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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  スペース・カウボーイ
西部劇の空をジェット機が上昇していくという、この映画を要約するようなシーンから始まる。そもそも西部劇ってのが時代おくれの男の哀感の映画なのだ。農業の時代になってもまだ牛を追っている牧畜業界関係の男たち。コンピューター時代になってのパイロットが重なる。『七人の侍』と同じで、メンバーが集まってくるあたりが一番面白い。あの女性科学者は、いわば開拓地にいる夫を亡くした母のような役割りか。後半舞台が宇宙に移るとフツーの映画になってしまうのが残念。思い残したことについての映画、あるいは意地についての映画。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-17 12:08:51)
22.  スターリングラード(2001)
うまいところに目を付けた。ヒトラーとスターリンという悪役同士の戦場なら、おのずと兵士個人の物語へと感情移入がしやすい。都市に冠した独裁者の名を守るためにのみ、無名の若者が次々と投入されていく戦場。一方は野育ち、一方はインテリ、おそらく戦争でもなけりゃ永遠に出会わなかっただろう二人が争う。けっきょく絨毯爆撃や原爆といった巨大な暴力による大量虐殺によって終わる世界戦争の中にあって、一人一人を狙撃し仕留めていく二人が、古い剣豪物語の主人公のように見え、彼らだって殺人者なのに、その外側のより無機的な殺人システムを告発しているように見えてくる。とりわけソ連のまったく消費材としてしか兵士を見ない体質、たぶんあの戦争の時ここまで自国の兵士の命をないがしろに扱ったのは、日本とソ連がダントツだったと思うのだが、その共通点が何に由来するのか、昔から気になっているが分からない。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-14 10:03:22)
23.  SWEET SIXTEEN
印象深いのは、友人の“ピンボール”。人懐っこそうでいて、破壊的。彼にはリアムしかいないんだ。リアムには姉と母がいるけど。さらにやくざの“ファミリー”には、リアムだけが迎え入れられていく。ピンボールはあらゆるファミリーから除かれる。彼には“部屋”しかない。けっきょく彼がどうなったのか、どうともとれるようになっているんだけど、気になる。リアムもやがてピンボールのように“ファミリー”から排除されて海辺に立った。でも彼には姉からの電話がある。スコットランドなまりって、普通の英語と全然別ものに聞こえるんだけど。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-07 12:16:49)
24.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
幽霊が証人になる、というアイデアから始めて、もっと膨らませられると思ってたんだろう。書いてるうちに大きなリングに育って、最初は予想もしてなかったテーマなりコメディのモチーフなりが形作られるはずだったのに、そこに至らず小さなリングのまま結ばれてしまった、という気がする。法廷もの・事件ものは勝手を知ってるし、何とかなろう、と思ってたか。幽霊がテレビを見てて世情に疎くない、ってのが珍しく、現代との落差で笑いをとる安易な手を使えなくしたが、「幽霊なのにけっこう世情に通じてる」という安易な笑いに行った。「中井貴一には見える」はもっとギャグの面で使えそうだったが、もっぱら科学至上主義者の困惑なり、弁護士と検事の友情なりの、ストーリー上での扱いに絞られた。阿部寛があっさりあの世にいっちゃう展開は、うまく持っていけば豪快な笑いを生めそうだったのだが、もったいない(死のベッドの向かいのソファにカット内で移ったのは良く出来ました。不意のタップはもっとアップテンポで出来れば弾けたと思う)。阿部や深津絵里らはうまく西田敏行のトーンに合わせられたが、浅野忠信は困りながら演じていた印象。
[DVD(邦画)] 6点(2013-08-02 11:07:15)(良:1票)
25.  スプレンドール
閉館まぎわの映画館、その臨終のときに見る意識の流れのような映画。「すいません、帽子をとってくれませんか」と頼むと長頭で…、なんてエピソードを挟んで、そういう細かいところは悪くないんだけど、どうしてイタリア映画はこう懐古的、愚痴っぽく、内閉的になってしまったんだ、と思っちゃう。不健康。ぐずぐずと滅んでいく己れにどこかうっとりしてしまっている。なぜ映画はすたれてしまったのか、っていうことに反省しないで、テレビのせいにばっかりする。ま、そんな反省をわざわざスクリーンで観たいとは思わないけど。映画が映画を描くときの一番良くないパターンにはまってしまった気がする。人の名作を延々と見せて、チョロチョロとつまみ食いで時間を構成するって、それこそ一番テレビ的じゃないか。ラストは開閉式の天井から雪が降りそそぎ、取り払われようとしている座席に客が座り込み、まさに臨終の床で見る世界のよう(自己陶酔でありつつ至福でもある)。フェリーニ的。イタリア映画はフェリーニとマストロヤンニの影響から抜けられず、どんどん弱っていった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-28 09:36:43)
26.  スターダスト(1991)
アイルランドってどこか湿っぽい。イギリスのブラックで乾いたのと手触りが違う。イギリスが人の心をとげとげしく観察するのに対して、人と人との間の空気の感触を大事にするみたい。これなんかぼんやりと心のどこかで主人公が母親かもしれないとうすうす感じてるところがいいんじゃないか。ローズ嬢のロレイン・ビルキントンっての、おそらく主役をやることはないだろうが、覚えといてやろう(そばかすがちらほらしてる文学趣味)。曇った朝に放たれる動物たちのイメージがいい。教会を訪れる象から始まって、うらぶれた幻想味が溢れる。ジミーへの情熱の解放でもあって、さっぱりした感じもある。自嘲と言うと毒々しくなりすぎて、もっと穏やかな気分。こういうのが一番アイルランド的と思っちゃう。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-08 09:18:47)
27.  スウィッチ/素敵な彼女?
