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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 614
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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1.  プロジェクトA 《ネタバレ》 
 映画史に残る大傑作。   ジャッキーの自伝に曰く「少林寺や彷徨う戦士達を主人公にしなくても、格闘時代劇が作れる事を証明した」点が画期的との事で、言われてみれば本作の主人公って、現代の刑事物にも通じる「正義感溢れる警官」として描かれてるんですよね。  だからこそ、現代の観客にとっても感情移入し易いし、時代を越えた普遍性が有る。  そもそも中国(&香港)においては「官は悪、侠は善」(役人は庶民をいじめる悪役であり、御上に逆らう無頼漢が庶民の味方)という作劇上の伝統があった訳で、警官を主役に据えてる時点で、本作が斬新な映画であった事が窺えます。   その一方で「警察なんて辞めてやるぜ!」と啖呵を切ってバッジを投げ捨てる場面など、ちゃんと「理不尽な役人に逆らうアウトローな主人公」としての魅力も描いてるのが凄い。  当時の人々や「権力者側を善玉として描くのを嫌がる人」でも受け入れ易いよう作ってある訳で、この辺りのバランス感覚が、本当に見事。  「王道を裏切らずに、斬新な事をやってる」という形であり、これって理想的な「時代の先取り」の仕方だと思います。    自転車を駆使してのアクション(自分は「ノック」の件が特にお気に入り)も素晴らしいし、今や語り草になってる「時計台からの落下」シーンも、迫力満点。  後者に関しては、怯えるジャッキーを叱咤激励する形でサモ・ハンが監督しているとの事で、あの場面ではジャッキーが「監督」ではなく、単なる「役者」そして「スタントマン」に立ち返っているという意味でも、趣深い魅力がありますね。  「あの画には全く演技がなく、全て真剣だった」とジャッキーが語る通り、本当に限界を越えて手から力が抜けて(もう、だめだ)と思いながら落下したとの事で、作り物ではない「本物」の迫力が感じられるのも納得。   ただ、そんな名場面にも唯一の瑕が有り「時間が巻き戻ったかのように、違う落ち方を二度見せている」のが不自然なのですが……  これに関しては、劇中で「大口」役を演じたマースが、念の為に一度ジャッキーの代役として落下しているという裏話が影響していそうなんですよね。  つまり、ジャッキーが彼に敬意を表して、彼のスタント場面も無理やり本編に挿入した結果、不自然な形になったのではないかと推測出来るんですか、真相や如何に。   上述の「大口」への敬意の表れが、終盤の展開に影響してるように思える辺りも、ちょっと気になります。  本作のラスボスであるサン親分って、ジャッキーとサモ・ハンとユン・ピョウが三人掛かりで立ち向かうような強敵だったのに、何故か大口がトドメを刺す形になっているんです。  最後の漂流シーンでも、三大スターを押しのけて大口が一番目立っているし……  大口が当初から準主役だった訳でもなく、脇役に過ぎなかった事を考えると、この「急に何かが変わったかのような優遇っぷり」は、如何にも不自然。  これも、時計台落下という危険なスタントをこなした大口に対する、ジャッキー監督からの「ご褒美」だったんじゃないかと、そんな風に妄想しちゃいますね。   でもまぁ、そういった難点があったとしても、本作が傑作である事は、疑う余地が無いです。  冒頭、ジャッキーが自転車を柵に突っ込ませる場面で、もう面白くって「これから凄い映画が始まる」って予感で、ワクワクしますし。  酒場での乱闘シーンなど、音楽の使い方も上手かったです。  沿岸警備隊が復活し「これより、プロジェクトAを決行致します」と告げる場面も恰好良くって、もしかしたらココが一番の名場面じゃないかと思えたくらい。   サモ・ハン演じるフェイとドラゴンが再会する件で、自然な流れで食事してジャンケンする場面など、短い尺で「二人は旧知の仲」と納得させる演出なんかも、流石だなぁと唸っちゃいますね。  この辺りは、実際に少年時代からの付き合いである二人だからこその、阿吽の呼吸を感じました。  京劇出身な二人らしい一幕もあったりするし、色んなジャッキー映画の中でも「サモ・ハンとの絆」が、最も良い具合に作用したのが本作だったように思えます。   他にも「時計台落下はハロルド・ロイドから、逃走シーンはバスター・キートンから影響を受けている」とか、この映画について語り出すと、止まらなくなっちゃいますね。   映画の評価なんて移ろい易いものであり「子供の頃に好きだった映画が、今観るとつまらなくて幻滅しちゃう」とか、逆に「子供の頃は退屈だった映画が、名作だと気付かされる」とか、色んなパターンがある訳ですが……  本作に関しては「子供の頃も、大人になった今でも、大好きな映画」だと、胸を張って言えそうです。
[DVD(吹替)] 9点(2023-10-10 10:00:19)(良:2票)
2.  プロジェクト・イーグル 《ネタバレ》 
 「サンダーアーム/龍兄虎弟」に続く「アジアの鷹」シリーズ第二弾。   始まって早々、お馴染みの「ガムを食べる」シーンを挟んでくれるのが、ファンとしては嬉しい限りですね。  (あのアジアの鷹が帰って来た!)と思えて、大いにテンションが上がりました。  「原住民達との追いかけっこ」「旅の移動時間に曲を流す演出」なども前作と共通しているのが嬉しい一方で、アランやメイといったキャラクター達が出て来ないのは寂しいですが……まぁ、バノン伯爵が続投しているだけでも良しとすべきでしょうか。    そんな本作は無論、アクション重視の冒険活劇なのですが、ストーリーに関しても優れていたと思います。  「宝石よりも水の方が価値がある」と、冒頭のシーンで伏線が張ってある事には感心させられるし、敵となる集団が仲間割れして「ラスボス」枠かと思われたアドルフが味方になってくれるという意外性も良い。  前作において「俺が信じる神の名は『金』さ」と嘯いていた主人公が「人間にとって、一番必要な物は何なのかな」と呟き「金」の無価値さ「水」の大切さを実感しつつ砂漠を彷徨って終わるというのも、皮肉が効いてて良かったですね。   そして何といっても……エンディング曲が素晴らしい!  数あるジャッキーソングの中でも、一番好きな曲じゃなかろうかって思えるくらいですね。  「世の中は、空気と水に満ちている」「無欲ならば、どこでも楽園さ」という歌詞は心に響くものがあり、映画の内容とも完璧に合っていて、実に味わい深い。  普段は笑いながら観賞する事が多いエンディングのNG集なのですが、この曲のお蔭で、涙が滲んでくる事さえあるほどです。   それと、本作の特色としては、もう一つ。  お色気要素が豊富な点も見逃せないですね。  キャリアウーマン風のエイダに、金髪お嬢様のエルサ、不思議な雰囲気漂う旅人の桃子と、個性豊かな三人の美女が揃っており、実に華やか。  彼女達の立ち位置が、これまた絶妙であり「主人公の存在感を食ってしまうほどには目立たない」「全くの役立たずという訳じゃなく、適度に活躍してくれる」っていう形に仕上がっているんだから、お見事です。  鉄の装備で身を固め、敵兵をボコボコにして倒しちゃう件は痛快だったし、ジャッキーに水を飲ませてもらう場面なんかは妙にエロティックで「ハーレム」な匂いすら漂っていたのも、凄く魅力的に思えちゃいました。   序盤のバイクに、巨大な送風機を駆使したラストの大立ち回りと、アクションパートの面白さも文句無し。  そういった「ジャッキー映画お馴染みの魅力」と「感動」「お色気」という本作独自の魅力とが、非常にバランス良く交じり合っている。  傑作と呼ぶに相応しい一本だと思います。
[DVD(吹替)] 9点(2018-10-04 02:38:30)(良:2票)
3.  プリズン・フリーク 《ネタバレ》 
