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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
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自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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1.  ブラッド・イン ブラッド・アウト 《ネタバレ》 
白と茶と黒、刑務所での三つ巴の抗争、勢力争いが熾烈を極める。メインとなるのは、パコ&クルス兄弟と従兄弟のミクロの三人の男たち。 悪ガキグループのリーダーだったパコが刑事となり、一番まともそうだったミクロが骨の髄までマフィアに染まっていく。幼い弟をドラッグで死なせたことで家族から見放されてすさんだ生活を送るクルスも、最後に家族から許され救われる。かわいがってくれたボスを裏切ったミクロは、メキシコ系マフィアの首領に成り上がっても、この先救われることがあるのだろうか。  仲間に入るには血を流さなければならない――アメリカ人との混血で、見た目は白人、中身はメキシコ人ということで、どこからも爪はじきにされがちな境遇の中で、必死にしがみついたのがメキシカンマフィアとの血の結束。 肉親とのつながりか、組織の仲間とのつながりか。パコ&クルス兄弟とミクロでは、ファミリーとする拠り所は異なるが、ミクロのいうファミリーには危うさが付きまとう。  香港ノワールに通じるようなベタな男臭さと熱さを持った映画。ハリウッドのマフィア映画とはまた違った面白さだ。クールでドライとは反対側にある、むんむんするような蒸し暑さ。 『ゴッドファーザー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』以来、タイプは違うけれど久々に見応えたっぷりのマフィアものに出会えた。単なる抗争ものではない、濃厚な人間ドラマがある。3時間もの長尺も、2時間ものくらいに感じて退屈しない。
[DVD(吹替)] 9点(2015-04-16 20:40:30)
2.  ブロードウェイと銃弾 《ネタバレ》 
登場人物が個性的で、キャラや台詞が生き生きとしている。 プライドが高くて我がままばかり言う落ち目のベテラン大女優。 頭が空っぽで演技もど素人なくせにスターを夢見るマフィアの情婦。 情婦のご機嫌を取るため無理難題を突きつけるマフィアのボス。 スポンサーであるマフィアのボスに何も言えないプロデューサー。 そんな連中に芝居をめちゃくちゃにされていく脚本兼演出家の姿がおかしくて哀れ。  ずっと芝居を見せられてきたギャングの監視役チーチが、思わぬ名案を提案する展開は実に愉快。 そこにプライドを傷つけられてへそを曲げる主人公も、可哀想な被害者という面だけでなく弱点を持った人間として描かれている。 才能もチーチに劣り、出演者と男と女の関係になってしまう。 主人公よりもチーチが完璧な作品を求めていくようになるのが面白い。 どっちがプロの作家なんだかわからなくなる。 自分の作品のためには人も殺すほど鬼になれるなんて、究極のアーティストともいえる。 一方、主人公はアーティストよりも平凡な人間たることを選んだ。 それぞれみんな人間味があって血が通っているので、ドラマが躍動的に映る。 もったいなかったのはラストで、ちょっと安直なハーピーエンド。  三谷幸喜がこの作品を好きだというのもわかる。 『ラジオの時間』は明らかに本作にインスパイアされている。 予定調和気味にまとまった三谷作品より、角があって予測のつかない面白さ。 ウッディ・アレンの作品の中では、クセもなくて一番楽しめる。
[DVD(吹替)] 9点(2014-10-24 22:39:18)
3.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
昔みたときは全然ピンと来なかったが、年を経て見直してみると良さがわかってきたような。 ファンタジーは好きなジャンルではないけど、親父とのキャッチボールは胸に迫るものがある。 自分の父が健在かそうでないかで受け止め方がかなり違ってきそう。 重なる部分があれば自然と感情移入することに。 夢を叶えた若きグラハムが少女を助けるためにフィールドから老医師に戻るシーンはなんとも切なくて美しい。 天の声に従って夢の叶う場所を目指して遠くまで連なるヘッドライトが印象的。 童心に戻って古き良き時代に浸る観衆の姿が目に浮かぶ。 泣けるファンタジー映画の傑作だ。
[DVD(吹替)] 9点(2013-11-23 19:10:40)
