21. エクソシスト ディレクターズカット版
ディレクターズ・カット版に仄かに期待していたのは、まず、メリン神父の突然の死のことである。一応、心臓発作ということだが、あまりにも呆気ない死に方だったので、“何故?”という疑問をず~っと抱いていた。今回ひょっとしてその謎が解けるかなと思っていたけれど、残念ながらあのシーンには手を加えられてはいなかった。もう一つ気になっていたのが、例の映画好きの老刑事のこと。オリジナルでは何かと不可解な印象の彼を、今回ラストに登場させることによって、より鮮明に性格付けが成されたように感じた。やたら映画(しかも古典ばっかり)に誘いたがり、はたして家族がいるのかも疑わしいこの男には、「真夜中のパーティー」や「クルージング」といったアメリカの風俗の一段面として、ホモの世界を好んで描いてきたW・フリードキンの作品だけに、そういった匂いがぷんぷんしてくる。カラス神父に“君はサル・ミネオに似ている”と言わしめたのも、何やら暗示的だ。オリジナルの“売り”が首が180度廻るシーンだっただけに、いかにもオドロオドロしいだけで、あまりに突飛で作品全体のリズムを狂わすスパイダー・ウォークをカットしたのは正解だったようだ。この特別版は功罪合い半ばといったところなので、基本的には評価に変わりなし。 10点(2001-02-04 16:52:55) |
22. エニイ・ギブン・サンデー
アメ・フトという、おそらくスポーツというもの中でも最も激しいスポーツといえるものを、O・ストーン監督は手持ちカメラをぶれさせ、細かいカット割の編集でニュース・フィルムを観るかの如く、このド迫力の肉弾戦を活写していく。でも最もスゴイのは、控え室で大勢の猛者たちを前にした、A・パチーノの叱咤激励のシーンである。 8点(2000-11-18 17:17:33) |
23. エアフォース・ワン
観終わったあといろいろと粗が目立つ作品ですが、観ている間はほとんどそれを感じさせない。やっぱり職人ベーターゼン監督の演出の巧さなんでしょうかね。それともハマリ役ともいえるH・フォードの演技を超えた、存在そのものに説得力があったからかも・・・。SFXに頼らなくても面白い映画はできるもんです。 8点(2000-10-13 00:57:34) |
24. エクソシスト
今さらコメントするまでもないオカルト映画の最高傑作。この作品の登場人物たちはそれぞれに心身を病んでいて、悪魔はその心の隙間に容赦なく潜りこんでくる。W・フリードキンの演出は無情で冷酷で感情的な説明を極端に排している。中でもリーガンの病院で検査されるシーンの冷酷さを、暗に子供や老人に対しても容赦ない、現代の医療検査を批判しているようにも捉えられるほど執拗に描かれる。無信仰、現代医学の進歩、あるいは科学万能の時代となっても、なお推しはかることが出来ない“なにか”が、この世に存在するということを嫌というほど思い知らされた作品でした。ディレクターズ・カット版で久々にリーガンに会えると思っていたのに、延期になってまことに残念! 10点(2000-10-09 15:00:28)(良:1票) |
25. エグゼクティブ・デシジョン
「ダイ・ハード」ばりの、さりげない伏線のはりかたが後半に生きてくる。こういう計算された演出の積み重ねが、アクション映画としての厚みともなって来るわけで、そういう意味で本作は水準以上の出来ばえで、頭脳戦が緊迫感を高めクライマックスまで一気に楽しめるように作られている。 8点(2000-10-08 17:20:57) |
26. L.A.コンフィデンシャル
カーティス・ハンソン監督の作品ってほとんど知らない(記憶にない)し、だいたい世評の高いモノにロクなものはないと思っていたけれど、序盤、ベイシンガーが登場してからというもの、とうとう最後までこの作品にドップリのめり込んでしまいました。演出の旨みというよりは、やっぱり主人公3人の魅力を引出した点にあるのでは・・・。アカデミー賞を獲らなくても間違いなくこの年のNo1でした。 9点(2000-10-02 11:15:46) |
27. エクソシスト2
期待が大きかった分、皆さんカンカンみたいですネ!J・ブアマン監督って独特の映像哲学をもって、かなり強烈な個性を放っている人だけに、好き嫌いがハッキリしているみたい。個人的には好きなほうで、「脱出」のような傑作を世に送り出していますが、今回、彼が善と悪の対決を具体的に映像化したものの、第一作目とはスタンスが異なったことにより、あまりにも印象が違いすぎて不評を買ってしまったようです。で、この作品、神を否定したという意味ではキリスト教信者にとって、これほどコワイ作品はないんじゃないかと思います。悪魔と対決するのは結局のところ個人でしかないというところでしょうか?クライマックスの“例の部屋”での天地が裂けるイメージは強烈な印象として残っています。 7点(2000-09-29 11:42:28) |
28. エアポート’75
オールスターキャストのハリウッド超大作&パニック・ムービーの先駆的作品として、作品の良し悪しとは別に長く記憶に留めておきたい一本です。C・ヘストンとK・ブラックがタラップを足並み揃えて降りてくるラストシーンが、妙に印象に残っています。未見の方には、もはやTVサイズでしか鑑賞できないのが残念です。 8点(2000-09-08 23:42:07) |
29. エリン・ブロコビッチ
ジュリア・ロバーツの人気もさることながら、作品の出来のよさが口コミで拡がってヒットをとばした典型的な例。彼女も確かに力演だけれど、脇をささえている名優アルバート・フィニーの存在も忘れてはならない。 8点(2000-07-02 23:29:15) |