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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1879
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ブラックアダム 《ネタバレ》 
こーゆーヒーローごった煮映画ってマーベルで懲りたはずなのに、監督がわりかし好きなジャウマ・コレット=セラだったので今回鑑賞。やっぱりヒーローがごった煮で、なんか牛肉と豚肉と鶏肉しか入ってない水炊きを延々食べさせられた気分。白菜やえのきやマロニーみたいな心温まるエピソードやハラハラドキドキするサスペンスフルな展開も入れてほしいよー!まぁ映像はけっこうスタイリッシュで見応えあったんですけどねー。
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-20 10:11:38)
2.  フェイブルマンズ 《ネタバレ》 
長年ハリウッドのエンタメ映画界を牽引してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画との初の出会いを果たした幼少期から大学を中退し映画業界へと足を踏み入れるまでの鬱屈した日々をノスタルジックに描いた青春物語。僕が子供の頃、何度も何度も夢中になって観た『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』という大傑作を撮った巨匠が自身の半生をモデルにした自伝的作品ということで今回鑑賞。というとやはりあの『激突』や『ジョーズ』、そして何よりインディ・ジョーンズシリーズといった初期の傑作群がいかにして誕生したのかというその制作秘話なんかが描かれるのかと思いきや、まさかの映画業界に入るまでで終わってしまいました。うーん、さすが巨匠の作品だけあって悪くはないんですけど、観ながら「これじゃない」感が……。映画製作の舞台裏がどんな感じだったのかとか、ハリウッド・スターたちとの交流とか、偉大なる先輩監督たちとの出会いとか、そっち方面がもっと見たかったよーー。とはいえ、ある家庭のあくまで個人的なお話なのにここまで面白く見せる、もはや匠の技とも呼べるその演出力の高さはやっぱ抜群の安定感。冒頭、映画のクライマックスシーンを再現しようとおもちゃの電車で遊んでいたらそれがいつの間にか映画そのもののようなドラマティックなシーンに変わっていたり、自身が撮ったホームビデオの映像から母親の裏切りを知ってしまうところとか印象的なシーンも多く、長い映画なのに最後まで退屈せずに観ることが出来ました。主人公が映画業界に入ってからを描いたこの続編が創られたら、そちらの方も観てみたいですね。って、もはやそれって『スピルバーグのえいが道(上京編)』みたいになっちゃいそうですけど(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2023-12-13 08:05:00)
3.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 
1978年、デンバーの町は不穏な空気に満ちていた。何故なら〝グラバー〟と呼ばれる、少年ばかりを狙った連続殺人鬼が今もまだ捕まっていなかったからだ。残虐な犯人は、さらってきた少年をしばらく監禁すると酷い拷問を行った末に殺害し、遺体はまるでゴミのように捨てられる。グラバーは今日も町のどこかで獲物を求めて蠢いているだろう――。貧しい父子家庭に暮らす少年フィニーもまた言い知れぬ不安を抱えて生きていた。酒浸りの父は気に入らないことがあるとすぐ暴力を振るい、まだ幼い妹は精神的に不安定で常に目が離せない。そんなある日、恐れていた事態が起こる。ちょっと気を許した隙を突かれ、彼もまたグラバーに誘拐されてしまったのだ。薄汚れた地下室で目を覚ましたフィニー。そこにあったのは使い古されたベッドと年代物の黒電話のみ。「あいにくその電話は随分昔に壊れてしまって何処にも繋がらない」。不気味な仮面を被ったグラバーは、恐怖に怯えるフィニーにそう言い残し、地下室を出ていくのだった。このままじゃ僕も殺される!極限状況に追い込まれた彼に、さらなる不穏な出来事が起こる。電話線が切られたはずの黒電話が突如鳴りだしたのだ。恐る恐る受話器を取ると、受話器の向こうからありえない声が。なんとグラバーに殺された少年たちが彼に話しかけてきたのだ……。けっこう既視感満載のそんなオカルティックなスリラーなのですが、この全編を覆う重苦しい空気はなかなか良かったですね。小さな窓しかない完全防音の地下室に閉じ込められるというこの設定がとにかく最悪過ぎる!しかもそこに何故か置かれてある壊れた黒電話。誘拐された子供がもしかしたら助けを呼べるかもと期待を持たせるために敢えて置いてあると思うと胸糞さマックス。犯人が被る上下分割マスクは余りにも不気味でこの犯人の異常性を見事に視覚化しており、なかなかにセンスがいい。そして黒電話を通して話しかけてくる事件の被害少年たち……。ここら辺のホラー描写もベタながらけっこう怖かった。彼らが主人公に与えてくれるヒントが一見的外れかと思いきや、最後に全て回収される脚本も良く出来ている。ただ、惜しいのは物語の芯となる部分が弱いところ。特にグラバーの目的がいまいち分からないところが残念。何のために少年たちを何人もさらって殺すのか、その動機をもう少し踏み込んで描いていればもっとサスペンスが盛り上がったと思うのに。また全体的にスティーブン・キングの『IT』と設定が被ってしまっているのも残念。とまぁそこら辺に目をつむれば、この鬱屈とした雰囲気や禍々しいホラー描写などは普通に楽しめると思います。6点!
