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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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21.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 
冒頭から約10分ですでに退屈感を覚える。主人公らしき男性が倉庫の中で何をやっているのか読もうとしても読めないようになっているし、出たら朝焼けで車を持ち込んだ女性に捨てられたオルガン、というところから何を期待し、何を読めばいいのだろ。 口うるさい7人の姉たちの登場やパーティでのガラス割り、シュリンクという言葉が出た段階で、「心理ドラマ」で笑わせてくれるのかと期待が芽生える。 でもバリーはシュリンクには行かなくて、唐突に話はテレホンセックス詐欺へと急激な舵を切る。 テレホンセックスで社会保障番号やらカード番号を答えるのも有りえないならチンケな元締め(役者だけは豪華でホフマン)が子分を寄越すのも有りえなくて、せっかくの「姉の重圧に悩めるバリー」や「高齢の独身女」というリアリティのあるキャラはぶちこわしになってしまう。 そうかこれはリアリティは関係ないうえに誰かの心理に感情移入をして見るタイプの映画ではないのだな、するとどうやって見るのが楽しめるのかな、と考えてもよくわからない。 前半でバリーにプレッシャーをかけて、最後に爆発させて爽快感を味わう、というには中途半端な暴れぶりだと思う。プレッシャーの部分にしたって、姉との接触が不足しているから姉たちにいじめられる快感も充分でない。 どうせテレホン詐欺のエピソードは、狙われるバリーというシチュエーションにしたいがためのご都合から出ただけではないか。それにしてもこんなミエミエなご都合でいいのか。 全部が中途半端ですごく気持ちが悪くなるといったら言い過ぎかしら。失敗作というのが最もしっくりこないだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-13 14:26:33)
22.  裸のランチ 《ネタバレ》 
10年以上前の初回視聴時の感想はずばり「退屈」であっため、2度と見ない作品リスト入りしていたのだが、見る側の経年変化というものも考慮し「CSでやっているならちょっと」と見始めて見事ハマる。 「クラッシュ」でも書いたけどこの監督さんの作品を楽しんで見るためには「コント」という前提で見るのが正しいのでは。「あんまりマジメに考えない」で「相当ブラックでグロテスクなコント」を見ている感覚で、作り手の意図した「笑わせどころ」にちゃんとはまっていってあげるのが、楽しく見るコツなのではないだろうか。 松本仁志のコントをスケールを拡大し芸術性を高めて高尚にしたもの…ということであんまり間違っていないと思います。もちろん、バロウズの原作というものがあり、映画であるので、私の見たところでは1箇所「意図的にコント世界をはずれて現実世界を注入した」ところがあって、「ところでそろそろキミの創作活動と麻薬常習との関連性について聞こうじゃないか」と友人が言うんですね。 こういうマジメなセリフが、爛れた妄想世界の中で突如として発言され、そして「無視される」という展開。バロウズが誰か他人から現実に言われた言葉であろう、そして「最も言われたくない」が「最も無視できない」言葉。ちゃんと入れてきてます。 作品全般に「んなアホな」と突っ込みたくなるシーンが満載で、ピーター・ウェラー演じるウィリアム・リーは「突っ込み」担当なのですが、クローネンバーグの演出により繊細に計算された「限りなくノーリアクションに近いリアクション」芸を展開することでボケを際立たせています。かなりギリギリの芸です。 ラストも大変練られたもので、文学的でありかつコントとして成立しているというやはりギリギリ芸。 「作家であることを証明してみろ」と言われて「んじゃ、気は進まないがウィリアムテルごっこだ」「なるほど、確かにおまえは作家」てな、完全コントでなおかつバロウズの抱いていた根本的問題や苦悩を落としどころに幕引きしてみせた。 「クラッシュ」でも書いたがクローネンバーグが大笑いするネタというのは一般人の顔がひきつるレベル。 ゆえに「天才は孤独」なのだが、本作はバロウズというクロを上回る変態じゃなくて天才とのコラボでどちらかというとクロの変態度が小さく見えるほどである。怪作。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-10-27 18:55:35)