4.  プライベート・ライアン 《ネタバレ》 
スピルバーグの戦争ものといえば、連続ドラマの「バンド・オブ・ブラザーズ」が面白かった。戦闘シーンがリアルで群像劇としても優れていたが、こちらの映画も同じような印象。 ライアン家での兄弟4人のうち3人が死亡して、最後の1人を死なせると母親を絶望のどん底に落とすことになる。その1人の救出のために大勢が犠牲になるリスクを冒すのは、いかにもヒロイズムが好きなアメリカらしい。上層部の思惑とは別に、戦争の中での極限状態で次々に人間の本性が現れる。恐怖で硬直して味方を見殺しにしてしまったアパムが、自分が安全な立場となったときにドイツ捕虜を射殺したのは、戦争のなせる業なのか。アパムの存在は異質で脇役ではあるけれど、戦争映画にリアリティと重厚さを出している。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-02-28 20:20:42)
5.  フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 
最初はどこにでもいるオバサンに見えたベット・ミドラー。 これが主演だとちょっと厳しいかなと思っていたら、どんどん存在感を放ってくる。 ベトナム前線基地の慰問で若い兵士たちを前に歌った「In My Life」は鳥肌もの。 いわゆる反戦映画だが堅苦しいところはまったくなく、ディクシーとエディのコンビを中心に味わい深いヒューマンドラマになっている。  二人のかけあいは長年連れ添った夫婦漫才のよう。 お互い自己主張が激しいので始終ぶつかってしまうが、切っても切れない絆が感じられる。 おかしかったのは、エディが勝手に朝鮮戦争の慰問を発表し、その仕返しにディクシーがエディの10万ドル個人献金を発表したシーン。 オンエア中なのでお互い否定するわけにもいかず笑顔でステージを終えたものの、幕が下りた瞬間に幕越しに喧嘩している二人の姿が笑える。 こうしたユーモラスなシーンも物語に配置されているので、戦争がらみの重い話の緩和剤になってくれる。 ディクシーの毒舌とユーモアはどこかミヤコ蝶々に通じる味わいがあっていい。
[ビデオ(吹替)] 8点(2014-03-16 00:43:16)
6.  復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 
腎臓売買で騙されたリュウと、娘を失ったドンジンの復讐劇が交錯するストーリー。 暴力と血にまみれた救いのない映画なんだけど、なんだか切ない。 どちらも殺したくなる動機は十分に共感できる。 悪意はないのに事がどんどん悪い方向に転がって、こんなはずではなかったという嘆きが聞こえてきそう。 ドンジンはリュウに共感を覚えながらも、どうしても許せず報復せずにはいられなかったことが悲劇を招いた。  ヨンミ(ペ・ドゥナ)がリュウに警告した実態のない組織の報復が、ラストで腎臓売買の組織にすり替わって実行されたのがシニカルで面白い。 ヨンミのナレーション通りに組織が実在していたともとれるが、あの連中はどうみても革命家には見えない。 ヨンミの台詞の回想は、ドンジンが相手をヨンミの属する組織と思い込んだにすぎないのではないか。 つまりは、勘違いやすれ違いが生んだ悲劇の連鎖がラストまで続いたとも言える。   ペ・ドゥナは独特の存在感があって魅力的。 ベッドシーンも大胆で思い切りがいい。
[DVD(吹替)] 8点(2013-01-11 19:53:42)(良:1票)
7.  プライベート・ソルジャー<TVM> 《ネタバレ》 
ヒュルトゲンの森の戦いという日本人にとっては馴染みの薄いものを描いていたが、本当の戦場ではこうなんだろうなと思わせる妙なリアルさが迫ってくる。 主人公は決して好感が持てるような人物ではなく、自軍の兵士からも嫌われている。 お国や名誉のために勇敢に戦うというよりも、奮闘する味方の陰に隠れてでも卑怯でも何でもなんとか生きて帰りたいという生き物としての本能、本音が滲みでている。 仲間のことよりも自分さえ良ければという主人公の一連の言動に強い嫌悪感を覚えながらも、もし同じような状況に立たされたときに絶対に同じような自己保身をしないとは断言できない。 反戦をあざとく訴えるプロパガンダ映画よりはるかに反戦効果があるように思う。
[DVD(字幕)] 7点(2020-12-09 18:58:49)
8.  プリズン211 《ネタバレ》 
新人看守が囚人の暴動に巻き込まれて、囚人のフリをして危機を逃れようと知恵を絞る。 囚人のボスとの奇妙な友情や、ハリウッド的な大団円で終わらないところがなかなか面白い。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2019-12-23 23:32:39)