[DVD(字幕)] 6点(2023-07-19 07:47:11)
4.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
東京から京都へと猛スピードで運行する超高速車両を舞台に、偶然乗り合わせた殺し屋たちの壮絶バトルを終始ノンストップで描いたエンタメ・アクション。原作は、日本のベストセラー作家伊坂幸太郎。監督は、この手の分野を得意とするデビッド・リーチ。いかにもこの監督らしいごちゃごちゃわちゃわちゃとしたストーリーに、「あ、またか…」と前半は少々げんなり。大量の登場人物が入り乱れるお話は脱線につぐ脱線でとにかく分かりづらい!!アクションシーンは凄くキレがあっていいし、キャラクターもみな魅力的なのにどうして毎回こんな分かりにくいアプローチをしてくるんでしょう。すんごく勿体ないです。あまりの観客置いてけぼり具合に前半で観るの止めようかと思ったんですが、でも、後半のぶっ飛び具合はさすがにお金を掛けただけあってなかなか楽しかった。伊坂幸太郎らしい、伏線を最後に全て回収する練られたプロットも見事。とにかく殺し屋たちが全員キャラ立ちまくりなのが良いですね~~。自分は、可愛い着ぐるみにずっと潜んでいた毒ヘビ女アサシンが好きでした。レモンに殴られた時もじっと耐えてたのね(笑)。ドSな小悪魔少女アサシン〝プリンス〟も超可愛くて、自分もこんな女の子に徹底的に振り回されたいと思っちゃいました(ドM)。彼らが電車をガンガン破壊しながらバトルするクライマックスはもはやリアリティのリミットを3回くらい振り切ってます。到着が1分遅れただけで丁重に謝罪する日本の鉄道会社はこれ観てどー思うんだ??でも、そんな日本を徹底的に茶化したトンデモシーンも根底には凄く愛を感じたし、後半はけっこうスカッとしたので、ちょっぴりおまけの7点!
[DVD(字幕)] 7点(2023-02-23 08:25:30)
5.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 《ネタバレ》 
最近見た、ニコラス・ケイジ主演のB級ホラーコメディ「ウィリーズ・ワンダーランド」がすこぶる面白かったので、同じニコジーの何とかランド繋がりで今回鑑賞。監督は、僕とは昔からあまり相性の良くない園子温。率直に言ってさっぱり面白くなかったです、これ。このオリエンタルとアメリカの西部劇っぽい感じを強引に同居させたような、いかにも無国籍でいかがわしい世界観もさっぱり嵌まらず。「ウィリーズ~」が、あの超絶バカバカしい内容にもかかわらずあれだけ面白かったのは監督のセンスと勢いとテクニックがあったからこそ。でも、本作にあるのは勢いのみ。センスはちょこっとだけ感じましたが、テクニックは欠片もありません。タマタマ爆弾やママチャリで荒野を行くニコジーとか、ところどころのネタが完全にすべってましたし。最後のグダグダ感なんて観ていて痛々しいほどでした。「ウィリーズ~」が余りにも面白かっただけに、残念!!