23.  パルス 《ネタバレ》 
黒沢清「回路」のハリウッド版リメイクだ。思ったとおりのトホホな出来である。 次から次に人が消えていく現象について、ガイジンは頭で理解しようとするので「電波の届かないところへ逃げればOK」というとんでもないことになってしまう。 そういうことになってしまったら、「咬まれなければとりあえずOK」のゾンビとか「日の当たるところに居ればOK」の吸血鬼と同じレベルのモンスター劇だということになる。あげくに乾燥機から可視化したモンスターを出すところまでいっちゃう。 だからそんなん無いんだって。 「回路」は敵と闘って打ち負かす映画では全然なくて、不条理に人が死んだり消えたりする恐怖の中に一定の法則が有り得るのだろうか、と悩むための映画なのである。だから、ハリウッド版で「やつらは」といわれるその「敵」なんてものがそもそもないはず。打ち負かしたり回避するための確実な方法が存在しないことが、いわく言い難い恐怖をよぶのである。 ハリウッドの面々は「回路」のリメイク権を即断したくせに、内容は全然わかっていなかったというか、いったい何を見て決めたんだというくらいに別物。 「回路」を別物にしてしまったら見どころなんてものはほとんどないので、ただひたすらにトホホ。
[DVD(字幕)] 3点(2008-10-27 18:50:23)
24.  バイオハザードIII 《ネタバレ》 
ふと気付けば、これはすごい貧乏映画ではないのか? ヘリコプターが1機しか出てこないうえ、壊さないで返すことになっているのか銃弾の一発すら当てず、血で汚したりもせず窓ガラスにヒビさえ入れず…。 アリ・ラーターがいくら売り出し中といったってまだまだB級だし、ミラ以外に目玉俳優を一切使わず、アンダーソン本人が監督もせず。ヒジョーにお粗末な作品じゃあないか。 Ⅰはそれなりに良かったとはいえ金がないならなぜ無理をしてⅢなど作る、アンダーソンよ。 見どころのアクションシーンはすべてスロモ仕様でその点ではⅠ以上にお粗末だし、ミラのワイヤーアクションがフワフワしてしまったり、とてもまともに見られぬ出来。 カルロスが仲間のために犠牲になる部分とて、最大の盛り上げ場だというのにあんまりにもあっさりしている。感染した仲間の件とて、ゾンビ映画のお約束のエピソードなのに全然盛り上がらない。 ゾンビを出すならばー、喰われた仲間の葛藤とか、やむを得ず仲間を見捨てる苦しみとか、土壇場で必然性のある自己犠牲とか、そういうのが見たいんだ。登場人物と一緒になって、悩みたいんだよ。 この作品には、お約束のファクターは盛り込まれているけど「死の恐怖」「生への執着」という決定的なマターがゼロに近いほど無視されているためホレ、これだけつまらない。金が無いならドラマに力を入れるしかないのに本当にお座なり。ああーアンダーソンよキミはどこへ行く。
[DVD(字幕)] 3点(2008-07-18 15:24:34)(良:1票)
25.  バッド・エデュケーション(2004) 《ネタバレ》 
ガエル君のオカマ姿は「プルートで朝食を」のキリアン・マーフィよりはるかに良かった。 見てくれがエグいかどうかだけでなく、しぐさやふるまいが全くもってフツーの女に近かったのだ。 キリアン・マーフィを見ている時は、「必死になって女になろうとしている」結果「濃すぎてしまった」感じが痛かったけれど、ガエル君の場合は「ヤな女だなーコイツ」という感想を抱いてしまったのだ。その点、ニール・ジョーダンよりアルモドバルのほうが「女とは何か」がわかっているということなのでしょう。 いつもと同じようなアルモドバル要素に満ちた作品なのだが、ラストのあっけなさといい、何かパンチに欠ける気がする。 あえてテーマのことを推測するなら、「理想と現実」だったのではないかなあ。 