1. 三十四丁目の奇蹟(1947)
《ネタバレ》 とりあえず、エドマンド・グウェンのキャスティングに尽きます。どう見ても本物のサンタさんにしか見えません。 感想として、簡単に表現すると「古き良きアメリカの良心万歳!クリスマス精神万歳!」という感じです。単なるファンタジー映画ではなく、社会の風潮・現実から目を反らすことなく、理想をそこに真正面からぶつけていく精神が素晴らしいと感じました。やや、オチは強引な気もしましたが、そこはやはり映画ということで・・・・ [地上波(字幕)] 10点(2014-12-24 23:45:27) |
2. 櫻の園(1990)
《ネタバレ》 今度リメイク(内容は全然違うみたいですが)されるということで、十数年ぶりに観返したんですが、当時のあの雰囲気が殆ど鮮度を落とさず残っていてちょっと驚きました。 ほぼ登場人物たちと同世代なこともあって、この何という事もない日常の空気が非常に懐かしくそして愛おしく感じられました。 [地上波(邦画)] 9点(2008-10-20 10:49:12) |
3. サイレント・ムービー
《ネタバレ》 非常にギャグ満載で馬鹿馬鹿しいけど面白かったです。まあ、セリフが無い分ジェスチャーや効果音を上手く使っていて良かったです。あと、ポール・ニューマンやライザ・ミネリ、メルブルックス夫人であるアン・バンクロフト等のスターが、自らパロディを演じているのも見ものです。(一番インパクトがあったのはマルセル・マルソーでしたね。) 楽しい時間を過ごすことができました。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-08-23 11:57:01) |
4. THE FIRST SLAM DUNK
《ネタバレ》 SLAM DUNKを知っていても、いなくても、バスケットボールというスポーツの魅力が2時間強に詰め込まれていて楽しめる作品です。 宮城リョ-タを主人公にすることで、原作の主人公である桜木花道の強烈な存在感を薄め、「バスケットボールの映画」であることを強調したことが、外国を含め幅広く受け入れられた要因ではないかと思います。といいながらも、数々名言の数々はしっかり残っていて、原作好きとしては嬉しい限りでした。 [映画館(邦画)] 8点(2023-05-04 19:28:10) |
5. サブマリン(2010)
《ネタバレ》 一昔前のイギリス映画の雰囲気が懐かしさを感じさせ、ところどころに散りばめられたセンスの良さとユーモアが非常に心地よい作品でした。なんと言うか、主人公とほぼ育った時代が同じなので、自分の15歳の頃の考えとか行動と相通じるものもあってとても共感できる内容でしたね。あの80年代の胡散臭い部分も映し出されているのも良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2013-11-02 09:22:09) |
6. 311
《ネタバレ》 遺体の撮影、原発周辺取材の頓挫等々お粗末な面も不謹慎な面も確かありましたが、そんな粗さを吹き飛ばすほどの圧倒的な映像でした。確かに配慮は必要かもしれませんが、やはり事実を事実として伝えることは誰かがやらねばならないことだと思います。 しかし、大川小学校の取材シーンで地震後津波が迫ってきているのにも関わらず、児童たちの点呼が終わるまで迎えに来た親を待たせていたという事実は身震いがしましたね・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-28 10:01:18) |
7. 最強のふたり
《ネタバレ》 お互いを尊重し、受け入れられるものは受け入れる、多少の過ちも反省の心があれば許してあげる・・・というような「寛容と受容」という理想がおとぎ話ではなく現実に起こっているという事実こそが、この映画の最大の魅力であると思います。 ただ、この2人の物語に多くの人が心を動かされたということは、逆に現実では中々起こりえないということでもあります。この作品の中でも、ところどころに移民問題が深刻な社会問題となっているフランスの実情も描かれています。 しかしながら、そういった状況の中でも共生は決して不可能ではないのだということを、ユーモアを交えながら伝えてくれるこの映画を私は評価したいです。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-08 00:23:56) |