 自分は刑務所を舞台とした映画が好きなのですが「その中でも一番のオススメは?」と問われたら、数多の有名作品を押しのけて「プリズン・フリーク」と答えてしまいそうですね。  そのくらい好きだし「もっと多くの人に観てもらいたい」と思わされるような、隠れた傑作と呼ぶに相応しい品なのです。   何と言っても、この映画の画期的なところは、刑務所映画であるはずなのに、観ていて嫌悪感を抱くような悪人が、一人も登場しない事ではないでしょうか?  勿論、法律上は囚人というだけでも「悪」でしょうし、主人公のジョンにしたって善人とは言い難いキャラクターなのですが、何処か愛嬌があって憎めないのですよね。  それは囚人同士の殺し合いを賭け事にしている看守達にも、黒人差別主義者の囚人のリーダー格にすらも当てはまります。  こうやって改めて文章にしてみると「いやいや、こいつら完璧に悪人じゃん」と我ながら思うのですが、いざ映画本編を観れば、やっぱり親しみを抱いてしまうのです。  中でも、こういった映画では憎まれ役になる事が多い「主人公達を狙っている同性愛者の囚人」が、妙にチャーミングだったりするのだから、まったくもって困りもの。  見た目は太った黒人男なのに、まさかまさかの劇中のヒロイン格ですからね。  人は見かけで判断するもんじゃないなぁ……などと、しみじみ感じました。   脚本も非常に凝っており 「刑務所のルールその1は『絶対に他人を信用するな』」 「キミはもう家族みたいなもんだから」 「ここから出られるのは、死んだ時だけだ」  などの台詞の数々が、伏線として綺麗に回収されていく様は、実に気持ち良かったです。  それでいて難しく考えながら観る必要は全く無い、というバランスも素晴らしい。  途中で「あれ? 何か急に台詞が説明的になったな?」と不思議に思っていたら、ちゃんと後で、その理由が解き明かされたりするんですよね。  なので観賞後に何かが引っ掛かったような気持ちになる事も無く、後味もスッキリ爽やか。   特に好きなのは、ラストの車中にて、ジョンとネルソンが和解する場面ですね。  一度は殺し合いすら演じた二人が、たった一つの曲を通して「偽りの友達」から「本当の友達」そして「家族」へと変わっていく。  その数分間が、何とも微笑ましくて、観ているこちらも一緒に歌い、一緒に笑いたくなってきます。   とても楽しい映画でした。
[DVD(吹替)] 9点(2016-05-11 15:57:36)
4.  ブルー・ストリーク 《ネタバレ》 
 「ビバリーヒルズ・コップ」(1984年)に影響を受けた映画なんて、星の数ほどある訳ですが……  その中でもオリジナルに比肩するほどの傑作は何かと考えたら、真っ先に本作が思い浮かびますね。   単純に「面白い」「出来が良い」っていうのもありますが「元々は犯罪者という経歴を活かし、型破りな捜査を行う主人公刑事」っていう面白さを「ビバリーヒルズ・コップ」以上に描いてる点が素晴らしい。  次々に事件を解決し、周りから「アイツは凄い刑事だ」と誤解されていく様も愉快だし、この一点においては間違い無く元ネタを越えてると思えます。    それと、本作には二面性の魅力があり「マローン刑事による事件捜査パート」だけでなく「泥棒のマイルズによる侵入窃盗パート」も、しっかり面白く描けてるんですよね。  冒頭、ダイヤを盗みに入る場面だけでもワクワクさせられるし、なるべく人を傷付けないよう行動してるから、観客に不快感も抱かせない。  この辺りのバランスが絶妙で、ホントに理想的な「悪党主人公」であったように思えます。   ……先程「悪党主人公」と断ずる事によって気付かされましたが、本作って主人公のマイルズが「刑事を演じている内に正義感に目覚め、罪を悔いて改心する」なんて展開には全くならず、一貫して「悪党」のままであるっていうのも、凄いポイントですよね。  カールソン刑事達とは友情が芽生えているけど、彼らの為にと自首したりはせず、最後もダイヤを持ち逃げしちゃう。  それでも(こいつ、酷ぇ奴だな)とは思わなかったし、鮮やかに逃げ切った姿が痛快ですらあったんだから、もう御見事です。  脚本と演出、どちらも高いレベルにあったからこそ成し得た偉業と、そう呼んでも差し支えないくらい、凄い事だと思います。   一応、欠点も述べておくなら「女っ気も出しておこう」というサービス精神ゆえか「恋人のジャニース」「グリーン弁護士」などを登場させているのは、ちょっと無理矢理な感じで、浮いているように思えた事。  あと、ラストに仇敵のディークを殺す場面は、如何にも恰好付け過ぎで、違和感あった事が挙げられそうですね。  それまでのマイルズのキャラとも合ってないと思うし、事前に「ディークを殺すのを躊躇い、銃を持つ手が震える場面」があったのとも矛盾してる。  監督としては「最後を恰好良く〆て、ギャップに震えさせたい」って意図があったのかも知れませんが、正直ハズしてた気がします。   それと、マイルズとの別れの際にカールソン刑事が「その内、会えるかも」と言ってるのも、ちょっと残念。  続編を意識させるというか、期待を煽るような台詞だったのに、2022年現在「ブルー・ストリーク」の続編は作られていない訳ですからね。  これって、実に残酷な描写だと思います。   本当、今からでも続編を作って欲しいな、再びこの映画の世界に浸ってみたいなと思わせてくれる……  そんな一品でありました。
[DVD(吹替)] 8点(2022-05-05 04:39:24)(良:1票)
5.  フィリップ、きみを愛してる! 《ネタバレ》 
 「愛」と「脱獄」を描いた映画として、非常に良く出来ていると思います。   始まって十分程で「言い忘れてたけど、俺はゲイ」と主人公が告白し、本作における「愛」とは「同性愛」であると分かるんですが、それでも戸惑いは最小限で、楽しく観賞出来ちゃうんですよね。  冒頭、自分を養子に出した母親との対面シーンだけでも「ジム・キャリーだからこその魅力」を堪能出来ましたし「可憐な乙女」としか形容しようのないフィリップ・モリスを演じ切ったユアン・マクレガーも、これまた素晴らしい。  この二人が主演だからこそ「男同士のカップル」という際どい役どころでも、自然に感情移入出来た気がします。  ・それまでの恋愛対象は髭を生やしたタイプだったのに、女性的なフィリップに主人公が一目惚れするのには戸惑う。 ・「叫び屋」を殴らせた件でフィリップが感激しちゃうのは、違和感あり。 ・ゲイの男性って、ゴルフを毛嫌いするのが普通なの?   などなど、不可解さを感じる部分もありましたが、それらを差し引いても面白い作品でしたね。  フィリップと出会う前の恋人であるジミーが、死の床にて「僕は生涯の恋人と出会ったけど、君は未だ出会ってない」と語り、自分の死後に出会うパートナーを大切にして欲しいと訴える場面は、特に感動的。  作中にて「フィリップ、きみを愛してる」と告げるシーンが二回ある訳だけど、最初の場面は思い切りドラマティックに叫び「燃え上がる愛」を感じさせて、二回目の場面では「愛の終わり」を連想させるような、静かな雰囲気の中で呟かせるという対比も、凄く良かったです。   そんな「愛」に比べると「脱獄」の方は添え物というか「フィリップに愛を伝える為には、脱獄する必要がある」という程度の描かれ方なんですが、これがまた滅法面白いんですよね。  最後の大技と言うべき「エイズ詐欺」も良かったけれど、ハイテンポで描かれる「判事の書類を偽装して保釈させる」「刑務所内で働く医療スタッフに変装して逃げ出す」「セクシー(?)な職員に変装して逃げ出す」という三つの脱獄シーンも、同じくらいお気に入り。  本当に、あの手この手で刑務所を抜け出そうとする様が愉快で、痛快でさえありました。   「約束を守る」事に拘って、看守達に止められても最後まで音楽を流そうとする囚人仲間も良い味出していたし、食堂にて特別に豪華なメニューを食べる事になり、フィリップが喜んでいる場面なんかも印象的。  ラストシーンにて、愛しい彼を忘れられない主人公が、再び脱獄騒ぎを起こし、笑いながら走る姿で終わるというのも良かったです。   実際の「フィリップ・モリス」が主人公の弁護士役としてカメオ出演している為「決定的な嘘をつく訳にはいかない」という配慮もあってか、最終的にフィリップ側は主人公に愛想をつかしたとしか思えない作りになっているのは、悲しいけれど……  それもまた、本作の魅力の一つと言えそうなんですよね。  実話ネタだからこその、ハッピーエンドになりきれない切なさが、物語に上手く作用していたように思えます。   たとえ愛を否定されたとしても、それでも求めずにはいられない男の愚かさ、滑稽さを、空に浮かんだ不思議な雲が、優しく見守っている。  この映画に相応しい、惚けた魅力のある終わり方でした。
