21. ザ・プレイヤー
《ネタバレ》 冒頭のカメラの引きから、これはそのまま長回しか?と予想したらそのとおりで、8分間は大いに楽しみました。が、見所は結局そこだけでした。業界への皮肉を効かせたいなら効かせるで、もっとポイントを絞るなり前提を整理するなりしないと、これではティム・ロビンスが目の前の人とああだこうだ喋っているだけですよ。 [DVD(字幕)] 5点(2020-10-10 16:41:52) |
22. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
設定と監督名から何となく予想できるとおりの作品。「こんな風にちょっと変わった人たちを集めておかしな家族を構成しましたよ~」というのが何とも作為的で、逆に面白みがないのです。枠を破ろうとして、かえって枠に囚われている、ということです。ジーン・ハックマンのこういうキャスティングというのも斬新さを狙ったのかもしれませんが、成功していません。 [DVD(字幕)] 3点(2020-09-29 01:02:16) |
23. サンキュー・スモーキング
《ネタバレ》 これはまた実に痛快です。ここから15年経った現在だからこそ、もっと広まってほしい作品です。嫌煙運動の胡散臭さをけちょんけちょんにけなす一方で(ミスター・マルボロに金を受け取らせるテクニックとか、突然現れるテロリストとか。「吸ってたから助かった」というオチも凄い)、主人公の軽薄さも際立たせることで、論争のレベル自体が所詮そんなもんだ、という視点まで提示しています。また、こういうときは往々にして足を引っ張りがちな主人公の子供が、予想に反して最後まで機能していたり(顔つきはちょっと合ってなかった気はするが)、なぜかいつもレストランの同じ席にいる3人組の構図も何とも言えない可笑しさを提供していたりと、脇役の配置も上々です。ラストはちょっとあっさり風味にすぎる感じもしますが、長編デビューでここまでやれば十分です(ライトマン監督、この時点で28歳かあ・・・)。 [DVD(字幕)] 7点(2020-09-15 00:33:34)(良:1票) |
24. ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー
MCもなければ解説もない、バックステージシーンもない、ひたすらステージと客席を撮っているだけなのですが・・・一方でそのカメラは、ほとんどミックだけしか追っていない。ビル・ワイマンなんて、居るのか居ないのか分からないような扱いです。いくら動いているのがミックだけとはいえ、もうちょっとやりようはあったのではないかと。そういえば、このツアーでの前座がプリンスだったんですよね。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-24 02:43:01) |
25. さすらいのカウボーイ
《ネタバレ》 タイトルからどんな孤高のカウボーイ戦士が登場するのかと思ったら、前半は本当にほとんどたださすらっているだけだった。しかも、その2人組の会話が、いちいち希望がなくてチマチマしているのが、逆に妙にリアルだったりする。ヒーロー的な活躍はまったくなし、そうかこの作品は71年作だったんだな。後半はかつての居宅に帰り着くのですが、何とそのまんま使用人として地道に真面目に働いている。娘との関係も、正体が分かって感動の対面、なんてことはない。最後も盛り上がると見せかけてあっさり風味。映画というよりも、一編の詩篇を見せられているような感じです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-19 00:18:15) |
26. さびしんぼう
《ネタバレ》 導入部での悪ガキ3人組をはじめ、すべての芝居と台詞が段取り感満載なのです。リハーサル風景を見ているのかと思ってしまいます。画面の中でまともに存在しているのは、優等生役の彼女くらいではない?それと、この設定なら、母親は最後まで「さびしんぼう」を認識しない方がよかったのではないでしょうか。あとそもそも、タイトルを作中で連呼しすぎです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2020-07-01 01:07:43) |
27. THE CLASH ザ・クラッシュ
《ネタバレ》 「轢いた相手をそのまま家まで運んでしまった。さあどうしよう」という一発ネタだけで最後まで押し切る気合と迫力と手際はなかなかのもの。ただ、それ以外にあまりにも何もないというのが、ちょっと物足りないかな・・・。職場の上司なんかはもうちょっと使いようがあったような気もするけど。あと、最初に意味ありげに出てくるカートをくれたおじさん、その後路上での一瞬以外は出てこないですよね?これも何かもったいないような。 [DVD(字幕)] 6点(2020-06-29 01:41:00) |
28. ザ・タイタニック<TVM>
