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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2384
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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21.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
決して悪いお話しでは無いのですが、私には今一つ心に響かなかったですね。冒頭、砂漠の砂が縞模様になっているシーンは、まるで女体を陰影深く撮った様にも見えて、とてもエロチックで印象深かったですが、いかんせん、長すぎますよこの映画。「英国人の患者」の正体に迫ってゆくミステリー仕掛けの伏線も中途半端でしたし。どうも自分にはレイフ・ファインズという俳優とは相性が悪いみたいで、彼を観てると何を演じていてもイライラさせられるのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-19 01:03:39)
22.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 
ヴァンパイアの世界観とか美術セットは良く作り込まれた作品だと思います。ブラピのぼんくらヴァンパイアぶりが目立ちますが、その分トム・クルーズのレスタトの特異なキャラがたって魅力的でしたね。パリのシークエンスで、バンデラスが中途半端にストーリーに絡んでいる様な気がするのですが、この辺がこの脚本の弱いところなのでしょうね。
[DVD(字幕)] 7点(2010-01-22 01:56:13)
23.  インテルビスタ 《ネタバレ》 
国外の製作映画からは暴利をむさぼると悪評が高いチネチッタ(テリー・ギリアムの『バロン』事件は有名)が設立50周年記念で製作された映画。監督は生涯ほとんどチネチッタで自作を撮ったフェリーニですが、さすがフェリーニだけあって現実と過去と空想が織り交ざった作品になりました。『インテルビスタ』とはイタリア語で『インタビュー』という意味らしいのですが、日本から来たTVクルーの取材を受けて映画を製作する現代と、監督になる前の若き日のフェリーニが記者としてチネチッタで大女優を取材する過去が混然となって進行してゆきます。そして圧巻はアニタ・エグバーグとマストロヤンニが再会する彼女の自宅でのシークエンスで、エグバーグがすっかりフェリーニ好みの巨漢女になってしまったのには驚きました。でもこの二人がツー・ショットで画面に登場するともうそんなことはどうでもよくなり、思わず感涙してしまいました。エグバーグが感動のあまりキッチンで涙ぐむシーンがあるのですが、これは演技ではなく実感情なのではないかなと思います。フェリーニがいわば『ラス前』でこの映画を撮ったことには感慨深いものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-10 11:26:40)(良:1票)
24.  イブの三つの顔 《ネタバレ》 
この映画は、多重人格を米国で初めて学会で報告した精神科医のノンフィクションが原作です。イブ・ホワイトは小さい娘がいる内気で平凡な主婦でしたが、派手で高価なドレスを買ったり、ひとりでナイトクラブに出かけて男と遊んだりし始めます。夫はそのたびに妻を問い詰めますが、彼女にはその間の記憶が全然ありません。堪りかねた夫は、精神科医の診療を妻に受けさせますが、催眠療法によって彼女とは正反対の享楽的な人格イブ・ブラックが出現します。この映画は、冒頭解説者が登場して「この物語は実話に基づき、劇中の会話も記録どおりです。」と説明する昔よくあった構成で始ります。演出は平板で、サブストーリーもなく、言わばワイドショーの再現ドラマを丁寧に作りこんだような感じです。しかし、イブを演じてアカデミー主演女優賞を獲得したジョアン・ウッドワード(故ポール・ニューマンの奥さん)の演技は鬼気せまるものがあります。特殊メイクもなしにワンカットでイブ・ホワイトからイブ・ブラックに人格が変わりますが、顔つきが変わってとても同一人物が演じているとは思えません。さらにラストでは、ジェーンという第三の人格まで出てくるのですから。女性版ジキルとハイドと言えば解りやすいですね。映画はジェーンが出現してハッピーエンドで終わりますが、「私はイヴ」という自伝を読むと、実際にはこの時点では全然治っておらず、その後20年近く様々な人格が出現したそうです。この本にはこの映画が制作された時の舞台裏も書かれていて興味深かったです。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-19 18:03:08)
