61. 新・刑事コロンボ/幻の娼婦<TVM>
《ネタバレ》 新・刑事コロンボになって3作目、ようやくまともなエピソードに巡り合えた気がする。 ネームバリューのあるオールドミス、隠れて浮気している恋人の口から出た自分への侮辱、そして女は化ける…この最初の設定はとても面白いと思う。 セックスカウンセリングが舞台ともあって世間では、このエピソード、賛否両論ではあるが、トリックの解明ばかりでなく、男と女の単純な心理描写がよく描かれていて、昔のコロンボに通ずるものがある。 しかし、新シリーズになってからというもの、毎回コロンボはいきなり犯人の前に出くわし、もうすでにコイツが犯人だということを前提に捜査を進めているようでならない。 加えてコミカルなシーンが多すぎて、肝心の捜査シーンがカットされているので、いつもコロンボと犯人は相棒のように一緒にいるようにもみえるのが残念。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2010-10-24 04:02:26) |
62. 新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM>
マンネリ感は否めない。ここまでくると「古畑任三郎」と同じレベル。 コロンボは登場シーンから犯人が誰なのかわかっていたかのようだ。 まるで犯人はお前だというかのようなコロンボのセリフの数々。 私が思うに、「刑事コロンボ」の面白いエピソードの共通点はコロンボが犯人に会いに来る回数は3、4回がベストだ。 犯人に何度も訪れるコロンボ。あちこち落としてある被害者の私物…。 正直疲れた。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2010-10-14 22:58:53) |
63. 新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM>
《ネタバレ》 被害者と加害者が同じ刑務所にいたという過去をアメリカ軍やコロンボが最初に調べていないというのは、どうも納得がいかない。その刑務所暮らしをしていた二人が出所して超能力者やマジシャンになった経緯、そこに何の繋がりもない。 超能力とか科学技術なんてものは年々新しくなっていくものだから、ネタとして使われると作品自体古臭いものに変わっていく。その古臭さをなくすには、やはり超能力はインチキという結末でなければならないのだ。 ラストシーンで犯人に少しでも良心があればコロンボはギロチンで首が落ちていたはず。 それにしても、これだけの証拠(推理?)で第一級殺人というのは腑に落ちない。私の理解力がないからだろうか? [CS・衛星(吹替)] 5点(2010-10-08 00:11:07)(良:1票) |
64. ジュリア
《ネタバレ》 本サイトで高評価だったので期待したが、展開に起伏がないし、何を訴えたいのか全く伝わってこない作品だった。 クリント・イーストウッド主演の「ファイヤーフォックス」と同じく、本作はモスクワで反ナチス運動をしている幼馴染のジュリアにたどり着くまでがメインストーリーだが、冒頭の、なかなか本が書けない主人公の葛藤や成功など、本筋に必要ないエピソードが多すぎる。 ジェーン・フォンダは、まるでファッションショーのように衣装替えが多かったが、それが返って、1938年の舞台設定の雰囲気をブチ壊している。 ジュリアに逢って、自分の産んだ子を探してほしいと頼まれる主人公リリー。 しかし、いかに戦争が始まったとはいえ、この結末は酷過ぎると思う。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-05-20 01:59:18) |
65. シャーロットのおくりもの(2006)
《ネタバレ》 もともとアメリカで1952年から子供に読まれているロングセラーで、日本ではクリスチャン向けの本屋にも並んでいるらしいです。 原作を既に読んでいたのですが、少女がシャーロットなのか、豚がシャーロットなのか…。 これは5歳くらいの子供がいる親が寝かしつける前に読ませる本だと思います。 構成は無茶苦茶ですが、毎晩少しずつ読ませてあげれば、命の尊さが伝わるのではないでしょうか? 映画は、原作をそのまんま90分に再現されたもので、それ以上でも、それ以下でもありません。 良く出来たCGだし、大人が目の色変えて真面目に点数をつける作品ではないと思います。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2010-04-01 21:03:58) |
66. 処女の泉
《ネタバレ》 どうしても現代社会に通ずるものと重ね合わせてしまう。 数年前に闇サイトで知り合った見知らぬ三人が夜道を帰宅していたOLを殺した事件を思い出してしまった。 しかし、製作された当時に実際に名古屋で起こった殺人事件を想像できる人たちがいただろうか? 私個人は復讐のために犯人を殺してしまった償いを教会を建てることで懺悔することなんて到底できない。 レイプされ殺された少女が倒れた場所から泉が湧くなんてバカバカしすぎるも程がある。嘘。嘘。嘘の作り話し。本作は紛れもない宗教啓発映画である。 私にとって、このラストは怒りすら覚える。 レイプシーンをリアリティに表現したら、あんなものでは済まない。 しかし、その残虐なシーンを抑えることで、本作は観る者に強烈な印象を与えるのも事実。 犯罪を犯した三人の羊飼いに少年を混ぜたのもミソ。ここに少年を入れたことで私も含め観客の反応は大いに変わってくる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-04 03:18:21) |
