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空耳さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 180
性別 男性
自己紹介 「刑事コロンボ」旧作全作品批評終了。
「チャップリン長編映画(一時間を越える本人登場作品のみ)」全作品批評終了。
「名探偵コナン」映画……15作品のうち14作品終了。
「黒沢映画」……まだまだ

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1.  刑事コロンボ/策謀の結末<TVM> 《ネタバレ》 
感心してしまうのは犯人の大物ぶりである。「彼との友情が芽生えているようね」とオコンネル夫人から揶揄されるほどコロンボと打ち解け合う犯人なんて、そうそういない。念願だった武器密輸の計画がそれも成功寸前でコロンボに見破られてしまったのに怒りも取り乱しもしないのは大したものだ。もっとも刑務所に入るなんてこの男にとってはなんでもないことだろうし、逮捕されて信念が変わるわけでもない。結局「ちっ。次はうまくやってやるさ」程度のものだったのかもしれないけど。それにしてもコロンボの執念なくしては完全解決しなかったわけで、たまたまコインが残っていた幸運(んなことあるわけねーよ、と思った)も味方した。でもこれ、物凄いニュースになる事件だよねほんと。アメリカを代表する企業や有名な詩人がアイルランド紛争に加担していたというのだから……。それと本作はいかなるわけか小池朝雄の吹き替えが残っていないそうで、ファンにとったら残念無念である。私はこの作品を放映当時カセットテープに録音して数十回は聴いたはずなので、いまだにセリフがはっきりと思い出せるのだが残念ながらテープは行方不明になってしまった。民間で私のように録音した人がいるのではなかろうか? 何とか完全版が出てほしいものだ。   2013年1月2日付記 最近になって待望の小池版音源が見つかり最新のブルーレイで発売された。喜びに堪えない。あの時代に民間で記録された方がいてそれが長年月保存されても十分実用に耐えるものだったとは何たる偶然・幸運だろうか。本作の「コインが残っていた偶然」に匹敵する(笑)。このセットには「新刑事コロンボ」も収録されているようだが脚本家が交替しつまらなくなった新コロを個人的には続編であるとは考えていない。本作の実質的続編は同じ脚本家によって製作された「ジェシカおばさんの事件簿」だろう。森光子の吹き替えで3シーズンほど放映されたが、本国では全12シーズン250話以上も製作されておりその出来ばえはまさに「コロンボの続編」である。誰が犯人だかわからない正統的なミステリーだが人間描写のうまさ、温かさ、面白さはコロンボ同様の折り紙付き。日本語版も廉価で売られているが本国版も捨てがたい。シーズン1など日本版は数話省略されているなどの違いがもある。コロンボ人気に比べて日本でかなり不遇なのが個人的には残念。
[地上波(吹替)] 6点(2016-08-24 01:59:17)(良:1票)
2.  劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母大暴走! 《ネタバレ》 
あたしンちは日常のちょいとした出来事で笑わせる話なのに、どうして映画となると前作といい今作といい「絶対にありえない」設定を持ってくるんだろう。確かに面白い(笑える)場面もあるけど、そもそも超能力なんてありえないから冷めてしまう。もっとこう「東京物語」みたいな感じで(笑)日常生活から起こして長編にまとめるなんてことはできないもんだろうか。母役の声優さんの声色の使い分けの見事さ(笑)には舌を巻く。滑稽だけど(笑)。
[インターネット(字幕)] 3点(2016-03-25 07:52:20)
3.  刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM> 《ネタバレ》 
