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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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81.  少林寺三十六房
『努力は必ず報われる』とはAKB48高橋みなみの言葉。勿論真実ではありません。無駄な努力は無いと信じたいですが、報われない努力はあります。残念ながら。だからこそ、努力が報われた時の喜びは何ものにも代え難いのです。修行の行程を35の房(クラス)に別けることで段階的な達成感を創出し、修行の成果が実戦で活かされる様を明確に見せました。よくみればツッコミどころ満載で(とくに敵がしょぼい)、それぞれの修行も淡泊で物足りない部分もあるのですが、多くの支持を受けている一番の要因はこんなところかと。かく言う自分も好きですが。中国拳法最強の武器は三節棍だと子供心に思ったものです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-18 19:15:35)
82.  シロメ 《ネタバレ》 
フェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)とは、ドキュメンタリーの撮影技法を演出に取り込んだもの。体裁はドキュメンタリーでも、内容は完全フィクションのツクリモノ。当然キャストも演技をしているワケです。しかし本作では、ももクロがその事を承知していません。画面に映し出されるのは、素で怖がるアイドルたち。種明かしがあったように、単なるドッキリでした。自分は“面白ければ何でもアリ”だと思っているので、「こんなの映画じゃない」とは言いません。しかし単純に面白くないのです。ももクロファンが観てそう思うのですから、一般人なら言わずもがな。怖がらせるなら、座り○ょんべん漏らすくらい徹底的にやらなければ意味がありませんし、それが無理なら(まあムリでしょうな)もっとももクロのいろんな表情を見たかったと思います。怯えた表情だけじゃなく、普段見られない喜怒哀楽に属さない顔を引き出す仕掛けが欲しいと思いました。
[DVD(邦画)] 3点(2012-07-20 21:54:34)
83.  少女たちの羅針盤
話下手な人の話は、とかく長いものです。それは伝えたい事を全て語ろうとするから(自戒を込めて)。思いが強いと説明過多になってしまう心情は理解できますが、実際は逆効果です。相手の心に届けるためには、ポイントを絞り、相手に考えさせ、想像させる余裕を与えることが肝要と考えます。自身の思いを相手の心で再現してもらう余地を用意するのです。それは映画にも言えること。本作の脚本には、その心得が在りました。まるで程よい間隔の庭園の飛び石を踏む心地良さ。肝となるエピソードは丁寧に描きつつも、省略できる説明は大胆にカット。観客は見えない部分を、自身の頭で補足します。観客の想像力を信頼している良い脚本でした。ミステリーとしては真相部分が弱いものの、謎解きのヒント・伏線・ミスリードは存分に織り込まれているので不満は感じません。本格派ミステリーの風格でした。もっとも本作の見所はミステリーパートにあらず。少女たちの心の内を描いた青春ドラマにありました。対立、葛藤、混乱、そして模索…。彼女らは、その未熟な心と体で、もがき苦しみます。でもそれは何かを創造するために必要な痛み。自分の居場所を確保するための試練。決して無駄な苦しみではありません。現状維持に四苦八苦しているおじさんからすると、それはとても眩しく、羨ましい光景に思えました。人間、若いときに、動けるときに、行動しておかないと後悔しますね。忽那汐里や成海璃子ら実力派の若手女優の熱演が観る者の心を打つ、青春ミステリーの佳作でありました。
[DVD(邦画)] 8点(2012-06-20 21:47:18)(良:1票)
84.  市民ポリス69 《ネタバレ》 
