1. 陽のあたる教室
感慨無量 [DVD(字幕)] 10点(2011-08-18 01:37:06) |
2. 拾った女
冒頭に於ける地下鉄内シーンに早くも手に汗握り「大当たり」を確信。期待は裏切られず、テンポ良く進む切れ味鋭い展開に目が離せず、リチャード・ウィドマーク、ジーン・ピータース、セルマ・リッターが辿る結末にドキドキし通し。「No.11」を積み替えるシーンに激熱に。当時として余りに激し過ぎると思えたラストでのファイトシーンで「負けるな!」握り拳で応援していたウィドマーク。通常運転での憎ったらしさとそれを上回った男気にまさかの惚れ惚れ。彼をも上回ったMIPがセルマ・リッターで、オスカー受賞ならずに激しく異議ありの忘れ難い姿でした。反共と過度な反共への視線も感じる傑作ノワールに酔いました。 [DVD(字幕)] 9点(2021-05-14 16:32:43)(良:1票) |
3. 美女と液体人間
初見。50年前位にTVで観た「人食いアメーバの恐怖」で理髪店シャンプー台から徐々に湧き出たアメーバに気づかず青年の頭を突っ込む・・・唯一記憶に残るシーンが蘇りました。また観たいですね(思わされたところに+3点)。 観るに堪える起承転結で映像も精一杯頑張っていてまずまず楽しめました。瑞々しい平田昭彦の台詞回し&歌う姿のすらりとした白川由美のお姿が好印象です。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-04-25 13:29:15) |
4. 緋色の街/スカーレット・ストリート
《ネタバレ》 念願叶っての鑑賞。ヒモ(ジョニー)にいいようにされる女(キティ)にいいようにされる男(クロス)。いや、もう、やり切れなさで埋め尽くされた作品でした。映画の中の絵空事ではない、そこらへんに居そうな、真面目だけが取り柄の冴えないオッチャンの転落劇。そうなるしかないのだろうと思ったところでのアイスピックに「あぁ、やっぱり」そこからの展開が意外過ぎて唸らされ、無間地獄を彷徨うようなラストショットはやり切れなさのとどめの一撃。誰もが引き受けないんじゃないかと思えるオッチャンを演じたエドワード・G・ロビンソン。忘れ難い名演を堪能させてもらえました。(リーフレットに写真付きで記されていたあんまりだという理由で削除されたという電柱シーンも観たかったところです)フリッツ・ラング監督の演出も冴えわたるフィルム・ノワールの傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2020-01-03 00:41:05) |
5. 東への道
98年前に製作された無音の134分間は、ありきたりな物語でありながら、しっかりとした起承転結、リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス、ロウエル・シャーマン(映画におけるゲス男のバイブルと言える目つきが絶品)を始めとして端役に至るまで登場人物全員の際立った個性、肩の力が抜けるお笑いシーン、ラスト・ミニッツ・レスキュー(監督の十八番だというのを鑑賞後知る事に)一瞬も目が離せない。圧巻だったのがリリアン・ギッシュが吹雪の中を彷徨い流氷上で力尽きるシーンで、「このまま滝壺へ落ちてゆけばこれ以上辛い思いしなくて済むのかも、でも何とか助からないのか」涙が溢れ、救出に向かうバーセルメスに「早く!」握り拳。老婆のような顔つきになり凍死寸前だったというリリアン・ギッシュの役者魂(監督に対する信頼感なのか?)に喝采。無音でもこれ程までに表現出来る事に感嘆しきりの傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-12-10 11:17:42)(良:1票) |
6. 昼下りの情事
《ネタバレ》 恋に上下の隔てなし。百戦錬磨の色男であるフラナガンが小娘のアリアーヌを軽くあしらっていたのが、徐々に心乱されていく様が何度見ても味わい深いです。遂に陥落してしまラスト、甘いのですが、あとに続くシーンに免じて良しとします。クーパー、ヘプバーン、シュヴァリエもさることながら、楽師達の存在感は只事ではなく、実に味わい深い四人です。彼ら無しでは本作は成り立たないでしょう。小粋さが心地よい大好きな作品です。 [ビデオ(吹替)] 9点(2004-12-28 02:08:44) |
7. ヒート