カーク船長登場! だけど声は山城新伍(なぜだ……)。やや、よく見ればチェコフも! というよりバビロン5のベスターと言ったほうがいいのか? またほんのちょい役なのが泣けるぞ! と、ちょっとトレッキーかもしれない私はどうでもいい部分にひっかかるのだが、なんかどうも乗れない話なんだよね、これ。犯人のキャラもよくわからないし。弾の指紋吹き忘れってのもなんかマヌケだしその証拠をつきつけられても芝居口調なんだから、なんだかなぁ。それとも照れ隠しの一種なのか。大体さ、コロンボだってドラマじゃん。刑事ドラマの犯人が刑事ドラマの刑事役ってのは、ちょっとなんかやりすぎのような気が。  ネタバレ付記:コロンボに肩を並べる傑作「名探偵モンク」で、似たようなオチがあった。電池式の携帯電話(そんなものがあるらしい)の電池の指紋を吹き忘れるというね……。もしかするとこの作品が意識されているのかも知れない。ああそういえば刑事ドラマの刑事役が犯人ですというのもあったなぁ……。
[DVD(吹替)] 5点(2014-10-14 07:20:49)
4.  刑事コロンボ/溶ける糸<TVM> 《ネタバレ》 
おお、ミスタースポック!……とはいえ、吹き替えの人が違うので、あんまりスポックらしくなかった(う~む)。ただこの外科医、スポック同様おっそろしく冷静な犯人で粛々と殺人を行う……。とても「初犯」とは思えない(汗)。核心に迫るコロンボの推理を笑って聞き流す犯人にコロンボが激昂する個所はコロンボの正義感の原型が見られるようで生々しい。小池朝雄の吹き替えも当然ながら本当に見事である。ラストはあてがはずれたコロンボが一端犯人と握手して去るところがまた興味深い。本当なら「疑って申し訳なかった」と恐縮して謝罪してもおかしくないのに、絶対の自信を持っていた自分の推理が外れたことをメチャクチャ残念がっているのである。犯人も犯人で「謝罪の言葉はないのかね」とは一切言わない。だが本当に冷静なら、コロンボが出て言った瞬間に部屋に鍵をかけて、証拠を隠滅するべきだった。それをしなかったところが、犯人の命取りになったのだ。引き返してきたコロンボの「このあたしを今のいままで」というセリフには、コロンボの自分に対する絶対の自信が窺えて、さらに興味深い(吹き替えのみですけど)。 それと多くの方が指摘しているようにネタばれになってる邦題は完全なミス。新しいファンもいるんだから、修正してほしい。それにしてもこの終結部分は「ドガ」と並んで特に印象に残る。
[地上波(吹替)] 6点(2014-10-14 07:04:10)
5.  刑事コロンボ/殺しの序曲<TVM> 《ネタバレ》 
何も殺さなくてもよかったんじゃないだろうか。なんだかんだいっても犯人と被害者とはよき親友なんだし、横領の事実も黙っててくれたような気がする。まぁそれでも殺さざるをえなかったのは、推測すればバレたからと言って横領をやめるわけにはいかなかった可能性が高いし、そうなるといかに親友とていつまでもいつまでも黙っててくれるわけはないだろう……という犯人の読みがあったのかもしれない……んだけど、被害者の秘書はほっといていいのかという疑問が出てきてしまう。しかも出世させずに飼い殺しするつもりって、そんなことしたら会社辞めてチクられちゃうよ?? それにしてもややこしいトリックで、よくこんなことを思いついたと思うが、シグマ協会のメンバーたちは天才だという触れ込みの割には誰一人としてまともな推理をしてくれない。ラストの見事な追い込みは天才のプライドを利用したコロンボ一流のトリックだが、犯人があっさり降参してしまうのがちと気にかかる。妻のために横領したという話だったのに「お前がいらなくなった」と突っ放してしまうのは、どこかで(知的にもそんなに高くないと思われる)妻を憎む気持ちがあったのではないだろうか。この女のために親友を殺す羽目になってしまった……というような。あともう一つだけ。コロンボがキャロラインに「君は頭がいいだけでなくてチャーミングなお嬢さんだ」という場面がいかにもコロンボらしい優しさを見せて微笑ましかった。コロンボは決して嘘をついたわけではない。本当にコロンボにはチャーミングに見えたからそう言ったのである。私はそう思う。
[地上波(吹替)] 6点(2011-11-08 20:42:17)
6.  刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM> 《ネタバレ》 
