1. ダウンタウン物語
《ネタバレ》 アラン・パーカー謹製、楽しいギャング映画。演じているのが子供なので学芸会風なのですが、そこが味があって面白いです。ヒロイン役のフローリー・ダガーが、あんまり美人でないあたりもユニーク。ギャングの抗争を扱っているのに悪人が出てこないのも、この監督らしいところです。設定からしてパロディっぽいのですが、最後の「なりたい自分になれるんだ!」というところはメッセージ性があって、単なるコメディで終わっていないところがよいです。全体的に、どこか憎めないところのある、愛すべき作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-20 16:38:10) |
2. ダーティハリー3
《ネタバレ》 女性の相棒を登場させて、女性の社会進出などを揶揄する。が、揶揄に成功したかどうか。最後に死ぬのはこのシリーズのお約束みたいなものだし、市長救出にはむしろ活躍している。途中でハリーと意気が通じるところもあり、むしろ女性に気を使ったような中途半端さがあります。敵も単純に凶悪なだけで魅力や個性はなし。途中の爆破事件が意図不明だったり、最後に人質を盾に取らないなど、ご都合主義も目にあまる。「ダーティハリー」でなければ、見ていられないでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-06-27 19:20:29) |
3. ダーティハリー2
《ネタバレ》 ハリーのスタンス云々は置いておくとしても、やはり微妙なでき。ハリーが主人公のはずなのにあまり印象に残らず、むしろ犯人の警官グループの方がインパクトがある。ハリーは事件を収束させるだけの役回りで、極端に言うとこれは「ダーティハリー」でなくてもいいんじゃないの? ということ。演出もダラダラと間延びした感じがあっていただけません。やたらと人が死にまくるのもマイナスで、人命が軽視されすぎて、刑事ものとしては違和感を覚えます。原題が"Magnum Force"なのに、最後は銃を使わず相手を倒す展開は、よかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-21 20:33:40) |
4. ダーティハリー
《ネタバレ》 このシリーズはほとんど見たことがなくて、本作を洋画劇場で見たくらい。数十年ぶりに見返すと、アクションはあるものの意外とリアルな作りをしていました。その一方、主人公のハリーを際立たせるための要素がてんこ盛りで(犯人の悪辣さとか、証拠がなくて釈放とか)、それはうまく機能していると思いますが、かなりご都合主義。重要事件の容疑者を釈放後に監視しないというのは、いくらサンフランシスコ警察が忙しいといっても不自然すぎる。そのリアルさと不自然さがうまくかみ合っていなくて、見ていて居心地の悪さを覚えました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-12 17:27:16)(良:1票) |
5. タワーリング・インフェルノ
スクリーンでの初見以来何度も見ているのですが、何度見ても見入ってしまう。『ポセイドン・アドベンチャー』と比べると、あちらが主人公一行の足取りを追いかけていけばいいだけなのに対し、こちらは舞台があちこち分散していて散漫になりそうですが、そういう印象は受けずうまくまとまっていると感じさせます。メイン出演者の中では、ロバート・ワグナーは出番が少なくてかわいそうですが、あとはしっかりドラマを作っていて引きつけられます。あと、BGMが記憶に残らないのであまり使われていないのかと思っていたのですが、そうでもないようです。ドラマ部分に集中しすぎて印象が薄くなってしまったようで、これは逆に、ドラマとしての質の高さを物語っていると思います。諷刺も利いており、製作後30年以上経った現在でも十分鑑賞に耐えます。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-12-06 22:16:51)(良:1票) |
6. 大列車強盗(1978)
《ネタバレ》 マイクル・クライトンが、自作小説を映画化したもの。1885年に、イギリスで実際に起こった列車強盗事件に取材した作品。 列車強盗といっても、西部劇のそれとはかなりイメージが違います。目的の金庫には鍵が4つついており、それぞれ別々に保管されているのですが、その型を取って合鍵を作り、堂々と金庫を開けようという寸法。そこは紳士の国、ドカンと爆破したりはしません。 で、前半は合鍵を作るための作業となっていて、どちらかというとサスペンスものです。鍵の管理者の人物もなかなか面白く、どうやって近づき、どのように型をとるのかが見ものです。ここはいろいろ工夫していてよかったです。 後半はいよいよ列車強盗本番ですが、事前にアクシデントがあり、警戒が厳重になってしまったりしています。ここでは一気にアクションものに早替わり。ショーン・コネリーが、スタントなし(たぶん)で危険なシーンにも挑戦したりしています。個人的には前半の方が好きですが、これはこれで楽しめます。 全体として展開は地味めですが、ところどころユーモラスな場面を織り交ぜいているので、飽きることはありませんでした。まあ、クライトンがこの作を映画化した理由は、19世紀半ばのイギリスを再現したかったからでしょう。この点、小説は映像の敵ではありません。私はこの時代についてそれほど詳しいわけではありませんが、ヴィクトリア朝に遊んだ気分にさせてもらえたので、監督の狙いは成功したのだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-23 20:17:56) |