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1.  パスト ライブス/再会 《ネタバレ》 
見終わるといくつかのシーンが頭から離れない。本当に美しい106分間でした。  主人公のノラは小学校時代にソウルからカナダに移住し、いまは家族とも離れて作家としてニューヨーク暮らし。ノラの小学校時代の(両想いの)幼なじみヘソンは、途中で兵役や上海に留学した期間もあったけど、基本的にはソウルにとどまっている。NYで自分のキャリアを追求してどんどん前へ進んでいくノラと、ソウルでなんとか暮らしながら、いつも同じメンバーの男友達と焼き肉屋でのやりとりを繰り返すヘソンの描き方は、とても対照的。二人は10年前にSkypeを介して遠距離でやりとりするも、結局会えないまま。そして現在のNY、結婚したノラのもとにヘソンが尋ねてくる。24年ぶりの再会は果たして・・・というストーリー。  広告や予告編のイメージでは、コリアン・アメリカンの女性がかつて恋人だった一途なイケメン韓国男性とNYで再会、というキラキラ恋愛ストーリー風だったのだけれど、実際見てみたら全然違ってた。たしかにヘソンは一見イケメンではあるのですが、NYに降り立った彼の野暮ったさ。今どき英語も片言でいつも自信なさげ。それでも、ノラと時間を過ごすうちに、彼の迷いや気持ちが、台詞というよりも佇まいや表情、語っている言葉の裏側から少しずつ見えてくる。その過程が、とても自然で、リンクレイター監督のカップル再会ものの傑作『ビフォア・サンセット』を思わせる、自然な会話と態度の変化が、雨のニューヨークを舞台に丁寧に描かれていました。  そして象徴的な場面の数々。冒頭のノラと夫のアーサーそしてヘソンの3人の並び。子ども時代のノラとヘソンが別れる「分かれ道」。そして、ラストのウーバー車を待つノラとヘソン。どれも台詞はほとんどないのですが、空間の切り取り方と間の取り方がすばらしく、どれも脳裏に焼き付いています。とくに、ラストのノラのアパートを出て歩くシーンは、「無言であることに悶絶する」屈指の名場面です。これを映画館で味わえたのが一番の幸福だったかもしれません。やっぱり大作以外は配信に偏りがちな映画鑑賞習慣を見直さなきゃと思いました。  結局、ノラとヘソンは、子ども時代の「分かれ道」で言えなかったことを言うために、24年間かけてきたわけですが、「あの時こうしていたら、ありえたかもしれない二人の姿」を思いながらも、「いま」を抱きしめるラスト。こんなド直球な大人の恋愛映画、本当に久しぶりでした。冷静にみれば、アーサーもヘソンも「いい人」過ぎて、ちょっと主人公にとって都合良すぎな感じもありますが、それを補って余りある美しいシーンの数々と自然な会話の脚本をぜひ堪能してもらいたい。  蛇足ですが、FacebookやSkype(とくに着信音)が、ひと昔前のノスタルジックな感情をかき立てる小道具としてとっても効果的だったのには、時の流れを感じました。
[映画館(字幕)] 9点(2024-04-25 07:52:19)
2.  バービー(2023) 《ネタバレ》 
まず、グレタ・ガーウィグの映画は好きだけど、これだけエンタメに振れた作品って初めてでは。その点ちょっと不安だったのだけれど、名作映画オマージュやら時事ネタも散りばめながら、まず楽しかったのが何より。冒頭の「2001年」オープニングはいいのだけれど、その後のバービーランドの描写が個人的にはなかなかキツく、この調子で2時間は辛い、と思い始めたあたりからグングン面白くなりました。まさに「現代フェミニズム入門」的な内容で、近年の「男社会」批判(有毒な男性性、ホモソーシャル、マンズプレイニングなど)がうまくエンタメに組み込まれていて、とくに「フォトショップの使い方を聞く」「ゴッドファーザーを語らせる」あたりは本当にツボでした。ただ、ケンがたくさんいるわりには人種以外のバリエーションにとぼしく(アランという別人格がいるから、というのもあるだろうけど)、ここに弱者男性キャラみたいなのが話に絡んでくると、ますます現代フェミニズム入門映画としてふさわしかったかもしれない。  残念だったのはマテル社のほうの描き方。幹部が全員男性なのは皮肉なのでしょうが、あまりそれが物語上活かされていない。ウィル・フェレルのコメディセンスは本作と相性よさそうなのに、どうにも空振り気味。結局最後までイマイチ何がやりたかったのかわかりにくく、テーマ的にもちょっとノイズでした。あと、もうひとつ。「家父長制が・・・」とか「女性の現実を知って目覚める」みたいな部分を解説調の台詞で説明しちゃった箇所もちょっと残念。第二波フェミニズム時代のコンシャスネス・ライジングであり、今風に言えば「Woke」なんだろうけど、見てればわかるから、あの解説台詞はちょっと観客を冷ましちゃったのではないかな。あそこだけ「フェミニズム入門」講義のようでした。  そして、ラストのラスト。バービーが行った場所があそこだったというのは、ちょっと深すぎて考え込んでしまったよ。一人の人間として生きればいい風だったラストで、やっぱり「女性であること」がそこでズシリと重く響く。スッキリというよりも、「え・・」っとしばらく困惑しながらエンドクレジットを見ることに。そのあとジワジワとその意味みたいなものが浮かんできたけど、まだ腑に落ちたわけではない。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-10 15:30:53)(良:1票)