劇中劇「訪問者」は、イグナシオが自ら書いたものであるから、その内容はイグナシオの「理想」と見ていいだろう。きれいなオカマに変身した自分が偶然初恋の相手に出会い、彼に金銭援助をするために変態神父に復讐して見事成し遂げる、というのがそれだ。 ところが脚本を読んだエンリケは「この話はハッピーエンドではダメ」と、サハラが返り討ちにあって殺されるラストに書き換える。これは「理想」を「現実」側に引き寄せた結果だと思う。 また、急にあらわれたイグナシオ(と偽るフアン)に、修道院時代の美少年のその後の理想形を見ながら、「やっぱりイグナシオではない」と見破るのもエンリケだ。エンリケは常に「理想」を退けて「現実」を認識する立場にある。 理想と現実というテーマはほかにもいろいろ出てきて、例えばフアンは美少年イグナシオの成長後の理想形だが、現実のイグナシオは胸を整形した汚いオカマのうえ薬物中毒。 フアンは本当は「アンヘル」になって、女性を愛し、役者として売れたいのだが、現実には「フアン」としてゲイの男に体を提供して利益を追求するしか方法がない。 しかしフアンは「現実」を排して「理想」を実現しようとする人間なので、「醜い現実」たる兄を葬り、ゲイと寝る「フアン」も葬って「アンヘル」として役者になり女性と結婚する。 この作品内では、一貫して神が軽んじられていて、本当に神様がいない。いないので、バチが当たる人もいれば、のんしゃらんとして生き延びる人もいる。その結果は「So,so」とでもいうのが相応しいので、それほど深い感慨を呼ばないのだ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-14 15:29:10)(良:1票)
26.  パーマネント・バケーション 《ネタバレ》 
冒頭の独白では、人や場所を深く知ると、必ず醜い部分が見えてくるから「移動」するんだ、と言っている。なんというか、コップの水はなるべく上のほうだけ飲みましょう、半分より下は濁って不純物などが沈澱しているので。という気がする。 アリー少年は、居場所を探しているのではなくて、自分の居場所がないということを確認するために街をうろうろしているように見える。NYならNYで、すでに自分の居場所がないということを全部確かめたら、次の場所に移動する。コップの上澄みを飲み忘れていないかどうかの再確認作業をしているように感じた。 普段は働かない彼の生活費というのは、ヒモ状態の恋人から小遣をもらうなどして調達しているとしか考えられないが、まとまった金が欲しいと思った彼は何をするか。 自動車ドロなのであるが、その巧妙さ、スマートさには舌を巻く。 彼には罪の意識はゼロ、ほとんど捕食動物が獲物をゲットする際の必要悪、というふうにここでは描かれている。なおかつラストの独白で、アリーは自分は責任や労働や税金と無関係である、という。 さて、アリーが「責任がない」と主張している己の犯罪行為について、ジャームッシュはどういうつもりでいるのだろう。 文化によって、何が犯罪かは異なるし、幼児の割礼が罪とされない文化だってある。儀式でドラッグを使うことが罪とされない文化だってある。けれど、盗みは西洋文化では犯罪ということで間違いないだろう。 ところが、ここでは盗みが生理活動のごとく描かれている。 もし、あのあとアリーが800ドルを紛失したり、取られたり、もしくは船の中や着いた先でオカマを掘られるなどのひどい目にあうなりすれば、それが作り手の「盗み」に対する価値観というものである。 けれどアリーにとって、あくまでも盗みは己のニーズに従った自然な捕食活動なのである。たぶん、この子は人殺しやレイプや強盗はしないであろうが、更なるニーズがあれば、置き引きでもスリでもやるのであろう。 ジャームッシュに神は無く、仏も無く、従って罪も来世も因果応報も存在せず、何ものも恐れない。 私はこういう人間は恐ろしいと思うし、そう思う人の多い社会で生きたい。 船の上から遠ざかるビル群という、何となく美化されたラストであるが、現実的にはフランスに着いたアリーは、「労働はしない」と言い張りつつ男娼で稼ぐしかないと思うのだが。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-07-10 12:38:42)(良:1票)
