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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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21.  原子怪獣現わる 《ネタバレ》 
レイ・ブラッドベリの短編「霧笛」をもとにした映画とのことで一応それも読んでみると、劇中では灯台のエピソードに化けていたようである(形だけだが)。全体として「ゴジラ」(1954)の元ネタになっているというのはその通りかも知れないが、北極圏から出現するとか灯台を襲うところなどは「ガメラ」(1965)でも真似しているように見えた。 そういう面で歴史的意味はあるのだろうが、しかしこの映画自体にはどうにも褒める材料がないので困る。定評のある特撮部分を除けばほとんど取り柄のない映画であって、これに比べれば「ゴジラ」などは特撮技術とメッセージ性の両面で全く新しいものを創造したというくらいに言ってしまっていいのではないかという気がする。 まず苦情を言いたくなるのは、全編の3/4程度は怪獣がほとんど出ないので人間を見ているしかないわけだが、その間のドラマ部分が非常にかったるいことである。精神病扱いされてまでモンスターにこだわる主人公の気が知れず、どうせそのうちニューヨークに出るのだから放っておけばいいだろうと言いたくなる。ちなみにタコをサメに食わせる水族館映像をしつこく見せられるのもつらい。 やっと怪獣が上陸してからはそれなりに見ごたえがあるが、しかしその怪獣が人間にとって致命的な病気をばらまくという展開は唐突で変である(ちなみに日本語字幕で「細菌」「病原菌」と出るのは不正確で、また「分子」は明らかに誤り)。その必然性がどこにあったかというと、当時の科学の最先端だった放射線でなければ除去できなさそうな感じの危険な性質を怪獣に付与しようとしたかったようで、要は人類の未来を担う核技術バンザイと言いたかったらしい。しかしそういう強力な放射線を使うには作業着のようなものを着れば安全だと思ったのか、また怪獣が死んだ後でも死体に残った放射性物質の危険性は変わらないという意識があったのかは不明である。そもそも主人公は最初から身辺が放射能だらけのように言っていて、とても長生きできそうにない男であるから、ヒロインは早目に別れてしまって生涯の伴侶を別に求めた方がいいだろう。 そういうことで、古い映画をわざわざ見ておいてけなすのは大人気ないと思うが、ここは見た通りの点数をつけておく。ちなみに映像表現としては、高圧電線に触れた時の光の明滅と、怪獣が火のついた構造物を跳ね上げたところが印象的だった。
[DVD(字幕)] 4点(2016-09-17 19:59:32)
22.  ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 《ネタバレ》 
銭形雷役の小出早織(当時)に関して、当方が期待していたものが何も得られない。TV版DVDのPR映像の方がさまざまな表情が見られてよほど楽しい。またこの人の歌うテーマ曲のPV(約3分)が、映画本体(102分)の価値よりはるかに優っているという呆れた状況だった。もう一人、夏帆に関しても標準ベースそのままのようでこの映画ならではの魅力が生じていない。これでは何のための劇場版かわからない。おれは怒った。最低の映画だ。
[DVD(邦画)] 1点(2016-06-09 23:26:55)
23.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 《ネタバレ》 
4人姉妹のうち長女は出ていないが、3人だけでも十分に超豪華キャストという感じである。3人並んでみると、この時点で夏帆が一番背が高いことがわかる。だから何だというわけでもないが、3人並んだことで初めて目に見える事実ということだ。 ○夏帆がひたすら可憐である。「レレレ?」の表情もいいが「Q.E.D.」の時の口つきなどは見事だった。銭形零はカメが好き、という設定があったのかどうかわからないが、「もっとおっきな空飛ぶカメが好き」という台詞があったのは、この映画の公開と同年の「小さき勇者たち/ガメラ」(2006)のPRだったものか。 ○堀北真希は何といっても「世界のダンス」が見どころである。難度としては後になるほど高いのだろうが、個人的印象では最初のアイリッシュダンスが非常に可愛らしい。これには参りました。 ○黒川芽以はそういう意味での見どころが少ないが、「謎は解けたよワトソン君」のところで可愛くアピールしているのはよかった。この頃は顔がふっくらして愛らしい。 およそ以上のような映画だった。これで5点つける。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-09 23:26:52)