タイトルの『69』。この数字が意味するのは“相互サービス”。ギブアンドテイクと言い換えてもいいでしょう。市民ポリス制度における奉仕者のギブとは、治安維持のための労働力提供。対するテイクとは、“公権力を行使する快感”と解します。覆面を被る匿名性と公務執行には、“己が責任を問われない”という恩恵が付いてきます。ここがポイント。日々様々な形の責任というストレスに苛まれている大人にとっては、この上ないご褒美。ある種のやりたい放題。ちなみに女子高生たちがコンビニ強盗を平気でするのは、責任を取る気が無いからです。ですから責任を全うしている善良な市民ほど、公権力という最強の後ろ盾の魅力にハマるのは理解できました。69号や64号は、身の丈に合わぬ力に狂わされ暴走したのです。やっていい事と悪い事の区別が出来なくなる。それは彼らの膀胱のように、始末が悪いものです。ドイツ映画es[エス]でも描かれていますが、自分の価値基準を放棄するのは恐ろしいことです。自分が自分である事を辞めるという意味でもあるのだから。おバカコメディや純愛ストーリー要素にカモフラージュされているものの、物語の本筋は多分こういう事かと。意外とテーマはシリアスでした。テンションが低いというか、シュールというか、結構クセのある笑いは、一般ウケは厳しいと思われます。でも清水章吾にアイフル犬なんてギャグ、自分は一周してアリだと思いました。感性がオッサンですね。黒髪ロング+女子高制服というDVDパッケージで、栗山千明とばかり思い込んでいたため、早見あかりが出てきてビックリ。このへんもオッサンですね。『ウレロ☆未確認少女』で早見の美女ぶりが気になっていたところなので、嬉しい誤算ではありましたが。(以下完全な余談)何気なく動画サイトで『ももいろクローバー』を検索し、そのステージを拝見しましたが、パフォーマンス力に圧倒されました。『キック・アス』のヒットガールに勝るとも劣ら、いや勝る衝撃でした。遅ればせながら、早見あかりとももいろクローバーをこれから追います。早見の「狙い撃ち」…命中ですっ!
[DVD(邦画)] 5点(2012-02-25 01:56:13)
85.  少林少女 《ネタバレ》 
本広監督の前作『UDON』同様、実質2部構成となっている作品。前半はラクロス主体のスポーツ感動系。後半は格闘アクション映画でした。まず前半の感想から。テーマは“チームワークの大切さ”。ワンマンプレーで試合を壊し、チームメイトの信頼を失った柴咲。彼女が周囲に再度受け入れられていく過程が物語の肝です。ところがその処理がサッパリ。尺にして僅か10分ほどで、なんとなく収まってしまいます。淡々と前半戦終了。後半は格闘シーンが満載でした。『キル・ビル』とか『死亡遊戯』のパロディみたいなノリ。柴咲のアクションは満足出来るものではありませんが、我慢はできます。カワイイ娘は得です。でもその他の役者はいけません。全く動けない。江口と仲村はミスキャストでした。岡村が一番上手いってのは問題です。極めつけはラストバトル。この破綻ぶりは超ド級。ちょっとお目にかかれない程。結局バカ負けして笑ってしまったので、こういうオチもアリだとは思いますが、劇場で観ていたら多分呆れたと思います。どうせなら『少林サッカー』みたいに仲村と柴咲がカップルに納まれば良かったのに。なお劇場ポスター(先行版)の図柄がエンドロールバックってのは、流石に詐欺なんじゃないかと。
[地上波(邦画)] 3点(2012-02-14 00:10:49)
86.  失恋殺人 《ネタバレ》 
映画で女優が脱ぐ必然性とは何でしょう。娼婦やストリッパー等、役柄に必然性が内包されている場合(例:MIE主演『コールガール』)、あるいは物語の展開上脱ぐ必然性が生じる場合(例:綾瀬はるか主演『おっぱいバレー』注:本当におっぱいを出しているかどうかは各自ご確認を)があると考えます。本作はどちらも当てはまりません。宮地が脱ぐ必然性などありませんでした。ただし、脱ぐことでリアリティが増すのであれば、裸になる価値はあります。女がシーツぐるぐる巻きの濡れ場なんて、ウソ臭くって興醒めしますから。でもリアリティのために脱ぐのであれば、それ以外のシーンにもリアリティが求められます。