27.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
悪の化身のように描かれている大尉側の事情でちょっと考えて見ますと、「立派な父」は死ぬ際に時計に時間を留め、息子にこれを遺した。これはどういうことかというと、「オレと同じようにおまえもいつか必ず死ぬぞ」という呪いをかけたということですたぶん。 「いつか死んでしまう」ことに激しい恐怖を抱きながら残りの人生を生きろ、というのが父の呪いだったのですね。だから、他人に時計の事を聞かれた大尉は「時計なんて知らない」とウソをつきます。 「いつか死ぬ」ということに対して、知らないフリをしていたい、という意味です。 呪いをかけた父は、「悪い父」です。では、「良い父」はどこにいるかというと、地上にはすでに居なくて、命を失ってからでないと行けない地下の王国に居る。 一方で、「母」なるものはどうなっているかというと、「弱い母」は原始的な生き方をする母です。 美しさで男性を引き寄せ、セックスをさせて妊娠することによって、恒常的な男性の庇護を得ようとする、それが原始的な生き方です。実は大尉はそんなことわかっていて、罠にはまったふりをしていますが、目的である息子を得るまでは騙されたふりをしているのです。そして、「弱い母」の罠をとても憎んでいます。これが「女性嫌悪」です。本当は女の股などから生まれたくないが仕方ない、ということです。大尉が子供のオフェリアをためらいもなく射殺する場面では、これが強くあらわれています。 「弱い母」だけが登場するかというと、そうではなくて「強い母」メルセデスがいます。彼女は「意思を持った母」で、「悪い父」と戦います。正確に言うと、悪い父に呪われた男とです。 オフェリアは父なるものの庇護を受けられず、かといって「弱い母」に教えられた生き方もしたくない。「強い母」と一緒に戦う道を選ぼうとしますが、〝この時点では(内戦の時代)〟それは適わず最終的には「良い父」の待つ王国へ行く。 「呪われた男」大尉が最期にしなければならなかったのは、自分の息子にも呪いをかけて、「呪いのチェーン」をつないでいくことだった。けれどそれは「強い母」によって、阻止されます。 女性を嫌悪する男が意思を持った女に敗北した瞬間です。 スペインにはこの後も「良い父」が存在しない時代が続いたようですが、デルトロは「強い母」の存在を強調していますからスペインというのはそれで「もっている」国なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-02 17:54:58)(良:3票)
28.  犯罪の系譜
お手上げです。どうしたらいいのかわからない。 今までに見たフランス映画の中でも、ダントツの難物だった。 これに比べたら、フランソワ・オゾンなんて分かりやすいと言ってもよい。 いわゆる「映画」を期待して臨むと間違います。私は見たことは無いが「前衛演劇」とかが近いのではないだろうか。そんでもって「前衛演劇」と「退屈」というのは近距離なのではないかしら。 なにしろいわゆるハリウッド映画の演出とは全く違う。ベルイマンの映画とかはワケわからないが、ベルイマンのほうがはるかにマシと思う。 衛星の解説によればルイス監督は巨匠という触れ込みだが、日本では3本くらいしか知られておらず、知名度がイマイチなのだという。が、この一本だけを見ても、「他のも見てみたい」とは全く思わせないから日本で受けていないのもあながちマチガイではないのではないか。なんだかワケのわからない文章になってしまった。 たとえば一瞬でも早送りしてしまったら話がわからなくなってしまうほど、会話に重きを置いた映画なのだと思う。が、残念ながら、私はフランス語が全然分からない。必死に字幕を追っていくと、およそ映画とは思えぬ哲学的な、そして小説的なセリフがバンバン続く。深読みしようとがんばってみるがすべての登場人物がおよそ異常な言動しかしないのでとても疲れる。疲れるだけ。 どなたか、この映画が面白かったという方の話を聞いてみたい。どこがどのようにウケたのだろうか。 ドヌーブがキレイなのは間違いない。50過ぎているにしてはあまりにもイケているので、お金を払うとしたらドヌーブに対してのみ。ドヌーブが出ただけでなく、マチュー・アマルリック(ミュンヘンとかキングス&クイーンの)とメルヴィル・プポー(「ぼくを葬る」の主役をやった)が出ているので、伸びる役者を見抜くという目はあるのかもこの監督。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-12-10 18:14:02)