[DVD(吹替)] 8点(2018-09-14 10:09:36)(良:1票)
6.  ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 《ネタバレ》 
 前作が「これから面白くなりそうって所で終わる映画」だったもので、自分としては嬉しい続編映画。   元々、ラブコメ映画の続編って代物自体が珍しい訳で、そういう意味でも新鮮でしたね。  映画一本分をかけて結ばれた背景があるもんだから、前半部分にてブリジットとマークがイチャついている様も、とても微笑ましく感じられて良かったです。   ジェーン・オースティンの「説得」が下敷きだったり、マークが濡れたシャツ姿を披露したりと、基本的には「元ネタありきの映画」なのですが……  個人的には、元ネタを知らずとも充分楽しめるんじゃないかと思えましたね。  例えば、タイの刑務所にて女囚達と一緒にマドンナの曲を歌う場面なんかも、原曲を知らずとも十分に楽し気な雰囲気が伝わってくると思いますし。  前作は「高慢と偏見」ありきの映画だな、って印象でしたが、本作に関しては「元ネタよりも面白い映画」とすら思えちゃいました。   妊娠検査の最中に、二人が喧嘩しちゃう件なんて、特に面白い。  ここ、ほんの数分間なのに「二人の価値観や、育った環境の違い」が如実に伝わる作りになってるんですよね。  ラブラブな二人だったのに、徐々に擦れ違いが生じて喧嘩別れしちゃう流れに、自然に繋がっていたと思います。   他にも「そろそろ不幸じゃない事が起こるはず」と言った途端に、ブリジットが空港で逮捕されちゃうとか「引きずり出せるならどうぞ」と挑発したダニエルを、マークが本当に引きずり出して外で喧嘩しちゃうとか、台詞の使い方が上手いんですよね。  前作以上に「ブリジットがダニエルを選ぶ訳無い」「マークと結ばれるに決まってる」と分かり切ってる内容なのに、それでも楽しめたのは、こういう細かい部分が面白いお陰だと思います。   新キャラとなるレベッカも、非常にキュートで良かったですね。  「ブリジット→マーク←レベッカ」という関係と思わせておいて、実は「マーク→ブリジット←レベッカ」という関係だと判明する件は驚きましたし、ストーリーの面白さにも凄く貢献してる。  色んな映画に出てくるレズビアン女性の中でも、五指に入るくらい好きなキャラになりました。  妙な仮定になりますけど、もし自分がブリジットだとしたらレベッカを選んだかも知れないな……って、そう思えたくらいに可愛かったです。  煙草を吸う理由は「もっと悪い事が起きる前に死ねると思うと、心が安らぐから」と語るブリジット父も良い味出してましたし、前作以上に脇役の魅力が光ってた気がします。   そんな本作の難点としては……  タイの女囚達に見栄を張る形で「マークには酷い事された。暴力を振るわれたり、薬漬けにされたり」と嘘を吐く辺りは、流石に引いちゃった事。  あとは、中盤にてマークに部屋の鍵を渡すのが伏線かと思いきや、全然違ってて拍子抜けしちゃった事とか、そのくらいかな?   ブリジットを主役にした映画は現在三本ありますが、自分としては本作が一番好きですね。  作中の台詞にある通り「ハッピーエンドの、その先」を描いた映画として、しっかり楽しむ事が出来ました。
[DVD(吹替)] 7点(2020-11-11 10:22:20)
7.  プレミアム・ラッシュ 《ネタバレ》 
 これは面白い。   自転車によるメッセンジャーを題材とした作品としては、邦画にもタイトルそのまま「メッセンジャー」なる傑作がありましたが、洋画代表として本作の名前も挙げたくなるほどの出来栄えでしたね。  とにかくもう、車や歩行者をスイスイ避けて、道路を駆け抜ける主人公の姿を捉えるだけで面白い。迷惑なんだけど面白い。   普通、こういった作りだと「主人公側を善玉として描いているけど、こいつらの方が周りに迷惑掛けているよなぁ」なんて疑念が湧いてしまい、距離を感じがちなのですが、本作はその辺りの観客の反発も、上手く躱しているんですよね。  序盤にて、主人公も「道路の嫌われ者」と自嘲しているし、悪役となる警官にも「クズども」とハッキリ言わせている。  些細な演出かも知れませんが、それによって主人公達は「勘違い野郎」ではないという印象を与えてくれるし、悪役の言葉に対しては(そこまで言わなくても……)と思えるしで、むしろ応援したくなってくるんです。  この辺りのバランス感覚は、非常に巧みだったかと。   特に素晴らしいのが、主人公が事故を起こしそうになった瞬間、時間が止まり、その止まった時間の中で、様々なルートを模索するという演出。  「この道を行ったら、車に轢かれる」「あっちの道を行ったら、乳母車と衝突する」「唯一、この道だけが無事に通過出来る」といった具合に、事故に遭う様も交えてのシミュレーション映像となっており、非常にユニークなんです。  あえて喩えるなら、TVゲームにてセーブ&ロードを繰り返して、正解を確かめる作業に似ているようにも思え、とにかく観ていて楽しかったですね。   また、ストーリー面においても複雑になり過ぎない程度に時間軸を弄っており、主人公と観客とが同時に「依頼者の真の目的」を知る構成になっているのも、凄く上手い。  麻薬の密輸かと思い、一度は依頼を放棄した主人公が「今回の依頼主は悪人ではない。幼い息子と共に暮らしたいと願う善良な母親だ」と悟り、メッセンジャーの誇りに掛けて仕事をやり遂げるべく決意する流れには、熱くなるものがありました。   そんな具合に長所が幾つもあって、かなり好きな映画なんですけど……唯一の難点は「クライマックスが微妙」という事ですね。  主人公は最高のメッセンジャーであり、その腕前を駆使して悪徳警官の追跡を躱し続け、無事に荷物を送り届けようとするという、基本のストーリーラインが良かっただけに、最後の決め手が「人海戦術」というのは、どうも受け入れ難い。  一応、序盤にて「結束力も強い」という一言があったので、それが伏線といえば伏線なんですけど、ちょっと弱いかなと。  主人公単独の技量によって勝利出来たのだ、と思えるような決着の付け方だったら、もっと好きになれていたかも知れません。   そんな具合に、肩透かし感もあったのですが、無事に依頼は達成され、母子が共に過ごせるようになってと、ハッピーエンドを迎えてくれたのは、嬉しい限り。  「このままメッセンジャーを続けていれば、いずれ主人公は事故死してしまう」事を連想させ、刹那的な快楽を求め続けるがゆえの「止まらない」「止まりたくない」という、明るさの中に悲劇の匂いを帯びた終わり方だったのも、良かったです。  何時か事故に見舞われ、死んでしまうとしても、彼であれば、そんな瞬間も満足気な笑顔で迎えられるんじゃないかな……と思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2017-09-27 08:28:30)(良:1票)
8.  ブルークラッシュ2<OV> 《ネタバレ》 