24.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
ゴジラ系列に属しない正統派の昭和怪獣特撮である。地味だが真面目に見ればそれなりの味わいがある。 題名の怪獣3匹が同時に大暴れするわけではなく、最初にイカ、次にカニを人間が退治して、最後にカニ(二代目)とカメをまとめて現地在住のコウモリが撃退したので計4匹が出ていたことになる。最後が火山ネタというのは日本特撮伝統の安易なクライマックスだが、南洋の火山島には噴火が付き物だといえなくはない。 出ていた怪獣は全て現地の生物が巨大化しただけのものらしく、これを普通の人間が銃や爆発物などで攻撃していたのは新鮮な印象だった。これなら旧日本軍が組織的に当たれば対抗できた感じである。最初の攻撃のとき、現地住民が旧日本軍の武器を持って来て日本人に渡していたのは、こういう場合は日本人が率先して戦うはず、と思い込んでいたようで可笑しかったが、その後は現地住民もその気になって一緒に戦っていたようである。 なお現地住民によればイカ怪獣は人の心がわかるとのことで、実際に島から逃げようとした者を目がけて襲ったような場面もある。これはその後の逃げられない恐怖感を予想させなくもなかったが、実際はそういう展開でもなかったのは残念だった。また元凶になった宇宙生物の設定は、個人的に嫌いな映画「吸××ゴ××××」(名前を書きたくない)を思わせるので好きになれない。  ところでキャストに関して、特撮ファンとしては現地住民役の小林夕岐子さんが見どころなのかも知れないが、実際はただいるだけのようであまり活躍していない。しかしこの人が突然現れて「わたし、結婚します」と宣言したところは驚愕の展開だった。また今回ヒロイン役の高橋厚子さんは特撮関係ではあまり見ない人で、明らかに美形とはいえないが昭和的に可愛らしいので和む。この人の“乙女の涙”が悪人の心を動かすのは感動的だったといえなくもない。 ほかにも東宝特撮おなじみのキャストが多いので安心する。もう佐原健二氏の悪人役も定着してきた感がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-14 20:08:34)
25.  劇場版 幼獣マメシバ 望郷篇 《ネタバレ》 
TVもこれ以外の劇場版も見ていないので基本的知識が全くないが、非常に変なものを見てしまったという印象だった。 まずは主人公の人物像にはかなり抵抗感がある。こんなのが主人公で大丈夫かと思うわけだが、話を聞いていると語彙が豊富で表現も的確であり、どうも頭の回転は速い人物らしい。遠慮がない代わりに他人の言うことも率直に受け止める裏表のなさは好印象である。 また今回の舞台は隔絶された離島ということになっており、主人公が来るのも出るのも路線バスだったのは変ではないか(撮影は三浦半島)と思うが、背景音楽を局限して環境音を多用した静穏な空間が表現されており、現世を離れた奇妙でファンタジックな劇中世界ができていた。  ところで物語としては何が言いたいのかよくわからない。主人公が訪ねた男は引きこもりから一応脱却したようだったが、その後も無理をせずにこの村とともに生きることにしたらしく、これは「やれることだけ、やります」の実践例ということか。 しかしその村自体が選挙の結果、今後とも引きこもりを続ける(やがて滅ぶ)ことを選択したのはまことに非常識である。最後に変な歌手を招いて局所的に盛り上がっていたのも高齢者施設の慰問のようにしか見えない。「日本沈没」の「何もせんほうがええ」と同じとすれば一つの見識とも取れるが、本来は個々人の問題である「引きこもり」を、無理に地域社会レベルまでスケールアップしようとして変なことになった印象もある。まあシリーズ全体の事情がわかっているわけでもないので、とりあえず変な映画だったということで終わりにしておく。  なお、救済の女神のようにして出る謎の美女(と美少女の中間くらい)は劇中唯一の潤いに見えたが、この人が巫女の格好をして神酒を持っていたのは結局意味不明だった。ちなみにこの女優は当時19歳くらいなので、いきなり結婚などというのは早すぎる、とお父さんじみたことを言いたくなる。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:13)
