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1.  クロエ(2009) 《ネタバレ》 
フルショットで撮られたジュリアン・ムーアが携帯電話で話し出すと、 相手方のアマンダ・サイフリッドの声も不自然なほど鮮明に聞こえてくる。  違和を感じた瞬間、カメラがパンすると同室に彼女が入り込んできていた事 が判明するという、そういったさり気ない音響の仕掛けが随所で巧い。  人物の背後からのライトを中心に、複数の光源を用いて 女優の金髪の輪郭線と瞳とを妖しく美しく輝かせるライティングの緻密さ。 拡散する影の動きも画面を重層化させて見事である。  手前の人物と、背景の窓枠・額縁・鏡・スクリーンを的確にレイアウトした構図など、 ショット一つ一つが官能的に決まっている。  見るものの欲望の投影たる鏡・窓ガラス。そこに幾度も映し出される ファム・ファタルとしてのアマンダ・サイフリッドは「虚像」の視覚的隠喩である。  『上海から来た女』を始めとする鏡の映画史に倣えば、 映画の構造上のクライマックスは、「砕け散る鏡(ガラス)」以外有り得ないことは 中盤には明らかになるだろう。  その映画的終結というべきスローモーションも美しい。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2013-07-17 23:09:54)
2.  クリスマス・ストーリー
個性豊かな登場人物たちの意表をつく言動はもちろん、かなり脈絡なく挟み込まれるアイリス・イン、アウトといった繋ぎであったり、偏執的なまでの瞳へのズーミングであったり、BGMなのか室内音楽なのかすぐには判然としない音楽の用法であったりと、色々なレベルで予測不能なショットの流れと展開によって、150分を全く退屈させない。  カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン=ポール・ルシヨンら大御所を始めとしていずれの役者も素晴らしいが、とりわけドラマに波乱を呼び込む奇行気味のマチュー・アマルリックの存在感はそれ自体がサスペンスにあふれている。  クリスマスに集いあう一家。老若男女のキャラクターそれぞれが、好悪・愛憎を抱えたままならない人間として愛すべき存在感を放つ。 小芝居では出せない、役を生きる俳優自身の実在性を映像に載せていく演技指導の賜物だろう。  登場人物たちが浮かべる表層的な笑みや、痛烈な毒舌とは裏腹の声音にみる、アンヴィバレントな感情の計り知れなさ、奥深さ、凄み。  冬の花火の美しい煌き、深夜の静かで淡い雪、夜明けの静かな街の空ショットが印象的で、重量感がありながら後味が良い。  
[映画館(字幕)] 7点(2010-12-28 00:16:10)
3.  クロッシング(2009)
冒頭の郊外路地のシークエンスから、車のテールランプや航空機の小さな灯が浮かび上がる非常に艶めかしい夜のルックを見せてくれる。続いて、男を射殺したイーサン・ホークの麻薬捜査官が逃げるように車から離れていくのを、塀に投影された彼自身の等身大の影が不気味に追い立てていくのもノワールスタイルの予告だ。  三者の中でも、とりわけ彼の全身が体現する切迫感、焦燥感が断然素晴らしい。 彼らがアパートの暗く狭い階段を降り、部屋間を移動していくのを、その背後からステディカムと思しきカメラが技巧を意識させない機械的円滑さで追いかける。踏み込み現場での激しい応酬も、無闇な編集に頼ることなく持続的なショット主体で事態の推移を冷然と捉えていくことで対位的に高いテンションが維持されている。  対象人物の心理的動揺や焦燥を表すのに、今時流行りのカメラの作為的な揺れなど必ずしも有効ではないことの反証である。  『バベル』や『クラッシュ』のような思わせぶりなメッセージ臭・テーマ臭は、即物的な死の描写によって際どく回避出来たという感じか。 
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-05 22:25:57)
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