[DVD(字幕)] 4点(2022-10-01 04:06:34)
6.  フォールアウト(2021) 《ネタバレ》 
もはやアメリカでは日常茶飯事と化してしまった学校での銃乱射事件。ある日突然引き起こされるそんな凶行に巻き込まれたものの、何とか生き延びたとある女子高生のその後をリリカルに綴った青春ドラマ。冒頭の突発的に起こる犯行シーンはかなり凄惨で、妹からの電話に出たことでたまたま生き残ってしまったという主人公の苦悩は確かに分かります。同級生が無慈悲にも殺されてしまった教室でこれまで通りの生活を送るなんて到底できないと、次第に引きこもりがちになるのも理解できる。そんな彼女を見守る家族の葛藤もリアル。ただ、そこから物語として全く深化していかないのが本作の弱いところ。冒頭の衝撃から一転、その後は特に何事も起こらない淡い恋と友情のお話がただ淡々と続いてゆきます。恐らく監督は自分のセンスにかなり自信があるんでしょうね。だから、そんな平凡な日常を描いても自分の映像&音楽センスで充分観客を惹き付けられると過信したんじゃないでしょうか。確かにそこそこセンスは感じました。でも、あくまでそこそこレベルです。途中までは題材の現代性もあってそれなりに興味深く観ていられたんですけど、ずっと何処かで見たようなシーンがひたすら続くので自分は正直退屈に感じてしまいました。トラウマに苦しむのも分かるけど、だからと言ってここまで家族や社会に甘えてひたすら友達とダラダラされた日にゃ、「そろそろシャキッとせい!!」と説教しそうになりましたし。最後のオチも取ってつけたようで、銃社会という現代アメリカが抱える病巣に鋭く迫ったとは到底思えません。監督のそんな自己満足感が終始ハナにつくなんとも残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2022-09-12 08:04:31)
7.  プロミシング・ヤング・ウーマン 《ネタバレ》 
彼女の名は、キャシー・カサンドラ。何処にでもいるような平凡なフリーターだ。町の小さなコーヒーショップで働く彼女は、もうすぐ30になろうとしている。実家で両親と暮らし、特に夢や理想があるわけでもなく、長い間彼氏もいない。そんなキャシーだったが、彼女には誰も知らないとある秘密があった。それは、夜な夜な濃い化粧をして酒場へと出向き、そこで泥酔したふりをして寄って来たスケベな男どもに制裁を加えること。下心満々で近づいてきた男どもは、必ず彼女の仕掛けた罠にかかり恐怖の一夜を過ごすことになるのだ。だが、それは当然危険と隣り合わせの行為でもあった。なぜ、キャシーはそんな危険を犯してまで男どもを憎むのか?それは彼女がまだ医大生だった時に、親友だったクラスメイトがとある事件がきっかけで人生を台無しにされてしまったことが原因だった…。心に闇を抱えたある一人の女性の孤独な復讐を描いたサスペンス・ドラマ。若い女はとにかくヤる対象としか考えていない男どもへと、そんな執念ともいえる憎しみを抱く主人公を演じるのはキャリー・マリガン。確かに凄く良く出来たお話で彼女の鬼気迫るような演技もあって最後まで目が離せかったんですけど、やはり男としては何とも居心地の悪い映画でした。自分は男ですが、長い間世間で生きていると「女は頑張った自分へのご褒美だ」と真剣に考えているような男どもが圧倒的に多いなとは感じます。そんな横柄で醜い男に自分は絶対ならないでいようと思う反面、自分も欲求不満を感じたら普通にAVも見ますし、日常生活で女性を図らずも性的な目で見てしまうこともあります。この映画はそういう男性の習性を全否定してるんですよね。恋愛小説の名手と言われ自分も大好きだった女性作家、島本理生さんが代表作『ナラタージュ』の中で、「男のお〇んちんなんて全部ちょん切ってしまえばいい」と書いていたのを読んで正直引いてしまったことを思い出してしまいました。でも、そんな居心地の悪さを終始感じながらも、それでもこの映画を面白いと思えてしまうのは、この感覚がとにかく振り切れているから。「男ども、あんまり調子に乗ってるとそのうち大事なものをちょん切ってしまうぞ!それこそ命懸けでね」という痛快さがとにかく最高なんです。その矛先は、男社会にうまいこと順応して生きている女どもへも向けられているのもフェアで良い。主人公が心惹かれる優しい彼氏もまた同じような過去を持っていたなんて、この男への不信感はもはや徹底している。未だ根強く残る男社会への笑えない寓話として、僕は最後まで面白く観ることが出来ました。自分を含めた男たち、あんまり調子に乗りすぎないように気をつけよう!ちなみに自分、島本理生さんは今も大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2022-04-04 05:39:39)