プレイボーイの悪夢、ってあるんでしょうなあ。いつか贖罪のときが来るのではないか、いう恐れ。そういう妄想によってチャラにしてもらおう、てな下心もちょっとあったりして。冒頭、青空に雲、スローテンポで「青春の光と影」が流れ出すと、ある世代は確実に泣ける。男声と女声が対位法的に絡んで。主人公が行方不明と知らされると秘書が喜びのあまり泣き出しちゃうなんて、ほんと被虐的な妄想。プレイボーイが怨みによって女たちに殺されるんだけど、なぜか女としてこの世に送り返されちゃうの。レディーってどうしてもハイヒールはかないといけないのかな、とか。やっぱりそういう結論に落ち着いちゃうのか、という物足りなさはありますな。監督・音楽は『ティファニーで朝食を』のコンビ。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-06 09:39:03)
28.  スターマン/愛・宇宙はるかに 《ネタバレ》 
招待しておきながら非友好的、ってところに皮肉があるんだけど、それが痛烈な皮肉にはならないで、他愛ない話になっていってしまうところが、ま、ハリウッド。コミカルな部分はいいよ。トイレに入ってニッと笑うとことかね、ぎくしゃく歩いて。鹿を生き返らせるとこにはちょいとホロッとした。ラスベガスで、あんまり一ヶ所でやっちゃいけないわよ、言ってるそばで777なんてやってるとこ。ヘリコプター飛んで大袈裟なわりには、宇宙船がチャチでなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-04 12:05:06)
29.  スリー・リバーズ 《ネタバレ》 
カーチェイスは食傷気味だし、サイコ系も食傷気味だと思っていたが、でも基本的に嫌いじゃないのね、サイコもの。金や権力の悪より、ついヒイキしてしまう。なにかの「手段」になってるんじゃなく、目的とストレートにつながってる潔さがある。サイコ的、少年時代、川、なんてのが作品のトーンを決めていた。舟は車ほどアクションでの応用が利かない。小さな堰を飛び越えるぐらい。ただ利点は、波しぶきが立って派手になること。スピードが出ると先っぽが上がるのもかっこいい。猛々しさが出る。たまには目先が変わって、舟もよろしい。一番の警官にならねば、いうコンプレックスの話。母も川で死んでいるという隠し味。おもちゃのパトカーが怖い。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-19 10:16:43)
30.  スネーク・アイズ(1993)
ほとんどが人物のシーンで押していく。数カット夜の街があったぐらいか。顔の力。アップの迫力。イタリア系ということでどこか神を引きずっている。ジェームズ・ルッソもマドンナも悪くない。ハーヴェイ・カイテルはクサいんだけど、監督というものをそうやって茶化してる感じもあって、微妙なところ。現実と映画とが交錯していくってのにあまり新鮮味が感じられず、というか現実のほうの監督夫婦の話がつまんない。テレビのCMスターと悪態をついて演技のテンションを高めていくとこ、あるいは何度も撮り直すシーンあたりが、まあ面白い。映画人てのは、映画よりも映画の現場のほうが好きなんじゃないか。こういう映画撮影ものの作品で製作中の映画って、いつもとても面白くなさそう。面白かったら、そっちを映画化してるわけだけど。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-08 10:20:37)
31.  酔拳2
場所と小道具にいかに工夫を凝らしてヴァリエーションを展開出来るかが、この手の作品の命。たとえば列車、屋根かと思わせといて車両の下に潜ってみる。そうか、列車とか工場とか、活劇の舞台ってのは20世紀的機械の世界を背景にすると映えるんだな。映画と同時に誕生した機械の世界同士。小道具としては例えばハンドバッグ。相手の顔に一度預けて殴ってから戻す、などが楽しい。あるいは酒ビンであり、竹であり。竹がササラになってて、膨らませたとこに相手の手を突っ込ませて戻す、とか。敵の武術家の足がまっすぐ天に伸びるキレのよさ。たぶんこのころだって、ジャッキーはもう40なのにたいしたもんだなあ、と言われていたはずだ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-10 11:54:37)
32.  スペシャリスト(1994) 《ネタバレ》 
