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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
前作「レザボア・ドックス」も長ったらしい言い回しで眠りかけたが、眠気を吹き飛ばすような映像、強盗団に感情移入してしまった捜査官の苦悩や孤独との戦いといったシンプルかつ一貫したストーリーがあって面白かった。 スタンリー・ドーネンの「いつも2人で」やキューブリックの「現金に体を張れ」からの流れを組むジグソーパズル感覚。 他にもトニー・スコットと組んだ「トゥルー・ロマンス」は最高にクレージーで面白かったし、00年代のタランティーノは最高だね。  が、俺にとってこの作品は退屈さを吹き払うような破壊力を最初感じられなかった。 最初20分は最悪だったぜ。せっかく喫茶店のダルい会話から一転、けたたましいオープニングで何をしてくれるのか・・・そしたらまたチンピラのクソッたれな会話を始めやがった! 他のタランティーノ映画ならハワード・ホークスのコメディ映画みたいに会話でゲラゲラ笑わせてもらったが、どうもこの作品はゴダール映画の退屈で無意味な会話を聞かされているような気だるさを感じた(「はなればなれに」や「女は女である」のような無邪気でハッピーで楽しい会話じゃなくて)。 Fu●k youはコッチのセリフだっつーの。子守唄みたいにダラダラダラダラ喋りやがって。Fuc● YOUの子守唄。 戸田奈津子のファッキ●クライストな字幕もうんざり。おかげで字幕なしで映画を楽しめるようになったよありがとうよ。 俺は沈黙を余儀なくされた。1時間の仮眠を経て、リベンジ。  そしたらどうよ? ブッチが出る辺りから少し会話に弾みが出るし、ミアとヴィンセントの軽快なダンスや洒落たやり取り、生きるか死ぬかという瀬戸際で繰り広げられるギャグのリバーブロー(酷い人体蘇生を見た)、それに何といってもブッチのエピソード! 彼女と脱出しようとして思い出して遭遇してマジでダイ・ハードで日本刀でチェストオオオッ! 敵対した筈のウィリスとアッー!されちまったヴィング・レイムスの眼と眼が逢う~瞬間~利害一致で意気投合して俺の腹筋は木っ端微塵に吹き飛んでいた。 無粋なセリフの無い、コミカルで爽快な暴力とアクション。やっりぱタランティーノは口より手を動かしている方が面白い。 そしてラスト、聖書の文句をもう一度垂れるセリフが良い。無意味な言葉が、回を重ねる事でようやく意味を持つ瞬間。 きっともう一度見たら、そこに退屈さは感じないだろう。だってタランティーノですし。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-18 18:28:47)
22.  廿日鼠と人間(1939) 《ネタバレ》 
ルイス・マイルストンは苦手だが、この作品は中々良かった。 ジョン・フォードの傑作「怒りの葡萄」を思い出す作品だ。確かに役者の深みは本作の方が上。でも、俺はリメイクの「二十日鼠と人間」の方が好きかな。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-15 13:24:32)
23.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
「昔の映画を今やったってね~」なんて考えがひっくり返される傑作はこの世に五萬とある。 というより、今は人気の絶頂でも明日には「過去の映画」と化して忘れ去られる映画も五萬とある。  その辺で行けばこの「幕末太陽傳」は確実に前者!  スピーディーなギャグの切れ味と魅力的な登場人物、何よりフランキー堺の一癖も二癖もあるキャラは時代を超えた今でも色あせない。 俳優誰一人知らねえ?裕次郎って誰?でもこのイケメンカッコイイね?面白いって?ならば良し!  ぼんやりした白黒画面が、逆に新鮮で魅力的だったりする。「イリュージョニスト」が成功したのもそんな物珍しさ+普通に内容が良かったからだろうね。  主人公の立ち振る舞いは正に命懸け! 病を背負いつつ「大金集めりゃ治療費くらい稼げるだろう」と藁にもすがる思いで騙しては敵になったり味方になったりでコツコツ稼ぎ続ける。命懸けの大博打。  コメディだからあんま締まらないけど、普通に考えればいつ殺されるかも解らない侍相手にあそこまで振る舞えた主人公の勇気。並みの度胸じゃ船に二人っきりなんてマネはできない。とにかく傑作。
