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プロフィール
コメント数 2392
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
俗っぽいヤッピー風ライフスタイルの男が、実は新興宗教っぽい物質文明を憎悪する思想のカリスマだった、そのギャップがストレートに面白い。そこにブラピとエドワード・ノートンを持ってきたのはまさにキャスティングの妙だといえます。ブラピのチンピラ風よりも、自分にはノートンのノンポリ社畜の方が絶妙すぎるぐらいぴったんこです。二人に絡むゴスロリ女のボナム=カーターも、20年前はこの役は彼女しか考えられない、というよりも彼女はこういうキャラしか演じられないというのが正解だったかも、現在の彼女を見るとこの間にずいぶん芸域を広げたものだと感心します。この人はもともと曽祖父が大英帝国首相アスキス伯爵という上流階級のお嬢様ですからね。 でもタイラー=ブラピが説く思想はもっともらしいけど中身がない中二病みたいな感じで、これでは彼がやろうとしていることはオウムやISと大差がないとしか言いようがありません。なので自分にはタイラーの組織がどうしてもオウムと重なってしまい、日本人としては中二病と笑ってしまうことはできなくなってしまいます。 ラストに至る展開は確かに駆け足過ぎて粗が見えてくるのも確かですが、ここは夢想社会と現実の境目をあえて曖昧にしたストーリーテリングとして愉しむべきでしょう。個人的には本部というかブラピとノートンが住む屋敷の汚らしさが生理的に我慢できる限界ギリギリでした。『セブン』もですが、デヴィッド・フィンチャーは汚く汚れた室内を撮らせたらピカイチです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-04 23:18:55)
2.  フォロウィング
本作がクリストファー・ノーランの監督デビュー作になるわけですが、時系列をぐちゃぐちゃにする語り口はまるで『パルプ・フィクション』みたい。あのクリストファー・ノーランまでもが初期にはタランティーノの影響を受けていたことは感慨深いものがあります。だがこのパルプ・フィクション方式は順にストーリーをつなげてみると単純なお話しにならないと上手く機能しないもので、本作の様に複雑なプロットでどんでん返しがおこる物語では成功しているとは言い難いところがあります。要は普通に順撮り風に見せた方が映画としては良かったんじゃないかってわけです。そこはノーラン、技巧に走り過ぎた若気の至りと解釈いたします。でもモノクロ撮影と暗い語り口は、いかにも英国ミステリーらしくて好感が持てました。『プラーグの大学生』みたいなドッペルゲンガー的な展開にすれば、そのまんまホラーになるかなと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2019-06-17 23:31:55)
3.  ブルースチール(1990) 《ネタバレ》 
『ヒッチャー』の脚本家と駆け出し時代のキャサリン・ビグローがタッグを組んでいます。“ブルースチール”といえばハンドガン(拳銃)の異名であるのは言うまでもありませんが、同時にこの物語ではブルーを基調としたNY市警の制服を暗示しているわけです。タイトなまでの映像美は後年のビグローの片鱗をのぞかせていますが、どうにも脚本の出来がよろしくありません。『ヒッチャー』のルトガー・ハウアーをNYのヤッピーに置き換えたつもりだったと推察いたしますが、ヤッピーの正体がバレバレでバブルな証券マンがだんだん狂ってきて連続射殺魔になるわけで、そこになんらオカルト的な要素はありません。これでは得体の知れなかったルトガー・ハウアーの不気味さの足元にも及びません。そしてヒロインが新人警官という設定もあまり生かされているとは言えず、ジェイミー・リー・カーティスの行動も中盤以降はベテランの貫禄すら感じさせて、これでは“女ダーティ・ハリー”です。終盤の街中での銃撃戦に至る流れも、なんでロン・シルバーがカーティスを見つけることができたのかということからして、なんか脚本が雑なんだなあ。この犯人はスピリチュアルな存在じゃなくて頭がおかしいだけの生身の人間だってことを忘れるな、って脚本家に説教したくなりました(笑)。 現代のNYの最大の脅威はテロリズムですけど、30年前では悪徳弁護士と無能な警察幹部だったということなんでしょうね、きっと。
[ビデオ(字幕)] 5点(2019-01-15 23:39:26)