まさに「秒読みの殺人」という題名がぴったりな犯行時の緊張感は他の作品にはないものだ。それと犯人の性格。普通は逮捕されるとそれまでの「突っ張り」が消えて柔和になったり、あるいは悔しがったり、あるいは「どうしてわかった」などと言い出したりするのだが「私は負けないわ」と来た。ミステリー作家にアン・ペリーという女性がいる。この人は少女時代に殺人事件を起こして逮捕され、その後名前を変えて推理小説家として大成したのだが(後で元殺人犯であることがばれてしまった)、もうテレビ界では生きていけないだろう犯人もひょっとするとそんなふうに別の分野で活躍するかもしれないなどと想像された。
[地上波(吹替)] 6点(2011-10-31 15:19:33)
7.  刑事コロンボ/権力の墓穴<TVM> 《ネタバレ》 
ラストのトリックは実はほぼ同じものが別の作品にも使われているのだが、それを知らなければ痛快そのものである(ただその別作品はそれだけでは逮捕に至らないのだが)。にしても他の方の指摘にもあるが、よりによって、コロンボを捜査にあたらせるなんて、あまりと言えば余りにも犯人は間が抜けている。コロンボは署内でも「切れ者」として知られている存在であることはそれまでの作品で何度も紹介されているし、それを上司が知らないはずはない。ウィルソン刑事のような若輩者ですら「警部とまた一緒に仕事ができて光栄です」(魔術師の幻想)と尊敬の念を込めて言っているのだから。まぁいつどの時代でも「見えない人」というのはいるもので、さえない風体も手伝って犯人の中ではコロンボの評価はさほどではなかったのだとでも解釈しておこう。うるさく言ってきたら圧力かけて黙らせようととでも思っていたのだろう。まさに「権力の墓穴」とはコロンボを捜査に起用したことそれ自体だった。
[地上波(吹替)] 6点(2011-10-31 14:39:10)
8.  刑事コロンボ/偶像のレクイエム<TVM> 《ネタバレ》 
話としては普通の出来。噴水の謎が最後に明かされて万事休するという場面が一応見どころになっているが、その場面の犯人役の演技が私にはあまり響かなかった。それよりコロンボが大スターにあえてあたしゃほんとうに感激していますという場面の演技力、これに唸らされた。白鳥の歌の「パラシュートの整備をしていた」という答えを得たときの演技力と並んで双璧の場面である。
[地上波(字幕)] 5点(2011-10-30 21:28:48)
9.  刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM> 《ネタバレ》 
テレビの解説で「この女優さんはこの作品で評価された(人気が出た)」とか言っていたような気がしたが本当なのだろうか。なんかとっても嫌な女に思えてしまうんだが。しかも途中から豹変する感じで、あれどうしたんだろう急にこの女性? という疑問が消えなくなってしまい本筋がぼやけてしまう。最後の場面なんか、この犯人ならぶっ放してしまうのもありじゃない? って思えてしまった。多分連れの刑事なんか一人もいなかったと思うし。
[地上波(吹替)] 5点(2011-10-30 21:19:36)
10.  刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM> 《ネタバレ》 
外交官特権によって逮捕できない犯人。だったらそれを上回る権力……となると、こうならざるを得ないのだろう。しかしあれほど怒っておきながら「あれはもういい。きれいさっぱり水に流そう」などと言いつつコロンボにお茶まで出す犯人の姿がどうにもこうにも滑稽(笑)。それがほんの数分後にコロンボに自分から逮捕してくれと懇願するんだから、かわいそうすぎる(笑)。普通こういう「憎たらしい犯人」の場合、コロンボにしてやられると見ている方はスカッとするのだが、この話は王様が味方になるというありえないほど最強のカードをコロンボが手に入れてることもあってスカッとどころじゃなくなって「アハハハハ」と笑いだしたくなる一歩手前(クスクスぐらい)になってしまう。この作品の最大の特徴だし、長所とも短所とも言える。それにしても「握手させてください。あなた最高です」という嘘八百には脱帽。それと「スワリの裁き」(よーするに死刑)が厳しいってのはわかるが(単なる死刑じゃなくて、なんかとっても痛そうな死刑)、進歩的な国王なのに刑罰の残虐さだけは旧態依然としているってことなんだろうか。