26.  劇場版 仮面ティーチャー 《ネタバレ》 
マンガ・TVとも見ていないのでよくわからないが、どうも仮面ライダーのパロディのようなものらしい。ただの人が仮面を被るだけなので外見的には貧弱だが、ヒーローものらしくアクションには力が入っていたようである。また学校内の暴力ということで深刻な内容なのかと身構えて見たわけだが、実際はコメディ要素がかなり含まれていたようで、仏頂面の男どもが失笑ギャグを演じる場面があったりもする。他の映画などでは普通に美少女なり美女なりをやっている竹富聖花さんが、美少女のままコメディエンヌに挑戦しているのも微笑ましい。 今回は劇場版ということで主人公の原点が明らかになるのと、その正体が周囲(特にヒロイン)に知られてしまうという変身ヒーロー最大の盛り上がり部分をまとめた形になっているようだった。  出演者のうち上記の竹富聖花さんはレギュラーだったようだが、今回ゲスト出演の北山詩織という人は他の映画でも見たことがあり、相変わらず長身で細身で顔が小さく泣き顔が可愛らしい。また後の「暗殺教室」でヒロイン役になった山本舞香という人も本来はレギュラーだろうが、ほとんど顔が見えなかったのは編集段階で落ちたということか。ほかにも本編で使わずに終わった箇所が多かったようで、竹富聖花さんの「焼きそば教室」の件などは本編になく、またエンドクレジットに役名付きで出ていながら所在不明の人がいたりするのも残念だった。 そのほか男の登場人物には基本的に関心がないわけだが、ジャニーズ系以外でいえば「ひぐらしのなく頃に」(2007)で主人公(バカ)役だった前田公輝が逞しい感じでなかなか頼もしく見えた。ほか遠藤憲一氏も相変わらずの大活躍でお疲れ様である。  なお本来のテーマと思われる教育の問題についても意外に真面目なことを言っていたようだが、主人公の身体的な強さということが前提条件になる以上、これが現実の教育論としてそのまま通用することはないだろう。ただし熱血先生の学園ドラマとしては特に異論はなく、終盤の展開などはベタだが少し感動的だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:10)
27.  劇場版 零~ゼロ~ 《ネタバレ》 
ゲームが「原案」、小説版が「原作」であり、この映画は小説の方をもとにしている。原作小説の内容はゲームとかなり違っているようだが、これについては原作者が「あとがき」でちゃんと言い訳している(誰も読まないだろうが)。  映画化に当たっては小説の内容を若干簡略化し、結果として超自然的要素が減少してサスペンス風味が目立つ形になっている。それにしても、あまり長くない映画の割に謎解き部分が込み入りすぎに感じる。全体としては恐らく“呪いをといて、大人になる”というような感じのことが重要なのだろうから(正直よくわからないが)、そこに集中してほかはシンプルにしてもよかったのではないか(個人的には男の登場人物は不要)。 しかし個別の映像表現とか背景音楽の合わせ方は好印象で、問題の美少女が教室内に現れた場面や、聖堂での降臨場面は特に見どころだったかと思う。また映画のために作ったという劇中歌も非常に印象深く、最初の独唱と最後の合唱で曲の印象が違って聞こえるのもいいが、最後の歌がメリーさんの祈りに重なって、その後の巣立ちの場面につながっていくのは少し感動的だった。 この映画を見たのは基本的に男が多かったのだろうが、監督としては普段ホラーを見ないような女の子にも見てもらえるようにしたかったとのことで、ホラーながらもほとんど怖くはなく男目線のエロチックな場面もほぼ皆無であるから、ぜひ女子の皆さんにも見ていただければと思う。  ところで、男子の立場としてはどうしても美少女が多数出演という点を評価してしまうわけだが、文字通りの美少女なのは主演の人くらいで、ほかは単純な美少女という言葉で括れない個性的な面々が揃っている。ミチ役の独特の存在感は当然として、キャスト配列順では下の方にいるカスミ役が意外に目立っていたのも個人的には嬉しい。地味な服装で引き立てられた形の劇中少女の表情には目を引かれるものがあった。 ほかにメリーさんのすっぴん顔(すっぴんに見えるメイク?)は、暗闇の中に美少女の顔が浮かぶ場面と同じくらい衝撃的だった。美形女優といえども美少女にはかなわないという意味?かも知れないが、この女優本人はメリーさんの扮装を喜々としてやっていたとのことで他人事ながら喜ばしい。ほか美保純という人が意外な役柄で、あらかじめ知っていても本人には見えなかった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-04-29 08:34:08)
