41. 浦島太郎の後裔
《ネタバレ》 オヤジ臭漂う、満員のフィルムセンターで鑑賞。 これまた大変貴重な成瀬巳喜男作品。 主人公は、「ハー!ア~~オ~~!」と叫んでばかりいる変人。 いや、元浮浪者。 とにかく、「ハー!ア~~オ~~!」の連発。 自由民主主義の理想を説いた、社会風刺作品でもあるが、とにかく「ハー!ア~~オ~~!」の連発で、コメディ色が強い。 で、笑えるかと言えば、ちと厳しい。 戦後間もなくで、自由民主主義を広めていく上での、プロパガンダ的な映画としてみれば、別の意味でおもしろい。 [映画館(邦画)] 5点(2013-11-12 21:26:30) |
42. 美しすぎて
《ネタバレ》 フランス映画らしいと言えばらしいのだが、より正確に言えば、“退屈な類いのフランス映画”といったところだろうか。 美人な奥さんを持った男が、ブスに惚れてしまうという設定は、その設定自体が面白いので、それなり観ることはできた。 だが、その設定内容から一歩も外へ出ない。 延々と最後まで、「美人な妻を捨ててブスな女と浮気する男」を描き続けている。 この平坦さはもはや、「フランス映画的」とか「エスプリ」とかとは別次元に、“映画的に退屈”と言う他ない。 この映画は、随所にフランス映画的なスタイルを感じさせるが、フランス映画は決してこんな映画ばかりではないぞ!と声を大にして言いたい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-06-10 00:41:15) |
43. 魚座
《ネタバレ》 ある女性がある男を好きになったが、その愛は実らず、片思い。 その片思いは次第にエスカレートしていき、ついには悲恋の道を辿る・・・ およそ、こんな内容だが、どうにも猟奇的で恐ろしい。 しかし、恐ろしいのに、同時に清々しさまで感じてしまうという内容で、最後まで目が離せなかった。 女性特有の一途な愛の形というか、男の私には理解しきれない凄みがあった。 これは女性向けの映画だろうと個人的には思うが、「女性とはこんな生き物なのか?」という観点において、男が観ても別の意味で楽しめるかもしれない。 だけど、自分がこの男の立場に置かれたらどうだろうか? とてもじゃないが、生きた心地がしないだろうし、迷惑極まりない。 一方通行な愛は、単なるエゴで愛の強要である。 腑に落ちないのは、ラストで男が女の持つ店に車で駆けつけるところ。 いくら自分のことを誰よりも愛してくれる女性の存在に気づかされたとしても、こんなストーカー行為をされた男が、果たしてこの女に歩み寄るだろうか? いや、男は決して歩み寄らない。 それどころか、ますます逃げることだろう。 少なくとも私ならそうだ。 そういった点においても、男の特性を無視した内容で、とことん女性の為の映画だなぁ、と一種の感心に近い気持ちにさせられた。 猟奇的なまでの女性の片思いを徹底的に描ききったという意味において、極めてシンプルな内容の恋愛映画だ。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-04 02:56:37) |
44. 運が良けりゃ
まずまず楽しめた。 欲を言えば、底抜けに明るい時代劇コメディも悪くはないが、『男はつらいよ』シリーズの様な一抹の寂しさがもっと漂っていればなぁ。 [DVD(邦画)] 5点(2010-01-31 18:15:52) |
45. ウイークエンド(1967)
自身のゴダール作品鑑賞数も本作で30本を数え、ついにゴダール30本を達成することができた。 その記念すべきゴダール30本目は、やっと観れましたの『ウイークエンド』だ。 60年代ゴダール作品としては、唯一未見として残っていたのが、大物の本作。 まあ、観られただけでも嬉しいかな。 ストーリーは当たり前の様に無視ということで。 印象的なシーンは、やはり中盤の長回しによる渋滞シーン。 耳をつんざく様なクラクションの雨あられ。 その渋滞の先にあったものは・・・ 何となくサスペンスな雰囲気に満ち溢れ、退屈なのに何故か目を離せない魅力に満ちている。 だけど、どこか退屈。 だけど刺激的でもある。 そんな不思議な魅力を持った作品だ。 しかしフランス映画は、やっぱり体を張った危険なシーンが無意味に出てくるなぁ。 本作でもその特徴は散見された。 一歩間違えたら撮影中に事故が起りそうなシーンの数々は、フランス映画のスパイスとしてどれだけの役割を果たしているのだろうか。 これだけのフランス映画、ゴダール映画を観てきた現在においても、それは判然としないのである。 さて、ゴダール30本達成に安堵の想いをはべらせつつ、本作のレビューを閉じたいと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2009-04-04 20:54:20) |
