41. クレールの膝
ロリコンで膝フェチの気色悪い勘違いヒゲ野郎に、生理的嫌悪感が爆発。 というか、冒頭でこのヒゲ野郎が登場した時点で、気分が悪くなった。 まず、ヒゲがうざい。 そして、単に膝が綺麗な少女に変態的性欲を感じただけなのに、理屈をつけてそれを正当化。 最後のオチをみれば、ロメールがこのヒゲ野郎を滑稽な存在として描きたかったことは理解できるものの、とにかくそれまでが気持ち悪さ全開で、最後まで観ていることが非常に苦痛だった。 このヒゲ野郎に生理的嫌悪感を感じさえしなければ、愚かな男のおかしなお話で終わっただろうが、私の様に不快感を感じてしまうと、不快極まりない作品と感じてしまうに相違ない。 又、ロメールならではのセリフの多さにも辟易。 ウザキャラ達の勘違い会話を聞いているだけで仕事の疲労が倍増してしまったよ! ロメール作品は二度と観まいと心に誓った作品。 それにしても、あのヒゲ野郎は男の中のクズだ。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-09-08 23:31:03) |
42. 黒い画集 第二話 寒流
《ネタバレ》 これはこれは、胸がすくほどの傑作バッドエンド。 これでもし都合よくラストで池部良が救われたなら、凡作となっていたに違いない。 二転三転する出来すぎた展開に、途中、不安になったが、ラストのひねりなし、情け容赦なしのバッドエンドで不安解消! ストーリーを二転三転させて最後に悪者をやっつける、といった陳腐な娯楽サスペンスとなることなく、弱肉強食の世界を痛烈に表現したのは見事と言うほかない。 要するに池部良は新珠三千代に溺れさえしなければ何も起らなかった。 女に溺れたが為に、順調な出世街道から外れ“寒流”に流れされた。 家族にも逃げられた。 全ては女に溺れたのが原因だ。 男がその全人生をかけて築き上げてきた社会的地位が、たった一人の女性と懇意になったが為に、あっという間に崩壊してしまったのである。 なんという怖い話であろうか。 女というものの奪い合いから生じる人間関係の歪み。 そこから生まれる嫉妬や憎悪。 本当に怖い。 これはおそらく、守るべき物を沢山持っている人ほど怖い話なんじゃないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-22 22:44:01)(良:1票) |
43. 黒い画集 ある遭難
《ネタバレ》 (全面ネタバレ)『黒い画集 あるサラリーマンの証言』にひき続いて鑑賞。 本作はこの作品と全く同じ展開だった。 物語の主軸となる、ある犯罪があって、それに関わるある登場人物は自分本位の考えに基づき、ある行動を実行する。 その行動は一時は成功するが、最後には鉄槌が下され、罰を受ける。 それで「終」という流れ。 松本清張の小説は読んだことがないので、このパターンが松本清張作品の王道なのか、それとも単なる「黒い画集」シリーズ特有のパターンなのかは分からない。 いずれにせよ、パターンが決まっているから、先は読める。 その点はつまらないのだが、作品全体に漲る緊張感や、人々の奥底に潜む「暗黒」の部分を描き出している点において、この「黒い画集」シリーズは非常に面白い。 殊に、本作に関しては、90分という尺の中で、最初の60分は何事もなく進行し、犯人を追い詰めだすのは残り15分をきってからという、意表をつく面白い時間配分が施されている。 そして最後の5分で急展開。 最初の60分のいたって平坦な展開が嘘の様に、急転直下するのだ。 最後の種明かしも面白いが、この緊迫感に満ちた何も起きない最初の60分はもっとゾクゾクする魅力がある。 この作り方が実に良い仕上がりを見せている作品である。 更に3本目『黒い画集 第二話 寒流』を観るのが更に楽しみになってきた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-21 22:28:51) |
44. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
《ネタバレ》 脚本が全て、原作が全てといった内容で、ひたすらストーリーで見せる。 1時間半飽きさせない内容だった。 結局、小林桂樹演じる男が最終的に不幸になった原因は、愛人をかこうという、世間におおっぴらにできない自分勝手なことをしていたからに他ならない。 つまり身から出た錆。 愛人なんかかこっていさえしなければ、証言を曲げる必要もなかったわけだし。 完全にこの男の自業自得で、感情移入はできなかった。 しかしながら、二転三転する展開と、小林桂樹の熱演、サラリーマン社会のリアルな描写など、しっかり楽しむことができた。 「黒い画集」シリーズ、もっと観てみたい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-21 00:26:59) |
45. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 話としては良くできているし、子供も大人も楽しめる絶妙のバランスは素晴らしい。 だけど、私にはちと苦しかった。 家族の絆、家族の幸せ、これは人生の全てと言っていいほど大切なもの。 しかし、人生って色んな価値観があって然るべきもの。 それを家族の幸せ第一と決め付けた作品的背景、一元的価値観の決め付けが何とも評価しがたい。 ラストシーンで、彼ら二人には飛び降りて欲しかった。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-23 23:33:23)(笑:1票) |
46. くちづけ(1955)
神保町シアターにて鑑賞。 筧正典、鈴木英夫、そして成瀬巳喜男という、いずれも私の好きな監督によるオムニバス作品ということで、期待は高まった。 そして、その期待通りの素晴らしい作品であった。 第一話は、一番地味ながら、男女の恋愛に固かった当時の世情を反映しており楽しむことができた。 第二話は、このオムニバスの中でも最高傑作で、最初から最後まで楽しくて仕方なかった。 そして、またもや鈴木英夫監督はやってくれた!! 何をかっていうと、司葉子の魅力を存分に引き出している点において。 『その場所に女ありて』と同様、司葉子の肉体的魅力を惜しげもなくフィルムに焼き付けている。 川で遊ぶ司葉子は、白いホットパンツを装着し、話そっちのけで、観る者をその白い太ももに釘付けにさせる。 こんなにも司葉子のスタイルが良かったとは!! 不覚にも、司葉子のファンであるはずの私が、司葉子の脚の長さに初めて気付かされたのだ。 それだけ、司葉子の魅力を知り尽くし、なお且つ、それを映画として確実に残す鈴木英夫監督の手腕が光っていたと言えよう。 あの太ももは、あまりに眩しくて、そして魅力的で正視できなかった程だ(嘘です。食いつく様に凝視してました)。 第三話は、お目当ての成瀬巳喜男作品で、これも十分楽しめた。 成瀬作品で、上原謙・高峰秀子の取り合わせとくれば、ハズレのはずがない! 題名通り、女と女の嫉妬や闘いが、静かに描かれていて見応えがあった。 日本映画の中でも、特別知名度の高い作品ではないが、一級品の魅力を持つ作品であった。 [映画館(邦画)] 8点(2009-03-04 04:17:22)(良:1票) |
47. 沓掛時次郎 遊侠一匹
なかなか人情味のある深い話なんだけど、どうもコテコテすぎる。 しかし、中村錦之助の演技は相変わらずうまいし、迫力がある。 チャンバラシーンにしても、さすがはストストピッチャンの錦之助、実にリアル。 話はどうにも臭くてたまらないが、アクション部分の迫力と錦之助の演技は高く評価したい。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-01 17:59:06) |
48. 櫛の火
うーん、何の特徴もない平坦な作品で面白味は感じられず。 収穫は、草刈正雄の若かりし頃を観れたことくらいかな・・・ [ビデオ(邦画)] 1点(2008-11-25 20:45:33) |
49. 蜘蛛巣城
うーん、、期待していたほどじゃなかった。 そもそも、黒澤明と相性が悪い私は、黒澤作品に期待をしても無駄なのか、とさえ思った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-15 19:37:03) |
50. グラマ島の誘惑
《ネタバレ》 フィルムセンターにて鑑賞。 尺の割にとても長く感じた。 近くにいた他のお客からも「長く感じた」の一言が。 川島作品の中でも、こういったワイルドな作品はどうも苦手で、そういった印象は本作でも同じだった。 変に戦争批判や皇族批判、そして原水爆批判などを喜劇の中に織り込んだもんだから、シリアスなのか喜劇なのか分からない中途半端な出来となっている。 つまり、シリアスさと喜劇がうまく融合していないのだ。 笑える部分も、他の川島喜劇に比べて少なかった気がする。 本作を観て、「川島監督の疲れ」のようなものを感じてしまった。 なんか、作り手である監督も疲れているし、そこで演じさせられている森繁やフランキー堺も疲れてしまっているような気がした。 その疲れが、観ているこちらまで伝わってきて、観た後もどこか爽快になれない。 そんな印象が残った作品であった。 [映画館(邦画)] 5点(2008-08-24 16:15:49) |
51. 黒いドレスの女
成田三樹夫が出ていたので、まあ許すとしましょう。 しかし、しょーもない作品だ。 崔洋一をもってしても、角川春樹にかかるとこうも無惨な映画が出来上がるもんなんですね。 知世ちゃんは大好きですが、この頃はまだ魅力が完成していないですね。 [DVD(邦画)] 5点(2008-07-08 23:06:55) |