少なくとも、近くに人が居るのが分かっているのに鍵もかからぬ診察室でおっ始めてしまったり、カーテンも閉めずに人を殺したりするのは論外です。「NHKの朝ドラ主演まで務めたこのワシが、せっかくひと肌脱いどんのに、この本じゃ台無しじゃいかいボケ!ワシの乳首を返さんかいワレ!!」宮地の心の叫びが聞こえるような。かなりのガッカリサスペンスでありました。宮地が脱がなくても物語は成立しますが、宮地が脱がないと商業映画としては成立しない。そんな作品であったと思います。それにしても宮地真緒。決して上手い女優だとは思いませんが、癒し系のエロ可愛さにおっさんメロメロです。日本一美しいロバ顔女優の極上のお胸に敬意を込めて、常識はずれの高得点を進呈させていただきたい。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-06 20:28:17)
87.  シェルター 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。ご注意ください。)  『シェルターさんが「あなたは神を信じますか?」と訊ねてきたなら、「私は神の僕です」と答えなければならない。もし無神論者だと告げようものなら、背中を斬られ、口から泥を吐き、7日以内に魂を吸い取られてしまうだろう。シェルターさんは若い男。又は少女とする説もある。』物語を都市伝説風に言うならこんな感じ。牧師は婆さんに操られているだけなので、主人公が呪術主の婆さんに救いを求めた方向性は正しいです。でも婆さんがすんなり術を解くはずもありません。そんなタマじゃない。ここで婆さんを殺していたらどうだったでしょうか。術が解除されれば勿論OKだし、死後も呪いが継続するようなら、もう打つ手はありません。ここが娘救出のラストチャンスだったと考えます。牧師から娘へデビッドの魂の移動が確認された今、主人公の対応は大変難しいものとなりました。呪いは解除されたのか?娘の魂は残っているのか?この後味の悪さは、悪くありません。
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 23:41:30)(良:1票)
88.  女子高生サバイバル・ドライブ 《ネタバレ》 
家庭用ビデオカメラの映像に、人物目線に固定したカメラアングル。本作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表されるフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)を髣髴とさせます。機材や人手不足を逆手に取り、登場人物に撮影を委ねる“記録映像”方式。臨場感とリアリティで好評を博し、後発の類似作品を多数排出しました。本作もそういった作品群の1作には違いないのでしょうが、“記録映像”との体裁は取っていません。そういう意味では『ブレア』より、むしろ『宇宙戦争(2005)』や『世界侵略・LA決戦(2011)』に近いと考えます。ただ、巨視的なアプローチを避け、あえて視点をミクロに絞ることで臨場感を煽る意図があったこれらの作品に対し、本作の舞台は至って限定的です。あのようなカメラアングルであり続ける必然性はありません。この不自然さを払拭する免罪符が“記録映像”方式だったのですが…。ですから歪なカメラワークに、観客はカメラマンの存在を意識せずには居られないのです。どうして女子高生の傍から離れないんだ。うらやま…もとい、もっと動け、いい画を押さえろ、と思ってしまいました。ところで話は変わりますが、DVDパッケージの女の子が誰一人として本編に出演していない事実にお気づきでしたでしょうか?表紙の写真は単なるイメージ。“KY殺人鬼”という煽り文句にも驚きましたが(空気を読めたら殺人鬼じゃないよ!)、胡散臭さ&インチキ度120%。流石のアルバトロス印でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2011-12-12 18:58:30)(良:1票)
