Menu
 > レビュワー
 > 鱗歌 さんの口コミ一覧
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  決断の3時10分
おお、これぞ西部劇界の“ハムレット”、生か死かそれが問題だ、とばかりに、悪党の親分のネチネチとした心理戦(暑さの描写、屋外の葬列が、焦燥感に輪をかける)に心が揺らぐ主人公。短い映画の割に、問題の「3時10分」まではエラく時間があったりして「えっ?」と思わんでもないけれど、それでもいずれ、3時10分は迫ってくる、10分前には無情にも時計の鐘が鳴り響く。悩んだ主人公がついに「決断」した時はもう運命の歯車は回り出しており、“ハムレット”よろしく、ある意味手遅れな訳だけれど、しかし大きな違いは、運命に打ち倒されないところ、運命に決然と立ち向かうところ、ですな。悪党という割には悪党顔をしていないスマートな悪党に対し、むしろ主人公の方が野暮ったく見劣りしているのですけれども、その“タダのオヤジ”たる主人公が、“タダのオヤジの意地”を貫く時、そりゃ絵ヅラ的にはイカツいですけど、それでもそこには「美しい」と感じさせるものがあります。だから意表をつくラストにも、納得してしまう。ちょっと似たところのある(でも全然違う)『真昼の決闘』も好きな映画ですが、やっぱりコチラに軍配を上げてしまうなあ。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-02-26 22:21:16)
2.  激突!<TVM>
こう何度も観てると、バランスの悪さが目につくのは事実。特に、どう考えてもレストハウスのシーンは長過ぎて変、時間稼ぎのように思えますよね。まあ、まだスピルバーグ若かったし、申し訳ないけどこれはマシスンのせいということにしましょうか。やっぱりね、幾らアラがあっても、この作品を始めて観た時の、脳天に穴が開くような衝撃というのは、忘れられません。タンクローリーに追われるだけで一本の映画になり得るの?と思いながら見始めたら、もう、この怖さですからね。後半のみなぎるテンション、強烈なラスト、まさにオンリー・ワンな映画です。
10点(2003-08-12 13:52:31)(良:1票)
3.  拳銃王
90分に満たない、いわゆる「B級西部劇」なのかもしれないけれど、これが滅法、面白い! リンゴ・キッドと思しき人物をグレゴリー・ペックが演じていて、早撃ちの名人として名を轟かしたが故に、もはや平穏な日常を送ることはできず、今日もまた、若者に絡まれて彼を射殺し、若者の身内に狙われるハメに。 これがまず伏線になって、迫りくる彼らが、主人公にタイムリミットを課すことになります。一方、主人公はとある町にフラリとやってきて、彼がなぜそこにやってきたのか、彼の過去が徐々に明らかにされていきます。 主人公が思うよりも早く迫りくるタイムリミットと、徐々に物語に関わる人物が増えていき、徐々に背景が明らかになっていく過程、それらを貫く主人公の一途さみたいなものが重なって、緊密なエピソード間の連関を生み出していきます。それがもう、スリリングと言ってもいいくらい。 お見事でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-28 02:18:35)
4.  刑事ジョン・ブック/目撃者
