61. ダイヤルMを廻せ!
いつ何がどのように起こるかは偶然の出来事、用意周到に練られた完全犯罪も偶然によって思わぬ展開になり、捜査の方も偶然によって思わぬ解決の糸口が見える。この映画はコロンボみたいな研ぎ澄まされた感覚はないが、偶然をうまく使った映画だ。それが見ていてスリリングであり、おもしろい。 ちなみに米国は電話ダイヤルにアルファベットが割り当てられ、MNOは数字の6に相当するのだそうだ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-02 08:20:19)(良:1票) |
62. Wの悲劇
原作の夏樹静子の小説との違いにびっくり。原作は推理小説であり、エラリー・クイーンのオマージュ、この映画の劇中劇そのものである。映画はその舞台劇を演じる女優(研究生)の物語に変わってしまっている。当初は違和感を覚えたものの、今ではこの映画の方がすんなり受け入れられるようになった。 映画は、アイドル薬師丸ひろ子がむずかしい役柄をこなし、三田佳子の好演もあってかなり興味を引くものになっている。演出家蜷川幸雄の登場もあって舞台劇はなかなかの本格劇だ。 [映画館(邦画)] 7点(2011-09-28 07:35:05) |
63. 探偵物語(1983)
今思うとどうしてこんな映画を見たのだろうかとも思うが、その当時は好きだったのだろう。この頃は、薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子といった角川映画をたくさん見た。その中の一つ。ストーリーが多少子どもっぽい所があるが、赤川次郎だから仕方ないだろう。それよりも松田優作の探偵が女学生にこんなに振り回されていたとは・・・。 ところでこの二人、びっくりするくらいの身長差、キスをするのも大変だったろうなと思ったりして・・・。 [映画館(邦画)] 4点(2011-09-28 05:54:03) |
64. 断崖
ジョニーは決して根っからの悪人ではない。妻を愛していたのは本当だろうし、正直な面も見え隠れする。しかし楽天家、地道に働くことを嫌い賭け事を好むダメおやじなのだ。その男にうつつをぬかすリナにも困ったもの。疑ったりあきれたりするものの、何度もだまされるのは惚れた弱みか。 最初見たときは、ケイリー・グラント演ずるジョニーが遺産や保険をねらう悪者に見せかけて、実はそうでなかったという心理サスペンスかと思っていた。しかし今見るとラストシーンのUターンは、ダメ男にどこまでもついていくダメ女になりさがったように思える。 恋は盲目ということばを思い出す。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-02 06:02:26) |
65. 第五福竜丸
私たちはこの第五福竜丸の事件を、「不幸な事件」とか「悲しい事件」ですませてはいけないと思う。もっとも重要なことは放射能の恐ろしさを知ることであり、原爆も水爆もたとえ実験であっても許されないことだということだ。 とかくこういった事故や事件は、大きな犠牲が出ないと安全性が論じられない。亡くなられた久保山さんは自分を最後の犠牲者にと願ったが、その願いは福島原発事故でかなえられなかった。 映画を見るとその当時の「放射能」に対する意識がいかに低かったかもわかる。この事件が起こって初めて、全国各地で原水爆実験反対の世論が起こったのだった。それにしても実験を行った米国側の態度には怒りを覚える。「スパイ行為」と避難したり、久保山さんの死因と放射能は関係ないなどと謝罪の言葉すらなかった。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-10 16:38:25) |
66. 太陽が知っている
《ネタバレ》 ずいぶん昔に見た映画なので、点数は参考程度(自信なし)。アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」(1960年)の大ヒットを受けて、日本では「太陽はひとりぼっち」(1962年)「太陽が知っている」(1968年)と太陽とアラン・ドロンが親戚関係になってしまった。 もちろん、原題と太陽は何の関係もなく、監督もまったく別で、2匹目どころか3匹目のドジョウなのだが・・・。 この映画の「La Piscine」は英語で言えば「The Pool」、これでは味気ない。さんさんと降り注ぐ太陽、けだるい雰囲気、そこへ登場するモーリス・ロネとロミー・シュナイダー、完全犯罪となればやはり「太陽は知っている」で正解だろう。海がプールになったと思えばよい。若きジェーン・バーキンも登場するし、ミシェル・ルグランの音楽も良い。 [映画館(字幕)] 6点(2011-07-25 00:43:32)(良:1票) |
67. 大地(1937)
《ネタバレ》 パール・バックの「大地」とマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」は共通点が多い。どちらも女性作家であり、ほぼ同時期(大地が数年早い)に書かれ、ともにピューリッツァー賞を受賞し映画化された。違いは舞台が米国南部か中国かであり、「風と共に去りぬ」がタラの土地を基盤にしながらも、ロマンをテーマにしたのに対し、「大地」はあくまでも中国の土地にテーマを固執したことである。 この映画は、大地を耕し収穫を得ながら、飢饉、戦乱、イナゴの大群と次々に苦難に遭遇し何度も土地を失いながら、なおたくましく生きる夫婦の姿を描いている。 特に2年連続のアカデミー主演女優賞を獲得したルイーゼ・ライナーの好演が光っている。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-23 07:14:13) |
68. 太陽はひとりぼっち
「太陽がいっぱい」が大ヒットした後、日本ではやたら「太陽は・・・」という名の映画が次々と公開されていった。この映画もその一つ アラン・ドロン主演は同じだが、女優はモニカ・ヴィッティ、いや彼女こそが主役である。美しい、本当に美しい。けだるそうな表情の美しさは、何人をも魅了するだろう。映画少年の私にはまぶしいほどの輝きであった。 映画はきわめて難解、この映画にモニカ・ヴィッティが出ていなければ最後まで見ることはできなかっただろう思う。 それとまた、ミーナが歌う主題歌とツィストのリズム、音楽もまた極めて強烈である。映画を見た後レコードを買い、すり切れるほど聴いたあの頃がなつかしい。 何十年も経ってDVDを買い、再度鑑賞する。昔見た時は、証券取引所のシーンやアフリカの話など突如として飛躍したストーリーだったが、何とかつながったような気もします。 原題のL'Eclisseは「食」という意味らしい。食は食べることではなく、日食の食だと知り、株の大暴落に結びつくものなのかとも思ったりして・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2011-03-17 08:27:42) |
69. 007/ロシアより愛をこめて
《ネタバレ》 初めて見た007であり、シリーズで一番印象に残っています。私が見た時の題は「007/危機一髪」で、マット・モンローの歌うテーマ曲も大変好きでした。 映画の最初のシーンからすごい緊迫感、あっさりジェームス・ボンドが首を絞められたかと思ったら・・・。 ダニエラ・ビアンキもとてもきれいだったし・・・。これ以降「ダイヤモンドは永遠に」までショーン・コネリーのシリーズをみるはめになった。「ドクター・ノオ」だけは見ていない。 [映画館(字幕)] 7点(2011-02-22 06:48:02) |