4.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト 《ネタバレ》 
有名な作品ですけど、このたび初鑑賞。正直いってこれが『死ぬまでに観たい映画1001本』に載せられる出来の映画だとは思えなかったのですけど、POVというという画期的な映画手法の開発で世のカネのない映像小僧たちにチャンスと希望を与えた功績は大なのかもしれません。結局のところブレア・ウィッチとは何であったのかという解明はなかったわけですが、こういう投げやりみたいなストーリーでもアリなんだ、ってことを映画製作者たちに気づかせたことも、その後の映画の流れに影響を与えてくれました。得体のしれないウィッチよりも数百倍怖いのは三人の人間関係の壊れっぷりで、この手のPOV映画としては必須の要素ですけどさすが元祖だけあって、けっこうリアルです。 教訓:やはり女性に地図を読ませたらあかん(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-18 21:19:40)
5.  プレデター2 《ネタバレ》 
またまた密林が舞台かと思わせておいて、カメラが進んでゆくとそこはLAでしたというオープニング・ショットは秀逸です。プレデターが熱い地域を好むみたいな前作からの設定もきちんとフォローしています。宇宙船の中に飾られているエイリアンのトロフィーをチラッと見せる遊び心も忘れていません。オリジナルより登場人物も多いしカネも掛けてますといった映像にもなっています。 でもなんか出来そこないのB級映画の様な雰囲気がぬぐえないんですよね。これはやはりダニー・グローヴァーをヒーローに持ってきたところに最大の原因がありますよ。だって銀河最強のプレデターを仕留めるのがおっさん暴力刑事と言うのはちょっと無理があり過ぎです、シュワちゃんならみんな素直に納得したと思いますけど。「続編では群れで出す」というモンスター系SFのセオリーはきっちり守ってますけど、あのお仲間登場シーンはほとんどコメディじゃないでしょうか。 だいたい、あんなデカい宇宙船が都市直下に埋まっていたことに気付かなかったなんて、LA市当局はどんだけ間抜けなんだよ!
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-31 12:57:13)
6.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
ご存知究極のハイブリッド・ムーヴィー、まるで一本で二本の映画を観た様な気分になれます(笑)。タランティーノとロドリゲスがコンビを組んだ映画の中では本作がいちばん面白いんじゃないでしょうか。冒頭の酒屋のシークエンスから、タラお得意の緊迫感あふれる展開で痺れてしまいます。東の三池崇史か西のロドリゲスかと言われるぐらいやり過ぎるロドリゲスの事ですから、後半のバンパイア編はもう無茶苦茶でございます。でもあのお店ティティー・ツイスターはバンパイアさえいなければ実に楽しそうですね。私もセス・ゲッコーじゃないけど毎日でも通いたいぐらいです(笑)。 でもいろいろ言われますけど前半のクライム・バイオレンスと後半のスプラッター・ホラーの相性は悪くないないので観終わってしまうと不思議と納得してしまうところもあります。ここら辺はさすがタランティーノ、バカやってる様に見えて深い計算のうえで書かれた脚本なのです(本当か?)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-18 22:51:05)
7.  ブラッド・シンプル ザ・スリラー 《ネタバレ》 
今まで色んな映画作家のデビュー作を観てきたけど、ここまで完成度の高いデビュー映画は後にも先にも本作だけです。もちろん再編集版『ザ・スリラー』で鑑賞したことは承知してますけど、DVD特典で観られたオリジナルとの相違点をチェックしてみても、あたりまえだけど基本的に同じ映画だと判ります。レイがマーティを埋めた畑から車で立ち去るロングショットなんか、デジタルリマスターの力であのほとんど黒に近いブルーの色調が見惚れるほど鮮やかになってますよ。このブルーを強調した映像や音楽の雰囲気そして大胆なカット割りなんかを観てると、そう、北野武の映画と空気がすごく似ているんです。例えると、凄く良く出来た脚本の北野映画という感じです。彼はこの映画を絶対に観て影響を受けてますよ。 冒頭でインチキ解説者を登場させて「この映画はフォーエヴァー・ヤングです」なんて言わせるところなんか、コーエン兄弟のすっとぼけたユーモアがわたしには大受けでした。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-29 23:35:08)