[DVD(邦画)] 9点(2015-02-21 18:32:43)
24.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 
紀子三部作の中では「麥秋」が一番面白いと思った。 「麥秋」は誰も死なないコメディ調で原節子のノーブラ乳首。これが戦前なら偉そうなクソ検閲官どもがカットしろだの上映禁止だのイチャモン付けてくる場合もあっただろうけど、戦後は誰がどうしようが自由。今まで抑圧されてきた時代が、戦後の原節子のノーブラによって終焉を意味してもいると思う。ましてアメリカではまだヘイズ・コードやプレ・コードが幅を利かせていた時代である。 黒澤も「わが青春に悔いなし(1946)」で原節子がビーチク(ry いやあ良い時代になったなあ(意味不明)。  本作は小津映画でも珍しくラストのクレーン・ショットで田園風景を捉えたシーンが小津らしくなくて凄い好き。 このシーンを含め美味そうに飯を飲み食いする食事シーンの多さ(ケーキが物凄い食べたくなる)、浜辺の開放的なショットや港でショボくれる子供たちの姿、空に天高く飛んでいく風船の様子など見ていて気持ちの良い場面ばかり。 他の紀子三部作で感じた人工的な人物造詣の気持ち悪さもこの作品はそれほど強くない。 そりゃあ、冒頭は子守唄みたいに音楽が響くし会話の不自然さも時折あったが、ギャグをかます場面はその不自然さが逆にプラスになっていたと思う。 なんせ配役でアレとコレが兄妹というのも無理がありすぎてギャグでやっているとしか思えない(原節子と並ぶ笠智衆が黒髪というのも謎の違和感)。 この映画の原節子はすげえ呑気だし、女性陣の掛け合いは思わず噴出してしまう。どんだけ「ねーねーねー」と言うんじゃ。クッソ、こんなしょうもないやり取りで笑ってしまうとは・・・w 他の作品に比べると祖父や孫、家族の仲は凄く良い感じ。「大嫌いだよ」もただのツンデレに聞こえる。からかわれるのをちょっと楽しんでいるようにも見える。 戦後の小津映画で最も女優が色っぽい小津作品の一つじゃないだろうか。 自然なメイクの原節子は元より(他の小津映画にあった気味悪さをこの作品では余り感じなかった)、三宅邦子の豊満な尻や淡島千景の可愛らしさもそそ(ry ゲフンゲフンッ つうかローアングルのショットに盗撮めいた執念を感じる。変態カメラマンが(褒め言葉)。
[DVD(邦画)] 8点(2015-01-15 16:54:38)
25.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグの戦争映画は傑作が多いが、彼の戦闘描写とドラマを1時間に圧縮してしまう贅沢さ、それをどんどん積み重ねていくドラマ特有の厚み。スピルバーグ指揮の元作られた最高傑作はこの作品ではないだろうか。 「プライベート・ライアン」も良い映画だが、俺はこの作品の方が好きだ。 TVドラマとは思えない迫力、そして1時間毎に深味を増していくストーリーが良い。 日本でも六部作という「人間の條件」シリーズがあるが、コチラは合計10時間だ。 一個中隊が開戦から終戦まで駆け抜けていく様子はサミュエル・フラーの傑作「最前線物語」を思い出す。 一見するとアメリカ賛辞の映画にも思えるが「勝って生き残ったんだ。喜んで何が悪い! 俺は死んだ仲間の分も生きなきゃならんのだ」という叫びも聞こえてくる。 実際、この作品は戦争の残酷さも色濃く描いている。アメリカ軍に味方した市民が、次の瞬間にはドイツ兵士に拷問されている等、見返す度にその細かいドラマ性に驚く。リアルな戦闘描写もそうだが、銃撃戦が無くとも市民の犠牲は出続けるのだ。 軍人、市民と様々な立場を通して戦争の残酷さを我々に伝えてくれる。とにかく色んな人に見て貰いたい作品。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:33:03)
26.   《ネタバレ》 
この「恥」はもっともベイルマンらしくなく、もっともベイルマンらしい演出が光る戦争映画の傑作。 まさかベルイマンがここまで戦争の怖さを描くとは。焼けた家々から感じる焦燥感・死の匂いがひきたつ。 いつも描かれる女性のヌードも、他の作品以上に何処か死の匂いが漂ってきそうだ。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-04 07:49:32)
27.  バルタザールどこへ行く 《ネタバレ》 