28.  拳銃と目玉焼 《ネタバレ》 
ビデオ撮影業を本業としている監督(安田淳一)が徒手空拳で作ったような自主製作映画で、題名からすると格調高い文芸映画のようだが全くそうではない。効率性度外視でこだわって作っただけあって非常にまともなエンターテインメントになっており、素人映画だからと割り引いて見る必要は特に感じない。 内容としては触れ込みどおりの正統派のヒーロー物で、かなり昔の仮面ライダーを意識しているらしい(口が出ているのでライダーマンだが)。正義の味方をオトナの世界でやるとこうなる、というのをまともに見せた感じになっており、結末は文句なしに感動的である。純粋な正義の味方など現実には存在しえず、真の動機は別にある、といった話になっているのも大人向け仕様だが、決して見返りを求めないことだけはヒーローとして外してならない条件である。 ただ一つ苦情をいえば、ラストの後日談はやりすぎである。今回のことは今回の条件のもとでたまたま成り立った奇跡のような話であって、このまま続けてしまえばボロが出るだろうし(すでに出かけている)、また性犯罪対策専門のヒーローになってしまうのも変だろうが、まあ後で恥ずかしい思いをすることにならないよう、ほどほどにやってもらいたい。  ところで出演者はちゃんとした役者に依頼したらしく安心して見ていられる。主人公は完璧な中年男だが黙っていればそれなりに見え、シャイで口下手なところは健さんのようでもある。またこの映画の最大の見どころになっているのがヒロイン【演・沙倉ゆうの】であって、つらい境遇に耐えながらも真心と優しさを失わない女性像がたまらない。外見的にも可憐で可愛らしく、やはりヒーロー物はこういうところで手を抜いてはならないと思わせるものがある。このヒロインと彼氏の若い男(演・矢口恭平)がベッドでキスする場面があったのは憎たらしいが(編集で落ちた)、まあ悪い奴ではなかったようなので許してやる。 なおこの監督が立ち上げた「未来映画社」は次回作となる劇場公開映画「ごはん」を制作中であり、今回のヒロイン役【再掲:沙倉ゆうの】が一転して米づくり農家の主人公を演じるとのことで期待している。現時点での公開予定はよくわからないが、少なくとも予告編はできているので完成するものと信じて待ちたい。
[DVD(邦画)] 8点(2016-01-10 15:17:17)
29.  劇場版 仮面ライダーW ビギンズ・ナイト 《ネタバレ》 
事情がよくわからないが、もともと「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」という一本の映画だったものが、ここでは「仮面ライダーディケイド 完結篇」と「劇場版 仮面ライダーW ビギンズ・ナイト」の2つに分けて登録されているらしい。そうすると最後の「MOVIE大戦2010」はどう扱えばいいのかわからなくなるが、とりあえず両方に属するものとして考えておく(そうしないと話がつながらない)。 「仮面ライダーW」に関しては、TV版を見たことはないが雰囲気はだいたいわかっている。本来は園咲若菜という人物に関心があったのだがこの映画ではほとんど出ておらず、代わりにヒロインが面白カワイイので満足である。また今回の依頼者は「デビルマン」(2004)で強い印象を残す少女役(渋谷飛鳥)だったが、まあしばらく見ない間にすっかりきれいになって、という感じで大変結構だった。 そのほか主人公の男2人も意外に好人物であり、ストーリーもまともなお話ができていて面白い。「ビギンズナイト」で主人公(年長)は悔恨の思いをまっすぐに受け止める決心をしたのだったが、「MOVIE大戦2010」ではそのご褒美のように再会の場面が設定されており、ここでの帽子のエピソードは泣かせるものがある。この出会いはディケイド側から並行世界の観念が導入されたことで可能になったのだろうから、少なくともW側にとっては、このわけのわからない第3部の存在意義は大きいものと思われる(勘違いならすいません)。 劇場版としてのグレードアップがどの程度あったのかはわからないが、これならTV版もけっこう面白かっただろうと思わせる映画だった。