8.  プレタポルテ 《ネタバレ》 
ミラマックスのワインシュタイン兄弟のパリ・ファッション業界を抱き込んだ企画にR・アルトマンが呼び込まれたので、アルトマンはなんか真面目に脚本書いてないような感じさえします。冒頭、J・P・カッセルがサンドイッチを喉に詰まらせるところで「まさか、まさか」とふと不安に襲われたら、その「まさか」通りの展開になったので呆気にとられてしまいました。T・ロビンスとJ・ロバーツは仕事もしないでホテルにこもってあればっかりしてるし、なぜか犬のクソを踏んで靴を汚すシーンが何度も出てくるはで、アルトマンがここまで悪ふざけをするのもちょっと珍しいぐらいです。でも自分としてはけっこう笑わせていただいたのも確かで、三大ファッション誌の編集長たちをカメラマンが手玉に取るエピソードなんか、ベタなギャグだけど可笑しかったです。 と言ってもこの映画の最大の見どころは、映画史に永遠に残るS・ローレンとM・マストロヤンニのゴールデン・カップルの最後の共演が観られることでしょう。観ておわかりの通り、二人の関係はまるっきり『ひまわり』のパロディですし、ローレンがマストロヤンニにランジェリー姿を見せるシーンは『昨日・今日・明日』のまんまの再現となっています。二人ともアルトマンのおふざけにつき合ってとてもリラックスして演技しているなって思いました。 ラストの例のサプライズは公開当時けっこう話題だった気がしますが、製作に協力したパリ・コレ業界の反応はいかがだったんでしょうかね。どう考えてもアルトマンのファッション業界に対する否定的なメッセージのように感じますけど。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-03-26 20:23:52)
9.  フォー・ルームス 《ネタバレ》 
オムニバス好きのわたくしですが、これはつまらない一本でしたね。まず狂言まわし役のティム・ロスの過剰な演技が生理的に合わないんですから、どうしようもない。“タランティーノと仲間たち”といってもその後も活躍しているのはロドリゲスだけで、第一話と第二話の微妙さを見ればそれも納得です。 まああえて言えばロドリゲスの第三話がなんでも大げさに撮っちゃう彼らしさが良くて、後の『スパイ・キッズ』に繋がるところがあります。 と、貶しながらも実はこの映画では第一話が好きで、なぜかと言うとあの魔女たちのオッパイ見せながらやってくれる脱力系の踊りが、『死霊の盆踊り』みたいで自分にはストライクなんです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-25 22:50:53)
10.  プライベート・ソルジャー<TVM> 《ネタバレ》 
TVMながらも並みの劇場映画をはるかに凌駕した、知られざる傑作戦争映画です。同時期に製作された『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザーズ』がレンジャー部隊や空挺部隊といったエリートの物語であるのとは対照的に、本作でとりあげられている師団は、兵卒も大半が徴兵されたばかりの普通の連中。主人公のマニングという兵士、ちょっと他の戦争映画ではみたことない様な卑劣で赤裸々な奴で、上官と取引して除隊の約束をさせるシーンで見せるニヤニヤ顔は人間の卑しい部分を見せられて強烈です。「ニタニタするな!」と大尉に怒鳴られるのも当然です。戦争では市街戦のつぎに兵士が嫌うのは森林戦だそうで、霧で視界が悪く地雷だらけの森で突撃させられるのは、ホント恐ろしさがひしひし伝わってくるシーンでした。冒頭で背負ってた戦友を途中で見捨てたマニングが、ラストは一度は見殺しにしようとした部下に背負われて死んでゆくのはなんという皮肉でしょうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2012-02-11 23:00:05)(良:1票)
11.  フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 