[地上波(吹替)] 7点(2011-10-30 21:13:17)
11.  刑事コロンボ/毒のある花<TVM> 《ネタバレ》 
これも結末が弱い。シラをきったら医者に連れてって「毒ヅタ」でかぶれたのはどこで? みたいな方面から落とすつもりだったんだろうか。ただあの試作品! あれを海に投げ捨てる場面は「別れのワイン」以上にもったいなかっただろうと思う。なにせ世界にたった一つしかない、ヒットすれば何百万ドル以上もの利益をもたらす夢のクリームだったんだから……(でも、あの酔っぱらいにもう一度作らせればいいんじゃないの? てな気もするんだけど)。そう考えるとあれを捨ててしまったことで会社の命運も尽きたと思って自供したのかもしれない。犯人は素直に美人だと思った。ま、コロンボも私も中年なんで、そこんところは感覚が似てるんだろうな。あ、あと一つだけ。この作品の犯人になぜかウチのカミサンがえらく同情するんですよ……。かわいそうだとか男が悪いとか。
[DVD(吹替)] 6点(2011-10-14 01:10:46)
12.  刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM> 《ネタバレ》 
「悪人じゃない」ってコロンボは言ってるけど、ちとおかしい。だって二人も殺してるんですよ。しかも奥さんを殺害する動機はまだしも、若い女性を殺害する動機はちょっといただけない。身勝手でしかないじゃないか。それにコロンボにしても「なぜ妻殺しのために『関係ないはずの』女性まで巻き込んだのか」という疑問は当然出てこないとおかしい。そして「死んだ妻は夫の弱みを握っていた」「一週間前から若い女性歌手の交代を命じていた」という情報が加わわれば、実は若い女性は「関係ない」わけではなく、犯人は最初から「妻と若い女性」の二人とも殺そうとたくらんでいたことがコロンボなら推理できるだろうし、さらに「妻が握っていた夫の弱み」の内容もたやすく想像できると思うんだけど。 それともしパラシュートを使ったと確信してたなら、実際に山岳警備隊に捜査させてもよかったんじゃなかろうか。遠くに捨ててしまった魔法瓶はともかく、パラシュートは骨折した犯人が墜落現場近くまでやってきている以上、そう遠くには隠していないはずだと推理できる。しらみ潰しにやればそのうち見つかりそうな気もする。 ラストは別のある作品とパターンが同じなんだけど、空港の部分でしっかり謎をかけてあるために「今のはなんなんだろう」という疑問が持続するため、そんなに物足りなくない。 それにしても「軍隊では何やってたんです」と質問して「パラシュートの整備だ」という答えを聞いた直後のコロンボの「なるほど、それか……」と辻褄があった表情をするのが実にうまい。演技力に感心してしまう。
[DVD(吹替)] 6点(2011-10-12 04:19:43)(良:2票)
13.  刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM> 《ネタバレ》 
犯人の冷血ぶりは旧作でも一二を争う。コロンボも相当怒っており「容疑者って言葉は足りないぐらいです」などという挑戦的な言葉を犯人に吐く。女医に詰め寄る部分の迫力は小池朝雄がコロンボになりきった演技をしているのがすばらしい。状況証拠はいろいろあるものの、決定的なものがない。こうなるとコロンボの使う手段はいつも同じで、ラストはそのトリックに犯人がまんまと引っ掛かってしまうのがいつものパターンとは言え、やはりお見事。だが結局は「目の見える人を盲人だと間違えた」というだけの話なので「こんなもんで有罪にできるんだろうか」という疑問もどうしても残る。しかしシメのセリフ「目撃者はあなた自身なんです」はきれいに決まった。
[DVD(吹替)] 6点(2011-10-12 04:13:10)
14.  刑事コロンボ/悪の温室<TVM> 《ネタバレ》 