46. ウィンター・ソング
《ネタバレ》 氷上で抱き合う男女の画が美しい!! こんなに美しい画を観たのは久しぶりだ! 、、の感動はそのシーンだけで、終りに近づく程その感動は薄れていった。 なぜって、二転三転させるために技巧にはしった脚本と、観ている者を飽きさせまいとする演出がハナにつくからだ。 でも、考えてみると、そもそも“愛”というものをテーマに掲げていながら、題材自体に無理がある。 というのは、女が男を捨てて名声を得ようとした時点で、この男女間の“愛”というものは取り返しのつかないエンディングを既に迎えていただろうからだ。 しかも、後で空港で思い直したとは言え、男は女に復讐をしたからだ。 おまけに、監督と女との関係も、“寂しいから”“女優になるため”というのが付き合い始めた動機であるし・・・ つまり、登場人物全てに“愛”を語る資格のない者ばかりが出てくるのだ。 これはひとえに、ストーリーを二転三転させて脚本をひねろうとしたこと、そして、ミュージカルとの融合をはかるためにスタイリッシュさを重視したこと、これらが原因であると思われる。 ただし、美しすぎる氷上での抱擁シーンは、不覚にも心を打たれたので、それなりの評価はしたい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-03-15 01:47:44) |
47. 海辺のポーリーヌ
フランス映画にしては、奇をてらったわけでもなく、難解なわけでもなく、ストレートな作品で観やすい。 しかし、説得力を欠く矛盾したセリフが散見され、その影響でどうも全体的にスッキリしない。 劇中で“完璧な美人”という設定のマリオンは、それほど究極の美人とも思えないのがまた痛いところ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-26 00:05:43) |
48. ヴェニスにおける子供自動車競走
チャップリンの定番スタイルである「ステッキ、ヒゲ、帽子」スタイルとしてのデビュー作。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-03 18:26:00) |
49. うなぎ
最高賞を撮った割には・・・ という評価になってしまいがちだが、そういった色メガネで観なければ普通に楽しめる作品。 [ビデオ(邦画)] 5点(2007-09-09 00:57:15) |
50. 浮き雲(1996)
アキ・カウリスマキ作品を観るのは、『10ミニッツ・オールダー』『過去のない男』『マッチ工場の少女』に次いで四作品目。 それらの作品と比較すると、「まあまあ」かなってところ。 カウリスマキ作品常連の、主人公を演じた女優、“カティ・オウティネン”の笑顔が見れたのも、なんか貴重なモノを見れた気がして有り難味があった。 何しろ、他の作品では笑顔がほとんど見れなかったので・・・ 前半、正直、眠気に襲われた。 何度も巻き戻した。 後半は意外にも好転。 楽しめた。 アキ・カウリスマキ。 嫌いな監督ではないが、かといって他人に推奨できる監督って感じでもない。 とにかく地味~な作品が多いからだ。 だけど、どの作品にも“温か味”が感じられる。 だから見終わった後、悪い感じが残らない。 これは映画において結構、大事だと思う要素だ。 いくら楽しい映画でも、見終えた後に後味の悪さが残ったら、よろしくない。 そういう意味では、いい映画を創る監督さんだと思う。 アキ・カウリスマキ。 言ってみれば、“佳作”創りの名人と言えるのかもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-31 00:04:18) |
51. ウルトラミラクルラブストーリー
《ネタバレ》 津軽弁がキツくて会話内容が理解できず、開始30分でリタイアしそうになった。 だけど途中から津軽弁に耳が慣れてきて、この作品世界に徐々に馴染むことができた。 麻生久美子を目当てで見たところもあるので、麻生久美子に集中することにより、なんとか最後まで乗り切った。 首無しの登場に、一度生き返る設定、そして松山ケンイチの子供キャラと、なかなか見る者を選ぶ作品かもしれない。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-05-08 18:46:10) |