パチーノとデ・ニーロを十二分に堪能させてもらいました。名シーンに次ぐ名シーンの中でパチーノが娘を惨殺された母親を抱きしめる姿はパチーノ名場面集の一つです。弱者を慈しむ温かさと「罪を憎んで人も憎む」刑事としての信念の熱さにシビレました。対するデ・ニーロのストイックな仕事振りにもシビレました。この二人が雌雄を決したのは、背負った者を背負い続けようとした者と降ろしてしまった者の差なのだと思います。ラストのパチーノの姿は「罪を憎んで人を憎まず」思いだったのでしょう。もう、感電死状態です。 [DVD(字幕)] 9点(2004-11-01 01:43:35) |
8. ヒトラーのための虐殺会議〈TVM〉
《ネタバレ》 本作でのシュトゥッカートは省庁の権限がSSに侵される件にこだわり、クリツィンガーは毎日ユダヤ人を銃殺するドイツ兵のメンタルのみ危惧する。 銃弾代節約、手早く大量に処理出来る、死体処理はユダヤ人を使ってそのユダヤ人も処理するからドイツ兵のメンタルへの影響は少ない。ということで編み出されたガス室送り。「謀議」同様、口蹄疫対策会議を見てるかのようでした。 ドイツ人による製作に他国には出来ない事だと思えました。 [DVD(字幕)] 8点(2023-06-26 02:25:41)(良:1票) |
9. 悲愁(1979)
ビリー・ワイルダー監督を初めとする一流スタッフ、キャストによるハリウッド内幕もの。「サンセット大通り」には僅かに及ばないものの、大女優の歪んだ執念が表れていた秀作。適当感のある邦題はいけません。 [DVD(字幕)] 8点(2023-01-11 01:04:16) |
10. 秘密の花園(1993)
原作未読、マギー・スミス目当ての鑑賞。 彼女にうってつけの役柄で作品を引き締めてくれたのは流石の一言。 大人達の価値観に縛られない子供三人の触れ合いに、動物の鳴き声と物言わぬとも花開く植物たちに、カサカサな心が洗われたかのようで泣き通しでありました。忘れじの名作であり仰天した製作総指揮のフランシス・フォード・コッポラに拍手喝采。 [DVD(字幕)] 8点(2022-10-21 15:47:27) |
11. 評決
《ネタバレ》 本作は公開時劇場鑑賞しているのですが、生卵入りビールを飲むポール・ニューマンらしからぬグダグダ飲んだくれ模様以外記憶に残っていません。 お目当てジェームズ・メイソンはベルベットボイスでの見た目上品性根下品なコンキャノンを貫禄たっぷりに好演。ただ、彼にとっては通常運転の演技でオスカー受賞ならずも渋々ながら納得でした。 ポール・ニューマンはオスカー受賞すべきでした。 人々の手助けを成す「師」「士」の付く職業での正義感。それの為に落ちぶれてそれに目覚めての一念発起も依頼人を置き去りにした独り善がりでとどのつまりに陪審員の情に訴える有り様。そしてラストの電話越しの無言会話。それぞれの内面が滲み出る絶品演技に魅入りました。また、随所に見られた見事なカメラワークでの演出も素晴らしい。 ナチスものの判事のような度が過ぎる描写に怒りよりも現実味を感じない点が残念でした。 来年元日鑑賞作も決まっており、それまでの新たな作品・人物・レビューと出会いたいと願うところです。 [DVD(字幕)] 8点(2021-01-01 02:46:27)(良:2票) |
12. ヒトラーに屈しなかった国王
《ネタバレ》 ノルウェーの7人に1人が鑑賞したと言われる作品。 国王ホーコン7世はデンマーク王室の人間でノルウェーが国民投票で迎えた人物並びにナチスによる侵攻を初めて知る事に。 国家の一大事に、辞任しますという首相やナチス侵攻を手引きしたクヴィスリング(売国奴の代名詞として辞書に出ているそう)といった輩が居る中で、デンマーク人でありながら選んでくれたノルウェー国民の為にという国民ファーストの言動に心打たれると共に、国政に口出し出来ない国王に負担を強いる政治家の不甲斐なさが腹立たしい。 「父上のような国王にはなりません」面と向かって言い放つ皇太子との親子の本音の会話が印象深い。 駐在公使ブロイアーも国王に劣らぬ存在感で、実らなかった奮闘ぶりがやるせない。 ホーコン7世とヒトラー、共に国民に選ばれた人物でありながら、違いを見せつけられる秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-28 18:13:56) |
13. 美女と野獣(2017)
《ネタバレ》 苦手なミュージカル仕立ての他愛のないお伽噺に感動したのは目を瞠る映像美の賜物。惹かれて止まなかったのがルミエール、コグスワース、ポット夫人。それぞれの魂が抜ける描写に涙腺が危険水位に。沁み入る歌詞に決壊したエンディングシーンで知ったユアン・マクレガー、イアン・マッケラン、エマ・トンプソンに心底仰天。ディズニーの底力をまざまざと感じた作品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-10-29 15:32:23)(良:1票) |