 あまり期待せずに観賞したのですが、意外や意外。  良質な青春ロードムービーでしたね。   流石にサーフィン場面の美しさでは前作に及ばないかも知れませんが、その他の部分が魅力たっぷり。  金持ちのブロンドお嬢様で、サーフィンなんて出来る訳無いと嘲笑われていた主人公が、見事な波乗り姿を披露して周りを黙らせるシーンなんて、実に痛快です。  ここでハートを掴まれ、以降は最後まで、明るい気分で楽しめたように思えます。   それと、前作と共通している「家族の問題を乗り越えての自己再生」と「プロサーファーになる夢を叶える」という二つの要素を、二人の人物に分担させたのも上手かったですね。  主人公のデイナが一人で思い悩み、精神的に成長したりするのをカメラが捉えている間にも、親友のプッシーはプロになる為に必死に練習しているんだろうな……と、自然と脳内補完出来る形。  二人の出会いと友情、共に特訓するシーンについても描かれているので、主人公と同じようにプッシーを応援したくなるし、彼女が合格した際には、一緒に祝福したい気持ちになれました。   ヒッチハイクしたトラックの荷台に乗せてもらって移動するシーンなど「旅行」「家出」ならではの風情が感じられるのも良かったし、浜辺のコミュニティで皆が住んでいる住居の数々も、思わず泊まってみたくなるような魅力があります。  そんな住居の中の一つが、改造を施したバスであり「その気になれば、何時か動かしてみせる」という台詞が伏線だった事には、本当に吃驚。  立ち退き命令によって、皆の住居が強制的に取り壊されていく中、バスが動き出すシーンの爽快感は、特筆物でしたね。  その後のバス旅行に関しても、短い時間ながら「コミュニティの皆が家族」という絆の強さが伝わってきたし、全員で一斉に橋から河に飛び込むシーンなんかも、凄く好き。   物語のクライマックスとして「プッシーのプロテスト合格」を用意し、そこで最高潮に盛り上げておいて、その後に「父との和解」「母の思い出の場所でサーフィンする主人公」を静かに、情感たっぷりに描いて終わるのも、良い流れだったと思います。   難点を挙げるなら、ティムとグラントとの三角関係が微妙というか、好みでは無かったという事でしょうか。  ティムの方は自然保護活動をしている気の良い青年、グラントの方は少々嫌味っぽい気障なイケメン、という両者のキャラ付けが分かり易過ぎたのですよね。  前者と結ばれるのが見え見えなのに「主人公はグラントの方に惹かれている」「でもグラントは嫌な奴だったと分かる」「結局ティムの方と良い感じに」と、お約束の流れを辿るのが、ちょっと退屈でした。  その後、グラントにも「悪事に手を染めていたのは、経済的に困窮して止むを得ずだった」などと、色々とフォローが入るし、後味は決して悪くないんですけどね。  後は、ゾウやサイと遭遇するシーンが(如何にも合成映像って感じだなぁ……)と思えてしまうクオリティなのも残念。  この辺りは、低予算ゆえの悲しさを感じます。   でも、そんな難点についても「女の子が主人公なんだから、恋愛要素が濃い目になるのは仕方ない」「低予算なんだから特撮が拙いのは仕方ない」と、妥協出来る範囲内でしたね。  魅力的な部分の方が、ずっと多いので「そんなの、別に良いじゃん」と軽く流し、受け入れてあげたくなります。   中々レアな「初代よりも続編の方が面白かった」例の一つとして、オススメしたい映画です。
[DVD(吹替)] 7点(2017-08-06 22:18:34)
9.  プロジェクトA2/史上最大の標的 《ネタバレ》 
 世の中には「単品として考えれば悪くないけど、あの○○の続編と考えると物足りない」って映画が沢山あるんですが、本作もその一つと言えそうですね。   何せ本作ってば、冒頭にて前作「プロジェクトA」の名場面を流しており、そっちの方が本編より面白かったりするんです。  これはもう、実に残酷。  冒頭にはサモ・ハンも、ユン・ピョウもいて画面が華やかなのに、いざ本編がスタートしたら彼らは出てこないんだから、落胆するなという方が無理な話です。   そんな「続編ならではの欠点」が、劇中で散見される形になってるのも辛いですね。  例えば「敵のアジトに乗り込み、多勢に無勢で負けちゃったドラゴンを沿岸警備隊が助けに来てくれる場面」なんかも、それ単体で考えれば悪くないんだけど……  前作では敵のアジトで大暴れし、ドラゴンが一人で犯人を捕まえた流れがあっただけに(あれ? 今度は負けちゃったの?)って、拍子抜けしちゃうんです。   前作で良い味を出してた「大口」が続けて登場しているんだけど、サッパリ目立たなくて活躍しないというのも、寂しい限り。  自分は前作の感想にて「終盤で、唐突に大口が準主役級の扱いになるのは不自然」と指摘しているのだから、徹底して脇役な本作の方が、自然といえば自然なんだけど……  やはり、責任を取って欲しいというか、一度は活躍させて観客に愛着を持たせた以上、最後まで愛されるように、大事に扱って欲しかったです。   それと、前作でハロルド・ロイドの「要心無用」(1923年)をパロってみせたように、本作ではバスター・キートンの「蒸気船」(1928年)をパロっている訳だけど、それも成功してるとは言い難いんですよね。  前作では「時計の針にしがみつくだけでなく、そこから落下してみせる」という形で、元ネタを越えるほどの迫力を出していたのに、本作では元ネタと殆ど同じで「看板が倒れてくるけど、丁度枠の部分にジャッキーが収まる形になって助かった」というだけなんです。  しかも元ネタの「蒸気船」では、キートンは立ったまま位置を動いておらず、それゆえに「たまたま窓枠の中に収まって助かった」という可笑しみが生まれているんだけど、本作のジャッキーは看板が倒れてくる際に、咄嗟に位置をズラして大丈夫なよう調整しちゃっている訳で、これは如何にも拙い。  どうせ動くなら、バレないように微かに動く形ではなく、もっとダイナミックに動いて「動かないキートンと、動くジャッキー」という形で、元ネタとは違った面白さを打ち出すべきだったと思います。  あるいは、劇中で「神様、感謝」と言っている「神様」とは、喜劇の神様であるバスター・キートンの事を指しており「ドラゴンは『蒸気船』を観ていたお陰で、咄嗟に位置調整してキートンのように助かる事が出来た」って展開なのかとも思えるんですが……  劇中の時代設定は「蒸気船」が公開される前のはずなので、この解釈は無理があるんですね。残念。   何だか不満点ばかり長々と述べちゃいましたが、良かった点も挙げておくなら……  ・前作より「刑事物」としての純度は高まっており、署長に就任した主人公が腐敗した警察署を改革していく流れは、中々痛快。 ・「レバーペースト」の機械に囚われた主人公が脱出する件は、記憶に残るだけのインパクトが有る。 ・サン親分の仇を取ろうとしてた海賊達が、主人公に助けられ和解するオチは、人情譚としての魅力があって良い。 ・刑事物と歴史物とキートンが大好きなジャッキーが、それらの要素を盛りに盛った「オタク映画」と考えれば、何だか微笑ましい。   と、そのくらいになるでしょうか。  あと、これは良かった部分なのか、それとも悪かった部分なのかと判断に迷う要素もあって、それが「悪役であるチンの存在」と「時代劇らしく辛亥革命を絡めている事」ですね。  前者に関しては、ドラゴンと手錠で繋がれ一緒に逃げる場面などから(あれ? もしかして二人が和解するオチ?)と思われたのに、結局は単なる悪役のまま終わったのがスッキリしないし、後者に関しても、映画の中で活かしきれていなかった気がします。  この辺り「手錠での逃走シーンがあるからこそ、悪役にも愛嬌が生まれた」「主人公が安易に革命に加担せず、警察官として人々を守る道を選ぶ場面は良かった」って具合に、褒める事も出来そうなので、判断が難しい。   本作は試写会で流れたバージョンと、今観る事が出来る完成版とでは中盤の展開が異なっており、試写会バージョンでは「チンの悪辣さ」「革命軍の出番」が増す形になっているようなので……  そちらを観る事が叶ったなら、また印象も変わってくるかも知れません。
[DVD(吹替)] 6点(2023-10-11 09:44:43)(良:1票)
10.  ファイブヘッド・ジョーズ<TVM> 《ネタバレ》 
