21. テイキング・ライブス
《ネタバレ》 「ブロンドライフ」にしろアンジェリーナジョリーは作品にめぐまれないなあ。「トゥームレイダー」なんてお子様向けだし。で、「テイキングライブス」。製作陣がラストに自画自賛しているであろうことはよくわかる。「やったぜ」てな感じであろう。しかし、見てるほうは、「えっアートだったんですか」くらいにしか思えないぞ。なんだろうこの「作る側」と「見る側」のギャップ。「観客のことなんかこれっぽっちも考えてない」点ではキューブリックと同じかもしれないが、「ウケを期待して」しまっているところがいけないのではないでしょうか。「どうしてもこういうのが撮りたい」っていう感じがしないんだな。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-21 21:24:56) |
22. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 デンゼル・ワシントンを使いジェリー・ブラッカイマーが製作でトニー・スコットが監督するという、なんというかハリウッド的には渾身のオールスタースタッフで贈る一品というべきなのであろう。 そんなありがたい(?)一品なのだがまず、金がかかっとる!スタッフキャストに費やした金だけでもすごいのにあの港のシーンには湯水のようなドルが注ぎ込まれていると思われる。なんか非常にバブリーである。 しかし、内容は…イカんかった。 私はエネミー・オブ・アメリカを思い出しましたけど、あれとて面白くはなかったが、今回も負けず劣らず面白くはありません。私が脚本書くならダグがラボに呼ばれるシーンから「ビューティフルマインド」オチにもってきます。そっちのほうが面白かったと思うけどねえ。 トニー・スコットにはいわば「監視妄想」みたいなのがあると推測されるが、それが映画になるとちっともうまく生かされない。今回は有り得ない方向(SF)にまで行ってしまって、観客はとーてもついていく気になりません。やー、デンゼルはよくこんな脚本で出演する気になったものだー。 ラボでの気の抜けた論争で有り得ないSFをタラタラ説明させるあたりも非常にうまくない。 全体的に監督のやる気のなさが伝わるのは気のせいだろうか。 オールスターで贈ってこの程度では、「今の」オールスターはもう行き詰っているということの証明のようにもなってしまったと思う。特にブラッカイマーはいいかげん引退の潮時である。 そして、ブラッカイマーに取り込まれず逆に「使いこなした」という点で、スコット兄の偉大さがわかる。偉大さというか異形さで、やはり優れた作品を生む監督は異形の一匹狼でなければならず、弟は秀才かもしれないが凡才であって決して異形ではないのだということを再認識す。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-25 17:15:47) |
23. デッドマン・コーリング<TVM>
《ネタバレ》 これってテレビムービーじゃないのかなあ。 アン・ヘッシュはけっこうキレイだけど、わりと胸が小さい。 婚約指輪を古道具屋で買ったりするあたりが、「ありえない」気もするが、文化の違いなのだろうか。ましてや、その持ち主が殺されていたりしたら、日本だったら「破談」間違いないであろう。かなり期待以下の作品だった。 [DVD(字幕)] 4点(2006-11-03 14:50:10) |
24. デューン/砂の惑星(1984)
《ネタバレ》 なんといっても浮かぶデブ。興奮すると急上昇だ。 おおまじめにヒーローとして立ち上がるマクラクラン。しかしその鼻にチューブ。 あまりにも陳腐なストーリーゆえ、「画づくり」に力を入れるしかなかったのであろう。登場人物全員超シリアスに演じているにもかかわらず、どうみてもコントにしか見えず終始クスクス笑う。 しかしなあ。前半もたもたして、後半急に「予告編か?」と思うほどのドタバタした話はこび。どうなっちゃってるの。そんであのフグみたいなのはなんなのかしら。 「女には、決して辿りつけない境地があるのだ」って、字幕で言われてもなあ。さいざんすか。 ストーリーがひどすぎる。よって皮肉にもリンチのわけわからなさが薄まる結果となって、いいような悪いような。でももうリンチは見ないし。(また言ってるけど) [DVD(字幕)] 4点(2006-06-18 20:34:03) |
25. ティアーズ・オブ・ザ・サン
だからフークアってのは「トレーニングデイ」の監督さんで。 この2作を見る限りどうにも露悪趣味を感じる。 例えて言えば「ガラスをキキーッとひっかく」のが好きな人、みたいな。 もしくは「生ゴミのバケツの中を見せたがる人」とか。 もしくは「おむつの中身を見せたがる人」とか。きりがないな。 それがゲージュツなのかどうか、もうよくわからん。 だからリドリーのS趣味だったら、「いじめている行為を見せる」ことで表現されているみたいだが、この人の場合は、「行為が終了した直後の悲惨な状況」をこれでもかと見せることによって趣味が発揮されているように思える。 つまりどうにも自分にとってはあのシーンは「芸術」でもなく「娯楽」ではもちろんなくリアルな「再現フィルム」でも某国の海外派兵の言い訳ですらなく…監督さんの悪趣味の発揮としか受け取れん。 いちおうハリウッド映画なんだからなあ。これが無修正海賊版のSMフィルムであったならべつにかまわない。こういうのを見せられると「ジャンルという言葉は死語となったのか」と思うなあ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-01-09 21:29:47) |
26. 電話で抱きしめて
《ネタバレ》 1回だけ見て、「ノーラエフロンはいったいどうしちゃったのか」と思った作品。 なんだー、ダイアンキートンの監督作品かー。道理で面白くないわけだ。 しかし脚本はエフロンだしなー。はっきりいって、製作者側の個人的な家族への思い入れのみ。 それって、「ラブコメ」を期待しているファン層は「単に」がっかり。 「私のお父さんに捧げたいのー」でしょう。それどうでもいいよ。 特に日本人の女は、父親にいい思い出が無い人も多いのよ。こんなもの見せられて、「さあ、ウルウルしてください」と言われてもなあ。「ツボ」が全く違うんですけど、としか言いようがない。ノーラ、お父さんはもうわかったからいいです。ついでに冷たいお母さんも、もういいですから。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-13 17:19:05) |
27. デッド・サイレンス(2007)
《ネタバレ》 全く怖くないだけでなく、おもしろいとも思えなかった。 自分は不感症になってしまったのかと思った。 だいたい日本人は欧米人に比べれば人形を怖いとは思っていなく、カーネル人形だって日本にしかないもので欧米ではブキミだからあんなもの店頭に置いたりしないというのは知っていたけど、私はこんなに人形が怖くなくていいのだろうか。 というよりやっぱり映画の出来が悪いと思うのだった。 私は「SAW」の1はそれなりに面白く見たし(2以降はバウズマンのセンスの無さがイカんと思って見切った)、このワンとかいう人は才能がある人だなあと思っていたけど、本作を見る限りは全然違ったようだ。 無駄なシーンをだらだら見せて尺をつぶすもんだから、食っている時間のわりに内容がすごく少ない。例えば主人公がブキミな場所に分け入っていくシーンなど、むやみに冗長なうえひたすら異様な効果音で演出するだけで芸がなく、飽きてくる。私は全然怖くない。 怖がらせることが目的でないのなら、ラストのどんでんで勝負という「SAW」と全く同じ作りになるけど、それなら腹話術だの人形だのの要素は要らないと思いますね。先人の傑作をよく見て、演出や編集の基本をちゃんと勉強するべきです。対象をバンバン見せるのは最も芸が無い証拠。若いうちに一発当てたためにチヤホヤされちゃって、基礎的な力がついてない。ダメだこりゃ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-04-10 16:59:21) |