21. 敵、ある愛の物語
《ネタバレ》 ストーリー的には女好きのしょうもない男が繰り広げるややコメディタッチの愛憎劇なんですが、その背景にホロコーストが絡んでくることで非常にやるせない作品となっています。社会の中で所謂「勝ち組」といわれる立場にいた者が、人種の違いにより一瞬にして人間として扱われなくなり、あたかも害虫であるかのように駆除の対象となってしまう恐ろしさは想像もつきませんね。 まあ、そういう境遇を喜劇的に表現するところは、ウディ・アレンの一連の作品に相通ずるものが感じられましたね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-02-10 23:56:37) |
22. 鉄の男
《ネタバレ》 この作品は前作「大理石の男」(ぜひ先に観ることをオススメします)の続編であると同時に、世界中の注目を浴びたポーランドの独立自主管理労働組合「連帯」の結成前後の動きを記録した作品で非常に興味深く観ることができました。ほぼ、「連帯」の盛り上がりと同時期に作られた作品ですので、時代の高揚感が伝わってきました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-11 17:30:07) |
23. デイズ・オブ・グローリー
《ネタバレ》 戦場では皆平等だという建前と植民地出身者を本国人の盾にしようとする本音の非情とも言えるギャップがとてもやるせなかったですね。人種も宗教も全く異なり、行ったことも無い宗主国のために戦う男たちのドラマです。金のためであったり、出世のためであったり戦地に赴いた理由はいろいろですが、敵と戦うだけでなく本国人との格差(食事や休暇等待遇の違い)や差別とも戦わなければならない不条理さが痛烈に伝わって来ました。 最後に、フランス政府による旧植民地出身軍人の恩給凍結について問題提起が為されています。 [DVD(吹替)] 7点(2009-12-03 23:30:35) |
24. 鉄路の闘い
《ネタバレ》 フランス国鉄の協力を得ていることもあって、鉄道員たちのレジスタンス活動が非常にリアルで迫力あるものとなっており、見ごたえがありました。まるで、実際の映像を見ているかのようでした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-30 13:46:51) |
25. 敵こそ、我が友 ~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~
《ネタバレ》 まあ、アメリカという国が表向きは綺麗事ばかり言ってるけど、実際は己の目的を達成するためには悪魔とも平気で手を組む恐ろしい国家であることや軍隊式命令系統は、「命令は絶対」という逃げ道を与えることによって、人間を簡単に悪魔にしてしまうシステムであることが良くわかりましたね。 何というか、現実社会の醜悪さに暗澹とした気分になりますが、目を背けてはならない事実なんですよね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-17 18:38:39) |
26. 天使(2005)
《ネタバレ》 ストーリー、映像、出演者等々全体的に悪くはないです。深田恭子の天使は、まあ狂言回しみたいなもので主役と言われると「?」という感じですが・・・(鳥人間とか言われてるしw)。 まあ、1800円払って映画館で鑑賞する気にはなりませんが、レンタルDVDやテレビで酒(観てると無性にジンライムが飲みたくなりました)を飲みながらボーっと観たりする分には結構楽しめる作品かもしれません。 [地上波(邦画)] 7点(2008-10-09 18:28:50) |
27. 天国の門
