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プロフィール
コメント数 2397
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  血とダイヤモンド 《ネタバレ》 
3億6000万円相当の価値があるダイヤ原石を税関前で強奪することを計画する宇津木組(ボスは田崎潤)。ところがその計画は思わぬルートで漏れて、小柴(佐藤允)がかき集めた四人組によってダイヤは横取りされてしまう。ダイヤの保険を引き受けた保険会社から調査を請け負っていたゴロツキ私立探偵黒木(宝田明)は、ダイヤを警備するガードマンの線から利恵(水野久美)が強奪に絡んでいると見抜いて保険会社と密約してダイヤ争奪に割り込んでくる。神戸港の倉庫に逃げ込んだ小柴一味だが、小柴は犯行の際に負った銃創がどんどん悪化してゆく。彼らは町の外科医・秋津(志村喬)父娘を拉致して来て、小柴を治療させる。こうしてハイエナされた宇津木組やダイヤ故買商、そして警察も含めた一夜限りの大乱戦が幕を開けるのであった。 監督の福田純は捻ったストーリーを書く東宝の脚本家として知る人ぞ知る存在ですが、監督としてはその才気が邪魔したのか評価は決して高くない。その中でも『百発百中』と並んで本作は隠れた傑作として名高い。どちらも宝田明が主演で、この両名はコンビを組むと不思議な化学反応が起きるみたいです。この映画は佐藤允一味や水野久美たちの背景事情などはほとんど語られることはないストーリーテリングですけど、ほぼ一晩の佐藤允一味・志村喬親子・宝田明の言動だけに絞った脚本には東宝には珍しいフィルムノワール色が濃厚です。とにかく序盤を過ぎると登場人物たちの裏切りの連続、まるでゲーム理論で言うところの“囚人のジレンマ”を具現化したような壮絶さです。まあ警察以外では志村喬親子以外は大なり小なり悪人なんですが、意外とそれまで演じることが少なかった水野久美の悪女キャラが彼女のイメージ通りでかえって新鮮でした。行き掛かりで宝田明と文字通り“血を分けた兄弟分”関係になった佐藤允ですが、劇中ずっと銃創で悶え苦しんだ挙句の壮絶な死にざまは見事です。 悪党一味はそれぞれが普段のイメージとちょっと違う演技を見せてくれたのが良かったですけど、志村喬だけは『生きる』の主人公の様ないつものキャラでした(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-01-13 22:34:33)
2.  地上最大の脱出作戦 《ネタバレ》 
ブレイク・エドワーズとヘンリー・マンシーニの黄金コンビで戦争映画を撮ったらこんな感じになりましたってところでしょうか、まあ予想通りのドタバタ・コメディですけどね。この映画の真の主役はキャッシュ大尉のディック・ショーンとオポ大尉のセルジオ・ファントーニであることは間違いなく、ジェームズ・コバーンはいわば狂言回しみたいな役柄です。ディック・ショーンはそのクドい演技が満腹感を誘いますけど観てるほうもだんだんマヒしてきて愉しくなってきますが、彼はこの後メル・ブルックスの『プロデューサーズ』で世紀の怪演を見せてくれる人です。セルジオ・ファントーニもハリウッド映画では良く見かけるステロタイプなイタリア軍将校ですけど、実はこの人は前年製作の『脱走特急』でもイタリア将校それも階級も同じ大尉役なんですね。当然ですが軍服は同じで違うところは眼帯をしていてシリアスなキャラだったってとこですかね。ギャグ自体は典型的なエドワーズ節ってところですが、米伊両軍の兵士が街中で大乱闘したり空包を撃ち合って戦争ごっこしたりするところなんかはかなり笑えます。劇中ずっと銀行に忍び込むためにトンネルを掘り続けるコンビもバカバカしくていいですねえ。 まあ誰もが感じることでしょうけど、邦題のセンスのなさはかなりのレベルです。この映画は制作・配給がユナイトなのでこれも名付け親はあの水野晴郎 なのかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-21 21:50:41)
