21. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 アンジェリーナ・ジョリーの演技はずーんと重く響くものがありました。でも何かが引っかかっていて、観賞後なかなか感想が書けなかったんだけど、やっと分かったのはバランスの悪さです。我が子を思う気持ちの深さに較べて、対する警部の非道や入れ替わっていた子供の動機が薄っぺらなんですね。アンジーを精神病院へ送った警部の行為はとてもシンプルな権力の乱用。悪行としか形容できない。子供に至ってはハリウッドスターに会いたかったという理由に拍子抜けしました。この2者にもう少し深みがあれば見応えが増したと思えるけど、実話ベースなので仕方ないことですね。この作品のテーマは絶望と希望の位置づけだと思います。対極の概念ですが、わずかなきっかけがあれば絶望の中にも希望を見い出すことは出来る。そして、一縷の希望が持つ力をアンジーの演技が示してくれていました。それにしても、イーストウッドの安定感は驚きを通り越して異常と思えるほど。彼は映画のすべてを知っているかのようだ。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-28 11:58:32) |
22. チェンジング・レーン
今よりもう少し若い頃、焦りや自分本位が原因で、物事が裏目に転がっていくことは自分のまわりも確かにあった。この映画は、そのエスカレートバージョン。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-25 06:41:58) |
23. チョコレート・ファイター
《ネタバレ》 主人公の性別が変わった以外は「マッハ」や「トム・ヤン・クン」と較べて新しいことをやってません。が、その性別変更はかなりのインパクトでした。過去に観た女性が主人公のアクションものでは、最もリアルに格闘しているように見えましたね。「トム・ヤン・クン」では「象を返せ!」と言ってましたが、今作は「金を返せ!」です。それ以外はほとんど喋らない(笑)。喋らない代わりに蹴りまくります。その蹴りの姿の美しいこと。続編が決まっているらしく楽しみです。エンドのNG集は、NGというよりケガの現場集みたいで痛々しかった。そこはちょっと趣味悪いかも…。 [試写会(字幕)] 7点(2009-06-12 13:49:37) |
24. 茶の味
《ネタバレ》 あの爺さん以外はだいたい普通の人たちで、その日常が描かれている。ちょっと変な感じがするのはCGの効果もあるけど、カメラの視線が覗き見に近いからで、「日常」という言葉で収まるボーダーライン。そのボーダー上をうろうろしながら、面白おかしく暮らしを描写する。狙いは分かります。エッセイになるようなエピソードのさらに一歩手前にある、何でもない暮らしのシーンを切り取って、その何でもない暮らしにも確かに「味」~まさしく茶の味みたいなもの~は存在する、ということだ。人生とは、そんな起伏の積み重ねという見方も確かにある。逆上がりが出来た瞬間などは特上の宇治茶みないなもので、ひまわりの花マルが宇宙空間まで咲き誇る。ちょっと毒のある表現もあったので、これを観て人生って素晴らしい、とは思わなかったけど楽しく観ました。 はじめ君が家まで自転車で全力疾走して、自室でシャドーボクシングするシーンのウキウキ感とか好きです。それと手塚理美が良かった。「ふぞろい…」時代からファンなんだが、がんばり過ぎのハリネズミみたいな役が多く痛々しかったけど、この映画ではマイルドでいい表情してました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-04-14 13:09:24) |
25. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 原作既読でTV未見。原作との最も大きな相違点は田口の性別だけど、この田口くらいほんわかした方が白鳥との差がハッキリして、映えていたんじゃないかと思います。バチスタチームの内面を追って行く面白さが田口と白鳥の掛け合いの面白さにすりかわった感じかな。映画なりのアレンジですね。結局、田口は何をしたのかという疑問は残るけど、ソフトボールのシーンなんかは微笑ましくて、まぁいいんじゃないって気分です。今作はそれくらいのお気楽さを目指したと思いますね。原作にあったような、犯人の麻酔医の動機に深く踏み込むのであればこのトーンじゃ持たなかったと思うけど、それを外したのも計算内のように感じました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-03-20 03:05:29) |
26. 地球外生命体捕獲
《ネタバレ》 なかなかハードな作りで、宇宙人モノとしては異色の作品でしょう。宇宙人を捕まえるために四苦八苦するのではなく、いきなり捕まえてしまいます。それからが、さぁ大変という内容になってます。おもしろいですよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-20 00:15:57) |
27. 地球最後の男 オメガマン
《ネタバレ》 CGのない時代に、たぶん立ち入り禁止にして撮影した人影の無い街は頑張ってました。夜に徘徊する金色コンタクトの奴らが底の浅い新興宗教みたいでした。この種の映画はチャールトン・ヘストンにお似合いで、彼だけで持たせていた感があります。リメイクの「アイ・アム・レジェンド」の方が断然良く出来ていると思います。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-01-16 15:36:01) |
28. 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
《ネタバレ》 前作「ヘドラ」で良い方向へ進むかと思った昭和ゴジラシリーズも、あれが最後の足掻きだったのか、低空飛行へ逆戻り。怪獣の操演にしろ、ストーリーにしろ、またレベルが落ちた。これには「手抜き」という言葉を使わせてもらう。キングギドラとガイガンの飛行シーンにミニチュアを使ったり、キングキドラの登場シーンの約半分が三大怪獣・怪獣大戦争・怪獣総進撃からの流用だったり…。こんなものでお金を取って良いのかと思う。しかも、新作カットより明らかに昔のカットの方が出来が良い。ストーリーもせいぜい10人程度の登場人物が繰り広げる局地的な地球侵略話で突っ込みどころだらけだが、怪獣さえ出しておけば、中身に関係なく子供は見に来るだろうという読みなのだろう。もうひとつ。自分は小学生の時に劇場で観ていて、ガイガンのお腹のドリル攻撃でゴジラやアンギラスから鮮血が飛び散るシーンに心を痛めた記憶が鮮烈にある。いい歳になってから見てもドキッとした。あれは子供が観る映画ではやっちゃイカンことである。 [映画館(邦画)] 2点(2009-01-06 16:27:29) |