61. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 建造物の重厚なこと、画の質感のしっとりとしていること、さすがフランス映画だなあと思う。男優らも皆ヨーロピアンな陰影を帯びていて、サスペンス作品にはぴったりだ。・・なんだけど、脚本の力が足りなかった。中盤からどんどん粗く無理強いになってくる。整理されてなくてわかりづらい。”羊”や”セブン”がいかに傑作だったのかを改めて思う。 墓荒らしは何のためなのか、死んだ少女は誰なのか、そもそもなんで標高の高い山の中に死体を置くのやら。しかも女子の力で男の死体を、それは可能なのか。 グロテスクな場面は多いけど、話が引っ張っていってくれないので蛆虫が這っていてもぽかんと眺めるばかりだ。猟奇な場面は背景の物語とリンクしてこそ震撼するのです。シスターの瞳が白濁してて不気味だとか図書館の緑色のランプが幻想的だったりとか、「見せる」ことにばかり気を砕いているように感じるなあ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-02-22 00:27:17) |
62. クルーレス
セレブでおばかさんな女子学生がはっちゃきになって他人にお節介をやく、このパターンは後の”キューティ・ブロンド”で完成形を成し遂げたわけですが、ワタシは先にキューティの方を観ちゃったのでうーん、アリシアの容姿だけかな軍配が上がる所があるとすれば。 ”友だち”と言ってはいても、本心は上から目線で物申しているわけで、そこんとこの自覚の無さもリース・ウィザースプーン版よりも潔くないし、コメディとしてのはっちゃけぶりも物足りない。周りをかためる男の子たちも没個性ばかりでつまんなかった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-02-09 00:25:54) |
63. クローズド・サーキット
《ネタバレ》 国家謀略に個人が巻き込まれるサスペンス。パターンが従来のものと変わりばえしなくて(証人や弁護士が狙われる・怪しげな上級役人が絡んでくる等)、なんかいまいち。英国の司法制度のなじみの無さもとっつきにくくしている。エリックの抱える個人的な家庭事情もほとんど筋に絡んでこないし、だからどうなのと思うような雑な描き方。防犯カメラの映像がちょくちょく使われるけど、緊迫感を煽るどころか逆に観づらいな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-03 00:09:01)(良:1票) |
64. グロリア(1999)
《ネタバレ》 ジーナ版と比べるのはフェアではないとわかってはいるが。これは。 初めのうちこそ、愛人顔のシャロンをジーナのような組織の重鎮クラスに置かず、ボスの使い捨て情婦役にしたのは的確だと思ったのだけど。 オリジナルと比べるとどこもかしこも細部まで劣る。冒頭、一家惨殺に及ぶ組織の恐怖感は十分の一ほどに減り、全編にわたって敵役が怖くない。不必要なグロリアの姉の登場、ハンパにオリジナルを真似た子役の性格設定。グロリアと子供の心の交流描写の繊細さなど、どこにも無い。その象徴たる墓地、ここは家族の還る場所としてオリジナルではすごく大事なキープレイスだったのに。まるっとカットか。まあそれはいい。でも代わりに持ってきたのが教会か。神父に相談てグロリアあんた極道のプライドはどうした。 何よりシャロンの大根ぶりは目を覆う。子供と絡ませたのは大失敗だ。イライラしてるか慈母めいた声を出すかのどっちかしかないの。「いいお母さんやってます」というベタすぎる芝居にはホントかよ、と思わず声が出た。 ラストシーンはバカンスにでも出かけるようなお気楽さだ。家族の死を乗り越えて再生する場面だろう。これでいいのかね。 シャロンはタイトルに“グロリア”と冠することのできる玉ではない。“ザ・エスケープ~逃げのびろ!この子は絶対に渡さない”とでもしとけば良かったんですよ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-04-23 00:35:39) |
65. クライング・ゲーム
《ネタバレ》 主演の2人がねえ、ちょっと私にはピンと来ないんです。映画ですからね、主役を張るからには雰囲気なりオーラなり持っててほしい。どうしても隣近所のおじさんやおねーちゃんがスクリーンにいるつまんなさが振り払えない。吉本新喜劇座長の小藪くんに似てる、と一度思ったらもうシリアスな話に乗れなくなっちゃった。あーそして不幸なことに彼女をひと目見たときに「なんかごつくてオカマみたい」と思ってしまって自分でストーリーを粉砕してしまったし。あくまで評価は私のせいです。 [ビデオ(字幕)] 4点(2012-12-06 11:34:23) |
66. グリーン・デスティニー
こういうのはワイヤー・アクションにノれないとどうしようもないので、こういう動きはアリなんだ、ハガレンみたいなもんなんだと自ら言い聞かせてついていったのにあの終わり方はないよな。怒ってばっかりのチャンにも魅力を感じない。竹林を白い人影がひらひら舞うシーンは綺麗。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-20 00:22:10) |
67. クイック&デッド
つまんないし。眉間にしわよせっぱなしのS・ストーンが浮いてて下手だし。なんでいっつもこんなに小汚くしてんのかしら。R・クロウがアップに耐えられるハンサムだったのにはちょっと驚いた。 [地上波(吹替)] 4点(2012-01-28 01:43:28) |
68. クーパー家の晩餐会
《ネタバレ》 ちょっと出来の悪い群像劇ですねえ。各人物の担うパートの内容が浅すぎです。何故妻は夫を、娘は母を、妹は姉を嫌うのか、そこが描かれない。「仲が悪いです」という設定のみが提示され、片方が不機嫌に怒っている様子だけ見せられるのです。ダイアン・キートンはそんなに悪い妻にも母にも見えないですよ、こちらにしてみれば。 各人の思いが収斂してゆく様が群像劇の醍醐味なのに、何考えてんのかいまいち伝わらないキャラ達のせいでディナーの集まりの席も今ひとつ盛り上がらない。 あろうことか、各者の「わだかまり」が終盤にいきなり融和する、というほぼ破綻に近い脚本には非常に驚かされました。なぜダイアン・キートンは突然アフリカ行きに賛成したの?40年も反対してたのに。ティーンエイジの孫は労せずして彼女が出来、爺さんの惚れたウェイトレスはバツ一中年息子と良い雰囲気に、って一体なんでそうなるんだ。徹頭徹尾、物語に説得力が無い。 オリヴィア・ワイルドが新恋人を追って廊下を走る場面。蹴散らかしたバラがスローで散るあそこ、あれはドラマチックな演出のつもりなのでしょうか。人様のお見舞いの花束だろう、あの花は。この作り手のセンス、どうなんだ。公衆の面前で押し倒すほどのべったりキスシーンが多いのにも辟易させられました。そこ、病院の待合室だよなあ?どうなのこれ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-23 00:44:57)(笑:1票) |