9.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 
秘密の会合でメンバーに伝えられたのは、リストアップされた65才くらいの公務員の男たち94人を暗殺する指令。 どういう目的があるのか見当がつかないので、サスペンスとしてまず興味を惹かれる。 こうした不可思議な謎を提示する場合、無理のあるこじつけのような納得できないネタバラシになることもしばしばあるけれど、これは十分納得できた。 確かに遺伝子をコピーしても、同じ環境にしないと、同じような人間に育つ確率は低くなる。  恐るべき男のクローン少年たちを、まだ罪を犯してもいないのに抹殺することなどできない。 でも、ラストで少年の垣間見せた残虐性が、将来恐ろしい事態になることを示唆して余韻が残る。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-10 20:19:56)
10.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 
交渉の達人がソ連のスパイの弁護士を引き受ける。理論武装した口八丁の人間は好きではないが、味方にすれば頼りになるタイプ。 1対1の人質交換を2対1にした手腕は、失敗すれば責任を取りきれないようなとんでもないリスクを背負ってのことだったので、余計に光った。 「心配じゃないのか?」と聞かれる度に「それが役立つのか?」と超然としている老スパイの言葉が耳に残る。どれだけの修羅場を潜り抜ければああいう言葉が吐けるのだろう。 実話の基づく映画は、事実に偏りすぎれば散漫で淡々としたものになったり、フィクションを入れすぎれば実話の意味が薄れたりするけれど、この映画はその辺りのバランスがよく面白かった。
[DVD(吹替)] 7点(2017-09-01 22:06:34)(良:1票)
11.  プラトーン 《ネタバレ》 
戦争ものはあまり得手ではなく、あのポスターのポーズだけは知っていたが、有名作品なのに今まで見る気にならなかった。 今更ながら見てみると、これがアカデミー賞にふさわしい大作。ベトナム戦争のリアルな狂気が迫ってくる。 大学を中退して志願した好青年クリスの視点も良かった。 何も知らなかった男が、人間の奥底の部分を突きつけられて揺り動かされる。 エリアスとバーンズの対立が激化し、バーンズがエリアスを毒牙にかける場面は息を飲む。バーンズのような手段を問わない犯罪者が戦場では時として英雄となってしまう。日本だと戦国時代なら歴史上の傑物になっただろうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-03 01:56:22)
12.  ファイ 悪魔に育てられた少年 《ネタバレ》 
韓国映画は、加害者と被害者、善人と悪人がハッキリ極端に描かれるものが割と多い。この映画もそう。これが国民性なのか、白か黒か、百かゼロかのようで、度を越した反日思想(日本=悪、韓国=善)とも根底で通じるものがあるような。 映画としてはわかりやすくインパクトも強いのだけれど、あざとくやりすぎてリアリティを損なう面もある。一長一短ではあるけれど、問答無用の迫力はある。  結局、リーダー格のソクテがファイを殺さずに育てた理由がピンとこなかった。サイコパスの殺人鬼なので、ソクテの思考回路がわからなくて当然なのかもしれないが。 ソクテの過去を見れば、施設育ちゆえに恵まれたヒョンテク(ファイの父)を妬んで、ヒョンテクと好き合っていたヨンジュをレイプ。おまけに、その現場に駆けつけたヒョンテクの片足を斧で切断。それでも飽き足らずに、その後、幸せな家庭を築いたヒョンテクの息子ファイを身代金目的に誘拐。挙句の果てに、何の瑕疵もないヒョンテクをその妻ともども殺してしまうのだから、これでもかというような悪魔の所業。ヒョンテク夫妻にとっては悪魔にとりつかれた災難としかいいようがない。夫妻が立ち退きに応じなかったのも、誘拐された子供が帰ってくるのを信じてのことだから、一層哀れを誘う。  ソクテは子供の頃から内なる怪物に苦しめられてきた。「恐怖と怒りで心が汚れている。祈れば怪物は消える」敬虔なクリスチャンであるヒョンテクの言葉を信じて祈ったが、怪物は消えなかった。神への怒りが、ヒョンテクへの逆恨みとなったのだろう。神を信仰する者を徹底的に踏みにじることが、神への復讐となる。 自分の境遇や社会に対する恨みつらみを、やつ当たりのように執拗にぶつけるさまは気味が悪く恐ろしい。自身が怪物となることで、怪物の姿に脅えることもなくなった。演じるキム・ユンソクが、静かな中にも狂気をリアルに漂わせて上手い。日本を代表する役者の一人でもある役所広司が『渇き。』で見せた大仰で嘘っぽい浮いた演技とは段違いで、悪魔のような狂気や憎悪を演じさせれば韓国には到底かなわないという印象。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-12 22:50:24)
13.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
自己改善より自己破壊。 「俺たちは歌って踊るだけのこの世のクズだ」 世の中にはびこるクソのような価値観の破壊。 創造のための破壊とも言えるが、主演の二人にあんなネタバラシがあったとは。 振り返ってみると、不眠症や上司の前での一人殴られ芝居など、別人格の前フリはあったわけだ。 暴走を始める自分自身との葛藤が見応えあり。 フィンチャー監督のメッセージ性の強い作品で、現代社会を批判するメタファーに満ちている。 メタファーはあまり好みではないのだが、それほど難解ではないのでエンターテイメント性も感じる。 閉塞感をぶち破りたい、今の社会や自分自身をぶち壊したい気分のときにはオススメか。
[DVD(吹替)] 7点(2014-10-28 00:47:27)(良:1票)
14.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
前半は海兵隊養成所、後半は戦地のベトナムが舞台になるが、前半の出来栄えが見事。 微笑みデブの人格が破壊される過程がとてもリアル。 殺戮者を育てるための海兵隊での洗脳教育。 人間性を捨てなければ、立派な殺戮者にはなれない。 教官の下品で卑猥な罵倒にさらされ、イジメを誘発するような環境の中、穏やかだったデブの顔つきがすっかり変わってしまう。 連帯責任を強いる教官のせいで仲間からも嫌われ、どこにも逃げ場がなければ、銃と話をするようになっても仕方がない。 訓練の目的通りに完全なる殺戮者になりきっていれば結末は違っていただろうが、そこまで自分を捨て切れなかったことが哀れを誘う。 何が起こるかわからない緊迫感に、思わず見入ってしまった。  教官は憎まれ役だが、実は理不尽な人間ではなく職務に忠実なだけで、認めるべきところはちゃんと認めていた。 卒業してから実は優秀な教官だったと教え子たちの思い出話になったかもしれない。 でも、歯車が狂えばこういう惨事も起こりえる。 孔子が弟子の性格によって教え方を変えたように、人に応じた教え方があったはずで、一律の古い軍隊教育が生んだ悲劇。 もっとも、職務自体が人間性の破壊という狂気をはらんだものだから、個人の責任とはいえないけれど。  前半はパーフェクトだったが、後半のベトナム戦地編では明らかに失速。 どこかで見たことのあるような戦場風景で、前半のようなインパクトがなかったのが残念。 後半にも戦争の狂気がハッとする切り口で描かれていたら、不滅の大傑作になったかもしれない。 瀕死の重傷を負った女狙撃手にトドメを刺すくらいでは、狂気漂う前半と均衡がとれず、ドラマとして弱い。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-26 22:49:05)
15.  ファンダンゴ 《ネタバレ》 
ロケット花火の戦争ごっこに、学生時代の夏休みの思い出が蘇る。 ところが一転、戦死した若者の墓に愕然とした二人に、花火がベトナムでの戦火に重なってくる。 当時のアメリカの若者が置かれていた状況がはっきりと伝わってくる。 バカ騒ぎの裏に垣間見えるシリアスな現実。  故障した車を列車に引かせようとしたシーンや、スカイダイビングの件は傑作だった。 洗濯物と人で必死に作った文字が「GO ON」になってしまったのは笑えたし、あのファンキーでパンクな飛行機野郎も最高。  5人の個性が際立っていて、中でも寡黙な巨漢が地味におもしろい。 ある意味、主人公よりも人間的に魅力を感じた。 他に、メンバーの一人がずっと酔いつぶれていてほとんど出番がなかったのもユニーク。  友情を感じる爽やかな青春映画に仕上がっているが、ひとつ引っかかったのは息を吐くように嘘をつく主人公の手馴れたやり口。 口八丁で騙しているのが人の良い老人や田舎者というのがちょっと…。 詐欺師の才能があるようで少し引いてしまう。 5人の消息を紹介するようなエピローグはなかったが、主人公が悪徳商法に手を出して検挙される絵がふと浮かんできた。 もしそれを描いていたら、コメディとしてはアリだけど、青春映画としては台無しかな。 当時30歳のケヴィン・コスナーは、貫禄がありすぎてとても学生には見えなかったのが残念。  再鑑賞。 グループ結成を祝ったドン(ペリ)に会いに行くのはちょっと動機が弱い気もするけれど、別れと旅立ちの卒業旅行の切なさが出ててやっぱり良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-18 21:49:51)(良:1票)