29.  バッドサンタ 《ネタバレ》 
ソーントンでバッドサンタだ。コーエン兄弟でブラックコメディだって? こりゃうまそうだ、と期待を大きくいそいそとTVの前に座ったのがいけなかったのだろうか。 部分的にウケたギャグもあったのだが…「アスピリン?」が良かった。 全編通して汚らしい雰囲気満載なのだが、その汚さの程度も中途半端な気がした。どうも個人的にはいただけない。 「不潔さ」で笑いをとる場合は、そのものずばりを見せるだけでは面白くならないのではないか?小便をもらしたとか、ゲロを吐いたとか、酔ってベロベロとかいうものを、ずばっと見せられるだけでは、笑えない。これに上手くシチュエーションを絡めるとか、「低身長の人」とか少年がリアクションしてフォローするとかしないと、単に気持ち悪いだけでブラックな笑いにもならないと思うんだけどなあ。 というか、ソーントンの「汚さ」がリアルすぎたというのもある。もともとが奇人変人系のソーントンだから、無精ヒゲでの不潔演技が妙にリアルで笑えないのかもしれない。とにかく生理的にダメだ私には! それから、サンタの「悪い人ぶり」も甘すぎる。相手かまわずファックするから悪人なのか?飲んだくれて仕事に差し支えるから悪人なのか?泥棒するから悪人なのか?そのへんのキャラ造形がいかにもあいまいで、「はい、これが不良のサンタです、どうぞ」と提供されているような気がしてくる。やはりもうひとつサンタがバッドである決め手が必要だったと思う。 …が、不良のサンタがいじめられ少年と心を通わせて更正する、というストーリーは悪くない。 そうだ、キャストがダメなのだ!と今気付いた。 ソーントンが不良だったら、あんまりにも当たり前じゃないかあ。ここはやっぱり、日頃清潔感を漂わせているような意外なキャストで行くべきであったのだ。 トム・ハンクスとかさ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-03 19:59:59)
30.  春の雪 《ネタバレ》 
映画としては、充分及第点をつけられる作品だったと思う。監督の力量に安定感を感じる。 決定的な不満は残ったが…橋本治の三島由紀夫論によると、この話の白眉は第四部のラストにあるという。 数十年後、出家して門跡となった聡子を訪ねる本多が、「松枝など知らぬ」と言われることで、無常感極まるのだという。「豊饒の海」である。月のクレーター。不毛の地。 「春の雪」だけを映画にされてしまうと、一見「純愛」のように幕を閉じてしまう。やっぱり不満だ。 で、なにはともかく大正ロマンを満喫できる。大正ロマンとは何か。私は「富の錯覚」と評したい。 もともと日本は貧乏な国なのであり、今もそうで、日本史を振り返って見たところで、天皇になったって、将軍になったって、大した贅沢ができたわけでもなく、日本人は贅沢に慣れてないどころか本当の贅沢の意味も知らぬ。大正元年当時の日本人だってそうで、おそらく松枝侯爵のやっていることなど西洋の貴族から見たら「貧乏人のままごと」でしかないに違いない。プチ松枝侯爵がうようよ発生した時代、それが大正ロマンの時代と思う。 「春の雪」それは、男対女の純愛…などではない。なんたってあの三島由紀夫が考えた話だもの。 S男とM子が見事にめぐりあい、これ以上ないという絶好のシチュエーションで、〝プレー〟を楽しんでいる…そして、S男の脇には「友達」ではなく〝ホ〟で始まる美男子もセットされている…なんと三島好みの構成。それが「春の雪」だ。 映画「春の雪」を見ながら、行定監督の手腕よりも、原作者三島の意地悪さのほうに、「うーん、やるな」と唸ってしまう。 キャストについては、まず竹内結子に「首の短さ」という救いがたい難がある(そして意外に太い)。 なおかつ、聡子を演じるにあたって、おそらくは美智子皇后や紀子妃の立ち振る舞いを真似たと思われるのだが、これがいけなかった。常に前傾姿勢でいることによって、首の短さが強調され、着物も洋服も似合わない。…竹内には可哀想だが、私としては若い頃の鷲尾いさ子にやらせたかった(でも鷲尾はSの系統だ…)。 妻夫木はなかなか驚かせてくれた。人をアゴでこき使う性格の悪いお坊ちゃんを、よくここまで再現できたと思う。今は亡き岸田今日子はやはりすばらしい。宇多田のエンディング曲も良い。 最後に…及川光博はやはり決定的に軍服が似合わない。お願いだからもうやめて。