ウィルソンとのかけあいが面白いし、しつっこいコロンボ節も健在なんだけど、ラストがおかしい。「なぜこの温室で見つかった3番目の弾を発射した凶器の銃が奥さんのところで今夜になって見つかるんだ」という具合にコロンボは説明するのだが、明らかに問題なのは「銃」ではなく「弾」それ自体である。なぜって、それが凶器から発射されたものであることが確認されたら証拠になってしまうじゃないか。だからコロンボにしても何年か前の新聞記事を確認した時点で金属探知機持ってきて弾探しすればよかったのである。要するにラスト近くの「銃」をめぐる展開は全く無意味なのだ。そもそも凶器から発射された弾を「温室のどこかに埋まっているんだけどどこにあるのかわからない」と放置しておくのがマヌケすぎるのである。
[DVD(吹替)] 3点(2011-02-09 11:09:25)
15.  刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM> 《ネタバレ》 
「電話がどこからかかってきたか」というのはこの当時記録には残らなかったのだろうか? 「自縛の紐」もそうだが、それがわかれば簡単に解決できる事件ではある。時計なんかぶっこわれることもあるし「そのときはたまたま止まってた」とかいくらでも言えるんだからずっと弱いと思うんだけど。それといま一つ動機がはっきりしない。被害者と犯人とにそれほど亀裂があったようにも見えないし、奥さんとの関係もなんかはっきりしないままで終わってしまうし。探偵やロゴージー嬢とのやりとりなんか面白いんだけどなぁ……。
[地上波(吹替)] 4点(2011-02-09 11:02:56)
16.  刑事コロンボ/指輪の爪あと<TVM> 《ネタバレ》 
隠れた名作ではある。コロンボ作品の見せ場である犯人への効果的なほのめかしがこの作品ほど執拗に効果的に繰り返されるのは他にはないと思う。ラストの悪どさも実は「ロンドンの傘」並の反則で、またこれが見事に決まってしまう……んだが、どうも何か一つ二つ物足りない。なぜだろう? 「犯人が憎たらしい奴なのにコロンボと激しくやりあわない」ことがその大きな原因になっていると思う。犯人が探偵で、警察と平行して事件の捜査にあたるという設定上、コロンボが事件についてネチネチ持ち出してくることを犯人は正面から突っぱねることができない(それどころかコロンボを自分の社に高給で迎え入れるとまで言い出す)。つまり犯人が他の作品のようにブチ切れないのだ。もちろん犯人が比較的温厚・冷静な作品の場合ブチ切れることはないが、それはそういう性格だから納得できるのに比べてこの作品の犯人は「カッときて殺した」ほどの短気な性格なので派手にブチ切れていいのに、設定上それができないところに物足りなさが出てくる。だからコロンボはやりたい放題だ。「犯人に聞かせてやりたい……必死に証拠品を探すところを見て笑ってやりたい」というコロンボの言葉通りにありもしないコンタクトレンズを探して「指輪すら見つかりそうにない」ふかふかの絨毯を徹底的に調べるところなど、犯人に憐れみすら感じられないだろうか。ただ被害者の夫がそれなりの立場の人物で「迷宮入りしたら容赦しない」とまで言っているのでこの方面からコロンボに圧力がかかればまだ不満が解消されるのだが、大して文句を言うでもなく墓の場面では犯人に比べてコロンボに明らかに軍配を上げてしまうのも「コロンボ楽勝」に傾いてしまう原因になっている。「憎ったらしい」犯人の話の場合、コロンボは犯人から罵声を浴びせられ、嫌がられ、時には理不尽な圧力をかけられながらもそれを見事に跳ね返してしまうのが面白いのであって、それあるからこそラストのトリックも「してやったり」となるのだが、この作品はコロンボに余裕がありすぎる。それが物足りなさにつながってしまうのだろう。逮捕された後の「殺すつもりはなかった。奧さんはいい人だった」も、むしろ犯人に対して「ふーん。そんなに悪すぎる奴でもないんだな」という印象を持たせてしまうのでさらに逆効果だと思う。
[DVD(吹替)] 6点(2011-02-09 10:59:46)
17.  刑事コロンボ/攻撃命令<TVM> 《ネタバレ》 