52. 狂った一頁
日本で最初の実験映画であり、前衛映画と言われる貴重な作品。 フィルムセンターで鑑賞。 精神病院が舞台で、そこに住まう患者たちの妄想の世界を様々な手法を駆使して映像化したもの。 、、というのは、実は帰宅してから本で調べて理解できた内容であり、映画館で観ていた最中は眠くて仕方ないし、理解もできなかった。 、、ということを白状しておく。 [映画館(邦画)] 3点(2008-06-30 19:29:03) |
53. 草の上の昼食(1959)
フランスの巨匠ジャン・ルノワールらしい王道的な作り。 小ざかしい技法は一切排し、自然の素晴らしさ、美しさを観る者にストレートに訴えかけてくる秀作である。 本作は、緑の美しさ、小鳥のさえずり、草の根の息吹、母なる女性の美しさ、自然の開放感などを雄弁に語っているのだ。 科学は人々の生活を豊かにするが、それと同時に自然の素晴らしさをお座成りにしてしまっている。 自然の素晴らしさとは何か、科学とはどういうものか、そういったことを考えさせると同時に、自然の気持ちよさを体感できる、非常にバランスのとれた作品である。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-17 15:20:20) |
54. 雲ながるる果てに(1953)
《ネタバレ》 “カミカゼ特攻隊”の特攻までの数日をドキュメンタリー・タッチで描いた本作。 戦争の悲惨に関わる史実を、忠実に描いたことに関しては賞賛に値するし、何より反戦的な訴えも見事に表現されている。 しかしながら、そもそもお国の為に命を捧げるということ、それ自体に嫌悪感を持っている私は、最後まで感情移入できなかった。 こういう悲惨な事実が戦争中にはあった。 それはよく伝わるが、個人的好みとして、感情移入しがたい戦時中の「天皇万歳」的な悪しき風潮は、観ていて不快感が募りっぱなしであった。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-03-02 23:44:50) |
55. 狂い咲きサンダーロード
リアリティ無視で爆走するストーリー展開に苦笑するも、勢いだけは物凄く、最後まで引っ張られた。 娯楽作品として素直に観れれば、十分楽しめる作品である。 古臭さがそこかしこに溢れているが、その古臭さを逆手にとり、逆に楽しむ。 これがリアルタイムではなく、21世紀において本作を楽しむ上では必須の条件だ。 山田辰夫のかすれた声が何しろかっこいい。 そして雰囲気も、どこか私の好きな成田三樹夫に似ていてかっこいい。 この作品でこれだけのインパクトを放つパワー溢れる演技をみせたのに、その後のブレイクがなかったのが残念だ。 暴走族はもはや時代遅れ。 しかしながら、それが逆に観る者の好奇心を否応なくかき立てるのだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-13 16:17:22) |
56. 暗くなるまでこの恋を
《ネタバレ》 サスペンス仕立てなのは『隣の女』に通ずるものがある。 後半はこういう破滅路線のフランス映画にありがちな収束をみせる。 『隣の女』よりは多少良かったものの、不満も感じた。 ベルモンドは相変わらずマッチョで、ドヌーヴは相変わらず足がキレイだった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-04 01:15:36) |
57. グレムリン
今更観るべき映画でないことは分かっていましたが、さすがに途中で嫌になりましたね。 子供の頃に無邪気に観るべき映画ではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 3点(2007-12-31 00:49:48)(良:1票) |
58. 熊座の淡き星影
本作でヴィスコンティの長編作品は『異邦人』を除き、全て鑑賞した! それが、ただただ嬉しい。 さらば、ヴィスコンティ! もうこりごりだ。 もう観ないぞ! [映画館(字幕)] 5点(2007-10-15 19:43:42) |
59. グリード(1924)
ラストの砂漠における顛末は迫力がありました。 主人公の男性は、少し面持ちが気持ち悪いですね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-15 19:40:23) |
60. 靴みがき
デ・シーカの似たような作品としては、やはり『自転車泥棒』の方が上。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-13 00:10:16) |