52. ヴァージン
リアル過ぎて切なくてつらくなった。 深く印象を残したが、決して気分は良くはならない。 [インターネット(邦画)] 4点(2020-09-22 01:17:01) |
53. ウンタマギルー
全編沖縄語で、そこに日本語字幕が付くという粋な映画。 日本映画というより、琉球映画というのが正しいのかもしれない。 話としては、琉球の寓話を知っていないと、ついていくのが厳しい内容だ。 巨乳のブタ化け女より、何てことのない戸川純に魅力を感じてしまったりする。 ただ不思議と不快感や苦痛はなく、すんなり最後まで観ることができた。 [ビデオ(邦画)] 4点(2010-01-09 00:02:11) |
54. 噂の娘
何だか全体的に流れがギクシャクしているし、終り方も唐突すぎてまとまりがない。 1930年代の邦画って、どうも合わない。 1920年代は言わずもがな。 ただし『残菊物語』だけは例外だが。 [映画館(邦画)] 4点(2008-08-05 04:08:00) |
55. 歌麿をめぐる五人の女(1946)
まあ、溝口作品の中では間違いなくレベルの低い作品ですね。 登場人物が誰が誰だか分からない。 田中絹代しか分からない。 そういった演出的部分も、物語に入っていく観客を阻害している要因の一つだと思われます。 [DVD(邦画)] 4点(2008-03-15 23:38:17) |
56. Vision
《ネタバレ》 これは失敗作ではなかろうか。 神秘的な世界観をねらったのだろうが、すべっている。 あと、余計シーンが多い。 いい歳したジュリエット・ビノシュの濡れ場や、夏木マリの謎の踊り。 いらんだろ、そんなもん。 [インターネット(邦画)] 3点(2022-08-23 21:02:10) |
57. 馬
《ネタバレ》 馬を可愛がる気持ち、それはよく分かる。 私も犬が好きなので、何よりさて置いて動物を大事にする。 それも良く分かる。 まして、その馬から小馬が生まれた日にゃあ可愛さもなお更だろう。 だけどだけど、それをただ平たく冗長に描いただけでは、映画として良いということにはならない。 動物を愛護する気持ちは理解できるのに、本作から感じたこの退屈さたるは、何が原因だろうか。 演出面の問題か、それとも題材そのものに無理があるのか、それとも暗すぎる映像面か、聞き取りづらい音声のせいか。 理由は定かでないが、本作を観た後、感動よりも「退屈だった」という感想の方が先にきてしまった。 [ビデオ(邦画)] 3点(2009-02-08 01:54:41) |
58. 歌行燈(1943)
《ネタバレ》 神保町シアター、山田五十鈴特集にて鑑賞。 念願かなって、やっと観ることができた作品。 しかし退屈だった。 上映中、天井を見上げてしまうくらい退屈だった。 芸道モノ、山田五十鈴のねぇちゃん、下膨れ章太郎、、と個人的に苦手な要素がてんこ盛り! 都合よすぎる展開と、お約束のようなハッピーエンド。 成瀬作品の中では、最もつまらなかった作品となってしまった。 [映画館(邦画)] 3点(2008-12-06 22:24:20) |
59. 美しい夜、残酷な朝
《ネタバレ》 3話から成るオムニバス映画だが、3話それぞれがバラバラの印象。 2話目の三池崇史監督作品はホラー系なのに、他の1話目と3話目はスプラッター系。 まあ、オムニバスとしての一貫性が無くとも、全体的に面白ければそれで許せる。 だが、どれもイマイチ。 かっこいいイ・ビョンホンを観たかったのに、観られず残念だった韓国編。 『オーディション』で、三池監督がホラー映画の力を見せたと思いきや、思いっきりずっこけた日本編。 そして、とにかく悪趣味な香港編。 どれをとっても、不快。 ホラーとかスプラッターでも良いのだが、3話とも不満が残る内容で、出来の良いオムニバスとは言い難かった。 [DVD(字幕)] 2点(2012-08-25 00:12:12) |
60. 埋もれ木
つい先日、渋谷の映画館にて鑑賞。本来、映画の最中に、絶対に寝ない私であったが、限界に達した。睡魔との闘いであった。なんとか寝ないで最後まで観たが、マジでしんどかった。これほど退屈な映画は、他に記憶がない程。方々からイビキが聞こえてきたり、途中退席者が続出したりと、違う意味で「価値」のある作品。不眠症でお悩みの方は、是非、DVDをご購入下さい [映画館(邦画)] 2点(2007-09-04 09:42:02) |