25.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 
最近よく見かける“若者系ホラー”の一種かと思ったら全然違いました。のちに『アンダー・ザ・シルバーレイク』を撮るデヴィッド・ロバート・ミッチェルが監督および脚本を書いただけあって、デヴィッド・リンチ風の不条理ホラーでした。 監督は否定しているらしいけど、セックスすることによって相手にうつせる怪奇現象となると、大多数の観客は性病・エイズの類のメタファーだと感じるでしょうね、実際わたくしもそうでした。盛りのついた大学生ぐらいの年齢層のコミュニティならば「“やつ”につけられている」と気づく前に次々とうつって行って、また最初の一人に戻ってきたりして(笑)。たしかにリンチ的な世界線なんだけど、それでも「なんか辻褄合ってないなあ」と感じさせられる部分も見受けられます。最初にジェイにうつすのはヒューなんだけど、なんでこの男はこの怪現象の大まかな仕組みを知っているのだろう、またわざわざジェイをこん睡させて椅子に縛り付けてまでご親切に教えてあげたのかは雑過ぎるところかなと感じます。わざわざ偽名を使って家まで借りてジェイに接近したのに、大して遠くもない場所に住んでいることがあっさりバレてしまうのも、なんか間抜けな脚本。いっそのこと最後まで正体不明で、以後登場しなかった方が面白かったんじゃないかな。舞台となる町は湖畔でジェイの家には大きなビニールプールがありラストは室内プールで展開される、どうもこの監督は“大きな水たまり”になぜか拘っていて、こういうところがリンチ感が強いところです。まあそれが何故なのかは結局理解不能ですけど、こういうところも似ている。 自分がこの映画でいちばんゾッとしたシーン:ジェイがヒューの仮寓で家探しをしているとき鏡に映った自分にびっくりする。「なんだ鏡か」とホッとして画面左に移動してフェイドアウトするのだが、鏡に映る彼女は右に移動してゆく。一瞬のことなんだけどその後のストーリーになんの繋がりもなくて、もちろん撮影のミスでもない。これに気づいた人は少ないかもしれないけど、こんな撮り方をする監督、こいつはヤベー奴なのかもしれない…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-25 23:25:28)
26.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 
インディ・ジョーンズ、19年ぶりまさかの復活、ルーカス&スピルバーグのコンビにも大人の事情があったんでしょうね。 舞台は50年代でインディがネヴァダの実験場で核爆発に巻き込まれる衝撃の絵面と敵役はソ連ということで、新しい展開を期待していました。実はこれはプロローグで、その後の展開は前三部作からスリル・シークエンスの寄せ集めをみせられた感じでした。インディの「むかしパンチョ・ビラに誘拐された」というセリフからすると劇中の年齢は60歳を優に越えているわけで、ハリソン・フォードの実年齢とはシンクロしています。前シリーズは1930年代の設定、第二次世界大戦の間にインディ・ジョーンズは大学教授ながらもOSS(CIAの前身)の工作員として活躍し、冷戦時代はソ連と闘う反共の闘士というアメコミのヒーロー顔負けの設定。おまけに第一作目のマリオンまで久々の登場、そしてインディの息子までも…『ダイ・ハード』もですが、長寿のシリーズになると息子が出てくるというのがトレンドというか一つのパターンになってきているのでしょうか。ストーリー展開はプロローグのロズウェル・ネタから始まって古代マヤ文明と繋げてもうテンコ盛り状態、もう歳で体もあまり動かなくなっちゃってるハリソン・フォードを活かすかたちでのCG映像という感じもします。ハリソンは『最後の聖戦』のころとはあまり変わってないところは、メイクがいい仕事をしています。 まあハッピーエンドの閉め方は、第一作のラスト・シーンにつながるもので、スピルバーグはこれでインディ・ジョーンズは打ち止めにするつもりでしょう(そう思いたい)。