14. 必死の逃亡者
犯罪者、被害者一家、官憲、それぞれの必死さが生み出す緊張感が途切れることのない展開。加えて一家の絆の強さにじわじわと感動が湧きあがり、「パパ、僕も人質になるよ」「バカな事を。お前は悪い子だ、パパに楯突いてばかり」に涙腺決壊。ボギーを自分の引き立て役にした感があるフレデリック・マーチにキュンキュンさせられ通しで、ラストの手招きにまた涙。ボギーの手下2人がアホアホでなかったら10点でした。どのようなジャンルでも一級品に仕上げる巨匠に拍手喝采。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-17 20:20:19) |
15. 百万円貰ったら
《ネタバレ》 パラマウント社の総力を結集したような製作陣と俳優陣。巨万の富は得たが信頼や愛情を注ぐ人を得られなかった余命僅かの社長さんから百万ドル(円じゃない)を与えられた8人それぞれの物語。後味の良いもの悪いものとバラエティに富んだ着想が素晴らしい。印象深いのはウォーカー夫人と紙幣偽造犯と死刑囚と陶器販売店店員。社長がお友達を得たラストが素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2018-01-06 16:51:28) |
16. ひまわり(1970)
初見。女々しいアントニオと獰猛なジョバンニの悲恋を突き放した目で見てしまいますが、そんな彼女をもってしても堪えきれずに嗚咽してしまう姿はやはり切ないです。愛する者との再会叶わず力尽きた人々の魂の化身となったひまわりで覆い尽くされた光景に戦争の無情さを痛感します。当時困難を排してロケを敢行された事に千金の重みを感じます。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-08 10:17:12)(良:1票) |
17. 美女と野獣(1946)
有名な童話が、重厚絢爛に、おどろおどろしく、愛憎露わに、表現されています。終始ドキドキ、ハラハラし画面に目が釘付けとなりました。大変豪華な童話でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-21 21:55:57) |
18. 日の名残り
《ネタバレ》 執事たる者、女中頭と恋に堕ちてはならない、主人に自分の主義主張を口にしてはならない。執事としての信条を貫き通したスティーブンスですが、機械の様に無感情ではなく、人として湧き上がる感情を自ら淡々と押さえ込む様子を観て、悲しくなりました。中でも、恋愛小説をケントンに無理やり取り上げられるスティーブンスの姿、あの右手は動かなかったのか動かさなかったのか、は胸が痛くなる忘れられないシーンです。ダーリントン卿の最期を、バスで去ってゆくケントンを、それぞれどのような気持ちで見送ったのでしょうか。ケントンが「愛しています」と自分から一言も口にしなかったのは、執事というものを理解し尊敬していたからなのでしょうか。二人の見事な演技を観終わった後、いろいろな事を考えさせられ、自分なりの答えがまだ見つからない作品です。 8点(2004-07-09 05:59:01)(良:2票) |
19. ピンク・パンサー4
前作からリセット再起動したかのようなハーバート・ロム登場に目くじら立てる事も無く。 ダイアン・キャノンが良いアクセントとなっていました。 ピーター・セラーズ不死身っぷりに大いに楽しめましたが、本作2年後に亡くなられたというのにしんみり。 スタントを立てたとしても命を削っての出演だったのでしょう。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-03-18 02:10:19) |
20. ピンク・パンサー3
《ネタバレ》 タイトルロールでの名作パロディが楽しくてリプレイタイム。最後はバスター・キートンだと思いますが作品名は? 本編はダイヤは登場せず、プッツン極限で主役と見紛うハーバート・ロムによるムチャクチャでござりまするなお話。 007チックなお城内部のセットを始めとして結構お金もかかっていると思われます。 突然のオマー・シャリフ登場に喜んだのですがほんのチョイ役で残念。 レスリー・アン・ダウンの中途半端な役どころも残念。 我等がピーター・セラーズ、心臓病を抱えていてドタバタシーンはスタントが演じていたそうですが、城に乗り込む爆笑シーンを筆頭に楽しませて貰えました。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-03-18 01:51:10) |