[DVD(邦画)] 6点(2014-07-24 20:24:54)
30.  原子人間 《ネタバレ》 
最初から好意的に見ようとはしていたのだが、残念ながらその好意を持続できなかった。いきなり冒頭の男女の行動からして呆れてしまい、夜間に屋外でライトをつけてまでやることかと問いたくなる。またロケット内部の造形が貧弱なのは仕方ないとしても、本体が頭から地表に突っ込んでいるのに内部は横倒しのように見えるのはさすがに変だと思われる。 一方でストーリー自体は堅実な感じだが、進行がのろいのでかったるい。問題の生物に関しては、中盤までは人型だったのに動物園以降はナメクジのようだったらしく(移動跡がそのように見える)、さらに最後は結局タコになっていたのはかなり唐突に思われた。いろいろ事情はあるにしても観客が変化の過程をイメージできないのは困ったことであり、映画ではそのために縮小版としてネズミ入りのケースを見せたということだろうが、それでも納得はしかねるものがあった。また映画自体のせいではないが、邦題も結果として意味不明に終わっている。 そういうことでSF的な見方からすればあまりほめるところはないが、劇中で微妙にユーモラスな場面があって、羽目を外さない範囲で笑わせていたのは趣味がいい。また教授の人物像についてはTVシリーズで確立していたのだろうが、人命の犠牲にも頓着なく科学の発展のため邁進する不屈の男、というキャラクターは斬新に思われる。
[DVD(字幕)] 4点(2014-05-03 18:56:12)
31.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 《ネタバレ》 
前作(前後編)を支持した人々のうち、劇中世界の苛酷さを含めて受け入れた人々と、実はゆるい魔法少女世界の方を望む人々の割合がどの程度だったかはわからないが、しかし自分も一応のファンであるから、序盤でマミさんが入浴後の姿で登場し、鼻歌で「マミさんのテーマ」(Credens justitiam)を歌うところや、その後の5人勢ぞろいを見ているとやはり心なごむものがある。 当然そういうノリのまま最後まで行くはずもなく、やがて徐々に日常空間が異化していく過程も評価できるが、終盤の戦いではまたマミさんが超豪華版「ティロ・フィナーレ」を披露したり、さやかと杏子の友情が強調されたりするのが感動を誘う。まどかも含めこの場面ではみんな本当にかっこいい。ほか何気に「委員長の魔女」(の使い魔)が来援していたのも嬉しく感じられた。  ところで台詞を聞く限り、ほむらが改編した世界はそれなりに合理的に運営されているようで(呪いは全部インキュベーターに押し付けたらしい)、それでみんなが幸せなら何が悪いのか、というのも間違いない。しかし問題は、この都合の良すぎる世界が外の世界、つまりわれわれのいる現実世界と全くつながっていないことである。前作(前後編)では、悪も絶望も現世から絶対に除去できないことを当然の前提(いわば摂理)とし、これとあくまで戦うことの尊さを説いていたためアニメファンでなくとも共感を寄せられたわけだが、しかし新編では架空の理想世界として完成されたためこのアニメ限定で閉じてしまい、現世に生きるわれわれからはかえって遠ざかってしまっている。 これは個人的には歓迎できない結末だが、劇中でもこういう世界への疑問が最後まで残されていたことはわずかな望みなのかも知れない。前半ではほむらでさえも偽りの世界に反発していたが、終盤になるとまどかの存在が現実世界のわれわれとつながる最後のよすがになっていたように思われる。この新編が誰に奉仕しようとするものだったか現時点では判断できないが、まどか本来の姿に対する共感を失うべきではない、というのは制作側の残しておいたエクスキューズと取れなくもない。  なお自分としては、この新編で終わりになるのは納得できないが、際限なく続編を作り続けることも望まない。かえって初めから新編などなかった方がよかったのではという気もするが、評点はとりあえず“普通に面白い大作アニメ”の標準点としておく。
[DVD(邦画)] 6点(2014-04-21 21:55:43)
32.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語 《ネタバレ》 