[DVD(邦画)] 8点(2007-06-12 18:09:59)
31.  バイバイ、ママ 《ネタバレ》 
まず大拍手をします! ベーコン家総出演のこの作品。並みの俳優ならつまらん自己満足で終わるところ。 ところがところが、このクォリティの高さ。本物です。 回想シーンというものは、単なる説明に終わってはいけないということが良く分かります。(「ホワイトライズ」がいかに芸が無かったか納得)また、単なる説明でない回想シーンであれば、数回入れても映画の雰囲気が損なわれるどころか、完成度を増すということですね。 2回目に見ると、両親を嫌いながら、愛する人と心中するという同じ方向に生きてしまうエミリー、子供時代と同じ失敗をするエミリーにはっとします。それとハーカー夫人はすごいね。10歳の子に、この世で女の子が最も知らねばならぬ秘密を教えるんだから。私なんかこの事に気がついたのは30もかなり過ぎてからだわ。(誰も教えてくれん!) なんといってもこの豪華キャスト陣を惜しみなく無駄遣いする贅沢さよ。 サンドラにしても、マット・ディロンにしても、10分と映っていないでしょう。ものすごくおいしそうな料理をちらっと垣間見せるだけのような心憎い見せ方です。こんな贅沢も、ケビン君の内輪力なくては有り得ない。俳優さんが監督に乗り出した作品には、こういう内輪ならではのごちそうが期待できるところがよいです。これで作品の出来も良ければ言うことなし。 ケビン君の演じたお父さんは一目見て大爆笑。はずしにはずしてこのファンキーなスタイル、突き抜けている。大変よいです。そしてサンドラの妖しさよ。やっぱり美人だ。ケビン君の奥さんキラと比べるとさらにそう思う。 キラ・セジウィック。魔女顔である。私の嫌いなタイプの顔だ。目が寄っているうえに激しい奥目、ワシ鼻、そして歯が短いので口の中が空洞に見えるところが怖い。サイコ女をやったら右に出る者がいないグレン・クローズの継承者といえましょう。 それから娘のソシエちゃん。この子ただものじゃないわー。そんなに可愛くもないのにこの存在感。いつもブスくれた顔しているのに、なぜかその心中が伝わってくるという、役者の条件を満たした逸材と思います。先が楽しみだ。 ケビン君たら「エコーズ」でせっせと穴を掘りながらこんなプランを練っていたとは。俳優さんの余芸ではビル・パクストンの「フレイルティ」にも感心したが、個人的には笑いのセンスがあるところが私の好みに激しく合っている。次作も楽しみです
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-17 00:59:36)(良:2票)
32.  パズラー2 リターン・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
イタリアかスペインか最初の5分くらい決めかねた。この2国の区別って日本人には難儀だ。しかしスペインの女の人って「放り出す」ようにしゃべるのよね。そこが韓国語と似てると思う。 それでこれですが、全体通してそう悪くはない。 冒頭は「ゴシカ」にちょっと似ているが、あんな駄作ではない。 オチが読みきれない。観客の揺さぶり具合も、「かなりずるいかも」と思いつつ、身を委ねてこのまま揺さぶられていようかな、てな作品です。 「?」と思うつっこみどころが最初からいろいろ出てくるが、 「なんで医者なのにいつもハイヒールのサンダルはいてる?仕事する気あるのか?」 「スカウトされるほど優秀な精神科医にしては若すぎないか?」 「なんでいつも挑発的な服装なのか?」 「いくらワンマン経営とはいえ、そんな適当に患者を選んで新任に任せていいのか?しかもサンチェズ先生は、『この患者は私が見る』とかすぐ言うし、本当にベアトリスを使う気があるのか?」 「建物が無機質すぎて現実味がなさすぎないか?」 「患者と一緒の階に医者の寮があるとは変ではないか?」 「セラピーするのになぜあんな明るい照明なのか?」 などと思いながら見るわけだが、「まあそういう手抜きのうえアカぬけた映画のつもりなのかなあ」と思ってしまったよね途中まで。 知る人ぞ知る山岸涼子の短編「スフィンクス」の映画拡大版といえる。「ゴシカ」を見るならこちらを見たほうが時間を損した気になりにくいそんな作品かな。