「少女ムシェット」以上に残酷な映画だ。 ロバのバルタザールは、美しい野原の光景と共にやって来る。 マリーやジャックに可愛がられたバルタザールは、不幸が重なって別れてしまう。 再会したバルタザールは、美しく成長したマリーに“惚れて”しまう。 だが、同じくマリーに好意を見せる不良のジェラールに“嫉妬”されてしまう。 マリーがジェラールに襲われる場面で、バルタザールは虚ろな瞳で傍観するしかなかった。痛めつけられるバルタザールの無力さ。バルタザールは、黙って見守るしかない我々観客でもある。 マリーは何処に行ってしまったのか。バルタザールの瞳は、彼女の行方を知ってか知らずか、ただただ虚空を見つめるのみ。 とても悲しい映画だが、悲惨さを優しく包み込む美しい原風景には癒される。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-02 23:29:49)
28.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
フランクリン・J・シャフナーとダルトン・トランボ、スティーブ・マックィーンが組んだ傑作。  シャリエールの原作では、主人公はその後ベネズエラ市民権を獲得したらしいが、本作の主人公はひたすら「自由」に向かって諦めようとしなかった。  金庫破りと殺人の冤罪で刑務所に放り込まれた「パピヨン」。 蝶のように自由に生きてきたこの男は、監獄という針で標本にされようとしていた。 マックィーンが捕まるのは「大脱走」や「ネバダ・スミス」を思い出す。  だがパピヨンは最後の最後まで諦めない。 隙を伺い、泥を這いずり油虫すら食してひたすら耐えに耐える。 やせ細り、髪が白んでも眼の輝きと魂は灯火を絶やさない。 かつて「大脱走」で見せたマックィーンの不屈の精神! 友情を結んだ「ドガ」をいつも気にかけてくれた情の厚さ、看守を睨む不敵な笑み。  何度でも逃げ、何度でも戻ってくる。 そして最後の最後に「自由」を掴み取る!  基本的には暗く陰惨だが、言葉が通じずとも心で通いあった村人との交流、教会でのやりとりなど見所も多くそれなりに楽しめる。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-02 23:16:19)
29.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
ほんとうに長くて疲れる映画だったが、見応えのある傑作だった。 やっぱりキューブリックの戦争映画にハズレなしだね。  決闘の場面からはじまるファースト・シーン。 イギリスの簡素な自然の美しさが、劇中の寒々しさをより引き立てる。 主人公の日常も“賭け”からはじまる。 「体の何処でもご自由に。勇気があればだけど(笑)」 ほほお~積極的ですね~。けしからんおっぱいしやがって・・・うらやまし(ry  バリーもまた嫉妬と意地で決闘を申し出る。決闘の度に流れる淡々としたドラムロールが痺れるぜ。 若気の至り、だがバリーには若さと「もっと暴れたい」というエネルギーが有り余っていた。  追われる身となったバリーは紆余曲折を経て真紅の征服に惹かれ軍隊に。それにしても礼儀正しい追いはぎだ事。 馬も金もない、あるのはくいぶちを稼ぐために軍隊に入ろうという気力と覚悟だけ。バリーは七年戦争へと参加する。  血気盛んなバリーはどんな決闘も受けた。 殴り合いのシーンは「拳闘試合の日」を思い出す。  バリーと策士グローガンの友情、 軍隊としての戦い。 一斉射撃の様子は火を放つようだ。 別れは同時にバリーの生存本能を揺り動かす。 身分を偽り、 ささやかな交流、 嘘も方便、しかし嘘は次の地獄へとバリーを誘う。 バリーはどんな過酷な地獄も生き残った。 その本能が人脈や新しい絆を結んでいく。 兵卒から伍長、二重スパイ、そしてギャンブラー。バクチのような人生を送り続ける。 バリーは“取立て人”として剣の腕を振るっていた頃がピークだろう。 だがバリーは取り返しの付かないミスを犯してしまった。それは結婚相手を間違えてしまった事だ。公然と死が迫る人間に向って死の宣告をする大胆さと度胸、おごり。 ココまでは栄光に満ちた半生だが、後半はバリーが不幸のどん底へと堕ちていく。 バリーは女の本当の気持ちを知らなすぎたのだ。 つうかタイミングを考えろよコイツ。  重なる不幸はバリーの心も蝕んでいく。  ブリンドンの“戦線布告”は昔のバリーを思い出す。ブリンドンの覚悟は足りなかったが、バリーはその意気を買ってあえて身を引く。いや、昔の自分を見るような自己嫌悪だったのかも。  「ルドビコ」って「時計じかけのオレンジ」?  とにもかくにも、ラストは暗い終わり方だったが美しい者も醜い者も今はすべて同じあの世なワケです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-31 22:07:47)(良:1票)