《ネタバレ》 3時間半以上の非常に長い作品です(DVDでも途中に休憩が入ります)。映画会社を倒産させるだけあって、セットも金かかってる感じです。 ストーリーは中々面白いのですが「ジョンソン郡戦争」という実際にあった事件に基づいていると聞くと、非常に恐ろしいですね。もう、町の人間のほぼ全員が対象になっている処刑リストを読み上げるシーンは本当に精神的に嫌なシーンでしたね。 この作品は、アメリカの負の歴史を描くシリアスな作品ではありますが、西部劇的なアクションシーンも中々迫力がありました(まあ、ちょっとドンパチやりすぎのような気もしますが・・・)。 音楽が非常に美しく素晴らしいです。背景に広がる自然も大スクリーンで見たいと思わせるような壮大さでした。 ただ、やはりちょっと長いです・・・・。面白かったけど。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-13 20:09:33) |
28. 天国は待ってくれる(1943)
《ネタバレ》 本当に、この人のコメディは上手いですね。この作品も、まず地獄の入り口で閻魔大王が地獄行きの審査をしているという設定からして興味をひきました。地獄行きはスイッチ一つで落とされるし、天国へはエレベーターで・・・と、セットも凝っていて、まるでSF映画のような感じでした。 しかし、今の感覚で見ると主人公の人生は地獄に堕ちるような人生では決してないと思いましたね(まあ、ネタバレですが閻魔大王も同じ考えでした・・・・・)。当時の厳しい道徳感の中では、ああいう女性を追っかける生き方は余り許されるものではなかったんでしょうね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-22 17:07:55) |
29. TESE
《ネタバレ》 鄭大世選手のアイデンティティの裏にある複雑な思いが赤裸々に描かれていて興味深かったですね。まあ、、彼が北朝鮮代表を選択したのは自分の思いも当然あるのでしょうが、親とか家族の影響も少なからずあるのかなと感じましたね。 [DVD(邦画)] 6点(2013-05-29 22:47:22) |
30. 天国へのシュート
《ネタバレ》 オランダのサッカー文化が垣間見れる興味深い作品でした。規律に縛られるより自らクリエイティブにプレーする方を選ぶ展開にオランダらしさを感じましたね。しかし、スリナムにもイタコがいるんですね。 [DVD(吹替)] 6点(2011-12-23 00:36:12) |
31. D.I.
《ネタバレ》 同じようなシーンの反復とそこに生じる微妙なズレを効果的に用いて、イスラエルに暮らすパレスチナ人たちの日常をユーモラスに描いた前半、突如として突飛な展開の飛躍が駆け巡る後半で構成されるこの映画ですが、本当に掴みどころがなく、はっきり言って訳がわかりません。 ただ、それは映画が訳がわからないのか、テーマとなっているパレスチナ問題が訳がわからないのか・・・考えさせられます。 日本で言えば北野武のシュールな空虚感の下で鈴木清順の自由奔放な表現を展開しているような、この監督のセンスは非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-10-22 10:15:22) |
32. 天使の恍惚
《ネタバレ》 時代を感じさせる作品です。また、テロを否定していない危険な作品です。(爆弾テロを仕掛けまくってますし・・・・・・) 「自分の身体を張って闘えるヤツ、本気で孤立できるヤツ、個的な闘いを個的に闘える奴等、孤立した精鋭こそが世界を変える、世界を創る」というセリフが(ほとんど自己陶酔の世界ですけど)非常に印象に残りました。(あとはカフェバーのシーンが海外映画風で洒落てたことと、そこで歌われてた「ここは静かな最前線~♪」という物悲しい歌が気になりました。) まあ、完全に受け入れる事は出来ない作品でしたが、かつて日本にもこういう時代があったという歴史的な視点で見ると非常に興味深い作品だと思いました。(決してオススメはしませんが) [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-28 09:17:44) |
33. 天国の本屋~恋火