初めて観たのは高校の頃、視聴覚教室にて。当時、聞いたこともない映画だったもんで、どマイナーな映画なんだろう、それにしても静かでのどかな映画だわい、と思ってたら、突然殺人事件がおこりビックリ、続いてハリソン・フォードが登場し二度ビックリ。それはともかく、この映画って要するに「風と共に去りぬ」なんですね、いや実際には風と共に去りはしないのですが。強い女性のお話です。そりゃま、アーミッシュの村を舞台にしてることで、文明批判的な文脈で作品が捉えられたりもするかも知れないけれど、それ以上に、村の掟と都会から来た男性との間で揺れ動く、ケリー・マクギリス演じるおっかさんの姿に主眼が置かれてます。彼女を村の掟で縛ろうとする爺さんが暗闇に立つとき、彼女は家の灯を背景に光に包まれながら、それに対峙する。はたまた、彼女にオッパイに睨まれりゃ、さすがのハリソン氏もタジタジになっちゃう。田舎が良いとか都会がダメだとかじゃなくて、彼女の強さと揺らぎ、それがこの作品の魅力。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-12-11 22:52:05)
5.  ケンタッキー・フライド・ムービー
禁断のエロス!! 炸裂するカンフーアクション!! タブーに挑む衝撃の問題作、それが『ケンタッキー・フライド・ムービー』!! まあ、ようするに、そんな映画です。どうか夢のひとときをお過ごし下さい。
9点(2004-11-30 00:17:12)
6.  拳銃の町
馬車に揺られてとある町にやって来たジョン・ウェイン、しかし彼の雇い主はすでに殺されていてーーーという、ちょっぴりミステリ仕立て。映画後半には「部屋の中には射殺体と、銃を手にしたジョン・ウェインただ一人」という、密室もどきのシチュエーションまで登場(窓が全開なので全然密室じゃないけど)。余談だけどこのシーン、昼間なのにジョン・ウェインが窓の外に出る場面だけ夜になってる? もちろん謎解きを主眼にした作品ではなく、理屈っぽさもありません。逆にそういうのを期待しちゃうと、肩透かし。軽いノリで楽しみましょう。やたら揺れる馬車の中の光景も楽しいし、ポーカー勝負の場面などではちょっとした緊張感も。 ジョン・ウェインもまだこの頃はスマートで、銃の達人かと思わせる風貌ながら、実際はなかなか銃を抜かず、いざ抜いても相手を殴るだけ、ってのが、イイしゃないですか。 こういう西部劇のヒーローは、なぜかジイサンにモテる。いや女性にもモテて、気の強いヒロインとの関係がこれまた、見どころ。 彼女のお供として、コワモテのオジサンがいて、このヒトもポイント高かったりします。特に最後、犯人の顛末を、このオジサンを通して間接的に描くのがまた洒落てるじゃないですか。 なかなか気の利いた佳作だと思うのですが、どうでしょうか。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-12-05 14:15:31)
7.  ゲットバック 人質奪還
いかにも三流映画っぽいアクション映画ですが、いや、これが面白いんですホント。四流鑑賞者の私が言うんだから間違いありません。 幼い娘と二人で暮らす主人公、彼らの家にある日、謎の闖入者たちが! って、これが別にナゾでも何でもなくって、早速トホホな展開になりかかるのだけれど、むしろそこから新たなナゾが主人公を襲うんですな。主人公には娘がいるけど、そういや彼の妻はどうしたんだろう、という点もそのナゾに絡んで、徐々に真相が明らかになってくる。アクション主体で観る者を楽しませつつ、あわてず騒がず徐々に真相を明らかにしていくのが、心憎いではありませんか。 アクションの方も、さすが、(知名度は低くとも)動ける俳優は、一味違います。まともにアクションのできない有名俳優を主演にしてカット割りまくり何やってるのかイマイチわからんアクション映画ってのも時々ありますけれど、本作は動けるオトコがしっかり動きまくってみせ、ショットをぶつ切りにすることなく、一連の肉弾戦を「動き」としてしっかり見せてくれます。 何がどう「人質」で、何がどう「奪還」なんだ、という疑問はさておき、「父と娘」というテーマを軸に、格闘また格闘、最後まで物語はスリリングに展開してゆく。 うん、気に入ったよ!