いやーこれ見る前に「市民ケーン」みておいてよかったと思った(笑)。他の方の指摘にある通り、犯行時は「キーワードを口にした人を襲った」のに、コロンボがいたときには「キーワードを発してコロンボを襲わせた」という大きな違いがあるわけだが、素直に考えると後者の方がずっと自然だと思う。なんたってご主人様直々の命令なんだし、コロンボはどうみても怪しいし(笑)。そう考えるとそもそも「キーワードを口にした人を襲う」なんて不思議な調教ができるのかどうかが疑問に思えてくる。そもそも犬って主人(または調教者)の言うことしか聞かないんじゃないの? 犬種によるのかな? もし誰だろうとキーワードを発した者を襲いますなんて調教が可能なら、うっかり犯人がキーワードを犬の前でもらしてしまったら、ご主人様であろうと容赦なくカミカミ(笑)されちゃうってことになる。犬ってそんなに薄情なのか? それともご主人様だけは例外で襲われないのか? だったらあの状況でコロンボに対して攻撃命令を出すのは矛盾ではないと言えるかもしれない。まぁ犬を飼ったことないからこれ以上はわからない。専門家に聞いてみたいものだ。
[地上波(吹替)] 5点(2011-02-09 10:22:00)
18.  刑事コロンボ/歌声の消えた海<TVM> 《ネタバレ》 
事件前にコロンボが犯人と遭遇するのは珍しい。上司が犯人だった「権力の墓穴」はともかく、他に何かあったろうか? 「缶詰買ってメキシコ行こう」という笑えるセリフや、同じ船に乗ってるのにとうとう最後まで出てこないカミサン、「汽船」と「ボート」を何度も間違えまくる警部などなどニヤニヤさせられる部分もたくさんある上に、ミステリーの点でも設定がきちんとしていて完成度が高い作品である。細かいことを言えば犯人が愚かにもコロンボのトリックにひっかかるラストは弱い(が、「どうして自分を疑ったのか」という犯人の問に「床に落ちていた羽から疑いを持った」と答える場面が「よくぞそんな小さなところまで気がつくもんだ」と思わせることによってその弱さをカバーしている……ちょうどそこで羽が落ちるなんざ、実はできすぎなんだけど)、それ以上に銃を購入したレシートを手提げ金庫に忍ばせるのはどんなもんだろうか? 店がわかれば当然警察が聞き込みに行くだろうし、店員が購入者の顔を覚えていたら困ったことになるだろうに。そもそも自分には完璧なアリバイがあるんだから、ピアニストに罪を着せる必要が果たしてあったのかという疑問も出てくる。だがそれはそれ、陽気な音楽と豪華な船旅を満喫する人々の姿が楽しげで、こちらまでちょっとした船旅気分になれる(?)ところも高評価。
[DVD(吹替)] 7点(2010-03-25 07:42:51)
19.  刑事コロンボ/仮面の男<TVM> 《ネタバレ》 
アメリカ人にとってはどうか知らないが、私の世代の日本人だとCIAの部長を見て「あ、『奥様は魔女』のラリー(とんでもないお調子者キャラ)じゃん」と絶対に思ってしまうだろう。しかも声優さんも同じなので、どうみても違和感がありまくり。懐かしかったけど。 それはそうと、本編の謎は最後の冗談だ。吹き替えは絶対に原語と違ってるなと確信させるほどわけわからない内容だが、原語の冗談もさっぱりわからない……と思ったら解説しているサイトがあるそうで、そこを読んでやっと氷解した。それにしても「ある日、ポーカーと麻雀が賭をした」は、余りといえば余りにも意味なし翻訳ではないだろうか。
[DVD(吹替)] 5点(2010-03-25 07:11:53)
20.  刑事コロンボ/さらば提督<TVM> 《ネタバレ》 
本作は日本で初放映(テレビ)されるとき「犯人がわからないコロンボ」というので結構話題になったのだが、この作品の最大のトリックは「犯人だと思われる人間が実は犯人ではなかった」ということなので「犯人がわからない」ことを事前に知らせてしまうのは完全なネタバレでしかない。「犯人がわからないコロンボ作品」だということを知らずに見ないと、この作品は面白くないのだ。だが実はそれを知らずにみたところで、今度は「推理ミスをするコロンボ」を見なければならない羽目になる。取り巻きの刑事たちもいささか金魚の糞すぎる嫌いがある。要するに結局は面白くない作品だ。船名のシートの謎も、日本人としてはパッと感覚的に理解できないのでいま一つ弱い。この作品で終わるところだったって? 冗談じゃない。
[DVD(邦画)] 3点(2010-03-23 05:46:27)
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