30.  鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 《ネタバレ》 
「シャンバラを征く者」の頃とは目的も方向性も全然違う作品。「シャンバラ」はアニメの続き、この作品は独立したオリジナル。  絵の質感は第2期とも原作とも違うタッチ。戦闘シーンの激しさは動きはもとより線の太さも激しく脈打つバトル。 人物はエドとアルを中心にテーブルシティの激闘に巻き込まれる。大佐の出番はほとんどありません。シリアスな笑いです。  話の進め方はちょっと荒っぽいし、錬成法則ガン無視のバトルは別のアニメです。 ヒロインがエドと似たような境遇になる展開も疑問。こんな事をしてしまうと「この娘は何故本編の最終決戦で呼ばれなかったのか」と疑問に思う人も出てくるんじゃないだろうか。 「色々あったけど命は拾った。次に向かって歩いていこうぜ!」的な事を言っている場合じゃない。お父様がほっとかないぞコレ・・・。まさか、その前に彼女の身に何かあったのだろうか。そんな事も思ってしまう。少なくとも原作の漫画版を知らないアニメオンリーの人は。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-30 23:18:41)
31.  バグズ・ライフ 《ネタバレ》 
「アリとキリギリス」に「七人の侍」を混ぜたらしい作品。そういう意味では、子供の頃初めて見たこの作品が俺にとって初めての「七人の侍」だったのかも。  個性豊かな虫の面々、でも「七人の侍」で言う野武士が虫で言うイナゴ(食物を食い荒らす農家の天敵)ではなくバッタというのは子供への配慮?  人間にとっての雨粒が虫には巨大な水球になって襲い掛かるのだなと勉強になった。 今回はキリギリスが泣きを見るのではなく、バッタの脅威に蟻がコツコツ準備をして逆襲するという話。  「からくりサーカス」といい、サーカスという“道化”が敵をやっつける展開は何故か燃える。それも人を殺すためでなく、仲間の鼓舞といった人々に喜ばれるパフォーマンスや、勝利のために芸で次の道に繋げていくという感じが良い。 蟻が自分よりもデカい虫を運べるように、ナナフシも太ったイモムシを担ぎ上げる!  敵のボスが偽物の鳥の火責め&本物の鳥にトドメを刺されるシーンは衝撃。  NG集にウッディまで出てきて爆笑。
[地上波(吹替)] 9点(2014-12-29 23:12:07)
32.  はだしのゲン(1983) 《ネタバレ》 
子供の頃のトラウマ映画。あれは確か小1だか小2だか、TVでやっていたのを偶然目にしてしまった。男の隣にいた女の子の顔がドロドロに溶けて、目も飛び出て死んでしまう。まだかすかに息があった人も水を飲んだ瞬間にバタバタと死んでしまう。水をやる女性の姿、哀しそうな顔をしていた。 このアニメの影響もあってか、原作の漫画はしばらく敬遠して読めなかった。小5になって学校の図書館で見た時も充分トラウマ。描写はアニメの方がリミッターが外れた?感じだが漫画の方も原爆投下以前も以後も話が重すぎて読むのが辛かった。平時でも原爆の描写が何回も描かれて「ああ、あの日生き残った人はあんな感じに思い出したくなくても不意に思い出してしまっていたのだろうか」と心が痛くなった。 中1から高校3の頃はあまりに感情移入しすぎて原爆関連の本をまったく読めない時期が続いた。小学校の頃はそういうのを読んでもぐっすり寝ていたが、中学くらいになると少し読んだだけで1週間はまともに眠れなかった。授業中に無理矢理原爆関連の本を見せたり読ませようとする教師に殺意を覚えたほどだ。 ただ・・・今となってはあんなものじゃない、何度も何度も地獄を見せられ、直視せざる負えなかったのだろうと考えてしまう。それでも普通に眠れるようになった自分を憎らしくも思う。慣れてしまったのだろうか。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-26 19:13:51)