67. シークレット・サンシャイン
《ネタバレ》 溺愛していた息子が殺され、張り詰めた気持ちを宗教に傾けていく主人公に、気味の悪い緊迫感を覚えました。この何気ない空気の流れが、いつ変化していくのか、ハラハラしながら観てしまいました。 張り詰めた気持ちを入信することで現実を受け入れた主人公は、刑務所で既に入信して安堵している犯人を見て困惑し、今度は憎む相手を「神」に変えていくわけです。 誘惑される信者、徹夜の祈祷会で割れた窓ガラス……空を見上げ「神」に挑戦する彼女の気持ちが痛いほど伝わり、胸が苦しくなります。 世界最多の宗教数を誇る日本で、こんなテーマの映画は作れませんよ。絶対に! 私には登場人物全ての描写が限りなくリアルに見えましたが、特定の宗教をしている人たちには受け入れられないかもしれません。 誘拐殺人犯の娘が相変わらず町にいるのは疑問に思いましたが、ラストで、主人公の切り落とした髪が、陽の当たる場所と影になる場所にさりげなく舞っていくシーンに、どう考えていいのか戸惑いも感じました。 いかにも、この監督らしい作品です。 [DVD(吹替)] 9点(2009-10-12 21:34:59) |
68. 16ブロック
《ネタバレ》 シナリオがいいというので観賞しましたが、見事に裏切られました。 主人公が何故あそこまで裁判所までの護送に執念を燃やしているのか全く理解できませんでした。16ブロックという距離も日本人の私にはどれくらいのなのか全然わかりません。 アル中で片足が不自由、離婚した奥さんだけでは、主人公のトラウマは伝わってきません。。 ラストに使われるボイスレコーダーも段取りが良すぎるし、同僚や証人との心の繋がりに無理があり、納得いきません。 クレジットが出るまでブルース・ウィリスだというのは気がつきませんでした。役作りなのでしょうか?それとも病気…?このまま老け込んでしまわないよう心からお祈りします。 似たような映画で、70年代にクリント・イーストウッド主演の「ガントレット」という作品があるのですが、あちらのほうが100倍面白いです。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-29 04:35:20) |
69. シンプル・プラン
《ネタバレ》 墜落した飛行機に残されていた大金をネコババしようとしたばかりに、次々と災難が降りかかってくる。 観賞し終わって、冒頭一番まともな主人公が一番殺人を犯しているところに、皮肉な運命を感じてしまう。 私は以前、傷害事件に会って、和解金として100万円を目の前に置かれたことがありました。 金なんかで絶対に許さないと心に誓っていた自分ですが、目の前の現金を見た時、無意識に顔がほころんでしまった記憶があります。 「欲」というのは潜在的なものも含まれていて、「罪の意識」を免れようとする気持ちも、現状に立たされないと自分がどういう行動に出るか断言できないのが、私の結論です。交通事故のニュースで「ひき逃げをして、怖くなって逃げた」という供述をよく耳にしますが、なんとなくわかります。 因みにDVDの裏ジャケには、「原作をスティーブン・キングが絶賛!」と書かれていましたが、映画の内容もキング色が見え隠れした仕上がりになっています。 退屈させない娯楽映画です。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-27 07:35:33) |
70. 至福のとき
《ネタバレ》 冒頭から、金も仕事もないのに結婚願望だけは強い中年オヤジを、どうしても理解できなかった。 主人公の少女は誰が見ても可愛いだけに、そこにワイセツな行為に及ぼうとする人間が全く現れないのも、違和感を感じさせる。 監督が、少女を下着姿で歩かせたのは、観客の反応を伺うために意図したことは絶対である。ホント、この監督はエロいと思う。 以前、日本でも新札紙幣が出回ったとき、盲人のマッサージ師が騙された事件があった。その女性は真っ白な紙きれを撫でながら「酷いことをする人がいるんですね…」と哀しげな表情で俯いていたが、私は、たとえ、この少女が紙キレであることを最初から知っていたとしても、それを善意と謳ってマッサージをさせている、この連中を許すことができない。 この少女が残した「至福のとき」という言葉は、彼女自身が過去の人生経験と比べた上で感じたのであって、私たち観客が、失業者達の善意(偽善行為)と繋げてしまうのは安直な考えだと断言したい。 少女と中年オヤジの、それぞれの不幸と感謝の気持ちが、お互い伝わらないというエンディングは、私個人の考え方にとてもマッチしていた。 少女と中年オヤジの関係がウソの会話のみで繋がっている…これだけが、この映画を評価する唯一の点である。 ホント、ここまで自然体でウソばかり並べる映画って、意外と少ないんだよなあ…… 悪いことばかり書いてしまったようだけど、テンポやユーモアも悪くないし、いろいろなことを考えさせてくれる映画ですよ。 [DVD(吹替)] 7点(2009-05-29 04:46:27)(良:1票) |
