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1.  スウィッチ 《ネタバレ》 
これは掘り出しものでした。展開としては、自分の知らぬ殺人の罪を着せられる、という巻き込まれがた不条理サスペンスだが、自分の身元さえ証明できない、しかも外国、という部分がさらに主人公の不条理に拍車をかけている。  ■家をバカンスの間交換するサイト、という展開は結構強引だし、いきなりの警察突入(誰が通報したの?しかもあんな武装して)とか手法が回りくどい(最初から主人公殺せばいいじゃん)とかいろいろ気になるところはあるが、それを忘れさせてくれるぐらいの急展開を見せてくれる。また、追跡劇のときのカメラの使い方は個人的にはわりと上手いと思った。  ■主人公が狙われたのが「たまたま」ではなく、犯人は犯人で物悲しい動機がある、というラストの展開は、もう少しきちんと示してほしいところもあるが、予期していなかった展開だった。しかし主人公の無実が示されても、その後はあまり救われたとは言い難い気はする。いきなり霧の中のパリでエンドロール突入はそういうことであろう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-08-29 00:03:07)
2.  スーパー・チューズデー ~正義を売った日~ 《ネタバレ》 
選挙参謀を主人公に描き出された「政治の裏側」を描くサスペンス。マイナーだけどとてもいい出来の作品。  ■理想主義に燃える主人公と、それでは動かない政治の世界の現実。周りから散々「お前は優秀だが政治の世界には向かない」と言われてきた主人公は、最後まさに政治の世界の手腕を獲得する。「一流になった」と元上司に言われ、勝利にこぎつける主人公の心境はいかなるものであろうか  ■上司が「政治の世界で信じられるのは忠誠心」と述べていたのは印象的。そして、結果的に忠誠の獲得に失敗して、最後には力で追い出されてしまうのがもっと印象的
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-20 00:18:22)
3.  スーパー! 《ネタバレ》 
すでに書かれているが「キック・アス」と見せかけてその正反対を行く作品。徹底して通常描かれない「ヒーローとは何か?」「正義とは何か?」を問うていく。  ■主人公はダメな中年であり、ヒロインが暴力大好きな女の子。「凡人でも強くなる」には道具に頼るしかないわけで、そうやって武装した凡人が「正義を実行」し始めるとどうなるのかが本作。基本的にやり過ぎだが、「何か悪いことをした人」にしか暴力をふるっていないのはやはりポイント。  ■本作はゆえに暴力シーンも多いので注意が必要。ただ、この映画は「暴力礼賛」などでは全くない。むしろアメコミなどで平然と描かれるシーンが「実際にはどのようなものか」を明白に提示することで、そうした描写に一石を投じる意図であろう。それは「ファイト・クラブ」や「ファニー・ゲーム」がむごい描写は多くとも暴力批判なのと同じで。
[DVD(字幕)] 8点(2012-03-07 00:34:06)(良:1票)
4.  スリーデイズ 《ネタバレ》 
うまい。王道のサスペンスであり、ひねりがあるというわけでもないのだが、ぐいぐいと2時間超を見せてくれる。  ■妻の有罪無罪は問題にしない。ラッセル・クロウ演じる夫は妻の無実を一身に信じる。そして私財をなげうって手探りで脱獄の計画をする。前半の綿密(とも言えないが)な準備に半分以上の時間を割いているが、それがこの話の厚みを与えていると思う。  ■後半は一転スピード勝負だが、子供を巡る部分や車から半身乗りだすシーンなどが印象的で、純粋な時間勝負の部分と心の微妙な葛藤がうまく重なり合っていると思う。ただ検問があんなんで通れるのかとは拍子抜けだったが。  ■ラストは別にいらないんじゃないかな。素直に飛行機と車で移動しているシーンだけで終わらせて、再捜査を暗示させるシーンもカットでいい気がする。
[映画館(字幕)] 9点(2011-12-22 01:18:23)
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