89.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
『呪怨』10周年記念2作品のうち、『白い老女』の方はオリジナルの系譜を継ぐものでしたが、本作『黒い少女』はだいぶテイストが違いました。メインとなる登場人物の名前を冠して小節を区切るスタイルはオリジナルを踏襲しているものの、あくまで形式を採用しているだけ。小節ごとに律儀にオチを付けていた『白い老女』と比べると、その違いは歴然です。本来であれば、毎回黒い少女が姿を露にして驚かせてこその呪怨。ところが芳賀ゆい並に、姿を客前に現そうとしません。本作は『呪怨』であって、『呪怨』にあらず。はてさて、コレはどういう意味なのか。それでは“空手”を例に考えてみましょう。日本怪談の原点は、出るぞ出るぞと観客を煽る部分に意味がある、言うならば“寸止め式の伝統空手”。一方『呪怨』は出し惜しみせず、直接お化けが脅かしに来るフルコンタクト制。素人でも分かり易いのは、後者の方でしょう。呪怨式ホラーがウケたのも、考えてみれば納得なのです。では何故本作で下手な寸止め空手を見せたのか。伝統空手の凄みに気付き始めた観客への牽制なのか、はたまたフルコンタクトの進化形を提示しようとして失敗したのか。自分には分かりませんが、下手な寸止めより、派手なフルコンタクトの方が観ていて面白いのは間違いないです。というワケで2作品を比較した場合、自分のジャッジでは『白い老女』に軍配が上がります。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 18:31:47)
90.  首都消失 《ネタバレ》 
雲の内側の描写を一切排除することで不安を煽る。たった一羽の鳩の生還に、(雲の中の人たちの生存の)希望を見出すしかない。雲の中のパニック状況という分かり易い“見せ場”の描写の放棄には勇気が必要だったと思います。しかしそれは蛮勇だった気がします。物語の主軸は外部からのレスキュー。この部分でドラマを見せないといけません。ところが、著しくリアリティを欠きました。危険な雲という設定なのに、防護マスクを付けている人が一人もいないのは解せません。まさか役者の顔を映したいから?雲を排除するための作戦もその効果の説明も不十分です。緊張感を高めるのに最も有効な“時間の制約”を使わないのももったいない。申し訳ないけど、しょぼい。非常時における人間性の描写もこの手の作品の大きな魅力のはずです。しかしこちらも芳しくありません。人間の冷酷さを描くのはいいです。自分と関係ない不幸には、人はとことん鈍感になれるもの。無責任な野次馬の数々、災害を千載一遇の商機と捉える者。ただし主人公には、そうであって欲しくありません。渡瀬には、妻と息子がいます。家族を守るために命を賭けられるのが父親。仮にそれが離婚間際の妻とコミュニケーション不足の息子であっても。技術者としての誇りと2000万人の命を救いたい気持ちは分かります。でも一人の父親としての顔を見たかったです。もう一人の主役、名取裕子のほうも似た様なもの。挿入される恋愛要素がとても軽薄に思えました。名取裕子の手に触れて渡瀬恒彦が言う「ボクは今ひどく凶暴で危険な男になっています」でズッコケました。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-11-29 22:25:31)
91.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
92.  死霊のはらわたII 《ネタバレ》 
『死霊のはらわた』のセルフリメイクだと思うのですが、続編の『キャプテンスーパーマーケット』と併せた新規2部作と捉えるほうがしっくり来ます。それなりに纏まりのあった前作と比較すると、本作はしっちゃかめっちゃか。ほとんど物語の体裁を成していません。でもその分ディテールは凝りに凝ってます。切り落とした自分の手との戦いとか、チェーンソー装着とか、監督ノリノリです。嬉しそうな顔が見えるよう。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-22 19:57:44)