71. 地獄に堕ちた勇者ども
《ネタバレ》 ママが何度も腕を上げ、湧き毛を強調しているのが気になってしょうがなかった。 感想は他のレビューと同じ。 未見の方は一応、同じ「卍」の腕章付けていても、突撃軍と陸軍ナチスは敵対関係にあることを知っておいた方が混乱しないかと思います。 それにしても40年前の映画かぁ…。あと10年で著作権がなくなるんですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-12 22:45:20) |
72. シラノ・ド・ベルジュラック(1990)
これだけ高評価にも関わらず未だDVD化されない、これこそ「掘り出し物」の映画である。完成度はかなり高い。 この作品、女性はやはり現実主義、男性は真のロマンティストであることを証明しているようだ。 仮にテレビに出てくる「汚れ」のリアクション芸人が現実はロマンティストだったとして女性は見方を変えたりするだろうか。所詮女性という生き物は一番可愛いのは自分であり、次に恋愛対象の男性は間違いなく外見、もしくは経済状況で判断する。美しい詩を書くなんてのは、それが原因で有名にでもならない限り、ただの紙くずである。 都合の悪い男がいれば、自分の人生が上手くいかないのは全て男尊女卑が原因だと社会のせいにする。それでも歳を取れば条件も緩やかになり、最後は『男は健康ならそれでいい』というのだから始末に置けない。 手紙の主がシラノだと知って、ロクサーヌに同情できる女性は何人いるだろうか? 「シラノ・ド・ベルジュラック」は、まさに男性のために書かれた恋愛小説であり、無償の愛を与える喜びを描いた理想の物語である。 「シラノ」は「スーパーマン」「スパイダーマン」と形を変えて普遍的なテーマは変えずにこれから先も同じパターンで作られていくだろう。 主演のジェラール・ド・パルデューは安心して見ていられる。 彼が主演の「レ・ミゼラブル(8時間バージョン)」と共に是非本作もDVD化してもらいたいものだ。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-03-01 03:14:36)(良:1票) |
73. 白い花びら
世紀末に作られたトーキーだけに、電子レンジやエレキギターが映るシーンに違和感を感じる。効果音は普通に聞こえてくるし。 実験的に作られた映画だと思うが、それ故、一般のフィンランド人の感性がイマイチ掴めなくなってくる。若いのか、年なのか? デブなのか、痩せなのか? 美人なのか、ブスなのか? その下手な演技は天然なのか、計算なのか? 日本人には伝わってこない部分が多々あるように思う。 それに、どっかで聴いたことがあるBGMに、どっかで観たことがあるシーン…。 長々とケナしているように書いてしまったが、でも、どことなく憎めない映画だった。 自主製作映画を作る人たちが集まって鑑賞すると盛り上がると思う。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-18 05:15:00) |
74. ジャニス
ジャニスジョプリンにハマる、きっかけを作ってくれる映画だと思います。 編集に無駄がありません。 最近流行りの、関係者の回想インタビューといったものは全く入らずに、ジャニス本人の言葉とコンサート映像だけで進行していくところが理屈抜きに疲れなくていいです。 因みに、最近発売されているDVDには、歌詞の対訳がなくインタビューしか字幕が流れません。ビデオとレーザーは歌の歌詞も字幕スーパーがついているので、なるべくそちらで鑑賞されることをお勧めします。 歌詞の内容に彼女のメッセージが含まれているからです。 それにしても、明るく華やかにエンディングは流れるのに、胸が締め付けられ、涙が出てきてしまうのは何故なんでしょう? [レーザーディスク(字幕)] 10点(2009-01-15 15:48:53) |
75. 市民ケーン
鑑賞後の満足度は世代に反映されると思う。 現在、この手法を発展させて、様々なサスペンス映画が製作されているので、若い人ほど、さほど驚かないだろうが、年齢が高い人間ほど、その斬新さを感じ、記憶はいつまでも残ると思う。 因みに現在、様々なメーカーからDVDが発売されているが、個人的には吹き替えが収録されているマックスターをお勧めする。 吹き替えは、ただ字幕を棒読みしたものではなく、無名かもしれないが、ちゃんとした声優が字幕とは違う「日本語」を話してくれる。 字幕を追ってストーリーを追求するのとは解釈が違ってくるはずだ。 英語を理解できない日本人にとって、字幕とは記号でしかないのだ。だから私は吹き替えをお勧めする。 最悪なのは、淀川長治の解説を収録したアイ・ヴィー・シー。絶対にお勧めしない。あの爺さんは、ラストまで全て語ってしまっていて、早送りしない限り、冒頭から自動的に再生されてしまう。 オーソン・ウェルズだったら「第三の男」のほうが絶対お勧め!! [DVD(吹替)] 7点(2008-12-22 01:45:55) |