[DVD(字幕)] 6点(2006-07-12 21:46:43)
33.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
ストーリーよく考えましたね。「バックトウーザフューチャー」のパクリとは思わない。しかししかーし、萩尾望都のパクリじゃーん。萩尾ファンなら納得ですね。ちょっと古いけど「銀の三角」。もつれた糸をほどこうとして、正体不明のラグトーリンが時を遡っては何度もやり直しをしてみるあの話。アメちゃんが萩尾望都読んでるとは思えないけどなー。だけどおんなじだよ。思えばシュワちゃんの「シックスデイズ」は「A-A´」のパクリだったし。?アシュトンはなぜにヒゲ。いわゆる「汚なづくり」?似合わないけど。萩尾望都のパクリと思いつつも充分楽しめました。でもストーリーは萩尾のほうが美しくてせつない。まんがだけど。ヒロイン役はなかなか○。セクハラ父役の人、なんか別ので印象残ってますが何に出てたかおもいだせない。
[DVD(吹替)] 9点(2006-03-15 23:03:35)
34.  ハウス・オブ・ザ・デッド
Uボートの船長さんを起用しているところが味あり。「海の男」ぽさあるよね。なんでこれに出たんだか。無茶苦茶という意味ではけっこう記憶に残りそうな一品。船長のとこだけをチョイスして見ればそんなに悪くないかも。
[DVD(字幕)] 4点(2006-02-05 14:08:47)
35.  パッチギ! 《ネタバレ》 
北野武とか黒沢清の作品は「無国籍性」(外人が見てもけっこう楽しめる)があるのかもしれないが、「パッチギ」はもう、国内一本勝負。敬意を表します。間違っても外国で評価されることはないでしょうし、最初から狙ってないに違いない。今の若い奴は一回は見なさい。「そんなに日本がイヤなら来なければよかったじゃないですかー」とか言ってる子、実際に居るんだよ。「だから来たくて来たわけじゃないから」って言ってる私自身も情けないよ。井筒ものは初めてでしたが、感心しました。「問題解決のための暴力を持たない少年」が「別の方法」でなんとかしようと「他民族が祖国を慕う歌」をみんなの前で歌ってみせる。という、それだけならクサいストーリーなのですが。この康介少年の周りでは、ワーワーワーワー、皆が右往左往しているわけで、その中でぽつんと役立たずに見えた康介が、ラストで歌ってしまうことで意外な一石を投じるわけだ。歌にどれだけの力があるのか私には分からないし、「歌う」は「クサい」ことにはちがいない。「暴力がダメな男」康介にとっては、今の所これが自分にできることだったわけだ。井筒監督はケンカ上等だったらしいので、康介というのは「存在しなかったもう一人の自分」なのかもしれない。大人の男たちが情けなくて皆面白い。先生、オヤジ、笑えます。モトキの浪岡一喜が素晴らしい。オダギリが演技しているところをはじめて見たが、なんだかあやしいフェロモンが出ていた(でも坂崎幸之助だなんて美化しすぎ)。番長役の高岡蒼佑が、あまり雰囲気がなかったところが惜しい。ミスキャストと思う。朝高の番長がハンサムではダメ。
[DVD(吹替)] 9点(2006-01-18 18:00:29)(良:2票)
36.  パーフェクト・カップル