93.  シーサイドモーテル 《ネタバレ》 
良い演者を揃えているため、それなりに観られる作品に仕上がってはいますが、この脚本は戴けません。全くと言っていいほど仕事をしていません。コメディにそぐわない痛々しい描写や、アクシデント(交通事故)という作話上の“禁じ手”を2回も使うセンスを疑います。雰囲気は悪くありませんが、雰囲気だけではダメです。このような邦画が増えると本当に困ります。
[DVD(邦画)] 3点(2011-10-13 19:48:31)(良:1票)
94.  人生逆転ゲーム<OV> 《ネタバレ》 
映画版『カイジ』のサブタイトルと同タイトルの本作。“2匹目のドジョウ”を狙った映画である事は明白ですが、せめて“ざる”くらいは用意して欲しいと思いました。手ぶらじゃドジョウは掴めません。肝心のゲームに難ありでした。戦略性が薄く、カイジ流に言うなら運否天賦。心理的な駆け引きもありません。折角グラビアアイドルを主役に据えたのに、サービスカットが一つも無い。観客は何を楽しめばよいのでしょう。2番煎じでも3番煎じでも、C級でもD級でも構いませんが、お客を楽しませようという心意気だけは、どんな映画にも必要と考えます。そういう意味で本作はダメだと思いました。なお元ネタより上の点数を点ける訳にもいかない出来ばえなので、『カイジ』の方の点数を補正しておきます。
[DVD(邦画)] 2点(2011-09-25 18:20:06)
95.  11:46 《ネタバレ》 
邦題からも推測できるように、ヒット作(?)『0:34』と同じく地下鉄構内を舞台としたホラーサスペンス。有名作品あやかり系ゆえ、正直期待値は低かったのですが、それが幸いしたのか予想外に楽しめました。脅かしや無闇な血飛沫等、恐怖演出自体は平凡ですが、“狂集団から逃れて地下鉄構内から脱出しろ!”という目的が単純明快なので感情移入し易い。体裁としては『ゾンビ』と変わりませんが、敵がカルト教団というところがミソ。信者の中には年端のいかない子供も多く、敵の主な武器は短剣。殺傷能力は高くない。「危険だから戦いたくない」というより、「殺したくないから戦いたくない」という心理が働きます。このあたりの微妙な差異が、物語に綾を生みます。本作では比較的アッサリ処理されている部分ですが、もっと膨らませても面白かったと思いました。すわ予言は真実だったのか?!というラストですが、これは見事なミスリード。詳しくは↓【いぬきよ】さんが丁寧に解説して下さっていますので割愛しますが、初見だと真相に気づかないかもしれない。なかなか手が込んでいます。個人的には『0:34』より本作の方が面白かった。掘り出しものでした。
[DVD(吹替)] 7点(2011-03-27 20:20:29)
96.  ジーン・ワルツ 《ネタバレ》 
シリアスなテーマゆえ、濱田マリや大杉漣を使ってコミカルな要素を付加したのは間違いではなかったと思います。ただ生命賛歌の主張が一面的で深みが無いため、やや軽薄な印象も受けました。体外受精も代理母も人工中絶も、やっている事に大差はない。それを曖昧にして堕胎を望む若い妊婦を説得したところで心に響きません。生命誕生において恣意的に科学技術が介入することの是非と多面性を、きちんと観客に意識させる必要があったと思います。本作最大の難点は、主軸となる代理母のエピソードが良くないことです。風吹のお腹の子が主人公の子と知りガッカリしました。もし彼女が産科制度改革を主張するつもりなら、代理母を利用した事実は公表しなければ筋が通らないし、隠蔽するなら、弱者たる“第三者のため”という最低限の大義名分は欲しい(赤ちゃんのためというのは詭弁です)。現行制度の中で必死に不妊治療をしている人たちが報われません。精子の取得方法も姑息でした。真実に気づきながら不問にする田辺の気も知れない。何のことはない。彼女は私利私欲でルールを破ったのです。そんな彼女の言葉だから、妊産婦受け入れ体制の持論についても値打ちを感じません。せっかく正しい事を言っているのに。