33.  HANA-BI 《ネタバレ》 
北野武の映画は、北野が出ない「キッズ・リターン」とか「あの夏、一番静かな海」みたいな映画の方が好きなんだけど、北野が監督・主演で唯一好きなのがこの「HANA-BI」だ。  北野のファンの中には「“ソナチネ”のような鋭利なものが無くなり、優しさばかり溢れている」という人もいる事だろう。  だが、俺は優しさと冷たい暴力が共存するようなこの映画が好きだ。  「ソナチネ」や「あの夏、一番静かな海」の蒼き海の美しさ、「その男、凶暴につき」の孤独な警官の物語。  まず、武が多くを語らないのが良い。  劇中で咲き乱れる花、花、花。 火花のように散る血、血、血。 少しかすめただけでも噴出すような真っ赤な血液。 特に劇中の北野が演じる警官は、すぐに爆発して散ってしまいそうな存在だ。 夜空に打ち上げられ、一瞬美しく咲き乱れ、消えていく花火のように。  子も失い病の妻を気遣う警官。 妻が死んだら自分はどうするか。生き続けるか、それとも・・・。 そんな時に、同僚が撃たれ彼は部下と共に犯人を追う。  駅の売店で犯人を見つけ、捕まえようとする北野。 揉み合いになり、犯人が放つ拳は爆弾の起爆剤を押すように口から血を噴出させる。  たけしだったら自分の足ごと犯人を撃ち抜いていただろう。静かな怒りが主人公を動かす。  警官をやめ、ヤクザのような黒装束とサングラスで身を包む北野。 「銀行強盗やろうと思ってよ」なんて嘘か本当か解らないジョークを飛ばす。これが有言実行なんだから恐ろしい。 “ナイフ”の場面でアクションを影だけで演出するのが面白い。 そのナイフを相手がパッと両手で受け取るのなんか思わず笑ってしまった。  妻の治療費のため、そして残された部下のためにヤクザ相手に独りで立ち回るのだ。  終盤の怒涛の如き流れも、静かな空気が肌を刺す。  偶然出会った少女に、主人公は亡き子供の面影を見たのだろうか。 胴体だけ先に行き、残った両手もまた後を追う・・・。  ラストの海を見ながら「ごめんね」と呟く妻と静かに過ごすシーンが印象的だ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 20:14:27)(良:1票)
34.  反撥
正に「キチガイに刃物」映画。 ポランスキーといえば色んな意味で「ヤバイ」類の監督として有名だが、特にこの作品はポランスキー作品でも屈指の怪奇映画だろう。 取り敢えずポランスキー初期の傑作群を発掘した「TUTAYA」GJ。  ストーリーは最初淡々としすぎる感じもするが、段々狂気に染まり壊れていく彼女の戦慄が飽きを忘れさせてくれる。 オマケにヒロインの狂気じみた場面で「テレレレレ!テレレレレ!テレレレレ!」のBGMは卑怯だろ(笑) あれで笑うなという方が無理だっつーの。  ヒロインは極度の男性恐怖症と潔癖症であり、無理やりキスをするものなら、うがい&歯磨きという有様だ。 こんな事されたら誰でもショック受けるわ。  一緒に住む姉は妻のいる夫と夜毎ズッコンバッコン。 隣で寝る妹には良い迷惑である。 オマケに毎晩ベッドで暴漢に襲われる悪夢にまでうなされんだぜ?  これで狂わない奴が本当の異常者かも知れない。いやヒロインキチガイなんだけどね。 ポランスキーのホラーじみた演出も手伝い、本作はサイコ・スリラーとしてどんどん血に染まる。 しつこい男は嫌いよ!えーい殴りつけてやる! あたしの体に触らないで!そんな事するなら頚動脈かっさばいてやるんだから!!   ヒロインが「やっちゃう」度に荒ぶるドラム。クッソこんなんで腹筋が!  後の「仁義なき戦い」である(絶対違う)  一番印象的だったのが彼女の子供の頃の「写真」、そしてオープニングの「眼」。 瞳に始まり瞳に終わる・・・そんな映画。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-19 21:14:40)
35.  バックドラフト 《ネタバレ》 