[CS・衛星(吹替)] 8点(2019-11-14 20:44:54)
8.  ゲームの規則 《ネタバレ》 
冒頭のフィガロの結婚の引用からの連想かも知れないけれど、オペラ・ブッファを思わせるような作品です。その連想でいくなら、ジャン・ルノワールの役どころは、狂言回し的なバッソ・ブッフォといったところでしょうか。 場面場面ではちょっとした悲喜劇みたいなものがあって、登場人物たちがさまざまに「重唱」とも言うべきものを奏で、それが映画の見どころ(オペラなら聴きどころ)なんでしょうけれど、全体を通してみると、他愛が無いというか、あまりまとまった筋立てもない印象(間違ってもこれはヴェリズモ・オペラではありませんな)。 ところが、最後まで明るさを通さない、通せないのが、オペラというものと映画というものの違いなのか、それとも本作の本作らしいところと言うべきなのか。最後には悲劇が待っており、しかも何だかそれが、まるで最初から避け難かったものであったかのような感じがして。で、ここで、映画の内容との関係があまりよくわからなかった『ゲームの規則』というタイトルに、思いが至る。みな、自由気ままにふるまっているようで、実はそうではなかったのか。 実は、モーツァルトのオペラも同じようなもんで、「オペラはみんな、こうしたもの」ってなところなのかも知れませぬ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-21 13:50:48)(良:1票)
9.  下宿人(1926) 《ネタバレ》 
連続殺人鬼を扱った一種のサイコ・スリラー。ロンドンに現れた、「アヴェンジャー」を名乗る謎の殺人鬼。被害者は決まって、金髪の女性。と来りゃ、その後のヒッチコックを知る我々にしてみればコレ、犯人はきっと、監督さん自身じゃないの~と思っちゃうのですが。いや実際、きっとそうだと思う。 ともかく本作、サスペンス映画という、物語性の強い作品でありながら、多くの場面で字幕セリフの使用が抑制されていて、しっかりと「見せる」映画になってます。冒頭、女性が悲鳴を上げる顔に始まり、次にはもう死体となっている、という断片的な怪しさ(この描写は中盤でも繰り返される)。そこに現れる、謎の下宿人。その挙動を事細かに描く怪しさ。殺人鬼の正体は果たして彼なのか? 二階を歩き回る姿を、床を透かして階下から眺める、なんていう有名なシーンを始めとした、二重露出のもたらす怪しさ。 まあでも、一番アヤシイのは、クライマックスで主人公が群衆に追い詰められる場面ですかね。この場面、正直、なーんか変です(笑)。しかしここも、セリフを挟むことなく、主人公をいたぶるように、いくつものショットを執拗に連ねていく。 で、唐突に大団円。え~うそ~、まさか、そのまま終わっちゃうの~と思っちゃう我々は、昨今のヘンな映画に毒されてしまってるのかどうなのか。当然のように期待してしまうのは、「事件を通じて、殺人への衝動に目覚めてしまった主人公」というラストなんですが、ねえ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-11-03 03:13:26)
10.  玄海遊侠伝 破れかぶれ
吉田磯吉という破天荒な主人公を、勝新が貫録をもって演じてます。片や大西組、片や太田黒組という二大勢力が幅を利かせる北九州を舞台に、持ち前の男気を武器に存在感を高めていく彼の姿が、雑多ともいえるほどのさまざまなエピソードの中で描かれていきます。最後は、巨大な太田黒組へと決死の戦いを挑む磯吉と仲間たち、まるで集団抗争モノのようでもあり、肺病を患う松方弘樹がドク・ホリデイを連想させてOK牧場の決闘のようでもあり。戦い前に男たちが車座になって手を取り合うのは、むさくるしいながらもどこか同性愛的なものも感じさせ、そこがまた、この後の絶望的な戦いの悲劇を予感させるもんだから、やっぱり集団抗争モノを思い起こさせるのですが……そんなことを思ってみていると、最後には意外な(しかし実は予想されてしかるべき)結末が待っている。破天荒で破れかぶれのこの主人公も、女の一途な想いには、やっぱり勝てないんですな。安田道代が本当に素晴らしい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-21 23:36:18)