マンパワー不足の現実を身を持って知った彼女が、前言を撤回する日は近いでしょう。やや厳しい論調になりましたが、飽くことなく最後まで観られたので出来が悪いとは思いません。ただシリアスとコミカルさは、もう少し高い次元で融合できると考えます。ところで菅野美穂。あれだけのルックスと演技力を兼揃えながら、いまいちブレイク出来ないのは何故なのか。本作を観て確信しました。以前から気にはなってはいたものの、あの鼻声はネック。ハナなのに。とくに講義のシーンはムズムズしました。治らないのかな。治らないなら、いや治ろうが治るまいが、俺が抱きしめてやる!…シリアスでありながらコミカルな文章を狙ったのですが失敗しました。エラそうなことを言ってすみませんでした。
[映画館(邦画)] 5点(2011-02-15 21:04:00)(笑:1票) (良:1票)
97.  女優霊(1996) 《ネタバレ》 
古典怪談『牡丹灯篭』『番町皿屋敷』、あるいは同監督の『リング』にしてもそうですが、成仏出来ずに幽霊となること、ましてや他人を呪い殺すほどの怨念を溜め込むとなれば、それ相当の理由があるはずです。その説明を省略したのは、ホラー映画としてのハンディキャップと考えます。ストーリーで恐怖を訴えかけられない分、視覚に頼らざるを得ないから。もっとも本作の画づくりは冴えていました。フィルムに焼きついた霊、不自然に折れ曲がった転落者の脚。中でも一番ブルったのは、ロケバスの窓に映った人影でした。在るはずのないもの、理解不能なものに私たちは怯えます。そういう意味では、クライマックスの女優霊出現シーンはちょっと弱い。“顔色の悪い白衣装の女”と認識してしまえば、別段怖くありません。幽霊を怖く見せるのは至難の業で、なかなか満足のいく描写には出会えません。『リング』の貞子は、その奇妙な動きが恐怖に結びついた稀有な例です。(個人的には、黒沢清監督の『回路』の幽霊の描き方がベスト。『呪怨』の白色坊主などはギャグにみえます。)尺をもう20分か30分足して、女優霊の怨念の正体に迫れたら、もうワンランク上のホラー映画になったのではないかと。
[DVD(邦画)] 6点(2011-01-16 00:48:25)
98.  七人の侍 《ネタバレ》 
子どもの頃大好きだったTVアニメ『ガンバの冒険』と同じプロット。当然本作が元ネタです。導入部で早くも胸が熱くなりました。弱きを助ける好漢7人の英雄譚に期待を膨らませました。ところがどうも様子がおかしい。農民たちは野伏せりの襲撃に怯える無力な羊ではなかったからです。菊千代が言うように、狡猾で、強か者だった。野伏せりが狼なら、7人も狼。そして農民たちもまた狼でした。お上によって飼いならされているだけ。勧善懲悪の娯楽活劇ではなく、農民と野伏せりの生存権を賭けたリアルな戦争と捉えるのが正しい見方だと感じます。例えば何故侍たちが農民に加勢したのか。農民たちの必死さと勘兵衛の人柄にほだされたのは事実。でもそれだけじゃない。武士は戦いが本分。剣を振る機会があれば振るいたい。それが証拠に久蔵は益の無い立会いでも刀を抜いている。外科医が技術維持のためにオペを望むように。あるいはスポーツカーのオーナーが愛車を乗り回したいように。利害が一致したから侍たちは農民の話に乗ったのです。戦の有様にもリアリティを感じました。農民VS野伏せりの戦が、国同士の合戦と違うのは大将が居ないこと。野伏せりは1匹狼が徒党を組んでいる状態。いくら戦いの玄人でも、個々の力はタカが知れている。素人でも団結をすれば玄人を凌ぎます。ましてや潰し合いともなれば、頭数がモノを言う。地の利もある。あとは竹槍を突く勇気があるかどうか。この戦の性質を見抜いていた勘兵衛の作戦勝ちでした。農民たちは十分な勝算のもと、勝つべくして勝った。日常を取り戻し、農作業に勤しむ農民たちの生き生きとした姿を前に、勘兵衛の胸に去来したものは何だったか。飼いならされていたのは農民だけか。いや侍たちとて同じこと。生きる糧を得る術を奪われている彼らの方が、より事態は深刻かもしれない。勘兵衛の最後の台詞「今度もまた負け戦であったな」は、実の無い生き方を強いられている武士全てに向けられていると感じました。もし、自分があの村の百姓だったらどう決断したか。米と女を差し出し命乞いをしたか、土地を捨て逃げ出したか、はたまた彼らと同じように戦ったか。平和を望むなら刀を抜いてはいけない。そう私たちは教えられてきました。その考え方は間違ってはいないと思う。でも刀を捨てるのが正しいのだろうか。農民たちを観て何も感じなかったらウソだと思う。日本人は全員この映画を観るべきです。