16.  フィギュアなあなた 《ネタバレ》 
石井隆作品らしくエロスと暴力の世界。 ヒロインの佐々木心音は決して美人ではないのだがコケティッシュ。 着エロ出身の恵まれた肢体をフルに生かして、壇蜜の存在も完全に吹っ飛ぶほど、ほとんど裸で通してフェロモンを振りまいている。 主人公はなんとも情けない男。 会社では閑職に追いやられるし、悪酔いしてレスラーのような女にボコボコにされるし。 フィギュア相手に一人芝居しながら腰を振る姿がアホっぽくて失笑できる。 前半はチープなVシネもどきかラブコメディと思いきや、妄想とファンタジーの切なさも絡み合って意外と最後まで楽しめた。 『空気人形』の切なさには勝てないけれど、思わぬ善戦といったところ。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-04 22:00:42)
17.  ブレイカウェイ 《ネタバレ》 
ギャングの下っ端がボスを裏切り金を奪っての逃亡劇。この4人がグダグダで人間味たっぷり。揉めてばかりいるが、奇妙な友情でつながっていて破綻することはない。それは少年時代からの長い付き合いだったからか。 挿入される回想で、一緒に道を外していった過程が想像できる。居場所のなかった少年4人が出会ったシーンは、哀愁があって良かった。そこからの見えない絆が、大人になってからも感じられる。 非行の影には必ず家庭の問題がある。問題があっても立派な社会人になる人間はいっぱいいるからそれが免罪符にはならないけれど。この4人にははね返す強さはなく、ギャングの下っ端にまで堕ちていったのだろう。  血生臭い暴力もあるけれど、ところどころにコミカル&爽快な要素もあって緩和剤になっている。ギャングに殺されそうになった時、思わぬ助っ人のイカれた大活躍が面白かった。トーキッドが無神経でウザい女にパンチを食らわせたのも胸がすく思い。料理の不味いおっさん4人のレストランが流行るとは思えないけど、一度行ってみたい気はする。やっと居場所を得た不器用なおっさん達の姿が微笑ましい。  しばらく後に再鑑賞してみたが、やっぱり良い。 家庭に居場所のなかった孤独な少年4人が出会って、今に至る絆が微笑ましい。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-02 19:10:47)(良:1票)
18.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
発展途上国の内戦が第三国の利害も絡んで泥沼化、その犠牲者の象徴が少年兵だろう。 洗脳されて躊躇なく引き金を引く少年達の姿が恐ろしい。 問題提起を含んだ社会派の作品だが、わかりやすくエンターテイメントを意識したことで先が読めてしまうところが少し物足りない。 ストーリーは起伏もあってよくできているが、格別惹かれる役者が出ているわけでもなく、どっぷり感情移入できるキャラもいなかった。 黒人の親子愛にも今ひとつ感動できなかったのが残念。
[DVD(吹替)] 7点(2013-09-29 19:49:56)
19.  フェイク 《ネタバレ》 
潜入捜査官とマフィアの悪党の間に生まれた友情にいつしか感情移入してしまう。 冴えないマフィアのアル・パチーノが醸し出す哀愁と裏切られて死を覚悟した潔さが印象的。 ジョニー・デップもかっこよく、FBIとしての使命と友情との葛藤で苦悩する姿も様になっていた。 マフィア映画は裏切りや報復などをドライに描くものが多いが、これはウェットな感じで珍しい。
[DVD(吹替)] 7点(2013-09-14 00:46:10)
20.  ブルーバレンタイン 《ネタバレ》 
出会いから結婚までの燃え上がった恋愛期と別離に至るまでの倦怠期を並行して描いていて、そのギャップが激しいのでどちらも引き立つ演出。 女の気持ちが離れていく様子が生々しく、焦る男の行為が逆効果でそれに拍車をかける。 自分の子でもないのに一緒に育てる決断をしてかわいがってくれた夫を、結果として捨てる形。 なので妻の身勝手と見られるかもしれないが、夫は見限られるようなことをしていて、しかもそれに無自覚であることが痛い。 男女の隙間風がどんどん悪化して壊れてしまうときはこんなものなのだろうと感じさせるとてもリアルな描写。 やり直せない関係に至るまでの心理が伝わってきて、冷めきった愛の狭間でいたいけな子供がたまらなく切ない。
[DVD(字幕)] 7点(2013-08-17 19:45:50)
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