なにか「似合わなさ」を突き詰めようとした作品。ハードボイルドタッチのフィルムノワール系の設定っぽいんだけど、それに「爆弾」ってのがまず似合わない。ニヒルの影を帯びるべき主人公、昔だったらハンフリー・ボガートとローレン・バコールあたりのはずが、スタローンとストーン。ノラ猫をかわいがる孤独の影ってのが、似合いっこない。チンピラがバスの中で主人公にカラむシーンがあったけど、ああいう体格の男にカラむかね。全編に渡って「場違い」の人が動いているようだった。まあやたら爆発するんで、そのレベルではスカッとします。映画では着飾った女ってのは、まず危険なんだよね。押さえるポイントは押さえてあるから、かえって「似合わなさ」が浮き上がる。ラストのストーンのタバコ入れの爆弾、ポイと捨てておしまいってのは。少女を死なせた罪悪感から出発してるわりには、やることが大ざっぱ。ここは似合ってる。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-01 11:58:03)
33.  スーパーマンIII/電子の要塞
前作ほどユーモアが一本にまとまらなかったってことか。タイトルのあたりの町の事件のおかしさは、そう悪くないのよ。スピード写真で変化がうつってるギャグなんてのも良かったし。でもね、犯人のほうの戦略が一定してないでしょ、そこが弱い。スーパーマンが不貞腐れて酒場で酔い潰れてるなんてのは、かなりおかしいけど、その後で分身になってユング心理学的に争い出すと、なんかギャグじゃなくなっちゃうのよね。そもそもクリプトンナイト与えられると、すさんじゃうの? 弱っちゃうのは分かるんだけど。スモールビルとコンピューター男とが並行で描かれてるあたりが一番面白かった。「20世紀の方法はただひとつ、ボタンを押すだけだ」なんてのがあった。水を凍らせるんなら、火も消せそうなものだがな。
[映画館(字幕)] 6点(2010-04-27 11:59:01)
34.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
クイズの質問が、彼の半生の場面を次々に導いていくという趣向。その意外なつながり具合の楽しさで見せていく。最後は、前もって提示しておいた「三銃士」がクエスチョンに出てくるというヒネリがあって、これもいい。でも、そういったやや寓話性のある話に合った演出だったかなあ。なんか目まぐるしく、まさにテレビのショーを見ている感じ。テレビショーをテレビ的な演出で描いたら、映画の余地がなくなってしまう。カットが多くても落ち着いている映画はあるもので、展開の落ち着きのなさ、だ。語っていくことにばかり夢中で、その語り口を豊かにしようという工夫があまり感じられなかった。シンプルなラブストーリーでもあるのだから、もう少しじっくりした部分もほしい。結局、もう語るものがなくなったエンディングのダンスが一番落ち着いて見られたことになる。全体、音楽が調子いい。
[DVD(字幕)] 6点(2010-01-24 11:57:12)
35.  スクープ・悪意の不在
“みんなが自分の任務を一生懸命に務めた”結果としてのドラマなら確かに面白いし、問題提起にもなるんだろうけど、どうもサリー・フィールドの役どころが単純すぎるんだよなあ。といって、“マスコミとはこうも単純な世界なのだ”という警告のドラマでもなかった。もう少し推理したり裏を考えたりするんじゃないか。自殺しちゃうことになる女が朝、新聞を拾い集めるシーンなどはかなり良かったんだけど。…といった感想を観た当時ノートに記しているが、いやいやマスコミなんてのはこんなもんらしいぞ、と昨今のテレビや週刊誌報道を眺めていると、改めたくなってくる。「新聞の文面作る機械が面白かった」とも記されていて、コンピューターで新聞作るようになり始めた頃だったのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-06 11:58:19)
36.  スケッチ・オブ・Peking 《ネタバレ》 
思えば警官は映画史を通じてもっとも古くからの登場人物であった。野良犬を追いかけて道を複数の警官が追っていくところなどキートンの時代をほうふつとさせる。しかしサイレント時代は追いかけられる側からもっぱら見ていたが、これは追いかける側の話。『警察日記』的なほのぼのとした体裁を取りながら、変にとげとげしいものも現われてくる。『警察日記』と違うのは、庶民の暮らしがきれいにカットされていて、あくまで警官そのものの話というとこ。野犬を追いかけて毎日くたくたになり、妻には嫌味言われ、ケツには狂犬病予防の注射をうたれ、犬を取り上げて子どもにはジワッと泣かれ、ほんとに自分はやりがいのある仕事をしてるんだろうか、という気分。その“やれやれ”が“むしゃくしゃ”へと膨張し、取調べ中の暴行へとつながっていく。そういう主人公への同情もなくはないが、描写はけっこう突き放していて、そこらへんにとげとげしさがある。体制批判にまではなってないが、体制PRではない。日々の中のささやかな不満やささやかな徒労感、こういうものを映画の対象にするまでに、この頃の中国映画は進化したんだな。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-07 09:10:39)