前編では「人助け」という目的意識の持ち方がいったん否定されたようだったが、この後編で魔女退治が魔獣退治に変化した時点ではそれが復活し、やっと魔法少女が本来の「正義の味方」として働ける時が来たように見えている。敗北(死)の恐れもあるのは依然としてシビアな世界であり、また前編で提示されていた問題も解決されたようには見えないが、少なくとも彼女らが希望を持って前向きに、正しいことを求める姿勢でいられることは保証されている。さらに杏子が望んだような「最後に愛と勇気が勝つストーリー」も期待できなくはないのであり、これはこれで極めて現実的なハッピーエンドと受け取れる。  ところで解説本で、まどか役の声優が“まどかが救ったのは魔法少女だけ”と言っていたのを見て少し驚いた。そもそも魔法少女を救うこと自体が人助けに専念させるためだろうし、また本来この手のお話は視聴者を主人公に同一化させ、“自分もこうありたい”と願うよう仕向けるものだったはずで、このアニメも魔法少女ではなく普通の人間が見るのだから、ここは普通の人間向けに拡大解釈すべきところだろう。 劇中では「(まどかは)いつだって正しくあろうとして頑張ってる。子どもとしてはもう合格だ」という台詞があったが、正しくあろうとしないのが大人というわけでもない。たとえ現実に裏切られても希望を捨てず、生きている限り正しくあろうとするのが人の道であり、それが決して絶望で報われることのないよう、まどかはこの宇宙に遍在して人々を見守ってくれている。その恩恵を受けるのは、劇中世界では魔法少女限定なのかも知れないが、われわれのいる現実世界では魔法少女が存在しない代わりに、希望を捨てず正しいものを志向する全ての人にその資格があると解される。この映画からは“まどかがいつもお前らを見ている、恥ずかしくないように生きろ”というメッセージが感じられ、そう思ってこそ一介の少女が人であることを棄てて神になったことの意味が心に染みるというものである。  なおこの前後編の範囲では、「希望」の求める内容が主に「人助け」だったように見えているが、それは魔法少女というものが本質的に「正義の味方」であるとの前提だからと思われる。しかし同じく「希望」でも「自分自身の(ための)祈り」は必ずしも満たされていないところがあったようで、これが次回に持ち越しになったのかも知れない。
[DVD(邦画)] 9点(2014-04-21 21:55:39)
33.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 《ネタバレ》 
いたいけな少女をシビアな環境に置くという趣向自体は珍しくないのだろうが、このアニメでは劇中世界そのものの苛酷さが半端でない。エンディングでは不安をかき立てるテーマ曲をバックに女の子走りをする少女の姿が痛々しく、劇場版ではこれが前編の最後に1回だけだが、TV版では3話以降これが何度も繰り返されるので心の痛みが次第に増していき、続けて次回を見なければ済まない気にさせられた(劇場版の話ではないが)。  ところで劇場版ではマミさんが魔法少女になった経緯が出ていないのはなぜか不明だが、彼女としてはとりあえず現状を肯定するため「人助け」を当面の目的扱いしていたように見えている。しかし、まどか・さやかがこの点に共鳴したのは入口として明らかに間違っていたらしく、これはマミさんのかなり意図的なミスリードに思われる。その後の展開は、広い意味でのヒーロー物が前提としていた古典的で素朴な「正義の味方」像に対し、現実的で冷淡な認識を容赦なく執拗に突きつけていたように見える。 またこのアニメ独自の問題提起になっているのが希望と絶望の問題である。現実に裏切られたことで当初の希望が反転し、現に希望をもって何かを目指す者を冷笑する人物に変わってしまうのは実社会でも起こりうることだが、さらに劇中では希望が必ず絶望で報われるとまで言い切ることで、登場人物をとりまく世界の救いのなさを印象づけていた。希望と絶望の総和がゼロというのが正しいかはわからないが、これはこれでわれわれのいる現実世界の実態を端的に表現したものと感じられる。 以上、この前編の範囲で見ていると、かつての子どもが現世への失望を経てオトナになり、一度は憧れた「正義の味方」を貶めて格好つけて見せただけのようにも取れる。しかし一方では世評の高い「結界」の表現など、やはりただならぬアニメと感じさせるものはあり、途中経過としてもある程度の点数は付けておかなければならない気になる。  なお後編が字数制限にかかるのでここに書いておくが、個別の魔女退治の場面で特に強烈な印象を残したのは、何といっても青空にひるがえるセーラー服だった。ここでは得体の知れないものへの警戒感と爆笑の衝動が一緒に襲って来る。