3.  チャーリー・バブルズ 《ネタバレ》 
チャーリー・バブルズはロンドン在住の若き作家。けっこう売れてて著書は映画化されたり自身でもシナリオを書いたりで有名人、稼ぎも多くてオープントップのロールスロイスを乗り回す生活。二年前に離婚したけど自宅は執事夫婦が切り盛りする豪邸で、なぜか各部屋にモニターカメラが付いていて書斎からすべてを監視できるようになっている。同業者や友人たちからは一目置かれているけど、彼自身はそんな人も羨む境遇にもなぜか馴染めない様子、つまり幸せそうじゃないんだな。そんなチャーリーがレスターに住む別れた女房から息子をサッカーの試合に連れて行けと懇願され、同居しているセクシーな女子大生の秘書と一緒にロールスロイスでレスターへの旅に出る。 英国ニューシネマの輝ける星だったころのアルバート・フィニーが今まで唯一監督した珍品です。もちろん日本未公開、ありとあらゆる映画が載っている(と勝手に自分が思っていた)allcinemaにも登録されていないというからある意味凄い。で、内容はと言いますと、このアルバート・フィニーの演じるチャーリー・バブルスが別れた妻子に会いに行くだけの話で、恐ろしいほど映画的なことは何も起こりません。冒頭で高級レストランで出会った親友とバカをしでかして遊び惚けるところは確かにキャッチ―な撮り方をしているので「おっ」ときますが、あとは基本会話劇みたいな展開です。チャーリーと登場人物たちの他愛もない会話が多いんですけど、このチャーリーが誰に対しても疲れた表情で目を合わさないような感じです。でもなぜかわたくしにはアルバート・フィニーのこの演技には魅了されました。これだけ何もないお話しで共演者も含めて惹きつける演技ができるというのは、フィニーの演出力が非凡であることの証しじゃないでしょうか。なぜか野原に放置されていた熱気球に乗ってチャーリー・バブルスが去ってゆくラストは、いかにもニューシネマらしい終わり方かと思います。 フィニー以外は地味な共演者たちでしたが、なぜかそこにブレイク前のライザ・ミネリがいるところは必見です。彼女にしては珍しいロング・ヘアーで、これもなかなか似合うじゃないかと思ったら、実は設定上はそれはカツラでフィニーとベッドを共にするときは外しちゃってトレードマークのショート・カットに戻ってしまいます。たしかにあれだけ髪が長いと、アレするときに邪魔でしょうがないでしょうけどね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-23 23:39:18)
4.  地平線がぎらぎらっ 《ネタバレ》 
同年についに倒産してしまった新東宝が、まるでいたちの最後っ屁みたいに放ったピカレスクムーヴィーの傑作です。それまでカスみたいな映画ばっかり撮ってた土井通芳が、まるで別人みたいにキレのいい映画を撮ったなんて信じられないことです。人間、やれば何でも出来るもんですね。 殺人や詐欺そして婦女暴行などで服役している5人がある刑務所に収監されている。彼らの雑居房に生意気を絵に描いた様な若者が加わる。この男は牢名主にも仁義を通さず挑発して好き勝手、5人は共謀してこの若造を自殺に見せかけて殺そうとするも、直前にこいつがダイヤ強奪の共犯で捕まり、どこにダイヤを隠匿したか喋らないまま懲役4年の刑に服していることが判る。この若造役がジェリー藤尾で、この演技が彼の生涯のベストアクトだと評価する人もいるぐらいです。無鉄砲でぎらぎらした男ですけど、なんか心の奥に隠し事を持った様な陰も有って魅力的なキャラです。主題歌もジェリー藤尾が歌っていまして、♪ぎらぎら、ぎらぎらっ、あの地平線が光ってる、そこにはオイラの夢がある、というパワフルな曲調で印象的です。 ダイヤを山分けする計画でみんなで脱獄してからの展開もけっこう面白いんです。お約束の仲間割れで一人また一人と脱獄犯は消えてゆくのですが、肝心のジェリー藤尾はどこか超然としています。ここで当然のごとく“ダイヤは本当にあるのか?”というサスペンスになるわけで、ここら辺の脚本も上手いなと思いました。 そして脱獄犯の女房の実家に立ち寄るシークエンスは特筆すべきで、いろいろ新東宝の映画は観ましたがこんな秀逸な映像は初めて体験しました。ジェリー藤尾が飛び入りで祭りの太鼓をたたきだし、それと同時に脱獄犯がすでに違う男と出来ている女房を追いかけ回す。この辺りはまるで同時代の増村保造みたいな撮り方で、新東宝映画でこんなモンタージュが観れるとは驚きました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-04-09 01:04:54)