印象深かったのはラスト・シーン、風に吹かれて飛んできたきたインディ・ジョーンズのシンボルであるハットを息子が拾おうとするのを、インディが先に取り上げるところ。ハットを頭にのせて悠々と教会から出てゆくハリソン・フォードの姿には「インディ・ジョーンズはハリソン・フォードだけのもの、彼とともに消えてゆくのさ」というスピルバーグの心の叫びが聞こえてたような気がしました。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-01-14 22:38:27)(良:3票)
27.  いそぎんちゃく
“いそぎんちゃく”“くらげ”とくれば大映の軟体海棲生物シリーズ(なんちゅうネーミングでしょう)で一花咲かせた渥美マリです。このタイトルを見て「この映画は良い子が観ちゃいけないんだ」と子供心にも速攻で理解できる淫靡なネーミングでしたね。でもこの“いそぎんちゃく”はあくまで“礒の巾着(財布)”であって、渥美マリは肉体を駆使してひたすらカネをため込む女のお話しなんですね。まあ一種のピカレスク・ロマンみたいなもんですが、ここまで徹底してカネに執着する彼女の姿勢は、えげつなさを超越してカッコ良いと言えるところにまで昇華しています。演技力に欠ける彼女に無表情な芝居で全篇通させた演出は良い感じでした。通俗的なストーリーながらも淡々とした語り口の撮り方が好印象を与えてくれたので、プラス一点です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-09 21:56:56)(良:1票)
28.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
どちらかと言うと客観的な眼で主人公を見つめる作風のイーストウッドにしては珍しく、ちょっと熱くそして青臭く物語を作っているなと感じました。この映画自体が盟友M・フリーマンの念願の企画であったからなんでしょうか。存命の人物でましてそれが政治家となるとなかなか映像化しずらいもので、この映画でもマンデラのダーク・サイドである奥さんのことは、娘は登場するのにほとんどスルーしています。そういうこともあり、映画自体は可もなく不可もなくと言った出来ですが、平凡な感動ストーリーというのが感想です。そして「スポーツも政治の一部である」ということが良く理解できる映画でもあります。 余談ですけど、こうやって考えるとキング牧師をテーマにした映画ってまだないですよね。キング牧師を演じてみたいという黒人俳優はきっと多いと思いますよ。もし映像化されたら、その大役は誰が射止めるのか想像すると楽しいですね。個人的にはF・ウィテカーかJ・フォックスかなと思ったりしますが(D・ワシントンはマルコムⅩを演っているのでちょっと無理かな)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-13 01:01:01)(良:1票)
29.  インフォーマント! 《ネタバレ》 
この主人公は実は双極性障害(今は躁鬱病のことをこう呼ぶらしい)だったということが劇中で判ってくる構成になっていますが、その奇妙で理不尽な行動をM・デイモンが大真面目に演じているのが可笑しい。いわゆるビョーキな人なのだが、常人には理解しがたい部分をじっくり見せるだけで観客の笑いをとろうというのがソダーバーグの狙いでもある。日本でこれをやると、すぐ患者団体やら人権団体からクレームがくる恐れがあり、企画段階でボツになってしまうんだよね。 でも観る方としてもこんな病的なウソつきに共感しようもないし、せいぜい「刑務所暮らしで禿げちゃったのは可哀そうね」というぐらいでしょう。監督ソダーバーグの意図は、『インサイダー』や『フィクサー』の様な大上段から内部告発の正義を語る映画に対する、彼なりの皮肉を込めたパロディなのかもしれませんね。 音楽がノスタルジックでいい雰囲気だと思ったら、担当は懐かしのM・ハムリッシュじゃありませんか。ほんと久しぶりです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-21 22:29:27)
30.  インソムニア 《ネタバレ》 