《ネタバレ》 非常に勿体無い作品ですね。ベストセラー小説が原作で、キャスティングも良く、映像・音楽も美しい(クライマックスの花火とピアノ演奏のコラボは見事でした)・・・・なのに何でこんなにイマイチ感が漂ってしまうんでしょうか。 2つの異なる作品(シリーズは同じではありますが)をドッキングさせてストーリーを展開させているのでアンバランスな感じを受けましたし、多くのエピソードを短い時間で表現しようとしているためどうしてもダイジェスト的になってしまい、せっかくのキャスティングの良さが生かされていないんですよね・・・・。原田芳雄と新井浩文のコンビなんかもっと旨味を引き出せると思いますし、香川照之なんてあれじゃただの変人ですよ。まあ、竹内結子の魅力は存分に味わえますけど。 改めて言います「本当に勿体無い」 [地上波(邦画)] 6点(2008-06-12 18:51:23) |
34. 電話で抱きしめて
《ネタバレ》 しかし、落ち着きのないドタバタ映画でしたね。結構シビアなテーマを取り上げているんですが、印象に残ったのはメグ・ライアンのテンパリ振りとキレ芸だけでした。母親であることを拒否した母親(それも普通の感じの人)が登場する作品はそんなにないので、そのあたりをもう少し丁寧に描いてもらいたかったですね。 まあ、メグ・ライアンが非常に魅力的だったので最後まで飽きることは無かったですけど・・・。 [地上波(吹替)] 6点(2007-07-19 22:02:06) |
35. 電車男
まあ、見ているこっちが小っ恥ずかしくなる作品でしたね。もう突っ込みどころ満載で逆に楽しんだりしてしまいました。もう、「そんな奴おらんやろ~」のオンパレードでしたねw それでも、最後は何故かジーンときてしまいましたけど。 [地上波(邦画)] 6点(2006-09-18 20:58:59) |
36. デビル(1997)
《ネタバレ》 北アイルランド問題とアメリカのアイリッシュ社会の関係をどう描いているのか。そしてそれをハリソン・フォード、ブラッド・ピットの2大スターがどう演じているのかを期待して観たのですが、全く期待外れでしたね・・・・・。正直、主演の2人のファンで彼らを観れれば良いという人以外にはお勧めできません(北アイルランド問題とかIRAとか全く知らない方が楽しめるかもしれませんね)。 しかしまあ、あんなボロ船に地対空ミサイル積んでアメリカから英国に隠密に渡るなんて設定はありえなさ過ぎです。 [地上波(吹替)] 5点(2008-09-04 17:08:20) |
37. デビルマン
《ネタバレ》 この映画の名を聞くと、ジェフユナイテッド市原・千葉を応援している私には4-0のスコアで完膚なきまでに叩きのめされた(エメルソンが本当に凄かった・・・・)国立競技場での「デビルマンマッチデー」(2004年Jリーグ2ndステージ第8節 浦和レッズ戦)の苦い記憶が甦ってきます(まあ、生で富永愛を見ることができましたが)。そのときはまさか、この映画がここまで伝説化するとは思いもしませんでした・・・・。 で、今回ついに禁断の扉を開いてしまったわけですが、観終わった今「そこまで酷評される程ひどくはないのでは?」というのが正直な感想です。原作のストーリーや設定を激しく歪めているわけでもないですし、主人公たちの演技についても確かに???な感じではありましたが彼らは演技力というよりはビジュアル的な面で選ばれたところもあるのでしょうし、これが彼らの表現方法なのだと一度認識してしまえば特に気にはなりませんでした。個人的にはこの物語のツボは原作の不動明のセリフ「悪魔からの恐怖から逃げるため、人間みんなが恐怖をあたえる側にまわろうとあがいている 被害者から加害者に...」にあるように、疑心暗鬼に陥り自ら地獄を作り上げてしまう人間の弱さ、愚かさにあると思うので、その部分は普通に表現できていたと思います。ちょっとストーリーのつながりとかがイマイチだったのは否めませんけど・・・・。 結局は「デビルマン」という凄い素材でB級のアイドル日本映画を製作しようとしたのが間違いだったのかもしれませんね・・・・。ただ、(良く並び称される)「死霊の盆踊り」なんかと比べたら何倍もマシですよ。CGとかの映像は結構凝ってますし。 まあ、この作品を通して原作に興味を持つ人が増えればそれはそれでいいかなと思います。(悪くても多くの人に知られているわけですから・・・)。 [地上波(邦画)] 5点(2008-03-15 22:52:33)(良:3票) |