5.  血を吸うカメラ 《ネタバレ》 
この映画が『サイコ』と同時期に製作されたってことは興味深いですね。かたやヒッチコックは大ヒットを飛ばし名声をさらに高めたのに、可哀想にマイケル・パウエルは酷評&不入りでこれで完全に監督生命を断たれてしまったわけです。まあ確かに、犯罪スリラーとしても当時の基準からしてもオーソドックスというか古臭い撮り方であるのは否めません。ヘイズ・コードの制限が厳しかったハリウッドでは不可能な売春婦が被害者という設定があっても、女性被害者がひとりだった『サイコ』の方がはるかに扇情的なのは、ちょっと情けない。でも窃視症を病む主人公というプロット自体は、かなり時代を先取りしたアイデアだったと思います。まあ簡単に言えば“覗き趣味”というわけですが、この性癖はマイケル・パウエル自身を含めて映画人は大なり小なり持っている悪癖じゃないでしょうか。そう言えばヒッチコック御大もかなりの覗き魔だったそうです。この映画では実際の殺人場面はまったくないんですが、被害者の最後の表情にだけ執着する主人公というのが変態性を感じます。でもこの青年役の俳優には清潔感があり過ぎるのでミス・キャストだと思ったら、この人ロミー・シュナイダーの『プリンセス・シシー』シリーズでなんと相手役のフランツ・ヨーゼフ皇帝を演じていたオーストリアのアイドル俳優なんですよ。そんなアイドルをどう説得(騙す?)したのか英国まで呼んでこんなキャラを演じさせたとは、逆に皮肉たっぷりのキャスティングとも言えるでしょう。でも彼にはアンソニー・パーキンスみたいな陰が無いのはどうしようもないですね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2016-03-10 23:05:41)
6.  地下室のメロディー 《ネタバレ》 
フランスのノワールには“仁義”“掟”“男同士の友情”といった臭みが目立つ映画が多いが、この映画には不思議とそういう要素が見られません。ジャン・ギャバンが出所して家に帰りつくと通りの名前が変わっていたという冒頭シークエンスには、そこはかとないユーモアすら感じさせてくれます。でも人物造形やその背景設定には粗と言うかポカが目立ちますね。だいいち、10億フランもの大金を強奪する計画を立てる切実感や成功させようとする高揚感といったものがこの犯人たちから欠けている様に思えます。アラン・ドロンがダクトを這ってゆく様な細部描写にはとても拘りを見せているのにね。でもこのシーンを甦らせた『ダイハード』よりもずっと面白い撮り方でした(ダクトの中にエアコンの空流が吹き抜けるところなんか、もう最高です)。ドロンがちょっかいを出す踊り子やギャバンの女房が伏線の様な存在なのかと思えば全然発展しないキャラでした、ってのも自分としては不満なところです。 と言うわけで、観ての通りでラスト・シーンがすべてというジャンルの映画でした、まあこれはこれで粋な5分間であることは確かです(でもあのカバンが水に沈むかなー、『あやしい伝説』でぜひ検証して欲しいです)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-05 23:53:58)
7.  血とバラ 《ネタバレ》 