私は未見ですのでオリジナル映画の雰囲気は判りませんけど、リメイクって難しいよなとつくづく感じさせられました。クリストファー・ノーランとしても雇われ監督だからオリジナルを大胆にいじることもできないし、オリジナルのプロットの弱い部分は自分なりに消化しなければならない。ロビン・ウィリアムスの演技は文句のつけようがないけど、殺人犯としてのキャラが弱すぎるし、だいいちこの事件は過失致死としてしか裁けないでしょう。若造を犯人に仕立て上げるために部屋に忍び込んで拳銃を押しつけるなぞ、一介の小説家に出来る事じゃないです。そこら辺の粗さをカヴァーしているのが、アラスカの大自然を鮮明に捉えたウォーリー・フィスターのカメラで、これは文句なしに良かった。ロス市警から派遣されてきたアル・パチーノのキャラは、自分には『ヒート』のヴィンセント・ハナの落ちぶれた後日談みたいで面白かったところです。六日間も眠れずに、死んでやっと安眠できたというわけですね。渋い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-11 23:12:12)
31.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
ベトナム従軍経験がありその体験を引きずっている暴力刑事、「またこのパターンかよ」と辟易しつつも、悪役ジョン・ローンのカッコよさと力技でぐいぐいひっぱてゆくアクションには負けました。マイケル・チミノとオリバー・ストーンと言うハリウッドを代表する黄禍論者が脚本書いているのですから、批判する声が上がるのも当然でしょう。まあ自分には騒ぐほどのことはないと感じましたけど。チミノ映画は主人公を自分のルーツである東欧系移民やその子孫に据えることが多くて、「自分たちは被害者で正義は我らに有り」と言う主張が鼻につくのですが、そうなると製作する映画のテーマがどうしても狭められちゃうでしょう。80年代以降彼が失速しちゃったのは、ユナイトを潰したからだけではない様な気がします。 まあそういう余談はさておき、本作はチミノ最後の煌めきだったことは確かです。日本も最近物騒になってきましたので、誰か日本版『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』を撮ってくれませんかね。中国系TVレポーター役は、ぜひ蓮坊大臣にお願いしたいな(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-26 22:19:04)
32.  イズント・シー・グレート 《ネタバレ》 
「哀愁の花びら」の原作者ジャクリーン・スザンの伝記映画で日本未公開ですが、こんな映画があったとは意外でした。「哀愁の花びら」は有名なハチャメチャ映画ですが、原作小説「人形の谷」はそれに輪をかけた凄い内容だそうで、ジャクリーン・スザン自身の経験をもとに書かれたとのこと。とにかくスザン役のベット・ミドラーが大爆発状態で、彼女のポジティブ人生に圧倒されました。この映画はベット・ミドラーとネイサン・レインの夫婦愛がテーマで、あまりコメディとして意識しない方が良いでしょう。ところで、本作にはスザンの担当編集者としてデヴィッド・ハイド・ピアースが出ています。彼を観てなんか既視感があるなあと思ったのですが、レネー・ゼルウィガーが女流作家になる「恋は邪魔者」でも出版社の社長を演じていました。そういう風にみると、「恋は邪魔者」と本作にはプロットの共通点が幾つかあって興味深いです。きっと元ネタにしたのじゃないかと私は思います。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-30 23:56:24)(良:1票)
33.  1408号室 《ネタバレ》 
主人公が直近で肉親を亡くし心に傷を負っていてそこを悪霊が責め立てるという展開は、他のホラー映画にもよくあるパターンで(たとえば「エクソシスト」)自分としてはちょっと食傷ぎみでした。自宅でDVD鑑賞なので音響の効果がいまひとつで、やはりこういうホラーは映画館で観なくちゃいけませんね。登場する霊やモンスターがちゃちなのが興ざめでしたが、「ループの恐怖」はいいアイデアかと思います。キング先生はまた怒るでしょうが、この作品もキューブリックに撮ってもらいたかったなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-08 22:04:22)
34.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
