81. デュエリスト/決闘者
リドリー・スコットはCF出身のためか、映画は人に見せてナンボ、映像美を売りにしつつも、一般ウケの観点も忘れない人だと思ってたのですが、このデビュー作、娯楽性が薄く、奇妙な味わいの映画。どちらかと言うと、デヴィッド・パットナムらしい(エニグマ・プロっぽい)映画、っちゅう感じも受けますかね。何しろ2人の決闘が繰り返されるばかりで、特に劇的な展開があるわけでもなく・・・しかしその分、風景の描写にコダワリを見せて、後日のリドリー・スコット作品を思わせる部分も有るような無いような。確かに印象的なシーンが多い映画には違いありません。彼自身もどうやらこの時、別にゲージュツ作品を撮ってるつもりは無かった、という話ですから、ある種、試行錯誤の段階だったのかも。 7点(2003-11-08 23:35:18) |
82. 天国と地獄
映画のどこを切り出しても隅々まで面白さに満ちています。身代金を払う決意をするまでの過程すら、ものすごい緊迫感。引き続く展開も、これでもかと、ありとあらゆる手で楽しませてくれます。反面、徐々に盛り上がっていく凄み、という点では若干弱い構成で、やや強引な気もしないではありませんが、山崎努のオーラがそれを補っています。 8点(2003-10-26 16:12:56) |
83. 鉄男 TETSUO
普通サイズの怪人シリーズ(!)。塚本晋也監督が脚本美術照明編集、撮影から悪役までこなして(役名は「やつ」。あはは)八面六臂の大活躍。ダイナメーションではなく、生身の人間でコマ撮りやっちゃう!田口トモロヲさんご苦労さんです! 粗大ゴミを拾ってきて作り上げたメイキャップがすごいぞ。 エネルギッシュな映像に圧倒されながら観ていると、だんだん謎が解けてくるストーリーの妙。これまで一体何人に薦めて撃沈されたか知れない映画ですが、懲りずにこれからも薦め続けてやるゾ。本作を始めとする諸作で国際的に有名になった塚本監督、確か北野武監督がベネチアで金獅子賞取った時の審査員の一人だったと思います。 9点(2003-10-12 00:59:17)(良:1票) |
84. D.N.A.
考えてみりゃ、それなりに原作に沿って作ってるんですよねえ。でもウェルズ・ファンはきっとこう言うでしょう「こんな映画作ってくれとは頼んでない」。半端に原作を大事にすると大惨事になるという例です(なのに後の『タイムマシン』は同じ過ちを犯すことに・・・)。こういうヘンテコなモンスター映画をまた撮ってしまったところを見ると、フランケン師匠は『プロフェシー/恐怖の予言』なんかにも愛着あったのかな、なんて思ってしまいますが、本作は、なまじCGなど使って派手に演出した分、イビツさも増しています。 5点(2003-09-15 21:00:03) |
85. デイライト
『クリフ・ハンガー』の続編か?と言いたくなるスタローンの役の設定で、せまってくる危機もなんだか段取り通りという感じ。でもいいんです!こういう映画を待ってます。懲りずにまた作って下さい。(『ポセイドン・アドベンチャー』って、各登場人物のキャラクターが非常に際立ってたから、面白かったのよねー。その辺をゼヒ加味していただければ・・・。) 7点(2003-08-23 23:29:01) |
86. 帝都大戦
特殊効果にスクリーミング・マッド・ジョージを呼んで来たもんで、その技術は前作を圧倒的に上回ってますけど。それにも関わらず映画のインパクトが薄いのはちょっと重傷。いくら金積んで選手集めたってジャイアンツが優勝できないのと一緒。守りに入っちゃあ、ねえ。 3点(2003-08-15 21:19:42) |
87. 帝都物語
当時学校で原作が大流行りでみんな回し読みしており、私は読まなかったものの、映画は観に行くのが当然、という雰囲気だったもんで・・・。浅草十二階の崩壊シーンもなかなかリアルだったけど、むしろコマ撮りに妙に興奮しましたね。日本でもCMとかではよく見かけるんだから映画でドンドン使って欲しいな、と思ってましたし。H・R・ギーガーの護法童子はもうどうでもいいけどさ。ところで当時は意識してなかったんですが、音楽は、石井眞木さんだったんですね(残念ながら最近亡くなられました)。これは意外。 5点(2003-08-15 21:03:51) |
88. デッドマン・ウォーキング
《ネタバレ》 ドラマに引込まれていた分、ラストは正直言って残念。死刑賛成とも反対とも明確な立場を示さず、ただその実態と、死刑の抱える矛盾を示すのみなんですが、死刑を前にしてようやく改心するなんて、「賛成論への反対」と「反対論への反対」のオイシイところ取りみたい。一種の予定調和じゃないの。まあでも、これ意外にどんな結末が有り得たかと言われると、これまた難しいんですけど。 7点(2003-08-14 20:57:29) |
89. ディアボロス/悪魔の扉
まあ何とも地味なオカルト映画なんですが、不思議とのめり込んでしまいました。アル・パチーノの悪魔の前には、『エンド・オブ・デイズ』のガブリエル・バーンなんてかすんじゃうね。おっとそれだけは言わない約束か。なに、オチがひどいんじゃないかって?まあ、そうかも。 8点(2003-08-10 22:30:00) |