《ネタバレ》 これがキャメロン版の1年前なのですが、びっくりするくらいキャメロン版と同じ。「SOSタイタニック」にもキャメロン版の元ネタがてんこ盛りだったのですが、これも随所に似たようなシーンや似たような演出があります。違いは、キャメロン版ではしつこいくらいあった室内や廊下の浸水・流水シーンがほとんどないのと、こっちは「救出されて以降」のあれやこれやが割と長い点でしょうか。あとは、こっちは群像劇風なところかな。●全体としては、テレビ用とは思えないくらい、美術も衣装もエキストラも凝っていて、大スクリーンで見ても十分だったのではと思います。前半の豪華絢爛な船内も、後半の徐々に沈没が進む光景も、両方ともきちんと撮っています。これだけで低い点はつけられません。●弱点は、登場人物のほぼすべてがことごとく変というかずれているというか人格的に問題ありなところであり、したがって後半に船が沈んでもあまり悲劇に見えません。何でわざわざそうしたんだろう・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2020-04-23 01:37:06) |
29. さらばバルデス
《ネタバレ》 前半は、謎の存在っぽいブロンソンとそこに居着いた少年の奇妙な同居生活が始まって・・・という展開なのですが、何とやっていることは、どうやって馬を飼いましょうかというほとんどそれだけ。つまり、大砂漠の小さなお家というか、牧場生活の苦労に寄り添うドキュメントというか、ウエスタンというよりもむしろそっちのホノボノ系に近いのです。途中で敵っぽい地主が現れるも何も起こらず、あれはどうなったんだ?と思った頃に、俄然凶悪さを増してくる。そこでやっとこさ対決になるのですが、いやーあのラストはびっくりしました。ほぼ何も解決してないし、締めは完全に無理矢理だし。というわけで、何がしたかったのか分からないというか、小手先で作ってしまった感満載でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-03-17 02:31:15) |
30. サボテン・ブラザース
《ネタバレ》 発想一発でシンプルに勝負、内容は素直に勧善懲悪。こういうのはそれでいいのです。クライマックスの「作戦」なんてのは、ネタとしても優れている上に(アミーゴの理念が村全体に拡がったという象徴機能も込み)、ビジュアル面でもインパクトがあって美味しかったりします。 [DVD(字幕)] 8点(2020-01-07 01:26:23)(良:1票) |
31. 最愛の子
未整理な部分や中だるみな部分やバランスの悪い部分もあるにはあるんだけど、何よりも、監督のこの問題に対する真摯な想いが一直線に伝わってくるのが良い。子が発見されるまでの段階でもとてつもないハードルがあるが、「発見された後」には、それまで見えなかった新たな障壁が、すべての関係者に一斉に降りかかってくる。その丁寧な視座が確保されているという点において、この作品には価値がある。 [DVD(字幕)] 7点(2019-12-19 01:54:49) |
32. ザ・ファーム/法律事務所
《ネタバレ》 何かもう、すべてが中途半端なんですよね・・・。かつて在籍した4人について、もっともらしく書類の山とか写真とかが登場するのに、結局ほとんど何もなし。事務所の裏が実は・・・という部分にしても、そんな真相があったのか!なんていう驚きは何もない。思わせぶりに登場するジーン・ハックマンやホリー・ハンターもエド・ハリスも、ほとんど有効活用されていない。そのくせ2時間半超えという長さ。役者も演技してて辛かったのではないでしょうか。唯一、画面に登場して眼光を発するだけで存在感が強烈すぎるデヴィッド・ストラザーンに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-05-17 01:10:46) |
33. ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを
《ネタバレ》 GS映画のいろいろの中で、これはテンプターズ(もしかして、ショーケンの初主演映画は、これだということになるのか?)。ただ、まあ、脚本がとにかく滅茶苦茶というか適当というか・・・母親(新珠三千代)とのあれこれをどうこうしているのは、「おかあさん」を歌わせるためだし、なぜかペットに鳩がいてそれが死ぬというのも、「神様お願い」を歌わせるためだというのがミエミエ。歌わせるのは別に歌うシーンを入れればいいわけで、そのために脚本そのものを曲げる必要は全然ないのです。あと見所はデビュー当時のショーケンなのですが、演技は素人以下のレベルである上に大してイケメンでもなく、このどこに後の名優の素質が埋もれていたのか、しみじみ不思議です。 [DVD(邦画)] 4点(2019-05-15 21:49:52) |
34. ザ・ウォーク
アホみたいな一人称ナレーションの垂れ流しを聞いていると、何でこんな作りにしてしまったのか、心底疑問でならない。クライマックスの綱渡り開始後は、高層の迫力にそれなりに見入ってしまいますが、それって単なる再現映像でも可能なわけであって、映画にする必要はないでしょ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-04-28 00:45:32) |
35. ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years(2016)
《ネタバレ》 監督がロン・ハワードなんですね。なので、どこまでも丁寧なのです。ライブ映像の積み重ねはもちろん、写真や一般映像、「どこに録音が残ってたの?」というようなただのスタジオでの会話、そして現在のインタビューなども綿密に構築し、さらにはクレジットや数字データの提示も忘れない。それによって、いかに当時の観衆が熱狂していたか、というかむしろ「狂っていたか」も伝わってくるというものです。ただ・・・こんなに丁寧にやっていて、時間内に最後まで終わるのか?と思っていたら、「サージャント・ペパーズ」以降はものすごい勢いであっという間。「ホワイト・アルバム」は何であんなスタイルになったのかとか、「アビイ・ロード」B面メドレーはどうやって完成したのかとか、ゲット・バック・プロジェクトは結局何だったのかとか、そういった中でメンバーの関係はどう変容していったのかとか、そのあたりは一切なし。まあ、ライブをやってないんだからそもそも映像もないのかな、とは思いましたが(そしてサブタイトルがこうなっているのは後で気づきましたが)、それにしても、もうちょっと何かあるでしょ。さすがにこれはバランスが悪いです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-06 01:22:30)(良:1票) |
36. ザ・スパイダース にっぽん親不孝時代
今までの主演作は日活だったのが今作は東宝になって、また、メンバーも本人役としての登場ではなく(一応)それぞれに作品内の役がついている。なんだけど、もうこれが圧倒的につまらないレベルです。あれだけ面白かった「ゴーゴー・向う見ず作戦」から作を追うごとに下降していって、ついに底まで落ちています。グータラな主人公連がある日謎の勢力に巻き込まれて・・・みたいな話なのですが、とにかく、全体が最初から崩壊しているというか、何の話がしたいのか分からないというか。まあでも、1年で主演作を4本も作っていたら、最後の方はそりゃそうなりますよね。あと、68年の終わりといえばグループの人気にもだんだんと陰りが出てきた頃で、その辺のテンションの低さもそのまま表れています。 [DVD(邦画)] 3点(2019-04-03 01:54:14) |
37. さすらいの一匹狼
《ネタバレ》 最初のところで、意味ありげにスコープを覗くだけ覗いてニヤニヤしているだけという、この主人公のアクションがまったく格好良くないのです。で、結局そのまま最後まで行ってしまいました。大体、肝心の銀行家連中も、特に頑張って守らなければいけないように見えないし、まして子供を人質にして敵を脅すだなどというのは、もう何というか。皮肉と回帰を込めたラストに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-02-10 23:15:09) |
38. ザ・マスター
ストーリーはあってなきがごとし。ほとんど、監督の脳内二重人格会話を延々と聞かされているような感じ。本来は達者な役者陣に対しては、「こんな苦行によく立ち向かって耐えているなあ」という感心は起こりますが、これでは芝居の鑑賞はできません。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2018-12-23 01:24:48) |
39. サウルの息子
長回しは好きだし、カメラ一人称的な撮り方もそれはそれでよいのだが、ずーっと同じような撮り方ばかりされると、見ていても無意味に疲れてくる上に、何のためにそれがしたかったのか?むしろ、それをすることが目的になってないか?という疑問を禁じ得ないのです。 [DVD(字幕)] 4点(2018-11-09 00:26:09) |
40. 去り行く男
《ネタバレ》 牧場主に拾われたガンマンの主人公が、牧場主の妻から迫られる。が、その妻は牧童頭とも微妙な関係になったことがあって、主人公はその牧童頭から反発される。と、つまりは、ウエスタンの皮を被ったドロドロのメロドラマです(笑)。ヒロインたるべき牧場主の妻には、貞操観念のかけらもありません(まあ、そうなるに至った釈明じみたものは一応ありますが)。で、途中から脇役もいろいろ増えてきて重層的なドラマになりそうな気配もあるのですが、残り時間が気になってきたところで、最後に5分強で全部片付けてしまいます。中盤まではそれなりに期待できたのですが、このあっけなさは何だったのでしょうか。あと、デビュー直後のチャールズ・ブロンソンがさりげない脇役で登場していて、なかなか堅実な存在感を見せています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-10-30 20:28:14) |