8. サムサッカー
《ネタバレ》 なかなか思うようにいかない人生に不安や心の傷はつきもので、この作品は誰しもが抱える大きくはないが根深い苦しみをテーマに描いています。野心はありながらも周囲と折り合いをつけるのが苦手で何かを諦めてしまっている主人公やその家族にとても共感できるところがあり非常に面白かったですね。 悪い奴が殆ど出てこないファンタジーながらドライな雰囲気と優しい音楽が非常に合っていて心地よかったです。 [DVD(吹替)] 8点(2012-06-30 11:51:05) |
9. サラの鍵
《ネタバレ》 ドイツ占領下のフランスでフランス人もホロコーストの手助けをしていた事実を伝えるだけでなく、ホロコーストの傷跡が現在の世の中にどのように残っているのかについても描いていて非常に興味深かったです。 基本的に現代劇で、主人公が我々と同じ目線で事件を追っているのでとても身近な感じがして良かったです。 原作もぜひ読んでみたいと思わせる素晴らしい映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-15 00:12:11) |
10. 桜田門外ノ変
《ネタバレ》 ドラマ性を極力排した硬派な作りが、明確な悪と善が存在しない「桜田門外ノ変」という事件の難しさを描きだしています。 幕末の水戸藩の悲劇は、尊皇でありながら主君が徳川家というジレンマを抱えたことであることがこの作品の中でも垣間見えました。まあ、明治維新に水戸藩は上手く利用されてしまったともいえますね。 そして、日本の武士道が行き着く先を示してくれただけでなく、なぜ明治以後水戸藩の名前が出てくることが無かったのかを伝えてくれる、この作品の原作者である吉村昭の「天狗争乱」を是非映画化して欲しいですね。あまりにも悲惨なので地元は嫌がるかもしれませんが。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-29 16:03:21) |
11. サラエボ,希望の街角
《ネタバレ》 ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦が遺していった複雑な社会状況が映し出されていて非常に興味深い作品でした。また、宗教というものは世のあらゆる問題に対し明快に回答を示してくれるが故に心の安らぎを与えてくれると同時に異なる回答への強烈な拒絶反応も作り出してしまう恐ろしい側面も持っていることをこの作品は教えてくれます。 まあ、戦争の傷跡の深さを考えると、宗教の安らぎに逃避してしまうことを全面的に否定はできませんけれど・・・・。ただ、女性にとっては完全に男尊女卑な世界を拒絶するのはやむを得ないでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-24 00:41:00) |
12. さよなら子供たち
《ネタバレ》 子供たちの無邪気な日常に、大人たちの世界が理不尽さ残酷さと共に侵食していく様を、淡々としたタッチでありながら無駄の無い演出で描いている作品です。 ナチスドイツ占領下のフランスの人々の動きも、親独・反独がいろんな事情で入り混じっていて切なかったですね。まあ生きていくための選択ですから今の感覚で批難はできませんが・・・・・・。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-07-31 10:59:19) |
13. さんかく
《ネタバレ》 正直あまり期待せずに軽い気持ちで観ていたのですが、すっかり吉田恵輔ワールドにハマってしまいました。初めは登場人物のリアルなバカっぷりに苛立ちさえ感じていたのですが、妹が実家に戻ってからの展開の凄まじさに惹き込まれ、最後にはそのバカッぷりに笑わせられ、泣かされましたね。 まあ、子どもの領域と大人の領域の間は相互不可侵が一番ということですかね。 [DVD(邦画)] 8点(2011-01-16 17:08:50) |
14. The Harimaya Bridge はりまや橋
《ネタバレ》 なかなか骨太で見応えのある作品でした。 「人は理由を付け差別をする」というセリフが出てくるように、人種間、親子間の葛藤やさまざまな偏見がテーマとなっていて非常に興味深かったですね。 こういった葛藤や偏見といった問題に対しては、ついつい無関心を装ったり、いろいろと理由を探して正当化したりしてわが身から遠ざけたくなりますけど、やはり解決のためには例え傷つくことになるとしても直接それらの対象と触れあっていくことが必要なことであるのだなと痛感させられました。 監督も高知に住んでいたことがあるということで、日本の描き方もそれ程違和感は感じませんでした(misonoはちょっと浮いてましたが。)。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-15 00:54:38) |
15. 13デイズ
《ネタバレ》 シビリアン・コントロールの重要性を思い知らされる映画でした。あの時ホワイトハウスに冷静な判断を下すトップがいなかったら、今頃この世界はどうなっていたのかと考えると恐ろしくなりますね。 ホワイトハウス内の緊張感が最初から最後まで観ている側まで伝わってきて非常に見ごたえのある映画でした。 [地上波(吹替)] 8点(2009-08-25 09:46:04) |
16. ザ・ハリケーン(1999)
《ネタバレ》 冤罪事件そのものよりも、それを出世の手段にしてしまう人間の存在や根底に潜んでいる人種差別の姿に恐ろしさを感じてしまいましたね。そんな絶望的な状況の中でも鋼のような精神力で無罪を勝ち取った主人公の姿には感銘を受けましたし、そういった理不尽な状況を見過ごさずに彼を支援し続けた人たちの存在があったことは「まだまだ世の中捨てたものじゃない」という希望を持たせてもらいました。 ただ、たまたま主人公は救われましたけど、ひっそりと抹殺されかけている多くの「ハリケーン」達がまだまだこの世の中には多く存在しているのかと思うとぞっとします・・・・・。 [地上波(吹替)] 8点(2008-12-20 20:09:08)(良:1票) |
17. サッド ヴァケイション
《ネタバレ》 ストーリーは良く練られており、また、大好きな中上健次の「枯木灘」のオマージュ的な要素が結構あったりして非常に面白かったです。映像構成も見事でした。また、ジョニー・サンダースの曲を主題歌に持ってきて作品世界にきっちり嵌め込むセンスは素晴らし過ぎます。ちょっと「ビヨーン」という効果音を多用していたのはどうかと思いましたが・・・・。 それと、豪華出演陣のそれぞれの個性の強さが映像の中で主張しあうが故に、「ユリイカ」のようにスーっと流れていくストーリーに身を委ねる心地よさを感じることが出来なかったのが個人的にはちょっと残念です。 この作品は北九州サーガ完結編と銘打たれてますが、是非青山真治版「地の果て至上の時」(「枯木灘」の続編)を撮っていただきたいですね。まあ、決着は既についているのかもしれませんけど・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-21 17:42:59) |
18. サンダカン八番娼館 望郷
《ネタバレ》 こういう、汚点として「無かった」ことにされがちな歴史的な事実を記録として残すだけでも大いに意義があると思います。 しかし、演技を全く感じさせない田中絹代の演技は凄いですね。栗原小巻が完全に食われています。高橋洋子も、異国の娼館という過酷な状況で変貌していく少女の姿を見事に演じています。 ラストは非常にやるせなさを感じてしまいました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-07 22:56:03) |
19. さらば愛しき大地
《ネタバレ》 非常に生々しい人間ドラマでしたね。まあ、素晴らしい作品であることは間違いありませんが、あまりにもリアルなタッチ(覚醒剤を打つシーンまでリアルです)で描かれているので、見ていてちょっと身につまされるものがありましたね。 出演者たちが本当に素晴らしかったですね。根津甚八演じる主人公なんて本当にいそうですし。あと、秋吉久美子の茨城弁が非常に自然な感じだったので調べてみたら、福島のいわき育ちなんですね・・・納得です。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-12 18:22:24) |
20. さくら隊散る
《ネタバレ》 原子爆弾投下がいかに非人道的な行為であったかを痛感させられるドキュメンタリーでした。原爆症に苦しめられ死んでいく隊員達の姿の再現シーンはあまりにも悲惨で強烈な印象が残りました。特に園井恵子については「無法松の一生」を見たばかりなのでその死は衝撃的でした。 [DVD(邦画)] 8点(2008-02-02 23:45:09) |