90. デモンズ
こりゃ驚くべき作品。出色のホラーです。閉息状況の中で、デモンズに侵食されていく焦燥感を徹底的に味わわせてくれますが、実はこの閉息感というのは、「都市生活の閉息感」そのものを、そのまんま投影しているんですね。実際、主人公達が劇場の屋上に脱出して周囲を見回した瞬間ですら、意外なほど解放感がなく、最初から逃げ場など無かったんだということに気づかされます。まあ屁理屈はさておき、ノストラダムスの墓を暴くなんていう発端や、数々の道具立てなど、意表をつく設定がスリル満点で、痛快でもあります。 9点(2003-06-29 14:01:51) |
91. デス・レース2000年
バカ映画史に惨然と輝く、手の施しようもない空前の超ド級バカ映画。この激しいまでのオリジナリティを、他の映画も少しは見習って欲しいもんだ。とは申しませんが。とりあえずこんなデタラメな社会になる事も無く、無事に西暦2000年は過ぎていきましたね。当り前か。それにしても、悪役がスライ。カメラがタク・フジモト。実に豪華だねえ。 9点(2003-06-28 16:56:53) |
92. デリカテッセン
こういう好き勝手やってくれる映画、嫌いではないし、ついニヤリとしてしまうシーンもあちこちあるのですが、どうも散漫すぎてついて行けません。まあ機会があれば観直してみようとは思ってますが。ところで部屋が水につかるシーン、「新・動く標的」ソックリですが意識したのでしょうか。 5点(2003-06-22 16:43:48) |
93. テンタクルズ
巨大ダコが人を襲うと聞くとどうしてこんなにワクワクするのでしょうか。とは言え、この映画、「ジョーズ」をかなり参考にしてますが参考の仕方を誤っております。鮫が背鰭を出して泳ぐなら、巨大ダコはどうやって泳ぐ?タコの演出が何ともいい加減。クライマックスの壮絶な格闘(らしき)シーンも何やってるんだかよくわかりませんが、ここでの勇ましすぎる音楽が印象的。嫌でも耳に残ります。 6点(2003-06-21 23:54:18) |
94. デモンズ2
前作は映画館を舞台にして映画館の観客を怖がらせましたが、自宅のテレビで映画を鑑賞する人の方が多い事に気付いたらしく(?)、今度のデモンズはブラウン管から出て来ます。で、その首尾はどうかというと、無意味に際限なく追われるばかりで収拾がつかなくなっちゃってます。でも、これが逆に、悪夢にうなされた時のようないや~な感じを出していて、観る時の体調次第では結構ダメージがあります。 8点(2003-06-08 15:42:05) |
95. デモンズ3
今回は教会に閉じ込められて・・・といっても、もはや「デモンズ」とは関係がなく、さっぱり盛り上がらずガッカリ。フィリップ・グラスの曲が挿入されてるとは知らずに観てたので、曲が流れた時にはビックリ。今や「キャンディマン」のサントラCDがクラシックコーナーに置かれたりするご時世になりましたが。 4点(2003-06-08 15:22:39) |
96. テルミン
以前、中古CD屋でたまたま見つけた「The Art of the THEREMIN」というCD。クララ・ロックモアが有名な小品をテレミンで演奏しているもので、音程が狂うか狂わないかの瀬戸際ながら、何とも味わいのある音色が魅力的です。そのロックモアが演奏する光景をこの映画で見ることができたのは感激!どう考えても無理のあるこの楽器に情熱を傾ける人々の姿には頭が下がります。テレミン博士の数奇な人生にも驚かされます。なお、テレミン博士の親戚として登場するリディア・カヴィナもテレミンの名手で、大変ユニークなアルバムを出しています。 8点(2003-05-24 00:07:06)(良:1票) |
97. デルタ・フォース(1985)
「いくら悪者でもそこまでやっちゃ可哀相だよ」という不思議な気分にさせてくれるチャック・ノリス。そんな彼の魅力が、特によく出ている映画でしょう。そういや確かに、音楽だけはよくデレビのBGMで耳にしますな。 7点(2003-05-23 22:35:09) |
98. THX-1138
ええと、この映画はですね、ま、どっちかというと退屈ではあるんですけどね。映像もユニークながら、効果音がですね、全編通して一種のノイズミュージックみたいな感じに仕上がってると、そのように思うんですよ。でしかもラスト、夕日をバックに突然マタイが流れるところなんぞ、もう、しびれまくり。衝撃的ですらあります。 8点(2003-05-17 03:54:21) |
99. デッドリー・フレンド
死んじゃった恋人(クリスティ・スワンソン)を蘇らせるために頭にICチップを埋め込んじゃう「下町のエジソン」的高校生を演ずるは、「大草原の小さな家」のアルバートことマシュー・ラボート-。これはポイント高いぞ。しかし、そんなチップどうやって入手したの?秋葉原のラジオセンター辺りでは意外と売ってたりして。あんまりバカバカしいので期待しないで観たら、まあ、それなりに、楽しめてしまいました。期待厳禁。 6点(2003-05-10 22:46:04) |