3.  はりぼて 《ネタバレ》 
ドキュメンタリーって面白い、というのを堪能できる100分。地方議会のフツーのおじさん議員たちのキャラ立ちの見事さ。みんな「巨悪」というよりはちょっとした「小悪党」で、政務活動費の不正使用も「そうやって回ってきた」市議会や市役所のなかで「そういうもの」として享受してきたのだろう。その矛盾を突然突かれて動揺してうろたえる様には、人間喜劇のすべてが詰まってる。しかし、物語が「小さな悪」への一方的な追及で終わらない点も本作の優れたところ。長く追及する側だった地方テレビ局自体もまたその一部であったことがほのめかされ、追及側の中心だったキャスターと記者の2人は結局その現場を去る事になってしまう。その経緯をもう少し詳しく知りたいとは思うものの、本作が描いていたのは「誰が悪いのか」という話ではなく、「そういうもの」で流して放置されてきて行き詰まったシステムにあるのだろうから、それでいいのだろう。もちろん、そのシステムの延長にあるのが「モリカケ」やら「桜」なのは明らかだけれど(だからあれもやっぱり「巨悪」の問題ではなく「小悪党」と「小市民」が作ってきたシステムの問題なのだ)。そんな意味での日本社会の縮図としての地方政治には、まだまだ面白いネタがいっぱい詰まってるように思う。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-05-21 08:34:59)
4.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
なんとなく、この映画は映画館で見た方がいい、という思いに駆られ、本当に久々(ほぼ1年ぶり)の映画館での鑑賞。休日午前の映画館は、若い女性2人組、カップル、そして4〜5人くらいの若者グループがメインで、その隙間に中年くらいの男性や女性が1人で見に来ていて(私もその1人)、まずまずの入りでした。上映前、普段まず見に来ないタイプの映画の予告編(すべて邦画と韓国映画)が立て続けに流れ、少しアウェイ感を感じる。  映画の序盤、目立たないタイプの麦と絹が、文化系ネタでの共通点を次々と見つけていく過程は(実際に登場する作家やアーティストはわからないものも多いながら)とても楽しい。あの長い一晩を2人とともに過ごし、互いに相手を「運命だ」と感じていくプロセスをすぐ隣でみているような気分になる(この流れは同じ坂元脚本のドラマ『最高の離婚』を思い出します。あっちはむしろ「違った」2人の遭遇でしたが・・・)。しかも、そのきっかけに世代関係なく2人の共振ぶりを実感できる押井守を持ってきた絶妙な設定! しかし、就職活動あたりから2人のバランスは崩れはじめ、麦の夢が行き詰まったあたりから大きな溝が生まれ、そうなればお互いの小さな努力やがんばりも空しく、決定的に瓦解していく。もともと『アニー・ホール』から『(500)日のサマー』『マリッジ・ストーリー』までこの手の恋愛プロセス映画が好きな私は、とくに中盤以降はどこか冷めた視点でみてしまい、いずれ来るであろう「修羅場な口論」シーンを期待(?)して待っていただけに、自分の感情をぶつけるよりも先に状況を「読み」、自分で結論を出してしまう2人に、やや消化不良な印象が否めませんでした。そして、物語の顛末も、鮮やか過ぎるラストも相まってさわやかな後味が先に来てしまい、もっと苦みを・・・と思ってしまいました。  ただ、映画上映後、クレジットが終わり会場が明るくなっても、みな席を立とうとしない。いつも映画館を最後のほうに去る私が、なんと一番最初に席を立っていた。それだけ、当日映画館にいた若い人たちには「刺さっていた」模様。やっぱり映画館で観たのは正解でした。そうか、彼らにとっては、この描写や台詞が「リアル」であり、「切実」だったのだ。残念ながら、この作品は「私の映画」ではなかったけれど、ここにいた人たちにとっては、この後もしばらく引きずりつづける1本になったのだろうな。そういう現場に立ち会えるのも映画館の醍醐味だったことも思い出しました。
[映画館(邦画)] 6点(2021-02-25 22:12:47)
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