ロジェ・ヴァディムと言えば『血とバラ』、『血とバラ』と言えばロジェ・ヴァディムと語られるほど有名ですが、現在なかなか観る機会がない作品です。原作はレ・ファニュの小説『吸血鬼カーミラ』ですが、ヴァディムは舞台を現代に置き換えてお得意の官能的で耽美な映像を見せてくれます。 「ご先祖さまは吸血鬼だった」という貴族のメル・ファーラーとその従妹アネット・ヴァディム、ファーラーのフィアンセであるエルザ・マルティネリ、彼らの三角関係に甦った吸血鬼ミラーカの霊が割り込んでくるというのが大まかなストーリーです。ヴァディムの役名が「カーミラ」で、ご先祖の女吸血鬼が「ミラーカ」というのがちょっとややこしいところですが。 まあ前半はとても60年代の一流監督が撮ったとは思えない冗長な展開でがっかりさせられます。ところがですね、突然映像がモノクロに変わる幻想的なラスト15分間は、なるほど本作が語り継がれているわけだと納得させられる素晴らしさです。カーミラのドレスに沁み込んだ血だけが赤く輝きを発するところなど、『天国と地獄』の有名な煙突の煙に匹敵するインパクトがあります。この映画では、ミラーカが甦るところや吸血するところなど直接的なシーンがなく、すべての出来事がアネット・ヴァディムのメル・ファーラーへの恋心からくる妄想ともとれる撮り方をしているのも特徴です。アネット・ヴァディムは当時のロジェ・ヴァディムの奥さんですが、演技は大根ですしルックスもレベッカ・デモーネイを田舎くさくした感じですが、エルザ・マルティネリとのレズっぽいシーンなどはハッとさせられます。そう言えば、私が観たバージョンはアメリカ公開版で、レズシーンなど官能シーンを15分近くカットしたものらしいです。完全版を一度観てみたいものです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-14 21:44:55)
8.  地下鉄のザジ 《ネタバレ》 
ヌーベルバーグ的なスプラスティックコメディということなんでしょうが、さすがにガチャガチャしすぎで観る者を置いてけぼりにしてるような感じ。フィリップ・ノワレがエッフェル塔の上で唐突に哲学的な詩みたいなものをうなりだすのは、さすがに鼻がつきました。同時代のコメディでは、ジャック・タチの方がはるかにセンスが良いのではと思いますね。
[DVD(字幕)] 5点(2009-12-19 01:31:36)
9.  チップス先生さようなら(1969) 《ネタバレ》 
高校生のときにジェームズ・ヒルトンの原作を読み涙を流した記憶があります。この作品では、原作より時代をずらしていますね。原作では戦争は第一次世界大戦で、史実でもパブリック・スクール出の上流階級の青年たちが大量に戦死しています。原作では教え子たちを戦場で失ったチップス先生の悲しみが読者の心を揺さぶるのですが、この映画ではそのあたりがちょっと希薄でした。チップス先生が長生きするというのも原作とは違いますが、P・オトゥールの名演でこれはこれで良いかなと思います。一応ミュージカルと分類されていますが、ちょっと中途半端なミュージカル化だなと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-07 22:44:10)
10.  長距離ランナーの孤独 《ネタバレ》 
この物語のエンディングはあまりにも有名で、その後の映画や演劇に多大な影響を与えています。改めて鑑賞してみて、これは青春映画の傑作だと思いました。なんか主人公の心情が痛いほど伝わってくる映画なのです。50年近く前に制作されたとは思えない、21世紀の現代に時代設定を変えても十分通用する普遍性をこの作品は持っているのです。トニー・リチャードソンは、あえて押さえた演技と、早回しを使ったコミカルな演出を使っていて、それが主人公コリンの心象をうまく表現しています。院長は長距離競走に出場する選手たちにまるで競走馬を調教するように接していますが、彼は同世代であるコリンたちの親たちを象徴したカリカチュアなのでしょう。閉塞感に苛まされているのは若者たちだけではなく、社会全体の問題なのだということなのです。本当に良い映画でした。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-09 00:16:22)
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