11.  月下の銃声
どっちかというと低予算で小品の部類に入る作品だと思うのですが、これが何だか妙に面白い映画なのでした。基本的には、対立するグループがあって、その間に立つヒーローがいて、という図式なのですけれど、思わぬ人同士に思わぬ繋がりがあったりして、それが銃撃戦やら牛の暴走シーンやらを交えながら、徐々に明らかにされていく。その過程が面白いんだね。そしてオハナシはちゃんと勧善懲悪的な方向に落ち着き、最後は一軒家に立てこもっての銃撃戦。もう最高ではないですか。主人公を演じるロバート・ミッチャム、超然としたヒーローかと思いきや(いや実際、そういう役どころだとも思うのだけど)、時にどこかユーモラスな感じを受けるのも、若々しさゆえでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-07 22:06:41)
12.  刑事マディガン
リチャード・ウィドマーク演じる主人公のマディガン刑事。コワモテでまるでギャングのように見える風貌、時には手荒なことも辞さないけれど、「ハミ出し刑事」モノの作品に出てくるような常人離れしたヒーローではなくって、あくまで人間臭い存在。騒動の発端である、拳銃を奪われる顛末も何だか情けないし、しばしば言動にヒトのよさがにじみ出る。何にせよ、悪人に拳銃を奪われてしまったのは彼にとって災難なワケですが、彼に限らず、登場する人それぞれ、何だかうまくいってない。彼の上官として登場するヘンリー・フォンダ、『ワーロック』の頃からすでにウィドマークの手の届かない存在である彼も、色々と問題を抱えている(こちらも善人とも悪人とも言い難く、人間臭い)。この二人の物語がそれぞれ並行して語られていく中で、思わぬところで二人がバッタリ顔を合わせる、いや別にココで喧嘩が始まる訳でも何でもなく、どうという展開にもならないのだけど、ドキリとするシーンです。というワケで、倦怠感を伴う人間臭いドラマの果てに、突如、すべてをナギ払うような銃撃戦のクライマックスがやってくる。このインパクトが凄いんだ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-17 22:52:02)
13.  汚れなき悪戯
子供ってのは、天使の顔をした悪魔な訳で、マルセリーノ君も見事にロクなことしません。そのマルセリーノ君が、修道院の2階にひっそりと打ち捨てられているようなイエス像と、心を通わす。ここで、マルセリーノ君は、イエス様にパンや葡萄酒をせっせと持っていくのだけど、これらを盗んで持っていくのだから困ったもの、自分の食べる分を節約して持っていくのだったら美談なんだけど、とか思っちゃうのが日本人の正直な感想ではないですかね? しかし勿論、(特に最後まで)観ればわかるように、そんな単純なエエ話を描いた作品じゃないし、信心を通じて現世的ご利益を得る教訓噺でもない。ただ、どうしようもないくらいに無垢で美しくてはかないものを、そっと描いた作品ですね。こういう、小さな奇跡。まあ一人の子供が生まれてくること自体が、ひとつの奇跡なんですけれども。それがだんだん、天使の顔をした悪魔になり(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-05-11 15:43:37)
14.  拳銃無頼帖 流れ者の群れ 《ネタバレ》 
抗争の末、壊滅状態となった丸千組。麻島(アキラです)をはじめとする生き残り3人組に、追手が迫る。その追手というのが、これまた愉快な3人組①暗闇の銀次郎(錠です。暗闇でも百発百中の切れ者)、②青大将、③金メダル。名前の由来は①以外はよくわかりませんが、観ればなるほど、そんな通称で通ってそうな気がしてきます。丸千組の3人は、アキラはもちろんクールでニヒルでダンディ、言う事なしですが(笑)、あとの二人はどうも緊張感がない。それに比べると追手の3人組の、見事にキャラ立ちしていることといったら……いや、それほどでもないですね。まず③金メダルの泣きが入り、②青大将も冷酷になり切れず、肝心の①宍戸錠にいたっては、したり顔でゴタクを並べまくった挙句、ラストでは麻島側にちゃっかり寝返ってしまう。まるで、続編にも登場してやるぜ、と言わんばかり(多分、続編は作られなかったと思うのですが)。