最近「ラッシュ/プライドと友情」などまたしても凄い傑作を産んだロン・ハワードだが、この作品も好きな映画だ。 アクション映画であり、同時に“火を付ける放火者は誰だ”というサスペンス。 ILMのサポートだけでまるで炎を自在に操るハワード!本当に生物のように炎を動かしていた。CGとはこうあるべき。 ファーストシーンは幼いブライアン&スティーヴン兄弟が遭遇した火事の現場からはじまる。既にこのシーンから伏線が散りばめられていた。 トラウマを乗り越え、ブライアンとスティーヴンは成長する。 20年の歳月を経て心身ともに成長、駐車違反には容赦なし、マネキンでも命懸けで救助、リア充は消火(ry 火災現場の臨場感とリアリティ。車から飛び出る黒焦げの死体が生々しい。火災現場は正に戦場、戦闘の跡。余りのショックでゲロを吐く事も。 「タワーリングインフェルノ」を思い出す興奮だ。 パーティー会場での騒動、血気盛んで豪胆なスティーヴン、ブライアンはそれを止めに入る優しすぎる男。 つうかスティーヴンが完全に主人公なんだけどコレ。ブライアン助けられすぎだろ。もはやヒロイン。スティーヴンには“天職”だがブライアンは火災現場調査官に“転職”。 新たな上司となる調査官のドナルドがカッコ良すぎて惚れる。誰かと思ったらロバート・デ・ニーロではありませんかっ!死にはしないが相変わらずの負傷率。 放火魔を探るシーンも緊張の連続面白い。 しかしコレだけは言わせてくれ。 s●xと火災現場の映像を交互に映すなよ(笑) アレはギャグでやってんのか? 女に逃げるブライアンだが、そこは調査官としての“仕事”をキッチリ果たす。 現場で活躍できなかったブライアンの悔しさ、現場に居ながらも仲間を救えなかったスティーヴンの悔しさ。ソレがブライアンの覚悟へと変わる。兄は現場で、弟は情報で。 「火は人間と同じように呼吸をして“生きている”。火を“殺せ”!」 とうとうたどり着く“真の仇”。クライマックスの脱出劇は手に汗握る! ブライアンに受け継がれる血統、そして魂・・・!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-19 19:37:43)(良:2票)
36.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
近年稀にみる作品となった海洋冒険ファンタジー映画。  粗が多いけどそこは「ファンタジー」。  1作目は続編の悪ノリがまだ無く、ジャックは良い塩梅にチョイ悪ワケ有り親父、 ウィル・ターナーは真面目な好青年、 スワンもビッチキャラになる前はこんなに凛々しく可愛かったし、 バルボッサ船長の死に様が素晴らしい(故に復活させやがった続編は全て蛇足)!!  この映画に求めるのはどこまでも単純明快な活劇精神と夢のあるファンタジーであり、  無駄に複雑な人間関係や無駄に乱発する海賊どもはいらんのだ。  シンプル・イズ・ベスト。 そんなワケでこの作品は唯一の傑作。  白骨姿で剣を打ち合うシーンとか、エリザベスが“ターナー”を名乗るシーンとか、たった二人で軍船をぶんどるシーンとか、クライマックスのジャックの脱出シーンとか冒険活劇のワクワクが詰まった作品です。CGの造詣もカッコイイですね。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 17:50:41)
37.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
前作より好きな「アポカリプス」。 ここで終わっておけばなあ・・・。  「エイリアン2」と似た図式、 パワーアップしたアクション。 颯爽と現れるジル・ヴァレンタインには小学生時代スゲー憧れた。 セクシーな女戦士っていいよね。ドライなところとか。一匹狼的なところとか。キツそうで実は仲間想いなところとか。あとおっぱ(ry 劇場版「Zガンダム」のエマ中尉みたい。 劇場版のエマは性格丸いから好きだわ。可愛いし。あとおっぱ(ry  相棒のヘンケン艦長も拳銃もってジル中尉をサポートだ。 「艦長!ダメです、逃げてください!」 「く・・・済まない、感染したようだ・・・」 「ヘンケン艦長ー!」バキューンッ  パニックと化した街からの脱出、 徐々に仲間として集まる生き残り、 そして女戦士アリスの登場! バイクで教会のステンドグラスをブチ割って登場するシーン! 今見てもワクワクしてしまう。 ライター着火でドカーン、ジル涙目。
[DVD(吹替)] 8点(2014-12-06 14:41:05)
38.  ハスラー 《ネタバレ》 