スパイク・リーがクライムアクションを撮るとこうなるんですね。NYなんだから不特定多数を人質にとれば多様な人種がいることは自然なことで、彼としてはこのネタが本来の意図だったのかなと思いました。というか、エスニックネタが少々しつこすぎて、肝心の銀行強盗のディティールがいま一つだったのが残念です。皆さんが指摘の通り、「結局インサイドマンは誰だったの?」というのが率直な感想です。デンゼル・ワシントンの演技は最高でした。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-28 23:49:52)
35.  緯度0大作戦 《ネタバレ》 
東宝特撮映画には日米合作として製作されたものがあるが、本作はその最後の作品。合作と言っても独立系プロダクションが相手の場合が多くていろいろと難儀させられることもあり、本作なんて製作中に相手方が倒産して撮影中断、その為に複雑な権利関係になってしまい長い間ソフト化されませんでした。またこの映画が円谷英二と本多猪四郎の最後のコンビでもあります。 ストーリーは言ってみれば『海底二万哩』と『ドクターモローの島』を足して二で割ったような感じ。日米合作東宝特撮では欠かせないハリウッド俳優の出演も、ニック・アダムス、ラス・タンブリンに続いてリーチャド・ジェッケル、シーザー・ロメロ、そしてついに名優ジョセフ・コットンの出演と相成りました。ロメロの愛人役のパトリシア・メディナに至ってはコットンの当時の妻ですからね。アメリカ側プロの倒産で東宝が出演料を肩代わりさせられ、製作費のかなりの部分がこれらのハリウッド俳優のギャラに消えてしまい東宝はもう踏んだり蹴ったり、そりゃ合作を今後やらないとなるのも当然かも。特撮は円谷英二の最晩年ですからレベルとしてはほぼ頂点、冒頭の海底火山の噴火なんてこれがCGじゃないなんて信じられないぐらいです。緯度0という秘密世界の設定も荒唐無稽さが東宝特撮の中でもほとんど頂点、19世紀初頭の人間が200歳近くになっても普通に生きているというところなんかも謎めいていてグッド。当初の脚本では「緯度0の1日は地上の50年に相当する」という説明があったそうですが、それじゃいくら何でも計算が合わない、1年だと地上の18,250年になっちゃいますからね(笑)。でも登場する改造動物の造形はちょっとセンスが悪すぎ、まああんまり意味がないキャラ達だったとしか言いようがない。 やはり物議をかもしそうなのがあのラスト、リチャード・ジェッケルのラリッたあげくの妄想もしくは夢オチかなとも解釈できるような不思議な幕の閉め方です。でも私はこういう遊び心に満ちたような脚本は好きです、これぞ関沢新一の脚本らしさが出ていたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-11-27 23:24:05)
36.  一度死んでみた 《ネタバレ》 
全世界がコロナで苦しんでいるときに、“Death!Death!Death!”とはまあなんと不謹慎なことか(笑)。監督も脚本家も携帯のCMで名を売ったCMプランナーだけに、中身の無い頭を空っぽに出来るコメディです。出演陣はけっこう豪華で、これはフジテレビと電通の御利益かな。堤真一も最近はアホ演技がすっかり型に嵌ってきました。そして予想以上だったのは広瀬すずのコメディ演技力とデス・メタル・ヴォーカリストぶりで、あのウソ泣きシーンは思わず笑ってしまいました、チラッと目を開けて周りの大人の反応を窺うところなんか最高です。彼女が率いるメタルバンド“魂ズ”もあのヒャダインが音楽プロデュースしているだけあって曲も魅力的で、何より広瀬すずのこれまた予想以上の歌唱力にも驚きました。惜しむらくは告別式で魂ズの演奏をもっと前面に出してはっちゃけたシークエンスにしていたらもっと面白くなったのに、ここら辺は監督のセンスのなさですかね。そして劇中で各キャラが人差し指を立てて怒りのポーズを決めるけど、ほんとは中指じゃないの?日本人にはほとんどピンとこない仕草なんだから気にすることないのにねえ。TV局が絡むガチガチな製作体制の日本映画って、弾け具合が中途半端で終わるケースが多いんですよね。やっぱりこういうテイストのコメディは、宮藤官九郎じゃなきゃと改めて感じた次第です。 出演者がみなハイテンションな中で、ひとりリリー・フランキーだけが素の演技で押し通すのが目立ちました、まあこの人がハイテンションな演技をするってのは想像つかないですけどね。