[DVD(邦画)] 10点(2011-01-04 21:26:13)(良:2票)
99.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 
『キャプテン・スーパーマーケット』や『スペル』路線の源流であり、サム・ライミ監督のデビュー作となる本作。『キャプテン~』鑑賞以来ずっと興味があったのですが、この度やっと観ることが出来ました。映画史における位置付け、あるいは技術技法について評論する技量を持ち合わせませんので、いつものように脚本主体の素人感想となってしまうのですが…率直に言うと普通でした。何処にでもあるB級ホラー。そんな印象です。まず人物造詣が粗い。身内が、彼女が、親友が、次々と死霊に取り憑かれていくという状況。自分ならどうするかと考えた場合、主人公の行動が腑に落ちませんでした。敵がゾンビなら自衛のために殺せます。でも正気に戻る可能性がある人間ならそうは行かない。大切な人であれば尚更のこと。自分の身を守りつつ相手も傷つけず、そんな葛藤があっても良かったかなと。血みどろぐっちょりのグロテスク描写もいいですが、自分にとっては副菜です。やはりメインではキャラクターの感情を味わいたい。編集も総体的に大雑把だった気がします。もっとも、裏を返せばこれほどB級らしい作品も無い訳で、不出来な部分が愛おしいとも言えます。冒頭に挙げた2作品の盛大な“バカパク度”(注:ボキャブラ用語)と比べると、本作は控えめ。もっと遊び心があっていいと思いました。自分基準の採点では6点ですが、21歳の若者の処女作としては満点でしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-11-18 21:14:27)
100.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
「何故シャッフルが起きたのか?」という疑問については、サンドラとの会話の中で神父が答えてくれています。「この世には不思議な事がある。それは神の力だ」と。神様はサンドラに猶予を与えた。大切なものに気づくための1週間の時間。“失う前に気づけ“ということです。結果、彼女は夫の気持ちを取り戻す事が出来ました。ただ残念なことに、神様は悲しい結末までは変えてくれなかった。しかしこれは仕方がないこと。覆水は盆に返らないのだから。それは解る。けれど、事故の間際は奇跡を信じて止みませんでした。辛かった。死ぬ前に夫の愛を取り戻しただけで、感謝しなくてはならないのでしょう。夫も十分なお金を残してくれました。そう、シャッフルを経験したのは、サンドラだけではなかったのかもしれない…。そもそも、主人公の不思議な体験は、現実に起きたことでしょうか。実は判断ができないと思う。デジャブや夢、妄想の可能性も多分に在る。でも、そこが本作の長所です。重要なのは「気づく」こと。別に奇妙な経験をしなくても、その気になれば誰だって、大切なものに気づけるのです。この映画を観た人はそのキッカケを掴んだはず。それが本作の隠された希望であり、メッセージだと感じました。運命の最終日の緊張感は上々だったものの、それ以外は意外なほど淡白に過ぎていきます。彼女の身になってみれば納得できますし、「何も出来ない」事自体に意味があるものの、観ている方のテンションは上がり難い。それが本作の評価が芳しくない一因かと。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-14 19:15:25)
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