 (夏が来たから、サメ映画観なきゃ……)という謎の衝動に駆られて鑑賞。   シリーズの過去作二本は鑑賞済みで、今回「3」と「4」をセットで観る形になったのですが、良くも悪くも期待通りの内容であり、なんか妙に安心しちゃいましたね。  これが「予想に反し、意外な傑作だった」というパターンなら、逆にガッカリしちゃってたかも。  なんていうか「面白過ぎず、退屈過ぎず」っていう絶妙なバランスが、観ていて心地良かったです。   そもそもタイトルが「ファイブヘッド・ジョーズ」って時点で(あれ? フォーヘッドは? なんで順番飛ばしたの?)と気になっちゃう訳だけど、それに対する答え合わせが、劇中でキチンと行われている辺りも良いですね。  登場する怪物は「四つ首のサメと思わせておいて、実は尻尾の部分に五つ目の頭があった」という形であり(……なるほど、これはファイブヘッドにしておかないとマズいな)と納得出来ちゃうんです。  「三つ首のサメに思わせておいて、実は四つ首」という形だと、途中まで(前作と同じ数じゃん)という物足りなさが付き纏っちゃう訳だし、鑑賞前の違和感を承知の上で「ファイブヘッド」というタイトルにしておいたのは、英断だったと思います。   過去作に倣って、冒頭で「水着美女の姿を撮影しているパート」を挟んだり「ゴミを捨てて海を汚す人間への批判」も、堅苦しくない程度に盛り込んだりと、このシリーズのお約束が踏襲された作りなのも、安心感がありましたね。  特に前者に関しては、それ以外にも「女優さんが梯子を下りる際に、胸の谷間が良く見えるアングルで撮る」「水中カメラで胸やお尻をアップで撮る」というサービスシーンがあり、嬉しかったです。  性的に興奮するっていうよりは(ちゃんと観客を喜ばせようとしてるんだな)って思えて、安心する感じですね。  こういうのって、ある意味とても誠実な姿勢なんじゃないかって思います。   「ヘリに噛みついて墜落させるサメ」とか、低予算なりに見せ場も用意してくれてるし、前二作同様に、最後がハッピーエンドって辺りも良い。  この「ヘッド・ジョーズ」シリーズって、格別に出来が良いって訳じゃないんだけど、なんとなく憎めないのは、この「後味の良さ」が大きいんでしょうね。  主人公も含め、ちゃんと複数の人物が生き残るし、観た後スッキリした気分になれるんです。  「実は生きていたモンスターが、主人公達を襲って終わり」みたいなオチをやらないってだけでも、自分としてはポイントが高い。   そんな「お約束の遵守」「安心感を与える内容」な一方で、サメ退治のエキスパートであるレッドが、きちんと活躍して生き残る展開なのも、程好いサプライズ感があって、良かったです。  何せ「2」のダニー・トレホの死に様があった訳だから(どうせコイツも、途中でアッサリやられる役なんでしょ?)って穿った目で見ていたもので、これには驚かされました。  こういう「気持ち良い裏切り方」が出来るのって、続編映画の数少ない利点ですし、それを見事に活かしてたと思います。   勿論、短所も沢山あって……  1:イルカの声が弱点って設定が、全然活かされてない。 2:嫌な奴ポジションの重役さんが、改心したかと思ったらやっぱり嫌な奴のまま殺されて終わりとか、人物描写がチグハグ。 3:そもそも「五つ目の頭」に存在意義が薄い。   といった感じに、不満を述べ始めたらキリが無いです。  特に3に関しては、折角の良いデザインが勿体無かったですね。  「後ろに回り込んだら、そこにも頭があって喰われちゃう」とか、そういう場面があっても良かったと思います。   でもまぁ、最初に述べた通り「傑作」ではなく「サメ映画」を求めて選んだ一本なので、満足度は高めでしたね。  期待に応えてくれたという意味では、満点に近い品だったかも。   また来年の夏、こういう映画が観られたら良いなと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2021-07-22 11:47:36)(良:2票)
11.  ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 《ネタバレ》 
 冒頭にて、初代同様に「All By Myself」が流れたりと、ちゃんとファンの事を意識して作ったのが窺える三作目。   とはいえ、2で最高のエンディングを迎えておきながら「やっぱりマークと別れました」と言われても納得出来ない訳で……  「無理矢理作った続編」感は否めなかったですね。  三作目まで「マークと他の男、どちらと結ばれるか?」で引っ張るのにも、無理があった気がします。   と、そんな具合にストーリー面には不満もありますが「痩せて熟女になったブリジット」を拝めるという意味では、充分に楽しめる映画。  ラブコメのヒロインが老けちゃうのって、基本的にはマイナスでしかないはずなんだけど、彼女に関しては作中の台詞通り「エロ年増」的な魅力もあって、良かったですね。  とうとう禁煙に成功したっていうのも感慨深かったし、誕生日ケーキに立てられた四十三本の蝋燭を見つめ、何とも言えない笑みを浮かべる姿も良い。  母としての愛に目覚め、無事に出産して赤ちゃんを抱く姿にも、本当に(おめでとう)と祝福する気持ちになれました。   ギャグの面でも可笑しい箇所が色々ありましたし、特に「スタバの店員」ネタはお気に入り。  ここ、過去作にも共通する「元ネタを知らずとも充分面白い」バランスに仕上げてあるのが、本当に良いと思いますね。  エド・シーランを知らなくても、ちゃんと話の流れで「彼は凄い歌手だったんだ」と理解出来るよう作ってある。  クライマックスにおける「愛と青春の旅だち」をパロった演出も、また然り。  本シリーズって、根底には「ダーシー様に恋する文学オタクの為の映画」ってのがある訳だけど、マニアックな笑いに走り過ぎず、色んな人が楽しめるよう配慮されているのが見事でした。   「夢は共有出来るのに、現実はズレてばかり」という台詞も切ないし、旦那候補のジャックも、女医さんも良いキャラでしたね。  前作におけるレベッカもそうでしたが、続編で出てくる新キャラにもきっちり魅力があるというのは、大いに評価したいところです。   その一方で、そんなレベッカが本作で再登場してくれないというのは寂しいんだけど……  まぁ、これは登場人物を絞る為に、仕方無かったのかな?  初代からの恋敵であるダニエルが出てこないのも「流石に三作連続で、同じ顔触れの三角関係やる訳にはいかないから」って事で、納得出来る範疇でした。   改めて考えてみると「マークの元妻であるカミラの存在感が薄過ぎる」とか「女上司のアリスがそこまで悪い人じゃないので、啖呵を切って辞職する場面に一作目ほどの爽快感が無い」とか、欠点も色々思い付いちゃうんだけど……  決定的にファンを裏切るような真似はしていないし、一定のクオリティはあったしで「不平不満」より「映画三本分かけて付き合ったブリジットへの愛着」が優っちゃいますね、どうしても。   マークと結婚して幸せになりましたって終わり方なのも「王道」というより「予定調和」なんですが、それが心地良い。  エンドロールの最後を飾る、家族三人の写真にも和みましたね。  良い映画であり、良い三部作だったと思います。
[DVD(吹替)] 6点(2020-11-11 10:33:36)
12.  ブリジット・ジョーンズの日記 《ネタバレ》 