[DVD(邦画)] 5点(2021-06-18 22:04:52)
37.  いそしぎ 《ネタバレ》 
美しいカラー映像はダグラス・サークが50年代に撮ったメロドラマを彷彿させるところがありますが、教師でもある聖職者が生徒の母親と不倫・肉体関係を持つなんて50年代では考えられない過激なテーマです(この程度の描写でも)。ハリウッド映画を規制していた悪名高いヘイズ・コードが緩んできた時期だったんですね。 リチャード・バートンとエリザベス・テイラーは、今でいうとブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーみたいなセレブ・カップルで、ブラピとアンジーとは違い共演した映画は5本もあるんです。本作は二人にとっては、翌年撮られる映画史に残るような壮絶な演技合戦を見せた『バージニア・ウルフなんかこわくない』のための肩慣らしみたいなもんでしょう。 まあとにかくこの映画は名曲"The Shadow of Your Smile"がすべてで、この曲のために映画をこしらえたみたいなもんです。そんなに悪い映画とは思いませんが…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-31 21:53:19)(良:1票)
38.  if もしも.... 《ネタバレ》 
「造反有利、毛沢東万歳!」の嵐が全世界で吹きまくり団塊世代が暴れまくっていた時代ですから、こういう若造の反乱は当時としては“直球ど真ん中”のテーマだったんでしょうね。英国のエリート養成機関でもあるパブリック・スクールの坊ちゃんたちまでもがついに…、というプロットですが登場人物たちの人物描写が妙に浅いので、彼らの怒り(らしきもの)が全然響いてこないのは困ったものです。『時計じかけのオレンジ』のアレックスを十分の一に薄めた様なマルコム・マクドウェルのキャラはいかにも物足りない(もっともアレックスのリハーサルみたいな経験だったかもしれませんが)。この監督、『オー!ラッキーマン』は三時間超える上映時間ですから、ほんとはこの映画も長かったのをプロデューサーあたりが勝手に30分くらいカットしたのかもしれませんね。ですけど、モノクロとカラーの使い分けやシュールな演出も交えるなど、英国フリーシネマの掉尾を飾るに相応しい映像に満ちているのも確かです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-11-01 23:12:51)
39.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
エログロ番長ヴァーホーヴェンのハリウッド卒業(中退?)記念作で、“透明人間もの”というB級色あふれる題材で攻めてくるとはさすがですねえ。古今東西、“透明人間もの”として製作された映画の中でもたぶん本作がもっともヴァジェットを使っているんでしょうが、ヴァーホーヴェンにしてはグロは薄味、エロは中坊の妄想(というか、『青い体験』レベル)みたいでファンとしてはちょっと不満が残ります。そもそも映画前半で透明化と逆透明化のグロ味たっぷりのヴィジュアルを見せてしまった時点でやりたい事が終わっちゃってますので、その後のベーコンの暴れっぷりなんて付け足しみたいなもんです。しょせん生身の人間が単に透明になっただけだし、裸だし、そんな大したことができるわけないんですよ。そう考えると、ほとんど地下の研究所だけで展開するストーリーはまあ妥当と言えるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-30 16:05:45)
40.  いつか眠りにつく前に 《ネタバレ》 
女性の目線で鑑賞するとまた違うのでしょうが、私にはちょっとストーリーが薄くてピンとこなかったです。すでにご指摘済みですが、ハリスとバディの関係は明らかにゲイですね。だとすると、二人のキャラが掘り下げられていないので、作品全体の印象がイマイチになってしまったのでしょう。女優陣は実力派ぞろいですが、ちょっと男優陣は力量不足だったと思います。クレア・デインズが結婚式で歌うシーンは良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-21 00:19:55)
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