これだけナイスな敵役あるいはライバルのキャラクターを登場させておきながら、映画の最後までそのナイスさをまったく維持できないとは、いったいどういう了見なんでござんしょ。それを除けば、実にスバラシい作品だと思うんですけどね。「それを除くと」というすなわち、アキラ演じる麻島の兄貴の魅力に尽きる訳ですが。クールでニヒルでダンディ(しつこいってか)。単細胞の子分ふたりを巧みにいなすだけではなく、我々の目も巧みにかわし、なぜか本当になぜなのか、突然、板前と化してしまう麻島の兄貴。訳わからんけど、イナセでカッコイイから、OKなのです。アキラの魅力爆発、それに比べると、宍戸錠、ホントになんとかならんのかい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-16 19:38:22)
15.  刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
これはもう、若き日のスピルバーグの野心、というものを味わえばそれだけでも十分に楽しめちゃう作品でして。ビルの窓から見降ろす光景から室内の光景へ、という、めまいがするような冒頭シーンから、気分はもうヒッチコック。細かくカットを割ってみたり、長廻しやってみたり、人物配置にこだわってみたり。いっそ本作を観るにあたっては、ストーリーを気にせず、犯人が誰かも気にせず(これは明白なので気にする必要は無いけど)、カット割りとか、背景の窓外の光景とかを見ているだけでも、愉しかったりしちゃいます(時間や予算がもっとあれば、照明技術なんかももっと良くなったのでしょうが)。では内容に関してはつまらないのか(私はどうもこのシリーズが苦手なのです)、というと、いや、本作、ミステリとしてもなかなか面白い。脚本にも恵まれたんじゃないですかね。連続殺人モノで、しかもその二重殺人がちょっとシャレたラストに効いてる、というのが心憎い。犯人は例によって脇が甘く、犯行は発覚するべくして発覚したという印象はありますが(まあ短い作品ですし)、トボけた味わいのコロンボが(室内でもコートを脱がず、コート着たまま料理なんぞしてる)、チクチクと犯人の痛いところを突きつつ、最後に猛然と犯人を名指しし対決していく過程、実にスリリングな仕上がりで、「もしかしてコロンボシリーズって、本当は面白いのか?」とか、つい思っちゃうところでした(いや、実際、面白いのかも知れませんが・・・苦手なもんで)。
[地上波(吹替)] 8点(2011-12-06 23:12:43)
16.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 
ふと思ったのですが、本作の前年に作られた『わらの犬』も、“妻を守り切れなかった男”の物語でしたね。本作にもまた、“妻を守り切れなかった”二人の男が登場します。『わらの犬』では他の事件が契機となってダメ男が暴走したのに対し、本作では二人とも、決して暴走することもなく、妻の過去に悶々とするばかり。そのうちの一人である、マックィーン演じる主人公の巻き起こすアクションが、本作の中心ではあるのですが、それはあくまで生き延びるための手段であって、あくまで沈着冷静。破壊衝動などによるものでは無く、よって気持ちの整理もつかない。それが、様々な危機を乗り越えていく中で、隠れたゴミ箱の中からゴミ収集車に放り込まれ、ゴミまみれになってみて、何かようやく懊悩をツキぬけたような。で、ラスト、ヒーローは栄光に包まれるでもなく、ドハデに死を迎えるでもなく、ただ静かに去っていく。寂しい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 23:26:23)
17.  ケイン号の叛乱 《ネタバレ》 