自らプロデューサーも兼ねて気合が入っているだけに、ベット・ミドラーのパフォーマンスは一見の価値あり、観て損はしないでしょう。ただあの老けメイクはちょっと凄かった、思わず淡谷のり子を思いだしてしまいました。ということは、淡谷のり子は若いころはベット・ミドラーみたいだったということでしょうか(笑)。そしてジェームズ・カーン、本作を観て彼ほど過小評価されている名優はいないとつくづく思いましたよ。この二人の掛け合いは、まるで本当にコンビを組んでるみたいに息が合っていました。ベット・ミドラーの歌う『イン・マイ・ライフ』はもう絶品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-29 02:14:34)(良:2票)
12.  ファーゴ 《ネタバレ》 
“実話”なんて大ウソで、実在するのは地名ぐらいでしょう。その地名にしたって、タイトルになっているファーゴからして冒頭ブシェミたちが打合せに集まった場所ですが、その後まったくストーリーに無関係というおとぼけぶりです。田舎の町ですから警察署長を始めのんびりした人ばかりのところに、ウィリアム・H・メイシーが立てた間抜けな誘拐計画のためにやって来たよそ者二人が期せずして凄惨な殺しを重ねてゆくところは、後年の『ノーカントリー』に繋がってゆくわけです。メイシーのかみさんが拉致されるシークエンスは、侵入してくるところから実に怖いカットの連続なのですがドタバタ喜劇の様なかみさんのリアクションが妙にシュールに見えてコーエン兄弟の演出の真骨頂です(このかみさん、その後殺されるまでずっと袋かぶせられたままというのもおかしい)。フランシス・マクドーマンドの食事シーンが何度かありますが、どれも脂ぎった喰い物をバクバク平らげているのが、とってもグロテスク。「食べる」ことは「生きる」ということに直結しているということが言いたいシンボリックな表現なのかなと思いました。いずれにせよ、コーエン兄弟映画のひとつの頂点であるのは確かです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-25 19:12:00)
13.  不機嫌な赤いバラ 《ネタバレ》 
この頃のニコラス・ケイジはいい演技をしてたんですねー。大女優シャーリー・マクレーンとがっぷり四つに組んで一歩も引けを取っていません。マクレーンは我がままで気まぐれな元ファーストレディー役というあまりキャラを創る必要のない役なのですが、ニコジーは劇中ほとんどがなったり悪態をつくシーンがない彼としては珍しく落ち着いた演技はなかなか達者です。言ってみれば『ドライビングMissデイジー』の変形版みたいなプロットですけど、後半マクレーンの誘拐騒動というちょっと強引な展開はそれまでのいい雰囲気をぶち壊してしまったのが惜しいところです。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-13 01:18:16)(良:1票)
14.  ブルースカイ(1994) 《ネタバレ》 
完成直後に監督トニー・リチャードソンがエイズで亡くなるわ製作会社が倒産するわで、お蔵入りになりかけ完成後3年経ってようやく公開されたという因縁作だそうです。リチャードソンの後期作らしく演出にキレがない凡作ですが、オスカーを獲ったジェシカ・ラングの演技はさすがに見事です。情緒不安定で直情型の人妻という役柄は演じやすそうですが、ラングみたいに「プラス純情」まで表現できる女優はなかなかいませんよ。『キングコング』の屈辱デビューから15年あまりで2度もオスカー受賞する大女優に成長したのですから大したものです。旦那のトミー・リーも、女房の奇行を受け入れ核実験での事故を隠蔽しようとする上司にも耐え忍ぶ軍人役で、最後に上司をぶん殴って精神病院に閉じ込められるところなぞ、東映やくざ映画の高倉健みたいで好演しています。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-01-07 22:37:05)
15.  ブルー・イン・ザ・フェイス 《ネタバレ》 
いやぁ、笑った笑った、マドンナには。私は好きです、この乗りとオフビートな展開は。各エピソードはほとんど長回しで撮ってるので、出演陣のアドリブが結構楽しめます。個人的には、カイテルととジャームッシュの取りとめのない駄ばなしが良かったですね。あとメストラみたいなカイテルの恋人、傑作でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-27 00:30:11)
16.  ブロードウェイと銃弾