8.  プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 《ネタバレ》 
1970年代、アパルトヘイトの嵐が吹き荒れていた時代の南アフリカ。政府のそんな理不尽な人種隔離政策に反発し、非合法な活動を続けていたある二人の白人青年が逮捕される。彼らの名は、ティム・ジェンキンとスティーブン・リー。裁判の結果は、それぞれ懲役12年と8年の実刑だった。判決は瞬く間に確定し、彼らは速やかに当時地獄と恐れられていた白人専用のプレトリア刑務所へと収監されるのだった――。だが、彼らはまだ諦めたわけではなかった。愛する者のためになんとしても脱獄しようと目論むティムが考えた驚きの方法。それは、刑務官が常に腰にぶら下げている鍵の形を暗記し、それを木で彫って複製しようというものだった。少しでも力を加えればすぐ折れるうえに、刑務所のドアを開けるためには外から差し込まなければならない。しかもそんな鍵が外に出るまでに10もあるのだった。無謀とも言える彼らの計画だったが、それでもティムとスティーブンは持ち前の執念と正義への情熱でもって少しずつ鍵を彫り続けてゆくのだが……。実話を基に、難攻不落とも言われた刑務所から決死の脱獄を図った二人の青年を描いたプリズン・サスペンス。主演を務めるのは、髭もじゃ顔がすっかりトレードマークとなったダニエル・ラドクリフ君。まぁいわゆる古典的な脱獄ものなのですが、本作の特徴はその脱獄の方法が木材で鍵のコピーを作ろうとするところ。しかも目で見ただけでその鍵の形を覚えようと言うのですからまさに無謀。そんな馬鹿な…と思わなくもないですが、この時代のしかも南アフリカですからこれくらいセキュリティが甘々だったのでしょうかね。これが実話じゃなかったら、「脚本家、テキトーに書きすぎ!」と途中で冷めていたところでしょう。とはいえ、脱獄のドラマだけに特化した本作は、その手のツボは押さえられていたのでけっこう楽しんで見れました。冷酷非道な刑務官にいつ見つかるか、彼らの計画がいつか露見するんじゃないのかと最後までハラハラドキドキの連続で目が離せなかったです。ただ、全体的な感想としては正直薄味。もう少し政治的な背景も描かれていればより深みが増しただろうけど、そこは敢えてバッサリ切っちゃったのは良かったのか悪かったのか。シンプルな脱獄ものとしては普通に面白かったんですけどね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-12-28 03:30:23)
9.  ファーザー 《ネタバレ》 
ここは、ロンドンのとある平凡なマンションの一室。取り立てて豪華なわけでもないが、それでも一家族が過ごすには充分な広さを備えている。そこで暮らすのは妻に先立たれた孤独な老人、アンソニー。まだまだ足腰は健在で、日々の家事は問題なくこなせると自負している。それにずっと昔に独立した娘アンも頻繁に訪ねてきてくれ身の回りの世話を焼いてくれる。寂しいながらも、現役の頃と変わらぬ生活を今も続けている。そんなアンソニーだったが、最近自分でも認知機能が急速に衰え始めていると自覚せざるをえなかった。日々の記憶が曖昧になり、自分でも何をしていたのか分からなくなることもしばしば。そんな折、頼りの娘アンが恋人とともにパリに移住すると言い出すのだった――。代わりにアンが雇ったという介護人がやって来るのだが、アンソニーは赤の他人が自分の家にいることがどうにも落ち着かない。しかも自分の大切な時計がいつの間にか無くなっている。きっとあいつが盗んだに違いない。そう決めつけたアンソニーは、口論の末にその介護人を追い出してしまうのだった。血相を変えてやって来るアン。だが、いつの間にか家にはアンと結婚して10年になるという見知らぬ男が現れる。しかもアンは、自分はパリに移住なんかしないと言い出すうえに、ここは自分たち夫婦の家だと主張するのだった…。現実と妄想がどんどんと曖昧になってゆく、そんなとある認知症の老人を幻想的に描いたヒューマン・ドラマ。主演を務めた名優アンソニー・ホプキンスはこの役で、アカデミー主演男優賞を史上最高齢となる83歳で受賞しております。観る前は何だか辛気臭そうな内容なのかなと思ったのですが、これがなかなか幻想の扱い方が非常に巧いシュルレアリスム劇の逸品に仕上がっておりました。娘婿と諍いをするディナーのシーンなど、気が付いたら冒頭へと戻っているところなどとても巧い。時間はずっと流れていたと思わせといて、最後の老人ホームへと収斂させてゆく展開も見事というほかない。過去と現在の境界が曖昧となり、娘をはじめ彼女の夫や介護人が全て誰が誰だが分からなくなる…。自分の認識がぼろぼろと崩れてゆく恐怖がひしひしと感じられ、もはやとても他人事とは思えません。認知症の人の頭の中ってきっとこうなんだろうなと思わせるだけの説得力が、ここにはある。A・ホプキンスの見事な熱演もそんな恐怖をますます増幅させ、より悲哀を深くさせますね。またこの監督の気品に満ちた映像センスも素晴らしく、過去と現代を繋ぐ見事な編集も相まって、とてもこれが映画デビュー作とは思えない気迫が感じられます。今回は認知症の老人というテーマでしたが、この監督の違う題材の作品も観てみたいと思わせるなかなかの良作でありました。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-11 01:33:49)