 この映画に関しては、元ネタである「高慢と偏見」を知っているかどうかで評価が分かれそうな感じですね。   それというのも、文学少女の憧れである「ダーシー様」を1995年のドラマ版で演じたコリン・ファースが「マーク・ダーシー」役を演じている訳だから、本作のブリジットは彼と結ばれるって事がバレバレなんです。  一応、ストーリーラインとしては「マークとダニエル、どちらと結ばれるのか分からない三角関係」って形になっているので、これはかなり致命的なネタバレ。  作り手側としては、もう配役の時点で開き直り、最初から「三角関係」要素を薄めて「ブリジットとマークが紆余曲折を経て結ばれるラブコメ」として仕上げているんでしょうけど……それでも消しきれない「三角関係」要素が、重荷になってる気がしましたね。  ダニエル役にヒュー・グランドが起用されているのも「豪華」というよりは「準主役でもないのに、勿体無い」と思えちゃいました。   そんな訳で、自分としては「悪い意味で結末が分かり切ってる映画」という、大きなハンデを背負った上での鑑賞だったのですが……  それでもしっかり楽しめた辺りは、流石という感じ。   本作が2000年代を代表するラブコメというだけでなく「ブリジット・ジョーンズは2000年代と寝た女」と思えちゃうくらい、彼女が魅力的に描かれていたんですよね。  ちゃんと仕事は頑張ってるから「彼氏がいないのを嘆いて、自堕落な休日を過ごしてる姿」も微笑ましく思えたし「ぽっちゃりとした女性の色気」が、視覚的に描かれていた辺りも良い。  特にカメラに向かってブリジットの巨尻が落ちてくる場面なんて、ギャグタッチにも拘らず昂奮しちゃったくらい。  メールでは強気な態度を取れるけど、いざ相手と目が合ったら愛想笑いしちゃうとか、そんなところも憎めない。  そんな彼女を愛でる「萌え映画」として考えれば、本作は満点に近い出来栄えだったと思います。    「人生やり直せるなら、今度は子供を作ったりしない」と母に言われる場面では鼻白んだとか、ブリジットの友人達の存在意義が薄いとか、不満点も色々あるんだけど、まぁ御愛嬌。   どちらかというと、終わり方がアッサリし過ぎていたのが気になりましたね。  これは欠点というよりは「マークと上手くいきそうになって、これから面白くなりそうだってところで終わるのが残念」っていう類の不満点です。  結果的に三部作になったので、この不満も続編で解消される訳だけど、本作単体で考える分には、どうしても「物足りない終わり方」って評価になっちゃうと思います。   後は……上司にカッコいい啖呵を切って辞職する場面が痛快だったとか、頑張って新しい自分に変わろうとするブリジットに「ありのままのキミが好き」とマークが言ってくれる場面にはグッと来たとか、そのくらいかな?   こういったシリーズ物の場合、初代が一番面白くて続編は蛇足ってパターンも多い訳ですが……  本作に関しては、続編の方が面白いんじゃないかと思えましたね。  興味がおありの方は、是非チェックして欲しいです。
[DVD(吹替)] 6点(2020-11-11 10:02:42)(良:1票)
13.  フラッド 《ネタバレ》 
  これは……  「途中までは面白かったのに」ってタイプの映画ですね、残念ながら。    クレジットではモーガン・フリーマンが一番上になっているけど、物語の主人公は間違い無くクリスチャン・スレーター演じるトムの方って時点で、既に歪というか、どこかバランスが狂ってる感じ。  両者を好きな自分にとっては「夢の共演」と言える映画のはずなのに、この二人が手を組む流れも雑に思えちゃって、全然興奮しなかったです。  トムに関しては凄く好きなタイプの主人公で、スレーターが演じた役柄の中でも一番じゃなかろうかと思えるくらい気に入っていただけに、途中から(何でそうなるの?)って展開になってしまったことが、本当に惜しい。   繰り返しになりますが、途中までは面白かったんです。  町が水浸しになっている光景だけで、如何にも「非日常の世界」って感じがしてワクワクしちゃったし、狭い室内でのジェットスキーを駆使したアクションなんかも、目新しくて興奮。  牢の中にまで水が押し寄せ、溺死しそうになったところを間一髪で助かる場面なんて、本当にドキドキさせられましたね。  口喧嘩ばかりしているけど、実は強い絆で結ばれていた老夫婦の存在など、脇役の魅力も光っていたと思います。  「他人様の金を命懸けで守るなんて、下らん仕事さ」と自嘲していた相棒のチャーリーが、実は裏切り者だったと明かされる流れも、程好い意外性があって好み。   じゃあ、何で「残念映画」と感じてしまったかというと……  やっぱり、主人公のトムと、モーガン・フリーマン演じるジムが手を組む流れが、無理矢理過ぎるんですよね。  せめて、もうちょっと「トムVSジムVS保安官達」という三つ巴展開を描き、終盤にてようやく緊急避難的にトムとジムが手を組むとか、そういう形にした方が良かったんじゃないでしょうか。  本作の場合「金に目が眩んだ保安官達が、敵になる」というだけでも充分にサプライズ展開だったのに、そこにプラスして「トムとジムが手を組む」っていう展開までセットで押し通しちゃったもんだから、驚きを通り越して困惑に繋がってしまった気がします。   あと「引鉄をひいても弾が出ない」って展開を繰り返しやってるのも興醒めだし、スローモーションの使い方も雑だし、終盤になると脚本だけでなく演出まで一気にレベルが下がっていたように思えるんですが……  (制作現場で、何かトラブルでもあったの?)って心配になっちゃいますね。   途中までは本当(意外な傑作に巡り会えた)(しかもクリスチャン・スレーター主演じゃん! 最高!)ってテンション上がっていただけに、終盤のグダグダっぷりが、返す返すも残念。  スレーター好きな自分としては、彼が主演というだけでも満足度は高めだったのですが……  もうちょっとだけ頑張って「文句無しの傑作」「スレーターの代表作といえばコレ」と言わせて欲しかったという、そんな口惜しさの残る一品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2020-02-26 05:37:51)
14.  プリズン・サバイブ 《ネタバレ》 
 刑務所を舞台にした映画なのですが、囚人である主人公の目的が「脱獄」でも「無罪の証明」でもなく「無事に刑期を務め上げて出所する事」なのが珍しいですね。   子持ちの美女との結婚を控え、仕事も順風満帆だったのに、強盗への過剰防衛が原因で逮捕され、幸せな日々が一変してしまうという喪失感。  何とか刑務所での生活に順応し、あと四ヶ月で仮釈放という段階になって、更に六年の刑期を延長された際の絶望感。  どちらも丁寧に描かれており、主人公に自然と感情移入出来るよう作られていたと思います。   若い頃は細身の二枚目という印象の強かったヴァル・キルマーが、この作品では貫禄たっぷりの「先輩囚人」を演じている点なんかも良かったですね。  ルックスに頼らぬ確かな演技力を見せ付けており、二枚目俳優から性格俳優に転身した事を証明してくれたかのようで、感慨深いものがありました。  看守によって家族の写真を奪われても、家族の記憶だけは決して奪えないと話す件なんかは特に素晴らしく、本作の白眉ではなかろうか、と思えたくらいです。   そんな先輩囚人とは対照的に、最初に親切にしてくれて、所謂「相棒」ポジションになるかと思われた男が最低な奴だったりと、適度な意外性を盛り込んだ展開になっている辺りも良い。  刑務所では「白人と黒人」「看守と囚人」が争うのは当たり前だというルールを徹底的に描いた上で「白人の囚人」である主人公を「黒人の看守」が助ける場面をクライマックスに持ってきたのも、上手い構成だったと思います。   「悪徳看守も、我が子に対しては優しい父親であり、彼には彼なりに囚人を憎む理由がある」  「義理の母が主人公に冷たいのは、自分がシングルマザーとして苦労してきたがゆえに、娘に同じ苦労はさせたくないと考えているから」  などといった具合に、脇役の人物描写が丁寧であった辺りも、映画の質を高めていたんじゃないかと。   ただ、ヒロインである奥さんも働いているし、子供も一人だけなのに、たった一年くらいで家も車も売らなきゃいけないほど経済的に困窮するってのは……流石に、ちょっと不自然な気がしましたね。  この辺り、現代日本とは異なる社会だからこその展開なのかも知れませんが、もう少し説得力のある描き方をして欲しかったです。  あと、主人公と先輩囚人の「友情」の描き方も物足りなくて、ラストに「我が友」と呼んで終わるくらいなら、もうちょっと二人の絆というか「仲良くなっていく過程」を濃密に描いて欲しかったですね。  「主人公だけでなく、刑務所の外にいる妻も苦労している」「主人公と先輩囚人との友情」という、映画の根本に関わる部分の描写で物足りなさを感じてしまったのは、非常に残念。   「隠れた良作」という、映画オタクの心を刺激する一品なのですが、誰もが知る傑作ではなく、隠れた形になっているのも納得出来るような……  そんな一品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-07 15:13:55)