37.  ストレンジャー(1996)
今ではちょっと下火なのかな、20世紀末からしばらくサイコホラーってのが流行って、でも考えてみれば映画ってものがそもそも精神分析と同じころに誕生した兄弟だったわけで、『カリガリ博士』の時代にすでに心理学ブームはあり、このころは二度目の流行りと言えようか。表面だけを記録していくフィルムの機能が、かえって幻想を描くと生きてくる。これなんか一つのアイデアだけが命のホラーで、弦楽器のネットリした音楽が雰囲気をつないで、とりあえず一本の時間を退屈させずに見せてくれている。もっとじらしてほしいところもアッサリしてたりして、演出にコクがないけど、基本的にサイコホラーってのは凡作でも何か映画のポイントをつかんでるみたいなんだ。フィルムにおける内面の不可視ってことと関係があるんだろう。原題は「知らない人と口きいてはいけません」って。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-03 11:56:41)
38.  スリング・ブレイド
なんか『うなぎ』みたいな話だが、キリスト教が絡む、父殺しの神話性が絡む。一番引っかかったのは、周囲の主人公への反応で、やさしいか軽蔑かのどっちかなんだな。誰も薄気味悪がらない。最初スーパーに来たとき、母親が「つけてきたの?」と言ったときぐらい。こういう前科もの・精神病院退院者の場合、薄気味悪がられるってのはドラマとして大事な要素だと思うんだ。明確な拒絶でも受け入れでもない中途半端さが、社会というもののややこしさのエッセンスを見せてくれて。どうなんだろう、個人主義が発達したあちらの社会ではこういう応対が普通なのか、このドラマだけの演出なのか、やたら薄気味悪がる日本の濃厚な“世間”の方が異常なのか、そこらへんが気になった。この映画のポイントじゃないんだけどね。あとアーカンソーあたりだと、日本ふうの竹林があることを知ったこと。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-28 12:07:10)
39.  ストレイト・ストーリー
自分の力で兄に会いに行く、ということが主人公にとっては重要で、それも「会う」よりも「行く」の方がより重要みたい。そのマッスグさ。このトラクターの遅さがよくて、一度カメラが空を仰いで戻ってきても、さして進んでいない。妊娠娘や自転車青年など若い人も出てくるが、老人の述懐を引き出すだけの役割り、この映画に出てくる他者は老人の対立物にはならない。この監督にしては意外と定型に収まってしまう。兄のもとへ向かうという熱が、もう少し彼に混乱を起こさせてもいいような気もするが、つまりこれが老いというものだ、と言っているのか。一週間に一度鹿を轢いてしまう女性のあたり、ちょっとリンチ臭が立ち込めかけた。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-12 12:08:21)
40.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
ヘレナ・ボナム・カーターって、普通の光線の下でも不健全な印象をもたらす人だから、こう青ざめた暗い光のドラマだと似合いすぎちゃってマズいんじゃないの、と危惧してたら、なんか良かった。内に秘めたトッドへの愛が人物造形に膨らみを与えていて、つまり、女一人でパイ店をやってきて平気で人肉パイを提案する凄腕ぶりと、たえずトッドの様子をうかがう恋する女の気弱さとが、ちょっと三枚目にかかりながら同居している。けっきょく彼女がドラマの重要な部分を動かしていたわけだし。一方ジョニー・デップの方は、見てるほうが距離感をつかみづらい役どころで、つまり、復讐は成功させてやりたいけど、トビー少年をカミソリ持って追うあたりは、トビーの側からトッドを敵役として見てしまうし、そういうブレは人物造形の膨らみよりも、どう眺めたらいいのか、距離の取り方の難しさを感じさせ、心理的に遠ざけてしまった。それと、こういう題材だから仕方ないのかもしれないが、踊りがないのがミュージカルとしては寂しく、往年のミュージカルだったら人肉パイを作り上げる工程なんかダンスにしたんじゃないか。街行く人を食材として眺めるナンバーが楽しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-01 12:16:17)
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