[DVD(邦画)] 7点(2014-04-21 21:55:35)
34.  劇場版 フランダースの犬 《ネタバレ》 
そもそもこの話が本国で知られていなかった理由として、要は外国人作家がアントウェルペンの街を悪く書いていることに反発があり、地元で翻訳が出なかったからだとする論考を読んだことがある。それはわかるが、だからといってそれだけで無情なベルギー社会のイメージが好転するわけでもない。こんな情けない奴は死んで当然、というのが向こうの常識だそうだが、その割に観光客が多ければ客寄せの銅像だの記念碑だの建てるというのではますます現地の印象が悪化する。金を持っていれば異教徒でも絵を見せるのだろうし。 そのように嫌味を書きたくなるのも、このお話を見た後のやり切れなさを何かへの攻撃に転化しなければ気が済まないからだが、そういう者がいると知ってか知らずか、この映画ではエンディングで地元の政府・行政機関の名前が目立つようにクレジットされているので渋い顔にならざるを得ない。  ところで内容の方は皆さんご存知のとおりであり、自分としては初めから先が見えているので、前半部分で今は春と言っているのを聞けばクリスマスの悲劇を思って心に痛みを感じるし、また中盤で隣家の婦人が転居する場面では寒々とした風景も相まって、主人公の周囲から暖かさが失われていく予感がひしひしと寄せて来る。結局はマリア様も全ての人を救えるわけではなく、せめて死ぬ時になって祝福が得られただけでも幸せに思えということなのだろう。どうせ世の中そんなものだということだ(泣)。 それからこのお話では、少年に対する少女の思いの中に絵の才能への敬意も含まれているように感じられる。原作を読むと、コンクールへの応募は貧富の差をなくするために鉛筆画か木炭画が条件になっていて、この映画のように資産家の子弟が有利に決まっているというわけでもなかったらしい。今の目であらためて見れば少女の父親がどういう立場なのかもある程度わかり、芸術家としての才能が認められさえすれば越えられない身分差があったわけでもないと思われるのが悔しい。  なお最初と最後の修道女に関して、DVDのチャプター12の名前が「そして20年後」と書いてあったのは驚いた。もうそんな歳(9+20)になってしまって、一生そのままでいるつもりなのか。いつもそばにいる、とか思い込んでいたようだが、ネロもパトラッシュもおじいさんも、彼女の世間並みのしあわせを望んでいるのではないのか。本当にそれでいいのか。
[DVD(邦画)] 6点(2014-02-17 23:32:32)(良:1票)
35.  劇場版 忍風戦隊ハリケンジャー シュシュッとTHE MOVIE 《ネタバレ》 
長澤奈央という人が一番若かった頃にどんなことをしていたか見るのが鑑賞目的だったが、この映画では変身後の場面が多いため女優の顔があまり見られない。そういう目的で見るのは間違っていたらしく、本編よりもDVD特典でしゃべるのを見ている方がまだましである。その一方で、外人名前ながら日本人好みの可愛らしい丸顔のお姫さまが出ていたのはよかったかも知れない。この人が拉致されたときはケダモノどもに凌辱されてしまうのではと心配になったが、戦隊モノなのでそういう展開ではないのだった。最後の「見送り大儀!」という台詞はかわいすぎて笑ってしまう。 そのほかの登場人物としては、西田健氏が顔出しで出ているのは劇場版での特別の趣向だったらしく、昔の面影を残しているのが懐かしい。またこの人の娘役で、なぜか関西方面の人も出ていたが、この人も本当に可笑しい役者だと思う。   それで本編は何といっても29:56の長さしかないのが拍子抜けで、TV放送の一本分とほとんど違わず、これで劇場版というのもどうかと思う。併映の仮面ライダーは78分とのことで、その半分以下というのが情けないが、それでも劇中では一応のドラマらしきものを入れようとしているのが笑える。これを見た年少の観客は“逆タマ”の概念を勉強できただろう。ラストは敵味方総出演で歌うテーマ曲が微笑ましく、見た後は少し幸せな気分になれるのだった。
[DVD(邦画)] 4点(2013-12-10 19:01:49)
0110.88%
1272.17%
2614.90%
3987.87%
418014.45%
532726.24%
628522.87%
717814.29%
8614.90%
9171.36%
1010.08%

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