15.  プルーフ・オブ・ライフ 《ネタバレ》 
 誘拐を題材にした映画としては、かなり良く出来ていると思います。   ヒロインの旦那が拉致される場面は緊迫感があるし、人質が拘束されている粗末な小屋の描写なんかも良い。  最初の交渉人フェルナンデスが頼りない男であった分だけ、主人公のテリーが彼に代わって交渉する姿が、非常に頼もしく思えた辺りなんかも「上手いなぁ」と感心させられましたね。  終盤の武力突入による人質奪還シーンも迫力があり、そこは大いに満足です。   で、難点はというと……やっぱり「主人公とヒロインとが不倫する場面」って事になっちゃいますね、どうしても。  これに関しては、現実にラッセル・クロウとメグ・ライアンが不倫関係に陥ってしまったというスキャンダラスな側面もあり、映画の中だけの話として割り切って語るのは難しいのですが「映画単品で評価したとしても、この要素はいらない」という結論になる気がします。   そもそもヒロインの旦那が善人なので、不倫している二人に全く共感出来ないんですよね。  人質となり、過酷な状況の中でも、妻の写真を心の支えに生き延びようとする旦那の姿が描かれているのに、肝心の妻は他の男との許されぬロマンスを繰り広げているだなんて「ひでぇ話だ」と呆れちゃいます。  せめて関係を匂わせる程度で終わってくれたら良かったのに、ご丁寧にキスシーンまで挟んであるもんだから、決定的に幻滅。  試写会の段階ではキスどころか、もっとあからさまなベッドシーンまであったとの事ですが、それが本当なら「そりゃカットして正解だよ」という感想しか出て来ないです。   あるいは、命を懸けて人質を救出してみせた後「貸し借り無しだ」とヒロインに微笑んで見せるという「一度きりのキスの借りを返す為に、命を張った主人公」の恰好良さを描こうとしたのかも知れませんが、どうも受け入れ難いものがありましたね。  ラッセル・クロウも、メグ・ライアンも好きな俳優さんであるだけに、今作の二人が魅力的に思えなかった事が、非常に残念。    「父親に対し、敬語で話す息子」の存在が印象的で、最後は父子の和解で終わるのかなーって予想していたのに、それが外れちゃったのも寂しいですね。  ヒロインが流産していた過去が、単なるお涙頂戴のエピソードで終わっておらず、人質奪還の際の伏線になっている事には感心させられただけに、この「敬語で話す息子」の伏線も綺麗に回収して欲しかったなぁって、つい思っちゃいました。  酷な言い方をするなら「不倫するような男だから、息子も心を開かないんだよ」って事になっちゃいますし……やはり、どう考えても不倫の件は不要だったかと。   映画に道徳を求める方が変だし、どんなに不道徳でも面白ければそれで良いんですけど、本作みたいな描き方だと「主人公とヒロインが嫌な奴等に思えてくる」→「面白さが損なわれる」って形になっちゃう気がするんですよね。  傑作と呼べそうな部分も感じさせただけに、惜しい一品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2018-07-24 19:48:01)
16.  フレフレ少女 《ネタバレ》 
 文学少女が高校球児に恋をして、少しでも彼に近付く為に応援団に入る。  そんな導入部を経て、以降は「部活物」映画お約束の「挫折→修行→成功」の流れを辿ってくれるという、安心して楽しめる一品でしたね。   団長に任命されるまでの流れが強引だとか、ヒロインが恋した球児が転校までするのは不自然だとか、物語としての欠点と呼べそうな部分は沢山ある。  「GWに合宿やっただけで一人前の応援団になれる」「彼女達が応援したら、卓球部も柔道部も将棋部も、関東大会で優勝出来る」など、ツッコみを入れたくなる部分も沢山ある。  それでも、上述の通り王道の魅力をしっかりなぞる形になっているので、細部に粗があったとしても、全体としては綺麗に纏まっていたんじゃないかな、と思えました。   特に、序盤にて「即席応援団」のダメダメっぷりを見せ付けられた後、彼らが「立派な応援団」に成長した姿を見せてくれる展開とか(ベタだけど、やっぱり良いなぁ……)って、しみじみ感じちゃうんですよね。  ヒロインが一人前の「団長」になった事を「眼鏡を外す」という形で、視覚的に分かり易く表現している辺りも良い。  合宿にて、最初は練習がキツくて食事も喉を通らなかったのに、後半には皆して食欲に満ちていて、次々に皿を空にしちゃう演出なんかも、気持ち良いものがありました。   中でも一番好きなのが、夜明け前の海を、皆で座って眺める場面。  特に気の利いた台詞がある訳ではなく、本当に黙って海を見つめているだけなんだけど、何となく「青春」って感じがして、心に残るものがあるんですよね。  その直前にある「応援団を続ける意味」について皆が言い争う場面も、演技は稚拙かも知れないけど、熱意は確実に伝わってくる。  その不器用さ、未熟さが、泥臭い魅力を生み出しているように思えました。   「野球部は、応援団よりもっと厳しい練習をしている」という一言により、その野球部が快進撃を繰り広げる様を、素直に応援出来た事も大きかったですね。  この一言が有るか無しかによって、かなり印象が変わっていた気がします。  それだけに、最後の逆転サヨナラ3ランの場面は、もっと「野球物」としての魅力も感じられる演出に出来ないものかという不満もあるんですが……映画としては、その後の「応援団と野球部の和解」「エール交換」をクライマックスとした作りである為、仕方の無いところでしょうが。   肝心の応援シーンにて、ヒロインの声が思いっきり裏返っているのは「ちょっと無理し過ぎていて、痛々しい」と感じられたし、最後に学ランからセーラー服に戻って終わりというのも、拍子抜けな結末ではあります。  でも「軽い」「明るい」「爽やか」な青春映画としては、このくらいの、粗も見つかるくらいの出来栄えの方が、かえって愛嬌を感じられて、良いのかも知れませんね。   「良い」「悪い」ではなく「好き」か「嫌い」かで判断して、この映画は好きだと結論付けたくなるような……そんな好ましい映画でありました。
[DVD(邦画)] 6点(2018-03-21 03:40:35)(良:1票)
17.  プライベート・ベンジャミン 《ネタバレ》 
 展開上「好きな時に除隊出来る」という前提は覆されるだろうと思っていましたが「そんな約束を信用したの?」と一言だけで片付けられたのには吃驚。  今も昔も、こんな詐欺同然のやり口がまかり通って、しかも「騙される方が悪い」となったりするんだから恐ろしい話だなぁ……なんて、映画の本質とは関係無い部分で、つい考え込んでしまいました。   すぐ近くにある煙草やマッチを取ってくれと命じる父親、平気でメイドと浮気する恋人など「男性の傲慢さ」「女性を見下している感じ」は上手く描かれていたと思いますし、それらが伏線として機能している脚本は、お見事。  ただ、本作にはどうしても「女性の自立を描いた映画」としてより「軍隊映画」として観た方が面白い、なんて印象も受けちゃいましたね。   過保護で支配的な両親への反発から、落ちこぼれだったベンジャミン二等兵がキッと目の色変えて生まれ変わり、逞しい兵士へと成長していく。  その過程が魅力的であっただけに、訓練学校を卒業して以降の展開は、蛇足に思えてしまいました。   優等生のウインターや、ルイス大尉が憎まれ役のまま終わるというのも、ちょっと寂しい。  特に後者に関しては、作中での認識ほど「嫌な上官」とは思えなかったのですよね。  シャワーに悪戯して仕返しする件なんて「そこまでやらなくても……」と、彼女の方に同情しちゃったくらいです。  勤務先のパリで彼女と再会し(さぁ、どうなる?)と期待したのに「恋人の男性が共産主義者であると難癖を付けられた」程度で終わりというのも、流石に拍子抜け。  ベタかも知れませんが、対立していた彼女達にも「一人前の兵士」として認められ、分かり合う展開の方が、カタルシスがあって良かったんじゃないかなと、つい考えてしまいました。   ラストにて、不貞を働いた恋人を殴って終わるのは痛快であり「良くぞやった!」という感じ。  色々と不満点もあるんですが、主演のゴールディ・ホーンを眺めているだけでも楽しいし、終わり方も気持ち良いしで、それなりの満足感を得られた映画でした。