いわゆるバック・ステージものとしては、まれに見るほどの面白さ! また星の数ほどあるコメディ映画の中でも飛び抜けた完成度の高い脚本です。そして脇を固める三人(ウィースト、バルミンテリ、ティリー)の個性あふれる演技が楽しい。普段は癒し系の役柄が多いD・ウィーストですが、派手な大女優を見事に演じていてオスカー受賞も納得です。アレン・コメディの最高峰と言えるでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-02 00:47:07)
17.  ブレインデッド 《ネタバレ》 
あのどぎついパッケージがネックになってリリース当初からマークしてはいましたが、なかなかレンタル出来ず、やっと最近鑑賞しました。ニュージー・ランドのはためく国旗と若き日のエリザベス二世陛下がいきなり映ってちょっとびっくり。冒頭のサルを捕獲するところはしょぼいインディ・ジョーンズのパロディで苦笑を誘います。主役のカップルは狙った演出なのかそれとも単に下手くそなのか未だに謎ですが、どこか異様な雰囲気を漂わせてナイスです。それにしても、後半三十分の暴走振りは確かに凄くて、『死霊のはらわた』を初めて観たときの衝撃を思い出しましたが、本作の方が十倍はパワーアップしてますね。ラストの巨大化したママとの死闘は、ママの造形からしてちょっとやり過ぎでは。笑ったのは、壁になぜかエリザベス二世陛下の写真がかかっていて、主人公の坊やがあわてて裏返しにしたところにゾンビの血がとび散るのです。なんかリスペクトがあるのかおちょくっているのか良く判らん傑作シーンでした。皆さん今のピーター・ジャクソンをしたうえで観ているからどうしても高点数になると思いますが、この映画撮ったときは間違いなく変態監督のひとりだったと思いますよ。それにしても未だにゾンビにこだわる(というか、これしか撮れない)ロメロと、天下を取ってすっかり分別が付いちゃったピー・ジャクでは、どちらが凄いのか悩みますね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-02-01 21:22:31)
18.  フェイク
インサイド・ストーリーを知ると非常に後味が悪いお話ですが、映画としては情緒的な味付けが濃くなっていて、この題材ではこうするしか映画化のしようがなかったと思います。デップとパチーノの演技には文句をつけようがありませんが、マフィアたちのやっている悪事がどうにもスケールが小さくて今一つ映画にのめり込むことができませんでした。監督がスコセッシだったらもっと面白かったのでは?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-16 13:54:44)
19.  フィッシャー・キング 《ネタバレ》 
ロビン・ウィリアムスという役者に抵抗感があり彼が主演というだけで今まで避けてきた作品が多かったのですが、本作ではそのアレルギーが払拭された良い演技でした。『呪われた映画作家』テリー・ギリアムが、こんなにハリウッド映画の伝統に則したヒューマンな作品を撮るなど想像もつきませんでした。この映画、前半は1メートルぐらいの位置から仰ぐように撮った映像が多用されていますが、これが中盤以降しだいに目線以上の高さに上がって行くところなど、主要登場人物の心理が投影されているようで良かったです。そして駅の雑踏が突然舞踏会に変わるシーンは、その発想の素晴らしさと見事なカメラワークで映画史に残る名シーンとして記憶されるでしょう。素直に観て良かったなと思える作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-28 22:47:25)
20.  プライベート・ライアン 《ネタバレ》 
スピルバーグの軍事マニア魂が全開で、おそらく本作を超える戦場描写はしばらく出てこないのではないでしょうか。とにかくこの映画は「音」に対するこだわりが半端じゃなく、銃の発砲音はもちろん、兵士が被弾するときの音まで実際に肉塊へ銃弾を撃ち込んで採録していて、ここまでやるとはスピルバーグの「狂気」さえ感じます。ドラマ自体は兵士各人のキャラが丁寧に描かれているので、ちょっとあり得なさそうなストーリーですが説得力はあるかなと思います。何度観てもいらいらさせられるのはアパム伍長の戦闘時の行動で、「なんでそこで撃たないんだ!」と叫びたくなりますよ。最後はちゃっかり生き残ってるし。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-15 22:00:36)
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