なかなか面白く見られた。キャシーベイツがレズビアンというのにたまげた。実生活のことはよく知らないけど。「アリ」なようで「やめてー」なようで、もはやこの世のものとは思われないそのりりしいゲイ姿。完全に主役より強烈になっちゃってた。そういえばこないだシュミットさんで彼女の胸を見てたまげたばかりだ。 トラボルタなんていつでもトラボルタだけど今回は「某大統領のフリしてます」なめずらしい役どころ。確かにあのドーナツ屋シーンは特筆モノ。ぼそぼそしゃべってるしさ。いつもまぶしそうな目だしさ。モノマネとしては下手だったけど、「それなりの《トラボルタがやってる》クリントン」ではあった。ところで「ビョーキ」の亭主を持ったらどのように生きていけばよいか、現在世界で最も含蓄のあるアドバイスができるのはヒラリーに間違いない。ぜひ聞いてみたい。べつに実生活には役立たないが。仁科明子と対談なんていかがでしょう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-10 22:03:22)
37.  ハピネス(1998) 《ネタバレ》 
デブのフィリップシーモアホフマンにデブの女の子がじとーっとせまるじゃん。すごーくお似合いなのになかなかそれを認めないんだよね。「俺にはふさわしくない」とか分不相応なこと思っているのね。皆さん、笑えませんよ、誰しもこれと同じだわ。「自分のレベル」って、本人が一番わかってないんだわ。そのことにハタ、と気付きますね。ん?気付かなかったって?鏡を見てよーく考えましょう。それからいたいけな少年に悪さをするおじさんのことは、絶対許さないようにしましょう。こんなものを「少数派の悲しみ」とかいってごまかされてはいけません。世の中には理由なんてなくても「いけない」ことがあるのじゃ。それは何かって?「お父さん(またはお母さん)がいけないと言ったから」それが人間としてあたりまえだ。「いけない」か「いけなくない」か、宗教無しで確実に判断できなくてはいけないんですよ、日本人(の多く)は。これももちろんうけうりだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-08 00:40:50)
38.  バタリアン
これを見てスプラッターホラームービーに開眼した思い出の作品です。その後いろんなドロドログチャグチャ作品をひたすら見続けることに。しかしすっかり大人になった今では「品が無いのはやだ」などと思って、何でも受け付けることはなくなった。コメディーということにすら気が付かずに画面に釘付けになっていたあのころ。冒頭の白いやつ、ピクピク動き出して超怖かった(当時)。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-29 22:45:15)
39.  バトル・ロワイアル 《ネタバレ》 
なんでおもしろくなかっただろ、としみじみ考える。大好きな深作なのに。たけしだってよかったのにさ。そして分かった。有名子役(?)を何人も使ったから。藤原とか柴咲とか。だってTVで日常的に見てる子たちとかが、あーゆーことになっても、「私は今映画を見ている」としか思えないじゃん。全部無名の子にしなきゃダメ。有名な子をキャスティングしないと製作にこぎつけられないのだろうなあ。でもこの作品に限っては致命的。「蝿の王」なんて、もち外人の子役だから一人も知ってる子なんていないじゃん。だから入りこめたのよね。藤原は素晴らしく声が良いが、役者を続けるなら歯並びを治さないとダメ。
[DVD(吹替)] 5点(2005-12-25 12:59:41)
40.  バグダッド・カフェ 《ネタバレ》 
好きな人はものすごーく好きみたい。 このおばさんはさあ、自分からは行かないんだよ。 自分に好意を持ってくれる人が近づいてくると、必要最低限の接触をして、さらにこちらに対する興味をあおるようにしむけるんだよ。これってなんだと思う?「ルールズ」まんまだよ。 「あなたを愛する人だけを愛しなさい」って書いてあったよ。高級テクなのさ。 王の七つの森さん、そうですよね、異国の映画を見る時は、宗教抜きにはありえませんよね。日本が特殊なんですものね。そういう意味で、シャマランに対して「神様」問題に言及する方がいないのが(もしかしてすでにいるかもしれないが)不満な私です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-25 01:44:49)
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