これはどういうオハナシかと言いますと、暢気な部長と暢気に楽しく仕事ができる職場でヨカッタな~、と思ってたら、突然部長が変わり、これがとんでもないクソオヤジで、ちっとも会社が楽しくなくなっちゃった。しかも、「今の会社があるのは、あの新しい部長が昔頑張ったお陰なんだぞ、わかっとるのか」とか説教されても、正直、カンベンして下さい(笑)。という作品でして、あくまで劇中の事として他人事として観るならば、いやーなかなか深い内容でありました(笑)。多彩な登場人物、艦上でのマスゲーム的な兵士の動き、嵐の描写など、様々な見せ場を交えつつ、スリリングな法廷劇へと進んでいく面白さ。そしてラストでは、映画を勧善懲悪的に楽しんでいた我々に冷水を浴びせかけるように、意外な方向に向けられる矛先。あえて憎まれ役にハンフリー・ボガートを起用したあたり、彼のちょっと不器用そうな「ただのオッチャン」的な感じが、ラストにおいて(つまり彼が姿を消してから)絶大な効果を上げているように思えます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-18 23:16:28)
18.  消されたヘッドライン
ミステリとして、とっても楽しめる作品でした。面白い。と言っても不可能犯罪が出てくるのかというとそういう訳ではなくて、意外な真相とやらがあるのかというとまあこれはあると言えばあるんだろうけど(エチケットとしてこれ以上は言いにくい)、それが魅力というよりも・・・事件自体の謎と、人間関係との絡み合いのオモシロさ、これが魅力ですかね。人間関係、そこには友情もあれば、タテマエもあり、はたまた自分の個人的な感情や思惑なんかもあるんだけど、その背景には当然のごとく、裏切りが飛び交う構図。とまあ、何とも奥歯にモノが挟まったような言い方になっちゃうんですけど。そういうドラマの展開の中で、ラッセル・クロウのクセモノっぽさ、ヤな感じがよく出てます(多分、本当にヤな人なんでしょうけど)。何人もの命が奪われた末に明らかにされた真相は、記事となり、大量の安物の紙に印刷されて世間へ解き放される。大勢の人々にナナメ読みされた後は、すぐに捨てられ、明日は明日で別の記事が掲載された新聞紙が撒き散らされるのです。ってな感じの、これまたヤな終わり方でした。という訳で、ヤな感じの面白い映画でした。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-17 23:38:42)(良:1票)
19.  ケープ・フィアー
『恐怖の岬』のリメイク、それも「コレ、リメイクでっせ!」と強調せんばかりに、元作品の俳優を出してみたり、テーマ曲を流用してみたり。そこまで強調するからには、逆に、何か後ろめたいことがあるんだよ、きっと(笑)。というのも、主要登場人物たちがそれぞれ、まるで各自で勝手に台本を書いて、各自勝手に役作りをしてしまったかのような、ハチャメチャさ。いわば学芸会のノリ、ですな。特にデニーロは、もう誰にも止められない。個性とかいうレベルを超え、しまいにゃカメラに体当たり(?)する傍若無人ぶり。リメイクだもん、やっぱり羽目を外さなきゃあ、存在価値が無くなるよね。元作品以上に屈折した主人公のキャラも、イマドキっぽいアレンジ。犯人に狙われる主人公の娘、元作品ではいかにも少女っぽくて(嘘。結構オバチャンっぽい)ハラハラさせられるが、コチラは正反対の色気ブリブリで(嘘。サービス不足)、イマドキっぽいハラハラ感。意図したようなチグハグさや、突っ込みポイント(とは言え、突っ込んでしまうと製作者の思う壺にハマりそうなポイント)が、全体にちりばめられており、その迷走ぶりこそがこの映画の楽しさ、でもありますね。
[試写会(字幕)] 8点(2008-08-17 17:08:39)
20.  現金に体を張れ
ドキュメンタリーのごとく淡々と語られるナレーションと、そこで強調される時間軸。クライマックスに向け、場面転換の目が詰まってくるとともに、その絶対的なはずの時間軸が揺らぎ、時間と視点がさまざまに入れ替わる。まさに緊迫感、バツグン! でありながら、何とも虚無的でドライ。その一方、室内シーンにおける、電灯の光、窓からの光(そしてカーテンの揺れ)、これらも印象的であります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-07-15 17:07:22)
030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.32%
663116.30%
7122231.56%
888622.88%
93749.66%
101012.61%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS