41. 17歳の肖像
《ネタバレ》 まず美少女高校生を演じ、アカデミー主演女優賞まで取ったキャリー・マリガンについてですが、映画が始まった直後は「ちょっと高校生役は無理なんじゃ……」と思っていたのですが、場面場面で彼女が見せる表情がとても魅力的だったので、最後にはジェニーがめちゃ可愛いと思える程に。ストーリーは、普通に考えると、中年オヤジに遊ばれる女子高生という陳腐な物なのですが、主人公のジェニーが「インテリの世界に憧れている」「家が保守的な考えのオヤジに支配されている」「少女から大人の女に変化していく状態」である事により、単純な恋愛映画では無くなっているのが面白いと思います。あと素晴らしいと思ったのが撮影と編集です。ジェニーの理想であるデイヴィットの世界に不安を覚える程、不安定になる画面は視覚的に面白い。 最後の父親が差し出す紅茶とビスケットが、今までの放蕩生活で味わった豪華な食事より美味しそうに見える所に、この映画の言いたい事が詰まっている気がします。 [映画館(字幕)] 7点(2010-08-31 22:12:33) |
42. シン・シティ
《ネタバレ》 ベタ塗りを多用するアメコミをそのまま映し出した様な映像にまず驚きます。ブルース・ウィリス、ミッキー・ロークという落ち目俳優をここまでカッコ良く映すのは凄いですねー。一話分のボリュームの少なさが少し不満点です。 [地上波(字幕)] 7点(2010-06-28 01:01:04) |
43. 仁義なき戦い 頂上作戦
《ネタバレ》 前作には見られなかった警察の要素が入り、山守組と打本勢と警察の三つ巴の抗争が面白い。打本と山守のクズッ振りに磨きがかかっている事も面白さの一つですね。長大な物語も遂に大佳境を迎え、広能達の世代交代を匂わせて映画は終わる。辛酸を嘗め続けている広能(と武田)だが最後には彼らに笑いを与えて終わって欲しいと思います。打本や山守の様な卑怯で小心のクズが直ぐに釈放され、広能や武田の様な仁義と度胸を携えた男が長期刑を受けている図は非常に辛い気持ちになりました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-28 00:27:05) |
44. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 何といってもこの三作目の面白味は、ヤクザの抗争劇を冷戦の状況に照らし合わせた脚本の妙ですね。代理戦争が進み様々な策謀が行き交う中、その真っ只中に佇む仁義と理を兼ね備えた広能の何とカッコいいこと!その広能を立たせる為の脇役がまた魅力的です。 本編は「全面抗争はこれから」といった半端な所で終わりますが、映画の尺とスタンスを考えるとこれくらいが妥当なのかな。それでも少し物足りない気がしました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-21 23:47:41) |
45. 死の標的
ヴィジランテ物としては結構面白かったです。敵が黒魔術を使うジャマイカ集団というB級感丸出しの設定がアホ臭くて良い。 [地上波(吹替)] 5点(2010-05-05 09:30:54) |
46. 幸せのレシピ
個々のキャラクターは非常に魅力的(特にアビゲイル・ブレスリン演じるゾーイ!)なのですが、ハッキリ言ってそれ以外の部分には全く魅力を感じませんでした。でも別に物語として破綻はしていないし……。ウーン、普通過ぎる展開にはそろそろ飽きちゃう年齢になってしまったということでしょうか。ただし音楽だけは駄目だと思います。3パターン位のフレーズを早めたり遅めたりしてるだけです。手抜きすぎ。 [地上波(字幕)] 4点(2010-04-26 06:38:21) |
47. 地獄の黙示録
《ネタバレ》 「ベトナム戦争はアメリカが引き起こした狂気の産物」という事実と、コンラッドの傑作小説「闇の奥」を基に作られた戦争映画。主人公と行動を共にするクリーンとシェフは途中で船に乗った何の罪も無い民間人を虐殺しますが、その後に主人公が生き残りの女性を射殺すると「何て酷い事を……」と主人公を攻め立てます。殺す殺さないの意思の違いはあるでしょうが、私にはどちらも同じ行為に思えました。主人公も、カーツも、キルゴアも、シェフも、バカなサーファーも、クリーンも、そしてアメリカ全体も、皆狂気に塗れていた。 [地上波(字幕)] 7点(2010-04-13 18:25:26) |
48. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 コナン・ドイル好きの私ですが、ホームズとワトソン君を武道派にしてアクションシーンを盛り込んだのは、良いアレンジだったと思います。お話の方ですが、コナン・ドイルと言うよりはカーター・ディクスンの様な、オカルトと宗教が科学によって成り立っている展開は個人的に好きなので、映画としては結構満足しました。 その他にも、ホームズの初対面の人に対しての分析、ベイカー街221B、モリアーティ教授などシャーロキアンが観るとクスリと出来る要素が入っていたのも面白い。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-28 20:49:37) |
49. 食堂かたつむり
個人的に雰囲気先行型の映画が好きではありませんので、厳しい評価を付けました。こういう世界にトリップ出来る人は良いのでしょうが、私は倫子を取り巻く環境に全く魅力を感じませんでした。 しかも必要の無い様な演出が多い事も鬱陶しい。不必要な部分を全部削って90分位にしたら、嫌いな作品にならなかったのかもしれません。 飯が美味そうだったのが唯一良かったです。 [映画館(邦画)] 1点(2010-02-20 01:34:25) |
50. 白い馬(1952)
《ネタバレ》 馬の躍動感溢れる動きは面白いのですが、ストーリーに難がありすぎると感じた。まず白い馬と少年の友情が生まれる瞬間がアッサリしていて、またハッキリと分からないので、後半で「こいつら何でこんなに仲いいの?」と思ってしまう。また叙情感を出したかったのでしょうが、少年の家族としておじいさんと妹(?)を入れたのは明らかにミスでしょう。ラストで少年と白い馬がどこかの国に旅立っていくのを観て、真っ先に残された家族を心配してしまいます。そこに全くフォローが無いのはキツい。 普通に考えても結構脚本に難があると思うのですが、フランスの芸術映画ってそう云うことは二の次なんでしょうかね。 [映画館(字幕)] 5点(2009-12-30 17:41:28) |
51. 16ブロック
《ネタバレ》 エディの存在が映画を少しダメにしていたと思う。彼の持つ「面白黒人」のテイストは、ラッシュ・アワーの様なドタバタアクションで活きるのであって、本作の様なシリアス目なサスペンスとは食い合わせは良くないだろう。私がジャックだったら劇中で3,4回は殴ってしまう気がした。そのエディが終盤画面上から消えたとたんに画面が締まること締まること 笑。監督はキャリアがある人なので、全体を手堅く纏めている。それを昔撮った影響なのか、リーサル・ウェポンの様なバディ・ムービーにしてしまったのには、普通に残念です。普通のクライムサスペンス映画として撮っていたなら、佳作にはなっていたと思う。 あとデヴィッド・モースの悪役っ振りが様になっていて良かった。今後、お気に入りの悪役俳優になりそうな予感。 [地上波(吹替)] 6点(2009-11-24 12:19:24)(良:1票) |
52. シリアの花嫁
《ネタバレ》 シリアでの結婚式の一日を国際問題を絡ませて描いた作品。扱いにくいテーマを物語に添わして行く、その手腕は非常にスムーズで上手いなあと思ったのですが、その他の部分が微妙でした。お姉さんの話はあれで解決しているとしたら余りにもタンパクだと思うし、お父さんの話ももう少し余韻があっていいかと感じました。 一番気になったのが、終盤での出国審査。この物語の胆になる部分ということは分りますし、ここを丁寧にくどいくらいに描かなければテーマ的にダメということは分りますが、それにしても長すぎ!せめて二回くらいにしてくれませんかねぇ。 [映画館(字幕)] 6点(2009-11-08 23:21:14) |
53. しんぼる
《ネタバレ》 松本人志が神の存在になる過程を態々90分もかけて描いた問題作。映画でもって自分を神にしちゃうって、どんだけ自己愛が強い人なんでしょうねぇ。結論から言うと恐らくやりたかった事は、キューブリックの「2001年宇宙の旅」の真似ごとだったんでしょう。しかし流石にこれは撮影、脚本、演出において、映画として公開するには問題がありすぎる。この人、ホントに映画の撮り方の勉強等をしてから作っているんでしょうか。その位、簡単に言うと下手くそ。先ずオープニングで車が一本道を走ってくるシーンから駄目ですが、何よりカメラをぐらぐら無駄に揺らし過ぎ!ぐらぐら揺らすのが最近の流行りだとでも思っているのでしょうか?密室劇のパートとの対比を出したかったんでしょうが、全然対比になってないよ!だってプロレスの試合シーンからカメラ固定されるんだもん。意味が分かりません。 脚本に関しては、最早崩壊レベル。崩壊というか、松本人志がずっと叫んでいるだけなんで、脚本云々の問題じゃないです。脚本も酷いですが、彼の演技も正直映画として見られる質では無いんじゃないでしょうか。大日本人の時は、まだ観れましたが、本作は観ている間余りにも苦痛でした。 誰も作ったことの無い映画を作ろうとする気概を持つのは結構ですが、それをするには多少は映画作りのノウハウ位は学んでおくべきだと思うんです。「2001年宇宙の旅」は話の複雑さだけでなく、映像面でも素晴らしかった。ちゃんとした技術の上に実験があるのです。彼がもし三作目を作る気があるのなら、松竹はその前に彼を映画学校に放り込んでください。 [映画館(邦画)] 0点(2009-09-13 02:01:36) |
54. G.I.ジョー(2009)
《ネタバレ》 CGの若干の残念さが良い意味で、この映画の「お話」としてのチープさに上手く合っていたと思います。というか中盤で出てくるカーチェイスの迫力ある追跡シーンで予算殆ど使っちゃたんじゃ無いでしょうか? 笑。 ナノマシンの明らかに間違った性能や、日本と中国がごっちゃになってる日本観の勘違いっ振りが素晴らしいですね。こういう馬鹿馬鹿しい映画では好きな方です。 [映画館(字幕)] 6点(2009-08-27 22:29:17) |
55. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 何より脚本が素晴らしい。役者さんの演技やシーンの演出も映画全体のいいスパイスにはなっているが、脚本の良さには敵わない気がしました。シドニー・ルメット版の「12人の怒れる男」は非常に上質な密室劇で12人の個性を短い上映時間で描ききったサスペンス映画の傑作ですが、それのパロディ兼リメイクとしては殆どオリジナルにひけを取っていない出来だったと思います。普通のリメイクだと詰まらないので、上映時間が延びるというリスクを負っても、有罪→無罪→有罪と話が二転するアレンジにしたのは英断でしょう。そのお蔭で、いかにも"日本人"っていう感じのおじちゃん、おばちゃん二人にもちゃんと活躍できる場がありましたし。 最後の第二陪審員が激昂するシーンなんかはオリジナルの良さをキチンと受け継いでるし、最初でオリジナルで云うヘンリー・フォンダ扮する第八陪審員役を本作の第二陪審員が演じる(ややこしい記述ですみません 汗)のかと思いきや、本質的にはオリジナルの第三陪審員の役回りだと云う辺りも良い演出だと思いました。 この素晴らしい脚本を書いた三谷幸喜に拍手を送りたい。 【追記】この前観直してみたのですが、少々穴もありますね。子どもがひとりで食べきれない量のピザを頼んだとしても、それが店の一番小さいサイズのピザである限り、子どもと一緒に食べるつもりだったと云う事は立証できませんよね。 [地上波(邦画)] 9点(2009-08-26 18:22:40) |
56. シューテム・アップ
とてつもなく頭の悪い映画なのですが、ここまで笑わせてくれたアクション映画は久し振りでした。モニカ・ベルッチと駅弁しながら敵をやっつけるところが最高!アホすぎ! [DVD(字幕)] 6点(2009-07-16 00:15:40) |
57. シャイニング(1980)
キューブリックらしい映像美と恐怖心を煽る構図は十分に堪能できたのですが、少し話が冗長だなぁと感じました。それにしてもホラー映画って「犠牲者が一人、また一人……」が定番だけど、この映画は終盤まで誰も殺さずにホラー映画として成立しているのが凄い。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-26 22:54:55) |
58. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 巷で非常に評判がいいので鑑賞してみましたが、面白かったですねー。好き勝手してるのに物語として面白いし、話が破綻してないのは、この手のパロディ映画では珍しいのではないでしょうか?キャラクターの描き方も定番かつ丁寧でした。ただゾンビ物に定番のお色気シーンが皆無だったのは少し残念でした。あと劇中に流れる曲のセンスもよく、ジューク・ボックスからクイーンが流れるあたり、イギリスらしいなぁと笑ってしまいました。 それにしても最後のオチは凄いですね。笑えねーよ! 笑 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-24 12:58:04)(良:1票) |
59. 少林少女
全てが酷すぎる。映画の進行に頭がついていけません。ここまで酷い脚本の映画は久々に観たような気がします。こんな脚本に巨額をつぎ込むフジテレビは絶対どうかしてます。 あと酷かったのが、アクションシーンの表現です。「マンガ的表現はマンガの中で行うから優れているのであって、実写では必ずともそうではない」という事です。一昔前に日本のマンガ的な演出を取り込んだハリウッド映画(例:マトリックス)が大ヒットしました。それは全然かまいません。でも実写でオーラが体から染み出たり、水中から回転しながら飛び出したり、なんかよく分からんけど登場人物が空を飛んだりすると、誰がどう見ても不自然でしょ!こんな演出を本気で考えた十川誠志は猛省しろ! [地上波(邦画)] 1点(2009-04-30 09:22:18) |
60. JAWS/ジョーズ
《ネタバレ》 今観ても十分に興奮できる稀有なホラー作品。しかし余りにもステレオタイプな人間関係には笑ってしまった。最後も鮫狩りの人だけ死んじゃって可哀そうだったなあ。その後に和気あいあいと泳いで帰る二人が少し不気味に思えてしまった。 [地上波(吹替)] 6点(2009-02-07 20:25:36) |