ロバート・ロッセンは数々のフィルム・ノワールの脚本を手掛け、自身も「ボディ・アンド・ソウル」という傑作を残している。 この映画も最初見たときはもう一押欲しいと思っていたが、再見して印象が変わった作品の一つだ。 ビリヤードに命を賭ける玉突き師(ハスラー)の生き様を描いた作品。 ビリヤードでのギャンブル生活に生き甲斐を感じる主人公は、ポーカーよりも競馬よりもビリヤード。 己の腕で玉を弾く快感に深酔していたと言って良い。 相手がマフィアだろうとゴロツキのたむろする酒場だろうと、女だろうと実力で何とかなると思い込んでいた。 実力は折り紙付きだが、思い上がるその性格は彼を孤独にしていた。 それが「痛い目」に何度も遭い、彼女の健診、或る賭博師との出会い、数々の試練を乗り越えて徐々に成長していく。 人間として成長していく彼だが、所詮ギャンブルは命を賭けた大博打。 一回でも手元が狂えば、身内すらも狂わせていく。 主人公は賭け事よりも大切な物を失ってしまう。 深い絶望、乗り越えた「試練」、吹っ切れた男にもう迷いはない・・・男は玉を弾く、弾く、弾く・・・。 ポール・ニューマンの挫折と成長を交えた人間像が良かった。 序盤は延々と玉突きの場面で、しかも飛ばし飛ばしと欲求不満になりそうなシーンが続いて少々退屈だが、徐々にエンジンが温めていく展開は良く出来ていたと思う。時折見せる華麗なショットも手伝って。 だけど、もっとポール・ニューマンたちのショットを、猛烈な特訓の成果をもっと映像で見たいなと思った。 シドニー・キャロルの脚本はフィルダー・クック監督の「テキサスの五人の仲間」で堪能した。 アレが面白かったからこそ「ハスラー」を見ようと思ったし、「ハスラー」から見ていたら恐らく「テキサスの五人の仲間」は見ていなかったと思う。 だが、この映画が本当に面白いのは「何度折られようとも挑み続ける不屈の精神」なのかも知れない。 挫折に次ぐ挫折で絶望の淵、諦めかけていたところに最愛の女性や師匠と呼べる男の支えもあって徐々に闘志を取り戻していく。 彼の“指”がそれを強く物語る。あの1本1本に彼の魂が宿っていくというか・・・。 束の間のピクニックのシーンは心打たれる名場面の一つです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-02 06:04:39)
39.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
農業&ロード・ムービーの傑作。 ジョン・フォードの「怒りの葡萄」を思い出すとても厳しくて優しい映画だ。  ルイス・マイルストンの「廿日鼠と人間」も悪くないと思ったけど、俺はリメイクの方が好きかな。  いつか大きな農場を持つと語るジョージ、それを楽しげ気に聞くレニーの二人。ジョージは知恵で、レニーは力でお互いを助け合う。 レニーは発達障害という壁を持つ。その壁が二人を衝突もさせたけど、何だかんだいって二人は互いを尊重して力強く生きてきて。 ジョージはいつも進んで貧乏くじを引き、レニーを支えた。レニーの心の壁を打ち壊して、彼をもっと楽にさせたかったのかも知れない。 レニーは自分なりに生きた。ジョージの夢を叶えようと彼なりに、精一杯。純粋が故に、農業も動物も人も同じように愛した。そんなレニーの純真さが悲劇を生んでしまうとは・・・皮肉としか言えない。 レニーはジョージの支えでもあったし、足に繋がれた鎖でもあったのかも知れない。そう思うと余計に切なくなってくる。 彼の姿は、何処か「フォレスト・ガンプ」を思い出してしまうのは何故なのだろうか。  ジョン・スタインベックの小説は、夢を持つ事の大切さ、現実とどう向き合うかをいつも教えてくれる。そこに映画という視覚が我々に生きる事の大切さも教えてくれるのだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-25 20:05:44)
40.  旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷 《ネタバレ》 
「謎の暗殺隊」と並んで旗本退屈男シリーズの最高作とされる作品。本作、ノリがまんまバタ臭いTV時代劇のソレ。この作品は職業監督に徹した印象。 主人公の旗本退屈男こと早乙女主水之介は、謎の心中事件の真相を探ろうと江戸の町をぶらりぶらり。 中川信夫にしては展開がややタルい。殺陣は盛り沢山で大立ち回りも迫力があるが、何のひねりもないチャンバラだ。でも、義侠心もここまで来ると清清しい。見た後に心地良い何かが残る映画です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2014-05-26 16:32:35)
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