[DVD(字幕)] 6点(2017-10-09 10:06:40)(良:2票)
18.  プロゴルファー織部金次郎 《ネタバレ》 
 正直、武田鉄矢という人は苦手だったりもするのですが、これはスッキリした娯楽作品として、素直に楽しむ事が出来ました。   極道やら賭け事やらの要素が詰め込まれ、あと一歩で陰鬱な路線に傾きそうなところを、きちんと踏み止まり、明るく仕上げている。  基本的には人情噺なのですが、主人公がトーナメントを勝ち抜いていく爽快感も描かれている為、スポーツ物としての魅力も備わっていましたね。   ゴルフの知識が無くても分かるよう、ヒロインの桜子さんを通じて専門用語について解説したり、修造親分を通じて「ゴルフが上手くなる方法」を教えてみせたりと、初心者にも経験者にも配慮した作りとなっている事にも感心。  バックスピンの描写が大袈裟なのも、映画的なハッタリとしては有りだと思うし「行け、行け! 池?」などの駄洒落が散りばめられているのも、微笑ましくて良かったです。   不満点としては、主人公の娘達が最後に登場せず、ちょっと扱いが中途半端に思えた事でしょうか。  終盤は修造親分の死にスポットを当てていた為、そちらに専念した形なのでしょうけど「父さんはお酒ばかり飲んで、ゴルフの練習しないから、一生試合に勝てない」という言葉を覆す活躍をしてみせた訳だから、それに対する娘達の反応も知りたかったところです。  それと、狸の食べ物を主人公が横取りしたシーンは、ちゃんと謝る描写も欲しかったですね。  些細な事ですが、そういう描写が有るか無しかによって、主人公に対する好感度が大きく変わってくるように思えます。    ラストホールにて、修造親分の幻影が現れる件は感動的であり、涙腺が緩みかけたのですが、一度で終わらせずにその後何度も出てくるもんだから、ちょっとやり過ぎに感じられたのも残念。  基本的には好きな描写ですし、良かったと思うのですが、一度きりの登場でビシッと締めてくれた方が、より好みだったかも。    特筆すべきは、何といってもエンディング曲の素晴らしさですね。  「いつか観た映画みたいに」って、ゴルフとは全然関係無い歌詞だったりもする訳ですが、そんなの吹き飛ばしちゃうような力がある。  良い映画と、凄く良い曲、両方を満喫させてもらいました。
[DVD(邦画)] 6点(2017-05-29 20:35:00)
19.  ブリタニー・マーフィ in 結婚前にすべきコト 《ネタバレ》 
 男性目線のラブコメが好きなので「邦題に反して男達が主役の映画である」という情報を元に観賞。   まさか、ここまでラブコメ要素が希薄とは予想だにしておらず、流石に驚きましたね。  マリッジブルーな主人公と、それぞれ悩みを抱える男友達連中が自らの人生と向き合い、前身してみせるというお話で、どちらかといえば青春映画といった趣きの一品でした。   その「男友達連中」に、様々なタイプの人物が配されており「これから結婚して父親になる主人公」の他にも「既に結婚して父親になっている男」「父親になれない男」「男しか愛せない男」「結婚出来そうもない男」と、非常にバラエティ豊かな面子が揃っています。  この映画の良いところは、そんな風にタイプの異なる男達が、全員エンディングにて、冒頭よりも幸せになっている事でしょうね。  結婚しても、父親になっても、父親になれなくても、男しか愛せなくても、結婚出来なくても、人は幸せになれるのだというメッセージが伝わって来て、とても温かい気持ちになれました。   「男と女の間に友情は成立しない」なんて言葉があるけど、この映画では「同性愛者の男性と、異性愛者の男性の間に友情が成立している」という形なのも、興味深い。  自分の友達がゲイだと知り「やっぱり男同士のカップルだと、女みたいに面倒な事を言い出さないから楽なのか?」と質問するも「そんなに簡単じゃない。男女のカップルと同じ」と素っ気無く答えられるシーンなんか、妙なリアリティがありましたね。   終盤にて「絶縁状態だった父との和解」「無精子症である事を妻に告白」という感動的な場面があり、個々のエピソードとしては中々良かったと思うのですが、話の流れとして「あるがままの自分を相手に受け入れてもらう場面」が二つ続いている形になっており、そこは少し残念。  また「結婚出来そうもない男」がストーカー紛いの行動を繰り返し、最後も「元恋人(あるいは、その弟)の車のシートに小便する」なんて悪戯で溜飲を下げて終わる辺りも、流石にドン引きです。  作り手としては「感動だけでなく、こういった馬鹿々々しいコメディタッチな結末を迎えるエピソードもあった方が良い」と判断したのかも知れませんが、自分としては笑えなかったし、折角のハッピーエンドに水を差されたような気分。   それでも、結婚式当日にて、悩みを乗り越えた皆が楽しそうな笑顔になっている姿を見ると「良いなぁ……」と、しみじみ思えましたね。  登場人物が幸せになる姿を、ゆっくりと見守る事が出来る、優しい映画でありました。
[DVD(吹替)] 6点(2017-04-26 04:55:05)
20.  ブッチャー・ボーイ 《ネタバレ》 
 冒頭、大人になった主人公が子供時代の過ちを振り返る形式で映画は進んでいく訳ですが「僕とジョーの友情に首を突っ込んだ夫人が悪い」って、全然反省していない辺りが凄い。   この主人公、殺人の被害者となった夫人以外にも、他所者を「田舎っぺ」「ブタより醜い」と見下していたりして、とかく感情移入を拒む存在なのですよね。  そんな彼に呆れかえっていたはずなのに、観ている内に段々と感情移入させてしまうのだから、作り手の上手さを感じます。  父母を失うだけでなく「血の兄弟」「唯一で最高の友ジョー」と語り、大切にしていた親友からも絶交されてしまう主人公。  そんな彼は八つ当たりのように凶行に至る訳ですが、それが完全な狂気によるものとは思えず、一応主人公なりに理屈は通っているなと納得させられてしまうのだから、これはもう恐ろしい映画です。   少年愛嗜好があると思しき神父に、性的悪戯を受けそうになるシーンでは、逆襲してみせた彼にスカッとさせられたし「ジョーにウソを言わせた」事が何よりも許せないと怒るシーンでは、ついつい彼に肩入れしてしまう。  そんな具合に、巧みに感情移入させた上で主人公に「人殺し」をさせてしまう訳だから、観ているこちらまで罪悪感を抱いてしまうのですよね。   「エイリアンの侵略」「原爆による世界の終わり」「父母の美しい思い出を否定する現実」など、彼が殺人を犯したキッカケを大量に用意してみせて、その凶行に説得力を持たせているのも上手い。  上手いんだけど……それによって「殺人犯になるまでを疑似体験出来る映画」という形になっている訳だから、後味の悪さは折り紙付きです。   上述の通り、主人公には反省の色が全く窺えません。  ラストにおいても「もう悪党ではないで賞」を取ったから釈放された、としか感じていないのです。  「トラブルは、もう結構」という独白からするに、今後彼が犯罪に手を染める可能性は低いと思われます。  それでも、彼は許されるのだろうか、自分が殺した夫人に対して「悪い事をした」「可哀想だ」と考えたりする事は無いのだろうか、と非常に悲しい気持ちに襲われましたね。   聖母マリアが彼に渡した花、スノードロップの花言葉は「希望」そして「慰め」。  果たして彼に「希望」を与えるべきなのか、彼を「慰め」るのが正しい事なのか、と観る者に考えさせてくれる。  様々な意味で、問題作と呼ぶに相応しい一品でありました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2016-12-15 22:48:18)(良:1票)
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