本作で語るのが適切ではないかもしれませんが、長寿アニメの宿命・声優交代について。劇場版クレしんは本作からしんのすけ役の声優さんが交代しました。 オリジナルのイメージを損なわないように(できれば気づかれないように)交代するパターンと、イメージを一新する思い切ったキャスティングをする場合と、主に2通りあるように思います。前者の代表が『ルパン3世』、後者は『ドラえもん』です。何となく前者の方が無難な印象がありますが、実際は逆という気がします。些細な違和感はかえって『偽物感』に通じるからです。一時的には大きな代償を払っても、新たなオリジナルを目指す『ドラえもん』方式の声優交代が個人的には好みです。 クレしんの声優交代の変遷を紐解くと、オリジナル声優死去に伴い人気キャラ『ぶりぶりざえもん』は10年近く発声を封印しました(今ではオリジナルに勝るとも劣らない素晴らしい声優さんが着任しております)。この判断自体は賛否あろうかと思いますが、私はキャラクターに対する限りない愛を感じました。そんな声優に拘った作品ですから、てっきり『ドラえもん』パターンの声優交代を選択するものとばかり思っていたのです。しかし、ひろしやしんのすけの声優交代は、イメージ継続パターンでした。実はちょっとガッカリしたのです。交代当初は。 ところが、本作を観て認識を改めました。確かにしんのすけに対しては、まだ違和感があります。でも、ひろしに対してはオリジナルと全く遜色ないのです。何故か。理由は簡単。新しい声に慣れたからです。TVレギュラーシリーズを持っている効果は絶大でした。ルパンのように不定期制作だと『耳慣れ』が進まないため、長く違和感が残るんですね。もちろん声優交代に正解などなく、あえて言うなら『定番』を守るか『マンネリ』を打破するかの選択なのだと思います。そういう意味で『ドラえもん』は大英断でしたし、『ルパン3世』は中途半端な選択をしてしまっている気がします。すみません。横道にそれました。愛すべき『定番』を守った『クレヨンしんちゃん』が末永く続きますように。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-05 00:59:01)(良:2票)
36.  グッドモーニングショー 《ネタバレ》 
(一番投稿失礼いたします)ももクロちゃんのファンクランブイベントついでの上京で映画鑑賞。話題の『君の名は。』と迷った挙句、本作を鑑賞しました(本日のメインはライブなので前菜代わり)。“バラエティ・ワイドショー”の流儀と正義を、『踊る大捜査線』シリーズの脚本家で知られる君塚良一氏が監督として描く、ザ・フジテレビ印のお気軽映画。公開2日目、最初の日曜日にしては、客の入りは寂しいものの、劇場内の反応は上々。笑いの取り方は定番ですが安定しており、流石のお手並み。「勇気の印」は時任のCMを知る40代以上向けのネタ。でも振り返ってみると、中井貴一が長澤まさみとの関係を隠そうと狼狽える姿が面白かっただけのような。中井、長澤、吉田、濱田ら演者の表情のアップがやたらと目についたのは、それだけ彼らの演技が素晴らしかったからでしょうね。(以下余談)駅前広場で時間を潰していたところ、大道芸人がパフォーマンスを始めました。巧みな話術とちょっと危険な出し物が彼らの武器。私は後方やや離れた位置から眺めていたのですが、まさしくこの状態が『グッドモーニングショー』の視聴者の立場だったのかなと。お代を払うわけでもなく、ただ催し物を興味本位で眺めるだけ。危険な芸では、成功よりも失敗を期待している自分がいました。無責任な立場だから簡単に「命を捨てる」なんてボタンが押せるワケです。「視聴者が望むものを見せるのが使命」とテレビ屋は言いました。でもそれなら大道芸人は毎回現場で大怪我をしなければなりません(これをソフトに叶えたのが電撃ネットワーク)。正しくは「スポンサーが納得するものを見せる」なのでしょう。野次馬でなく、お代を払い、現場で芸を一緒に作り上げる観客が望むのは、バッドエンドではなくハッピーエンド。テレビのスポンサーだって公開処刑など許すはずがありません。ですから視聴者投票の結果操作は当然の行為。迷う必要など微塵もありません。でも、情報操作の善悪に物語の力点を置く感覚が、テレビという巨大メディアを扱う製作者の良心なのかなと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-10 21:28:36)(良:1票)
37.  クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!! 《ネタバレ》 
かすかべ防衛隊には、秘伝のソースをケンさんへ届けるというミッションが与えられました。しんのすけ達の行く手を阻む刺客たち。タイトル通りの面白サバイバルアドベンチャーが展開されます。今回の悪玉、B級グルメ殲滅を目論むA級グルメ王子には、実はB級グルメに対して密かな憧れがありました。報われぬ幼き日の自分を肯定するためのB級憎悪。なんと哀れな事でしょう。導かれる結末は……。そう、今回のクレしん映画は、設定・脚本共に実にそつのない、理詰めの映画だったと思います。予定調和と言っても差し支えない優等生映画。それがクレしん“らしくない”というか。観客が困惑してしまう程の、ぶっ飛んだセンスや不条理ギャグが見当たらないのです。これが物足りなさの根拠と考えます。本作を私一人で鑑賞していたら、きっと理詰めで辛口の点数を付けていたでしょう。しかし一緒にTVを観ていた2人の娘(小学3年生、4歳児)は爆笑に次ぐ爆笑。大うけでした。そこで気が付きました。クレヨンしんちゃんにスタイルなんて求めてはいけなかったことに。ナンセンスギャグあり、SFファンタジーあり、格闘アクションあり、感動ストーリーあり。ガッチリ子供向けだったり、実は大人がメインターゲットだったり。様々な顔を見せてくれるのが『クレヨンしんちゃん』の素晴らしさ。何より子供が喜んでいる映画に注文を付けるつもりはありません。今回はちょっと大人しめの優等生アドベンチャー。これもクレしん映画の引き出しのうちということで。