10.  プロジェクト・パワー 《ネタバレ》 
街に蔓延する謎のドラッグ、その名も「パワー」。その薬を呑んだものは、遺伝子レベルの体内覚醒により、様々な生物の特殊能力を手に入れることが出来るのだ。ある者はカメレオンのように体表の色を自在に変え、ある者はアルマジロのように銃弾を跳ね返すほど全身を硬くさせ、またある者はタコのように身体中の関節をぐにゃぐにゃにさせる……。超絶的な力を手に入れた〝超人〟たちが街に溢れ、社会を大混乱へと陥れる中、薬の供給元である謎の組織を追って、売人の少女、市警の私服刑事、元軍人がそれぞれの方法で謎に迫ってゆく――。という、まぁいわゆるマーブルの『X‐メン』なんかでもお馴染みのミュータントものなのですが、見せ方が巧いのでけっこう惹き込まれて観ることが出来ました。肝心の薬の正体をなかなか明らかにせず、最後までちょっとずつ小出しにしてゆく脚本もけっこうよく出来ている(若干イライラするけど!笑)。それぞれの方法で謎の組織へと迫ってゆく主人公を演じた、ジェイミー・フォックスやジョセフ・ゴードン・レヴィットといった人気俳優も華があって大変グッド。特に、敵味方双方のバラエティ豊かな特殊能力をCGで再現した映像は観ているだけでわくわくしちゃいますね。後半息切れしたのか、クライマックスに近づくにつれどんどんと脚本がグダグダになっちゃったのが残念でしたけど、まあエンタメ映画としては充分及第点。気軽に観る分にはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-31 00:08:12)
11.  フェイフェイと月の冒険 《ネタバレ》 
最愛のママを病で亡くし、以来父一人子一人の家庭で育ってきた女の子フェイフェイ。それでも彼女は、大好きなお父さんとママが遺してくれたウサギのバンジーとともに哀しみを乗り越え、充実した毎日を過ごしてきた。そんな折、大事件が発生!なんとお父さんが見知らぬ女の人を連れてきて、彼女がこれからフェイフェイの新しいママになると言い始めたのだ。「そんなの絶対認められない!」――。まだママのことを忘れられないフェイフェイは、なんとしても父の再婚話を阻止するため、とっておきの方法を思いつく。それは幼いころにママから聴いた、月の裏側で今はなき恋人のことを想い続けている女神チャンウーが実在し、今でも最愛の人のことを忘れずにいると証明することだった。もともと科学の成績がトップクラスだったフェイフェイは、その日から月へと向かうロケットの発明に没頭するように。様々な苦難を乗り越え、ようやく月へと辿り着いたフェイフェイは、そこで女神チャンウーの本当の姿を知ってしまう……。月の裏側に住むという女神を追って月へとやって来た女の子フェイフェイの奇想天外な冒険を描いたファンタジック・アニメーション。あくまでファミリー向けの作品だと分かったうえで鑑賞してみたのですが、これがまあディズニーアニメの良いところを繋ぎ合わせただけの既視感バリバリの内容でした。どっかで見たようなキャラクターにどっかで何度も目にしたようなファンタジー・シーン、そしてどっかで何度も見たようなストーリーのてんこ盛り。だってストーリーや世界観はピクサーの『リメンバー・ミー』を中国に置き換えただけだし(あの光り輝く獅子の存在なんてまんまですやん!!)、主人公の飼ってるウサギもサンリオにそっくりな奴いてませんでしたっけ?あと脚本も詰めが甘い。フェイフェイが月に向かう理由がそもそも弱いんですよね~、これ。お父さんの再婚を阻止するためにわざわざロケットを開発して月に旅立つって、それよりも簡単で手っ取り早い方法がいくらでもあるでしょーが(笑)。わざわざ月の裏側に行くのなら、お母さんを生き返らせることが出来るくらいの理由がないと説得力がありませんって。とは言え、蛍光色を基調とした映像はすこぶるキレイで全編に流れる楽曲もぼちぼち良かったんで5点!
[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-18 22:00:18)
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