[地上波(邦画)] 7点(2014-04-15 18:58:41)(良:2票)
38.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 《ネタバレ》 
最後の対決で、ひろしは理性(地球の未来)よりも感情(家族の絆)を優先させると宣言します。ところが、転がる地球を支えるのに精一杯で身動きが取れなくなってしまいました。空気を読み、役割を理解し、損得勘定に励み、上下左右のバランスを取ることに腐心してきた大人は、いざという場面で己が責任(地球)を投げ捨てられないのです。でも、しんのすけは違いました。選択を迫られても拒否。頑なに要求を突き通します。その結果、ゴロネスキーを退け、ついに太陽系の危機まで救ってしまいます。キーワード“ひま”も、子供の専売特許のようなもの。みんな子供に返ろう。もっと余裕を持とうよ。難しいことは考えずにシンプルに動いた方が物事は上手くいくかもよ。本作は、そんな“子供讃歌”の物語であったと考えます(ゴロネスキーのラストの台詞「(大人になるなんて)意外とすぐだぞ」にはニヤリとしちゃいますが)。子供向けアニメらしい主張です。ところが物語の構成は、子供映画とは思えぬ複雑な要素を孕んでいました。紙切れ一枚で一家離散に追い込まれてしまう契約社会の恐ろしさ。皮肉の利いた社会風刺。映像面では幻惑の精神世界が展開されます。この意味を、子供は理解できるのでしょうか。クライマックス、ゴロネスキーの問いかけは、まるでしんのすけを現実世界へ引き戻すためのアイデンティティ確認作業。事象全てが、しんのすけの心(夢)の中の出来事との解釈も可能かと。『ラピュタ』や『ナウシカ』といったジブリアニメへのパロディ&オマージュも含め、強く大人を意識した映画であると感じました。もしかしたら『戦国』や『オトナ帝国』以上に大人向けかもしれません。悪の組織も、アクション仮面も、かすかべ防衛隊も登場しない異色作を劇場版20周年記念作品に持ってくるとは、流石“何でもアリ”のクレしん映画。この姿勢、自分は好きです。
[地上波(邦画)] 7点(2013-04-21 18:59:52)
39.  クロサワ映画2011 ~笑いにできない恋がある~ 《ネタバレ》 
渡辺監督はTVバラエティ畑の人。そのお笑い愛は、いやお笑い芸人愛は、確かなものだと感じました。彼女たちの尊厳を決して傷つけることなく、“おいしく”料理していく。椿の「笑い舐めてんじゃねえぞ」、大久保の「こっちはなあ、プライド持ってブスやってんだよ」に溜飲が下がります。黒沢の恋愛エピソードにも優しさがありました。(でもオチは中途半端。○○は8人くらい必要でしょう)。出番が少なかった光浦にも、きちんとお望みのフランス男を用意する心遣いがニクイです(フランスパンを持っているからフランス人なんでしょ)。前作『クロサワ映画』の設定やお約束を踏襲した王道の続編で、ストーリーテリングはより洗練された印象を受けました。女版『男はつらいよ』とも言える失恋コメディ+モテない女の妄想ドリーム映画。メイン4人の誰かが現実世界で幸せを掴んでしまう前に(失礼!)、ぜひ続編をお願いします。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-06 18:58:09)
40.  クロサワ映画 《ネタバレ》 
森三中の黒沢をはじめとする登場人物は、基本的に現実世界と同じキャラクターを配されています。フェイクドキュメンタリー+ラブコメディ。このような設定ですから、彼女たちの台詞やライフスタイルは、現実のそれに近いのかなと想像してしまいます。もはや言いたいだけの「たんたかたん」も、大久保にはぜひ愛飲していて欲しい(笑)。ベタが多いコメディ部分は、結構自分好みでした。自転車に轢かれる80年代アイドルとか、物干し竿ブラックジャックとか(一番笑えたのはフランケン村上でしたけど)。笑いが恋の切なさを引き立てます。でも結果的に本作に“ラブストーリー”は存在しなかったのですね。黒沢の独り相撲。それがまた切ない。一度奈落に突き落とされ、這い上がったところでまた突き落とされる黒沢。まるでダチョウ倶楽部の熱湯風呂芸を見ているような。二度目のハートブレイクでは満面の笑みを湛えてみせます。ラストの「マジっスか~」には傷心の欠片さえ見えません。凄い。これぞ芸人魂。苦しみも悲しみも全て笑いに換えて、女芸人は生きていく。いじらしくて、胸が締め付けられました。クレジットのみのエンドロールだったなら、多分自分は泣いたと思います。ですから最後のネタばらしシーンの羅列は、ラブストーリーに対する拒絶であったと考えます。しんみり不要。笑ってもらってナンボよ、という主張。その心意気は理解できます。でもエンターテイメントは笑いだけにあらず。観客を上手く泣かせて、終わらせても良かったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-06 19:44:58)(良:2票)
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